総合型選抜で受かりやすい大学は?評定の基準なし・共通テスト不要と倍率【学長監修】

総合型選抜で受かりやすい大学は?評定の基準なし・共通テスト不要と倍率 受験の知識

総合型選抜(旧AO入試)で受かりやすい大学を探す人に向けて、「受かりやすい」の中身を分けて考え、自分で大学を絞るための材料をまとめました。全国の合格率は文部科学省の統計から、出願の条件は各大学の2027年度入試(2027年4月入学)の募集要項から、志願者数・合格者数は各大学が公表した2026年度入試の結果から引き、倍率はこの記事で計算しています。対象は、このサイトで大学別に解説している59校です。どの大学が受かりやすいと順位をつけることはせず、評定・共通テスト・併願の条件と、志願者数・合格者数を表にして並べました。探す時の落とし穴と、自分に合う大学の選び方の手順も説明します。

総合型選抜で受かりやすい大学とは(3つの意味)

総合型選抜で受かりやすい大学を探す前に 要点
国公立大学の合格率
31.3%
合格者数÷志願者数(令和7年度・延数)
私立大学の合格率
51.7%
同じ計算。2人に1人ほどが合格
評定の基準なし・共通テスト不要で併願できる私立
25校
このサイトの59校のうち。一部の方式だけの大学を含む
2026年度 私立の倍率の幅
1.1〜13.0倍
志願者数÷合格者数。この記事の表の範囲
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」、各大学の2027年度入試(2027年4月入学)の募集要項と、各大学が公表した2026年度入試(2026年4月入学)の結果による。大学ごとの出典は大学別の記事に記載。合格率と倍率はこの記事で計算した値

「総合型選抜で受かりやすい大学はどこか」という問いには、一つの答えがありません。「受かりやすい」が何を指すかで、見るべき資料が変わるからです。

「受かりやすい」の3つの意味と、確かめる資料
意味具体的には確かめる資料見落としやすい点
出願条件が軽い評定平均の基準がない、共通テストを使わない、他大学と併願できる大学の募集要項(出願資格・選考方法)英語資格や活動の実績など、別の条件がある方式が多い
合格者の割合が高い志願者数に対して合格者数が多い(倍率が低い)大学が公表する入試結果倍率の計算方法が大学で違う。年度で変わる
自分の強みと合う選考方法(書類・面接・小論文・筆記・プレゼン)が自分の得意と重なる募集要項の選考方法とアドミッション・ポリシー条件が軽くても、選考で求められる力が合わなければ受からない

1つ目と2つ目は、表にして比べられます。この記事の前半で、その表を作りました。3つ目は人によって答えが違います。後半の手順で、自分に合う大学を絞る方法を説明します。

総合型選抜の難易度は、偏差値のような一つの数字では表せません。選考は書類・面接・小論文などの組み合わせで、大学ごとに中身が違うためです。難易度を考える時は、倍率と出願条件と選考方法を、方式ごとにそろえて見ることが大切です。

総合型選抜の仕組みそのものは総合型選抜とは、大学ごとの条件の全体は総合型選抜の大学一覧にまとめています。

全国の合格率はどのくらいか(要点)

文部科学省の令和7年度の統計から計算すると、総合型選抜の合格率(合格者数÷志願者数)は、国公立大学31.3%、私立大学51.7%、全体で49.5%1です。志願者数と合格者数は延数(1人が複数の大学・学部に出願すれば1、その数だけ数える)なので、一人ひとりが合格する確率ではありません。

総合型選抜の合格率(合格者数÷志願者数・令和7年度)
国立大学
30.9%
公立大学
32.6%
私立大学
51.7%
全体
49.5%
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(令和7年11月26日)の資料「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」。合格率はこの記事で計算した値(小数第2位を四捨五入)

全国の平均は多くの大学・学部・方式をまとめた数字なので、志望する大学の難しさは、大学が公表する方式ごとの志願者数と合格者数で確かめます。統計の中身、倍率の3つの種類と計算方法は、総合型選抜の倍率と合格率の記事で説明しています。

評定・共通テストが不要で併願できる大学の一覧

ここからは、1つ目の意味「出願条件が軽い」で大学を絞ります。このサイトで解説している59校(国公立18校・私立41校)から、次の3つの条件を満たす方式がある大学を抜き出しました。

この節で抜き出した条件(2027年度入試の募集要項)
出願資格に、全体の評定平均値の基準が書かれていない
選考に大学入学共通テストを使わない
他大学と併願できる(専願ではない)
各大学の2027年度入試(2027年4月入学)の募集要項による。大学ごとの出典は大学別の記事に記載

条件を満たすのは、その大学のすべての方式とは限りません。表の「当てはまる方式」に書いた方式だけが該当します。

どの方式にも評定の基準がない私立大学(11校)

次の大学は、総合型選抜のどの方式にも評定平均の基準が要項に書かれていません。そのうえで、共通テストを使わず、他大学と併願できる方式があります。

大学当てはまる方式出願で気をつけること
学習院大学AO(総合型選抜)国際社会科学部・国際文化交流学部は英語資格が必要
武蔵大学総合型選抜入試(社会学部のゼミ力重視方式は専願)多くの方式で英語などのスコアが出願条件
武蔵野大学総合型選抜 Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期Ⅱ期は基礎学力検査と面接で選考
日本女子大学総合型選抜9学科で外国語検定試験のスコアなどが出願条件
帝京大学総合型選抜 Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期(医学部以外)大学独自の基礎能力適性検査がある
帝京平成大学実る学び入試・小論文入試複数の日に受験できる
南山大学総合型入試(学内は1学科・1試験型だけ)資格・検定試験活用型は英語などの基準スコアが条件
大正大学総合型選抜 Ⅱ期・Ⅲ期(Ⅰ期は専願)Ⅲ期は基礎確認テスト(英語と国語。情報科学部は英語と数学)がある
神奈川工科大学適性検査方式(併願型)・併願2科目方式ほかの方式は専願。調査書はすべての方式で提出
産業能率大学AO方式Ⅲ期・MI方式ほかの方式は本学を第一志望とする専願
東洋大学基礎学力テスト型AO型推薦・自己推薦は専願

一部の方式で評定の基準がない私立大学(14校)

次の大学は、評定の基準がある方式とない方式が分かれています。基準がなく、共通テストを使わず、併願できるのは表の方式です。

大学当てはまる方式出願で気をつけること
神奈川大学適性検査型出願の基準はないが、評定平均値を10倍した値(50点満点)が得点に入る
國學院大學公募制自己推薦(AO型)一部の学科は英語検定などのスコアが必要
中央大学法学部・経済学部・商学部の各方式、文学部の一部の専攻すべて自由応募制。出願できるのは1学科(文学部は1専攻)
立教大学自由選抜入試の経済学部・社会学部など自由選抜入試の中は1学科だけ。英語資格の条件は別にある
成城大学文芸・法・社会イノベーション学部文芸・社会イノベーション学部は英語外部検定が条件
東京女子大学知のかけはし入学試験 数学的思考力型ディスカッション型は評定3.7以上
同志社大学商学部のAO入試TEAP 280点以上などの英語資格が出願条件。募集人員は10名
玉川大学総合型入学審査 Ⅲ期Ⅰ期・Ⅱ期は専願で、3.0〜3.5以上か資格・検定の基準
共立女子大学基礎力判定方式共立リーダーシップ方式は専願
明治大学自己推薦特別入試 理工学部 電気電子生命学科機械情報工学科・建築学科などは評定の条件がある
法政大学法学部国際政治学科・情報科学部・GISの自己推薦入試国際政治学科とGISは英語資格のスコアが必要。情報科学部は数学Ⅰ〜Ⅲ・A〜Cの履修が条件
麗澤大学選択テーマ発表方式・課題問題方式・一般R日程の併願型選択テーマ発表方式は評定が加点の対象。多くの方式は専願型
東京農業大学総合型選抜 生物産業学部〔併願方式〕募集人員は各学科3人。多くの方式は第一志望で入学が前提
青山学院大学自己推薦 文学部英米文学科実用英語技能検定準1級以上などの英語資格が条件

慶應義塾大学の法学部FIT入試A方式や総合政策・環境情報学部のAO入試、明治学院大学の自己推薦AO入学試験の一部の学科、立命館大学のAO選抜入学試験の多くの方式も、評定の条件がなく共通テストを使いません。ただし、3校とも第一志望が条件で、合格したら入学することが前提です。他大学との併願はできますが、表の「併願できる」とは扱いを分けました。

共通テストを使わない国公立大学の方式(11校)

国公立大学は、共通テストを使う方式と使わない方式が、同じ大学の中でも分かれます。共通テストを使わない方式の多くは、合格したら入学することが出願の条件です。

大学共通テストを使わない方式評定の条件専願・併願
筑波大学アドミッションセンター入試(AC入試)要項に記載なし出願は1つの学類・専門学群だけ
北海道大学フロンティア入試 TypeⅡ数値の基準は記載なし(医学部医学科・歯学部は学習成績概評A)専願
東北大学AO入試 II期学習成績概評がA段階合格したら入学することが出願要件
千葉大学教育学部方式Ⅱ・理学部・工学部物質科学コースの総合型選抜総合型選抜は要項に記載なし教育学部は入学の確約が要件
弘前大学総合型選抜Ⅰ要項に記載なし入学の確約が出願要件
横浜国立大学教育学部・建築学科の総合型選抜教育学部は3.5以上入学の確約が要件
名古屋大学理学部 化学科・生命理学科の総合型選抜記載なし(生命理学科は研究やコンテストなどの実績が要件)合格したら入学することが条件
神戸大学「志」特別選抜(2027年度入試が最後)学部による(文学部・法学部などは4.0以上)専願
島根大学総合型選抜Ⅰ「へるん入試」記載なし(専門高校入試の一部は学習成績概評A段階)入学の確約が出願要件
大阪公立大学教育福祉学類・海洋システム工学科の総合型選抜数値の基準なし入学の確約が要件
九州大学総合型選抜Ⅰ(共創学部・教育学部)基準なし第1志望または入学の確約が前提

京都大学の特色入試と大阪大学の総合型選抜は、全学部で共通テストが必要です。お茶の水女子大学の新フンボルト入試は、共通テストの受験が必要ですが、成績は合否に影響しないとされています。

評定の条件がない=評定を見ない、ではありません

評定の条件がない方式でも、調査書はどの大学でも提出し、書類審査の材料になります。神奈川大学の適性検査型のように、出願の基準はなくても評定平均値が得点に加わる方式もあります。評定の数え方は評定平均とはで説明しています。

併願の組み立て方は総合型選抜の併願、すべての大学の条件は総合型選抜の大学一覧で確かめられます。

2026年度入試の倍率(志願者数と合格者数)

次に、2つ目の意味「合格者の割合が高い」を、各大学が公表した2026年度入試(2026年4月入学)の結果で見ます。このサイトの大学別の記事に、大学全体か、複数の学部・学科にまたがる入試の区分全体の志願者数・合格者数の合計が載っているものを並べました。

学部ごとの数字しかない大学(関西大学・國學院大學など)や、1つの学部だけの入試(早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試など)は入れていません。

「志願者数÷合格者数」は、出願した人のうち何人に1人が最終的に合格したかを表します。この記事で計算した値で、小数第2位を四捨五入しています。大学が公表している倍率は、受験者数で割るもの、募集人員で割るものなど計算方法が違うため、別の列に書きました。

私立大学(24方式)

大学方式志願者数合格者数志願者数÷合格者数大学公表の倍率など
大正大学総合型選抜 専願3433081.1倍1.1(受験者数÷合格者数)。志願者数は一次審査の志願者数
共立女子大学共立リーダーシップ方式2642191.2倍表に倍率の記載なし
関西学院大学スポーツ選抜2701921.4倍―
大正大学総合型選抜 併願91641.4倍1.3(受験者数÷合格者数)
共立女子大学基礎力判定方式5242961.8倍表に倍率の記載なし
西南学院大学総合型入試2891462.0倍―
国士舘大学AO選抜Ⅰ期1,7989072.0倍2.0(受験者数÷合格者数)
武蔵野大学総合型選抜Ⅰ期(21学科の合計)1,4927442.0倍学科別に1.2〜4.9(受験者数÷合格者数)
日本女子大学総合型選抜1,0124472.3倍表に倍率の欄なし
武蔵大学総合型選抜(大学合計)8273182.6倍―
関西学院大学グローバル242932.6倍―
明治学院大学自己推薦AO入学試験1,0263912.6倍学科別に1.0〜6.7(志願者数÷合格者数)
近畿大学総合型選抜(全体)1,0053782.7倍―
関西学院大学探究評価型227842.7倍―
同志社大学自己推薦入学試験5882112.8倍―
立命館大学AO選抜入学試験(総計)1,8566542.8倍―
武蔵野大学総合型選抜Ⅱ期(21学科の合計)9583073.1倍学科別に1.7〜9.4(受験者数÷合格者数)
国士舘大学AO選抜Ⅱ期5201653.2倍3.0(受験者数÷合格者数)
関西学院大学学部特色4651443.2倍―
青山学院大学自己推薦(5学科の合計)6741733.9倍―
神奈川大学総合型選抜 総合評価型1,3613374.0倍表に倍率の欄なし
神奈川大学総合型選抜 適性検査型3,4917594.6倍全体4.2(受験者数÷合格者数)。学科別に2.0〜11.1
立教大学自由選抜入試(全体)2,6125085.1倍―
早稲田大学地域探究・貢献入試2722113.0倍共通テストの基準を満たした人が最終合格
私立大学の総合型選抜 志願者数÷合格者数(2026年度入試)
大正大学 総合型選抜 専願
1.1倍
共立女子大学 共立リーダーシップ方式
1.2倍
関西学院大学 スポーツ選抜
1.4倍
大正大学 総合型選抜 併願
1.4倍
共立女子大学 基礎力判定方式
1.8倍
西南学院大学 総合型入試
2.0倍
国士舘大学 AO選抜Ⅰ期
2.0倍
武蔵野大学 総合型選抜Ⅰ期(21学科の合計)
2.0倍
日本女子大学 総合型選抜
2.3倍
武蔵大学 総合型選抜(大学合計)
2.6倍
関西学院大学 グローバル
2.6倍
明治学院大学 自己推薦AO入学試験
2.6倍
近畿大学 総合型選抜(全体)
2.7倍
関西学院大学 探究評価型
2.7倍
同志社大学 自己推薦入学試験
2.8倍
立命館大学 AO選抜入学試験(総計)
2.8倍
武蔵野大学 総合型選抜Ⅱ期(21学科の合計)
3.1倍
国士舘大学 AO選抜Ⅱ期
3.2倍
関西学院大学 学部特色
3.2倍
青山学院大学 自己推薦(5学科の合計)
3.9倍
神奈川大学 総合型選抜 総合評価型
4.0倍
神奈川大学 総合型選抜 適性検査型
4.6倍
立教大学 自由選抜入試(全体)
5.1倍
早稲田大学 地域探究・貢献入試
13.0倍
各大学が公表した2026年度入試(2026年4月入学)の結果による。大学ごとの出典は大学別の記事に記載。値はこの記事で計算した志願者数÷合格者数

もっとも低い大正大学の総合型選抜 専願は1.1倍、もっとも高い早稲田大学の地域探究・貢献入試は13.0倍3でした。同じ大学でも、方式によって数字が大きく違います。関西学院大学はスポーツ選抜が1.4倍、探究評価型が2.7倍、学部特色が3.2倍でした。武蔵野大学はⅠ期が2.0倍、Ⅱ期が3.1倍です。

同じ方式の中でも、学科ごとの差は大きくなります。神奈川大学の適性検査型は、全体の大学公表の倍率が4.2でしたが、学科別では理学部の生物コースなどの2.0から経済学部現代ビジネス学科の11.1まで開いています。

国公立大学(10方式)

大学方式志願者数合格者数志願者数÷合格者数大学公表の倍率など
弘前大学総合型選抜Ⅰ4502711.7倍1.6(志願者数÷募集人員)
弘前大学総合型選抜Ⅱ3411722.0倍2.1(志願者数÷募集人員)
北海道大学フロンティア入試3171063.0倍―
東北大学AO入試III期1,2093973.0倍―
九州大学総合型選抜(Ⅰ・Ⅱ)8022323.5倍―
千葉大学総合型選抜(全体)5161423.6倍―
岡山大学総合型選抜(全体)6671674.0倍志願倍率4.1(志願者数÷募集人員)
東北大学AO入試II期1,3412984.5倍―
横浜国立大学総合型選抜(全体)8451824.6倍4.6(受験者数÷合格者数)
筑波大学アドミッションセンター入試343369.5倍―
国公立大学の総合型選抜 志願者数÷合格者数(2026年度入試)
弘前大学 総合型選抜Ⅰ
1.7倍
弘前大学 総合型選抜Ⅱ
2.0倍
北海道大学 フロンティア入試
3.0倍
東北大学 AO入試III期
3.0倍
九州大学 総合型選抜(Ⅰ・Ⅱ)
3.5倍
千葉大学 総合型選抜(全体)
3.6倍
岡山大学 総合型選抜(全体)
4.0倍
東北大学 AO入試II期
4.5倍
横浜国立大学 総合型選抜(全体)
4.6倍
筑波大学 アドミッションセンター入試
9.5倍
各大学が公表した2026年度入試(2026年4月入学)の結果による。大学ごとの出典は大学別の記事に記載。値はこの記事で計算した志願者数÷合格者数

国公立大学は、多くの方式が専願で、共通テストや評定の条件がある方式も含みます。弘前大学の総合型選抜Ⅰは志願者450人に対して合格者271人3でした。一方、筑波大学のアドミッションセンター入試は、志願者343人に対して合格者36人です。

倍率の数字は、自分では変えられない結果の数字です。ここに載っていない大学・学部の数字は、大学の公式サイトの「入試結果」などで確かめてください。調べ方は総合型選抜の倍率の記事で説明しています。

「受かりやすい大学」を探す時の落とし穴

出願条件が軽い、倍率が低い、という数字だけで出願先を決めると、思わぬところでつまずきます。2026年度入試の結果と2027年度入試の要項から、気をつけたい点を整理します。

落とし穴どういうことか実例(大学別の記事より)
出願要件で志願者が絞られている評定の条件がなくても、英語資格などの条件を満たした人どうしの競争になる武蔵大学は多くの方式で英語などのスコアが条件。日本女子大学は9学科で外国語検定などのスコアが条件
第1次選考で大きく絞られる倍率には書類の段階で不合格になった人も含まれる。書類の完成度が最初の関門立教大学社会学部は志願者339人のうち書類選考合格者53人。慶應義塾大学の総合政策学部AO入試は852人のうち第1次合格276人
専願の縛りがある合格したら入学することが条件。ほかの大学と組み合わせにくい関西学院大学の総合型選抜はすべて専願で、4方式の併願もできない。国公立の多くも入学の確約が要件
合格者が募集人員に届かない基準に達した人だけが合格する。志願者が少なくても全員が受かるとは限らない慶應義塾大学文学部は募集120名に対して最終合格者116人。弘前大学の機械科学科は志願者22人・合格者20人
共通テストの基準がある書類と面接を通っても、共通テストの基準に届かなければ合格できない早稲田大学の地域探究・貢献入試は2次選考合格者64人のうち、共通テストの基準を満たした21人が最終合格
年度で変わる志願者数・募集人員・方式が年ごとに変わる関西学院大学の学部特色は志願者が276名から465名に増えた。共立女子大学の基礎力判定方式は募集人員が59名から101名になった。神戸大学の「志」特別選抜は2027年度入試が最後
倍率の計算方法が違う受験者数÷合格者数、志願者数÷募集人員など、大学で計算が違う神奈川大学の適性検査型の4.2は受験者数÷合格者数。弘前大学の総合型選抜Ⅰの1.6は志願者数÷募集人員

「倍率が低い」は「準備が軽くてよい」ではない

倍率が低い方式でも、選考では書類・面接・小論文などが課されます。大正大学の総合型選抜(専願)は志願者343人に対して最終合格者308人でしたが、人間科学科や臨床心理学科では第一次審査の段階で人数が絞られています。

倍率が高い方式は、書類による第1次選考で絞られることが多くあります。どちらの場合も、合否を分けるのは書類と面接の中身です。落ちる人に多い準備の失敗は総合型選抜で落ちる人の特徴、受かる人との違いは総合型選抜で受かる人・落ちる人の違いで説明しています。

「受かりやすそう」と思った大学で確かめること
評定以外の出願条件(英語資格、活動の実績、卒業年度など)を満たしているか
第1次選考(書類)があるか。あれば何を見るか
専願か、他大学と併願できるか
共通テストを使うか。使う場合は基準があるか
合格者数が募集人員を下回ったことがあるか
倍率は何を何で割った数字か。何年度の数字か
前年度から方式や募集人員が変わっていないか

自分に合う大学の選び方(手順)

3つ目の意味「自分の強みと合う」は、表からは見つかりません。次の順に、自分の条件と大学の条件を重ねていきます。

総合型選抜で自分に合う大学を絞る手順
1
学びたいことを書き出す
学部・学科の候補を先に決める。倍率から入らない
2
アドミッション・ポリシーを読む
大学が求める学生像と、自分の経験が重なるかを見る
3
出願資格を確かめる
評定、英語資格、活動の実績などの条件を満たすか
4
選考方法を比べる
書類・面接・小論文・筆記・プレゼンのどれが課されるか
5
専願・併願と日程を並べる
第一志望と、併願できる方式の組み合わせを考える
6
過去の結果を見る
志願者数と合格者数を2〜3年分並べ、増減の幅を見る

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)は、大学が求める学生像を示したものです。読み方はアドミッション・ポリシーとはで説明しています。

自分の強みと選考方法を重ねる

選考方法は大学・方式ごとに違います。自分の強みが生きる選考方法の方式を探すと、出願先の候補が具体的になります。下の表は、2027年度入試の要項にある方式の例です。

自分の強み合いやすい選考方法方式の例(2027年度入試)
教科の基礎学力がある筆記試験・適性検査神奈川大学の適性検査型、東洋大学の基礎学力テスト型、武蔵野大学のⅡ期(基礎学力検査と面接)
評定平均が高い評定の基準がある方式も選べる東京女子大学のディスカッション型(3.7以上)、明治大学の文学部の自己推薦特別入試(3.5以上)
英語の資格を持っている英語資格が出願条件の方式学習院大学の国際社会科学部AO、南山大学の資格・検定試験活用型
続けてきた活動がある活動の実績を評価する方式愛知淑徳大学の活動実績入試、西南学院大学の活動実績型
文章で考えを伝えられる小論文帝京平成大学の小論文入試、国士舘大学のAO選抜(小論文・面接・書類審査)
人前で話すのが得意プレゼンテーション・グループワーク南山大学のプレゼンテーション型・グループワーク型

強みが見つからない時は、これまでの活動を時期ごとに書き出すところから始めます。経験の整理の仕方は自己PRの書き方、志望理由の組み立て方は志望理由書の書き方で説明しています。

第一志望と併願の組み合わせ

専願の方式は、合格したら入学することが条件です。第一志望を専願の方式で受けるなら、併願できる方式や一般選抜をどう組み合わせるかを先に決めておきます。出願の時期は総合型選抜の年間スケジュールで確かめられます。

文部科学省の実施要項は、総合型選抜でも学力の評価を行うよう大学に求めています2(文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第3の1(2))。共通テストを使う方式もあるので、総合型選抜だけに絞らず、教科の学習も続けておくと出願先の幅が広がります。

大学の絞り込みや書類の準備を一人で進めにくい時は、学校の先生に相談するほか、塾を使う方法もあります。塾が助けになる人となくても進められる人の違い、選ぶ時に確かめることは、総合型選抜の塾は行くべきかの記事にまとめています。

よくある質問

Q. 評定平均が3.0台でも出願できる総合型選抜はありますか?
A. あります。2027年度入試の例では、愛知淑徳大学の3つの入試は3.0以上、玉川大学のⅠ期・Ⅱ期は3.0〜3.5以上か資格・検定で満たす基準、近畿大学の理工学部は全体3.0以上(学科ごとの教科の条件もある)です。評定の基準がない方式は、この記事の表にまとめています。
Q. 合格者が募集人員より少ない方式があるのはなぜですか?
A. 多くの大学が、基準に達した人だけを合格にしているためです。2026年度入試では、慶應義塾大学の文学部が募集120名に対して最終合格者116人、九州大学の経済学部が募集22人に対して合格者13人でした。京都大学の特色入試のように、欠員を一般選抜の募集人員に回す大学もあります。志願者が少なくても、全員が受かるとは限りません。
Q. 総合型選抜で落ちやすい(倍率が高くなりやすい)方式には、どんな特徴がありますか?
A. 書類の第1次選考で大きく絞る方式や、共通テストの基準がある方式は、志願者数に対する合格者数が少なくなりやすい傾向があります。募集人員が少ない方式は、年度による変動も大きくなります。2026年度入試では、立教大学社会学部の自由選抜入試が志願者339人に対して書類選考合格者53人、早稲田大学の地域探究・貢献入試が志願者272人に対して合格者21人でした。
Q. 専願の方式は、併願できる方式より受かりやすいですか?
A. 一概には言えません。2026年度入試の大正大学では、志願者数÷合格者数が専願1.1倍、併願1.4倍でした。一方、専願や入学の確約が条件の方式が多い国公立大学では、この記事の表の10方式のうち6方式が3.4倍以上です。専願は合格したら入学することが条件なので、倍率より先に、その大学が第一志望かどうかで判断してください。
Q. ネットで「受かりやすい」と紹介されている大学は、そのまま信じてよいですか?
A. 数字の年度と計算方法を確かめてから判断してください。倍率は、受験者数÷合格者数、志願者数÷募集人員など、大学によって計算が違います。方式や募集人員が翌年度に変わることもあります。出願を決める時は、大学の公式の入試結果と、その年度の募集要項で確かめます。
Q. 総合型選抜で受かりやすい大学を受けるなら、一般選抜の勉強はしなくてよいですか?
A. 続けておくことをすすめます。文部科学省の実施要項は、総合型選抜でも学力の評価を行うよう大学に求めており、共通テストや筆記試験を課す方式もあります。総合型選抜で不合格になった時に一般選抜で受け直せるよう、教科の学習は並行して進めてください。

まとめ

総合型選抜で受かりやすい大学を探す時は、出願条件が軽いか、合格者の割合が高いか、自分の強みと選考方法が合うかの3つに分けて考えます。全国の合格率は国公立大学31.3%、私立大学51.7%ですが、延数の数字で、志望校の難しさは表しません。

評定の基準がなく、共通テストを使わず、他大学と併願できる方式がある私立大学は、このサイトの59校のうち25校でした。ただ、英語資格などの別の条件、第1次選考、専願の縛り、年度による変化があります。倍率や条件の数字だけで決めず、学びたいことと選考方法が合う大学を、要項と過去の結果で確かめてください。

志望校と出願方式の組み合わせに迷う時は、無料相談で一緒に整理することもできます。

参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要文部科学省・2025-11-26
  2. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF
  3. 総合型選抜の大学一覧(各大学の2027年度入試の募集要項と2026年度入試の結果は大学別の記事に出典を記載)東京修学館

リンク先の確認日:2026-10-15

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