総合型選抜や学校推薦型選抜の倍率は、大学・学部・方式によって大きく違い、年度によっても変わります。この記事では、文部科学省の令和7年度(2025年4月入学)の統計と、各大学が公表している令和8年度入試(2026年4月入学)の志願者数・合格者数をもとに、倍率の実際と正しい読み方、倍率1倍・2倍・3倍の意味、倍率が低いのはなぜかを、東京修学館の家近亮子学長の監修で整理します。数字はすべて公式の発表に基づいています。
総合型選抜の倍率とは(3つの種類と計算方法)
この節の答え倍率には志願倍率・受験倍率・実質倍率の3つがあり、合格者が募集人員より少ない入試では合格者数で割った数字を見ます。
「倍率」と呼ばれる数字には3つの種類があり、どれを見ているかで意味が変わります。
| 種類 | 計算方法 | 分かること |
|---|---|---|
| 志願倍率 | 志願者数 ÷ 募集人員 | その入試にどれだけ人が集まったか |
| 受験倍率 | 受験者数 ÷ 募集人員 | 実際に受験した人の多さ |
| 実質倍率 | 受験者数 ÷ 合格者数 | 受験した人のうち、何人に1人が合格したか |
総合型選抜や学校推薦型選抜では、合格者数が募集人員より少なくなることがあります。そのため、募集人員で割った志願倍率だけを見ると、実際の合格の難しさを見誤ります。合格者数で割った数字を見ることが大切です。
この記事で大学ごとに示す数字は、上の3つとは別の「志願者数 ÷ 合格者数」です。大学が公表している志願者数と合格者数から計算しています。
第1次選考で不合格になった人も含めて、出願した人のうち何人に1人が最終的に合格したかを表す数字で、受験者数を使う実質倍率とは計算が違います。
総合型選抜の合格率はどのくらいか(文部科学省の統計)
この節の答え令和7年度の統計から計算した合格率は国公立大学31.3%、私立大学51.7%ですが、延数なので志望校の難しさは表しません。
「総合型選抜(旧AO入試)は何割が受かるのか」「落ちる確率はどのくらいか」を、全国の統計で見ます。文部科学省は、総合型選抜の入学志願者数と合格者数を、国立・公立・私立の別に公表しています。
国立・公立・私立の志願者数・合格者数と合格率(令和7年度)
文部科学省の資料「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」に、令和7年度(2025年4月入学)の入学者選抜の数字が載っています。資料に合格率の列は無いため、下の表の合格率は、合格者数を志願者数で割ってこの記事で計算した値です(小数第2位を四捨五入)。
| 区分 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率(合格者数÷志願者数) | 志願者数÷合格者数 |
|---|---|---|---|---|
| 国立大学 | 27,119人 | 8,386人 | 30.9% | 3.2倍 |
| 公立大学 | 7,157人 | 2,336人 | 32.6% | 3.1倍 |
| 国公立大学の計 | 34,276人 | 10,722人 | 31.3% | 3.2倍 |
| 私立大学 | 289,842人 | 149,783人 | 51.7% | 1.9倍 |
| 合計 | 324,118人 | 160,505人 | 49.5% | 2.0倍 |
志願者数を基準にすると、国公立大学ではおよそ3人に1人、私立大学ではおよそ2人に1人が合格しています。資料の総合型選抜の表には受験者数の列が無いため、受験者数を基準にした合格率は計算できません。
落ちる確率は「1 − 合格率」で読む
落ちる確率は、出願した人のうち合格しなかった人の割合です。上の表から計算すると、国公立大学は68.7%(100% − 31.3%)2、私立大学は48.3%(100% − 51.7%)です。
ただし、この数字は一人ひとりの落ちる確率ではありません。資料の注にあるとおり、志願者数と合格者数は延数です。
1人が複数の大学・学部に出願すれば、出願した数だけ志願者として数えられます。複数に合格した人も、合格した数だけ数えられます。
全国の平均は、志望校の難しさを表さない
全国の合格率は、多くの大学・学部・方式をまとめた平均です。志望する大学の難しさは分かりません。
この記事の大学別の表でも、国公立大学の志願者数を合格者数で割った値は、2倍台前半から9倍台まで開いています。京都大学 理学部の数理科学入試のように、志願者62人に対して合格者4人の方式もあります。
- 第1次選考で絞られる方式がある:志願者数には、書類による第1次選考で不合格になった人も含まれる。面接まで進んだ人の中での合格率は、志願者全体で計算した合格率より高くなる
- 出願要件で志願者が限られている:評定や資格、学校長の推薦などの要件を満たした人どうしの競争なので、合格率が高くても、求められる水準が低いとは限らない
- 方式ごとに公表される数字が違う:志望校の数字は、大学が公表する学部・方式ごとの志願者数と合格者数で見る
前年度の数字とは比べられない
文部科学省は、令和7年度から選抜区分の整理を改めたことと、外国人留学生を対象とする選抜を含めたことから、令和6年度の数値とは比較できないとしています。そのため、この記事では前年度との増減を扱いません。
数字は令和7年5月1日現在の集計です2。
合格率や落ちる確率を、書類・面接・学力の段階ごとの準備とあわせて考える時は、総合型選抜で受かる人・落ちる人の違いで説明しています。評定の基準や共通テストの有無、倍率で大学を絞る見方は総合型選抜で受かりやすい大学の探し方で説明しています。
出典
文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(令和7年11月26日)の資料「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」、Ⅱ.各選抜毎の実施状況〔総合型選抜〕。合格率と落ちる確率は、入学志願者数と合格者数からこの記事で計算した値です。
倍率1倍・2倍・3倍の意味(受かる確率の目安)
この節の答え合格者数で割った倍率が2倍なら2人に1人、3倍なら3人に1人が合格した計算で、令和7年度の統計では私立大学の計が1.9倍、国公立大学の計が3.2倍でした。
「倍率2倍」「倍率3倍」は、何人に1人が合格したかを表す言い方です。ただし、そう読めるのは、志願者数や受験者数を合格者数で割った倍率の場合です。募集人員で割った志願倍率からは、合格した人の割合は分かりません。
合格者数で割った倍率なら、1を倍率で割ると、合格した人の割合のおおまかな目安になります。
| 倍率(合格者数で割った値) | 何人に1人が合格したか | 合格した人の割合 | 合格しなかった人の割合 |
|---|---|---|---|
| 1倍 | 出願した人と同じ数が合格 | 100% | 0% |
| 1.5倍 | 3人に2人 | 約67% | 約33% |
| 2倍 | 2人に1人 | 50% | 50% |
| 3倍 | 3人に1人 | 約33% | 約67% |
| 4倍 | 4人に1人 | 25% | 75% |
| 5倍 | 5人に1人 | 20% | 80% |
| 10倍 | 10人に1人 | 10% | 90% |
上の表に当てはめると、令和7年度(2025年4月入学)の文部科学省の統計で志願者数÷合格者数が1.9倍だった私立大学の計は「2倍」の行に、3.2倍だった国公立大学の計は「3倍」の行に近い数字です。令和8年度入試(2026年4月入学)の大学別では、筑波大学のアドミッションセンター入試が9.5倍で、「10倍」の行に近くなります。
倍率1倍は「全員合格」という意味ではない
倍率が1倍に近い方式でも、出願すれば受かるとは限りません。国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜では、基準に届かない人は、志願者が少なくても不合格になります。
令和8年度入試では、京都大学 農学部 食品生物科学科と一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部は、どちらも志願者4人に対して合格者0人でした。
反対に、令和8年度入試の筑波大学 知識情報・図書館学類(推薦入試)は、志願者55人に対して合格者40人で、志願者数÷合格者数は1.4倍でした(この記事で計算)。志願者の多くが合格している方式ですが、推薦入試なので、学校長の推薦を受けた人だけが出願しています。
倍率が1倍台の方式は、出願できる人がどう絞られているかと合わせて読みます。
倍率2倍・3倍の読み方
2倍なら2人に1人、3倍なら3人に1人が合格した計算です。志願者数と合格者数から出した倍率には、書類の第1次選考で不合格になった人も含まれます。
第1次選考で多くが絞られる方式では、面接まで進んだ人の中での倍率は、表の数字より低くなります。
同じ3倍でも、書類で大きく絞る方式と、面接や小論文で差がつく方式とでは、準備の重点が違います。志望校の募集要項で、第1次選考と第2次選考で何を課すかを見て、倍率と合わせて読みます。
倍率から出した割合は、一人ひとりの受かる確率ではない
倍率から出した割合は、出願した人全体の結果です。一人ひとりの受かる確率は、書類・面接・小論文の出来や、共通テストの基準に届くかどうかで変わります。
文部科学省の統計は延数で、1人が複数の大学・学部に出願すれば、出願した数だけ数えられる点にも注意が要ります。受かる人と落ちる人がどこで分かれるかは、総合型選抜で受かる人・落ちる人の違いで説明しています。
総合型選抜で入学する人はどのくらいいるか(全国の統計)
この節の答え令和7年度に総合型選抜で入学した人は126,766人で入学者全体の19.5%、国立大学では7.7%、私立大学では22.8%です。
文部科学省が公表した令和7年度入学者選抜の実施状況によると、総合型選抜で大学に入学した人は126,766人で、入学者全体の19.5%でした。学校推薦型選抜は221,415人1で、全体の34.1%です。
| 区分 | 総合型選抜の入学者数(全体に占める割合) | 学校推薦型選抜の入学者数(全体に占める割合) |
|---|---|---|
| 国立大学 | 7,714人(7.7%) | 12,706人(12.7%) |
| 公立大学 | 2,183人(6.0%) | 9,732人(26.9%) |
| 私立大学 | 116,869人(22.8%) | 198,977人(38.8%) |
| 合計 | 126,766人(19.5%) | 221,415人(34.1%) |
総合型選抜を実施している大学は728大学で、全体の93.6%1にあたります。国立大学では入学者の7.7%にとどまる一方、私立大学では22.8%を占めており、国立大学のほうが募集人員の少ない入試であることが分かります。
出典
文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(令和7年11月26日)。文部科学省の発表ページで公開されています。令和7年度から選抜区分の整理が変わったため、前年度までの数値とは比較できないとされています。
国公立大学の志願者数・合格者数(令和8年度入試・公式データ)
この節の答え令和8年度入試で志願者数を合格者数で割った値は多くが2倍台後半から4倍台で、筑波大学のアドミッションセンター入試は9.5倍でした。
各大学が公表している令和8年度入試(2026年4月入学)の実績です。令和9年度入試(2027年4月入学)の結果は、各大学の合格発表のあとに公表されます。
右端の列は、志願者数を合格者数で割って計算した値で、受験者数を使う実質倍率ではありません(小数第2位を四捨五入)。大学名から、制度の詳しい解説記事に移動できます。
| 大学 | 入試 | 募集人員 | 志願者数 | 合格者数 | 志願者数÷合格者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京大学 | 学校推薦型選抜 | 100人程度 | 265 | 93 | 2.8倍 |
| 京都大学 | 特色入試(一般枠) | 191 | 635 | 142 | 4.5倍 |
| 京都大学 | 特色入試(女性募集枠) | 39 | 96 | 29 | 3.3倍 |
| 大阪大学 | 総合型選抜・学校推薦型選抜 | 384 | 1,083 | 316 | 3.4倍 |
| 東北大学 | AO入試II期 | ― | 1,341 | 298 | 4.5倍 |
| 東北大学 | AO入試III期 | ― | 1,209 | 397 | 3.0倍 |
| 北海道大学 | フロンティア入試 | 135 | 317 | 106 | 3.0倍 |
| 名古屋大学 | 学校推薦型選抜 | 368 | 960 | 369 | 2.6倍 |
| 名古屋大学 | 総合型選抜(理学部) | 25 | 59 | 15 | 3.9倍 |
| 九州大学 | 総合型選抜(Ⅰ・Ⅱ) | 254 | 802 | 232 | 3.5倍 |
| 九州大学 | 学校推薦型選抜 | 46 | 124 | 44 | 2.8倍 |
| 筑波大学 | アドミッションセンター入試 | 42 | 343 | 36 | 9.5倍 |
| 筑波大学 | 推薦入試 | ― | 1,683 | 551 | 3.1倍 |
| 一橋大学 | 学校推薦型選抜 | ― | 71 | 33 | 2.2倍 |
| 東京科学大学 | 総合型選抜(理工学系) | 225 | 890 | 218 | 4.1倍 |
| お茶の水女子大学 | 学校推薦型選抜 | 56 | 171 | 57 | 3.0倍 |
募集人員の「―」は、この表にまとめた単位での合計を記事で扱っていないものです。東京大学の募集人員は「100人程度」と公表されています3。一橋大学は5学部の出願者数と合格者数を合計しています。
令和8年度入試では、志願者数を合格者数で割った値は、多くの大学で2倍台後半から4倍台でした。筑波大学のアドミッションセンター入試は9倍を超えており、書類による第1次選考で大きく絞られます。
出典
東京大学「学校推薦型選抜 志願者数・合格者数」、京都大学「令和9年度特色入試学生募集要項」掲載の令和8年度結果、大阪大学「令和8年度総合型選抜・学校推薦型選抜実施状況」、東北大学「令和8年度AO入試選考状況」、北海道大学「令和8年度入学試験実施状況」、名古屋大学「令和9年度学校推薦型選抜学生募集要項」掲載の令和8年度結果、九州大学「令和8年度入学者選抜実施状況」、筑波大学「令和8年度入学試験実施結果」、一橋大学「令和8年度出願・選抜状況」、東京科学大学「令和8年度学士課程入学者選抜実施結果」、お茶の水女子大学「令和8年度学校推薦型選抜実施状況」。
同じ大学でも学部・方式で差が大きい
この節の答え京都大学理学部の数理科学入試は志願者62人に合格者4人で、合格者0人の学部もあり、志望する学部・方式の数字を見ます。
大学全体の数字だけでは、志望する学部の状況は分かりません。同じ大学の中でも、学部や方式によって大きな差があります。令和8年度入試の例を挙げます。
| 大学・学部(方式) | 志願者数 | 合格者数 |
|---|---|---|
| 京都大学 理学部(数理科学入試) | 62 | 4 |
| 京都大学 法学部 | 54 | 16 |
| 京都大学 農学部 食品生物科学科 | 4 | 0 |
| 大阪大学 文学部 | 71 | 30 |
| 大阪大学 医学部医学科 | 31 | 4 |
| 筑波大学 体育専門学群(アドミッションセンター入試) | 94 | 8 |
| 筑波大学 知識情報・図書館学類(推薦入試) | 55 | 40 |
| 筑波大学 医学類(推薦入試・一般推薦) | 237 | 44 |
| 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部 | 4 | 0 |
志願者が少なくても合格者が0人の学部がある一方で、志願者の多くが合格している学類もあります。志望校を考える時は、大学全体ではなく、志望する学部・学科・方式の数字を見てください。
倍率の数字を読む時の注意点
この節の答え募集人員どおりに合格者が出るとは限らず、出願要件や共通テストの基準もあるため、過去数年分を同じ計算方法で比べます。
募集人員どおりに合格者が出るとは限らない
国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜では、基準に達した人だけを合格にし、募集人員に満たなくても合格者を増やさないことがよくあります。たとえば京都大学の特色入試(一般枠)は、令和8年度の募集人員191人に対して最終合格者は142人でした4。
欠員は一般選抜の募集人員に回されます。志願者が少ないから合格しやすい、とは言えません。
出願の時点で志願者が絞られている
評定平均の基準、英語の資格・検定試験、学校長の推薦、1校から推薦できる人数の上限、専願といった出願要件によって、出願できる人はあらかじめ限られています。倍率が2〜3倍に見えても、その中身は要件を満たした人どうしの競争です。
共通テストの基準がある方式では、倍率と合否が直結しない
共通テストを課す方式では、「概ね80%以上」のような基準が設けられていることがあります。書類と面接で評価されても、基準に届かなければ合格できません。
年度によって変わる
募集人員が少ない入試では、志願者が数人増減するだけで倍率が大きく動きます。1年分の数字だけで判断せず、大学が公表している過去数年分を見てください。
大学によって公表する数字が違う
志願者数と合格者数だけを公表する大学、第1次選考の合格者数や受験者数まで公表する大学、「志願倍率」として募集人員で割った値を載せる大学があります。別の大学の倍率を比べる時は、同じ計算方法の数字どうしで比べます。
総合型選抜の倍率が低いのはなぜか
この節の答え出願要件や専願で出願の前に志願者が絞られるためで、京都大学の特色入試(一般枠)は令和8年度入試で募集人員で割ると3.3倍、合格者数で割ると4.5倍でした。
「総合型選抜は倍率が低い」と言われることがあります。令和7年度(2025年4月入学)の文部科学省の統計から計算すると、私立大学の総合型選抜は、志願者数÷合格者数が1.9倍でした。
倍率が低く出る理由として、次の4つが考えられます。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 出願要件で、出願できる人が先に絞られている | 評定平均の基準、英語の資格・検定試験、学校長の推薦などを満たした人だけが出願する。倍率は、要件を満たした人どうしの競争の結果 |
| 専願の方式が多く、出願先を増やしにくい | 合格したら入学することが条件の方式では、第一志望の大学・学部に絞って出願することになる。併願できる一般選抜とは、志願者の集まり方が違う |
| 書類や課題の準備に時間がかかる | 志望理由書や活動報告書、課題レポート、プレゼンテーションの準備を大学ごとにするため、出願できる数に限りがある |
| 募集人員で割ると、低く見える | 合格者が募集人員より少ない入試では、募集人員で割った志願倍率は、合格者数で割った値より小さくなる |
4つ目の例として、京都大学の特色入試(一般枠)は、令和8年度入試で募集人員191人・志願者635人・合格者142人でした。志願者数を募集人員で割ると3.3倍、合格者数で割ると4.5倍です(どちらもこの記事で計算)。
何で割った数字かによって、同じ入試でも倍率の見え方が変わります。
倍率が低い方式は、受かりやすいとは限らない
1つ目と2つ目の理由は、出願の前の段階で志願者が絞られていることです。倍率が低いことは、求められる水準が低いことを意味しません。
出願要件を満たせるか、選考方法が自分の強みと合うか、合格者数が募集人員を下回っていないかを見たうえで判断します。評定の基準や共通テストの有無で大学を絞る見方は、総合型選抜で受かりやすい大学の探し方で説明しています。
総合型選抜の倍率はいつ分かるか
この節の答え志願者数は出願の締切後、合格者数は合格発表後に公表されるため、出願の時点で見られるのは前年度までの数字です。
倍率のもとになる志願者数と合格者数は、入試の進み方に合わせて段階的に公表されます。出願先を決める時点で見られるのは、前の年度までの数字です。
| 分かる数字 | 公表の時期 | 見る場所 |
|---|---|---|
| 志願者数(志願倍率) | 出願の締切のあと | 各大学の公式サイトの「出願状況」「志願者数」のページ |
| 合格者数(実質倍率) | 合格発表のあと(令和9年度入試は2026年11月1日以降。共通テストを課す方式は2月) | 各大学の公式サイトの「入試結果」「入試データ」のページ |
| 全国の志願者数・合格者数 | 翌年度に文部科学省が集計して公表(令和7年度入試の分は2025年11月26日) | 文部科学省「大学入学者選抜実施状況の概要」 |
総合型選抜の出願は9月1日以降と定められているため、出願の時点でその年度の倍率は分かりません。志望校の前年度・前々年度の数字を次の節の手順で調べ、年度ごとの増減の幅を見て目安にします。
「倍率はいつ出るのか」を令和9年度入試(2027年4月入学)に当てはめると、志願者数は各大学の出願の締切のあと、合格者数は合格発表のあとに出ます。総合型選抜の合格発表は2026年11月1日以降と定められています。
前の年度の結果を、次の年度の募集要項に載せる大学もあります。京都大学は令和9年度の特色入試の学生募集要項に、名古屋大学は令和9年度の学校推薦型選抜の学生募集要項に、令和8年度入試の結果を載せています。
私立大学の倍率の調べ方
この節の答え公式サイトの入試結果のページで志望する学部・方式の受験者数と合格者数を見て、過去2〜3年分を並べて比べます。
私立大学の総合型選抜は、学部・方式ごとに募集人員が細かく分かれているため、大学全体の倍率にはあまり意味がありません。志望する学部・方式の数字を、次の手順で調べます。
- 大学の公式サイトの入試情報から、「入試結果」「入試データ」「入試統計」のページを探す
- 志望する学部・学科・方式の、志願者数、受験者数、合格者数を確認する
- 受験者数 ÷ 合格者数(実質倍率)を見る。募集人員で割った志願倍率しか載っていない場合は、合格者数から自分で計算する
- 過去2〜3年分を並べて、増減の幅を見る
- 数字が公表されていない方式は、大学の入試担当の窓口や進学相談会で確認する
塾や受験情報サイトに載っている倍率は、年度や計算方法が書かれていないことがあります。出願を決める材料にする時は、大学の公式の数字で確認してください。
大学別の倍率は、各大学の記事で
大学ごとの志願者数・合格者数は、大学別の記事にまとめています。たとえば東洋大学はAO型推薦入試と基礎学力テスト型入試の、國學院大學は公募制自己推薦(AO型)の学科・専攻別の、令和8年度入試(2026年4月入学)の志願者数・合格者数を載せています。
ほかの大学は総合型選抜を実施している大学一覧から探せます。
倍率より先に確認すること
この節の答え倍率より先に、出願要件を満たすか、選考方法が強みと合うか、専願か併願できるかの3点を募集要項で読みます。
倍率は結果の数字で、自分では変えられません。出願先を決める時に先に確認するのは、次の3点です。
| 確認すること | 見る場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 出願要件を満たしているか | 募集要項の「出願資格」「出願要件」 | 評定、資格、卒業年度、推薦の要否を満たさなければ出願できない |
| 選考方法が自分の強みと合うか | 募集要項の「選抜方法」 | 小論文、口頭試問、プレゼンテーション、筆記試験、共通テストなど、求められる力が大学ごとに違う |
| 専願か、併願できるか | 募集要項の「出願上の注意」 | 合格したら入学することが条件の方式が多い。国公立大学は他大学との併願にも制限がある |
総合型選抜と学校推薦型選抜の違いはこちらの記事、評定平均の計算方法は評定平均の解説で説明しています。
倍率を志望校選びにどう生かすか
この節の答え倍率が高い方式は書類の完成度を上げ、低い方式は合格者が募集人員を下回っていないかを見て、一般選抜の学習も続けます。
- 倍率が高い方式:第1次選考(書類)で絞られることが多い。志望理由書や自己推薦書の完成度を上げることに時間を使う
- 倍率が低い方式:出願要件が厳しいか、求める水準が高い可能性がある。合格者数が募集人員を下回っていないかを確認する
- 倍率が大きく変動している方式:募集人員が少ない。数字に一喜一憂せず、準備の質を上げる
- どの方式でも:不合格に備えて、一般選抜の学習を並行する
倍率で受ける大学を決めるのではなく、大学で学びたいことと、大学が求める学生像が合っているかで決めることが、結果として合格に近づきます。志望理由の組み立て方は志望理由書の書き方で説明しています。
よくある質問
- Q. 総合型選抜の倍率はどのくらいですか?
- A. 大学・学部・方式によって大きく違います。国公立11大学の令和8年度入試では、志願者数を合格者数で割った値は、多くが2倍台後半から4倍台でした。たとえば大阪大学の総合型選抜・学校推薦型選抜は志願者1,083人に対して合格者316人5、東京科学大学の総合型選抜(理工学系)は志願者890人に対して合格者218人12です。
- Q. 総合型選抜の倍率はどうやって計算しますか?
- A. 志願倍率は志願者数÷募集人員、実質倍率は受験者数÷合格者数で計算します。総合型選抜では合格者数が募集人員を下回ることがあるため、合格の難しさを見るには、募集人員ではなく合格者数で割った数字を使います。この記事の大学別の数字は、志願者数を合格者数で割ったものです。
- Q. 倍率が低い大学・学部は受かりやすいですか?
- A. そうとは限りません。国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜では、基準に達した人だけを合格にするため、志願者が少なくても合格者が0人の学部があります。出願要件で志願者があらかじめ絞られていることも多く、倍率だけで難しさは判断できません。
- Q. 総合型選抜で入学する人は全体の何割ですか?
- A. 文部科学省の発表では、令和7年度に総合型選抜で大学に入学した人は126,766人で、入学者全体の19.5%でした。国立大学は7.7%、公立大学は6.0%、私立大学は22.8%です。学校推薦型選抜は全体の34.1%です。
- Q. 私立大学の総合型選抜の倍率はどこで調べられますか?
- A. 大学の公式サイトの入試情報にある「入試結果」「入試データ」のページで、学部・方式ごとの志願者数と合格者数が公表されています。年度と計算方法を見たうえで、過去2〜3年分を並べて比べてください。
- Q. 総合型選抜と一般選抜ではどちらの倍率が高いですか?
- A. 一概には言えません。総合型選抜は募集人員が少なく、出願要件で志願者が絞られるため、一般選抜の倍率とは意味が違います。倍率の高低で入試方式を選ぶのではなく、出願要件と選考方法が自分に合っているかで判断してください。
まとめ
総合型選抜の倍率は、志願倍率・受験倍率・実質倍率のどれを見ているかで意味が変わります。国公立11大学の令和8年度入試では、志願者数を合格者数で割った値は多くが2倍台後半から4倍台でしたが、学部や方式による差は大きく、募集人員より合格者が少ない学部もあります。
倍率は大学の公式の入試結果で、志望する学部・方式の数字を確認してください。
倍率は自分では変えられない数字です。出願要件と選考方法を募集要項で読み、志望理由書や面接の準備に時間を使うことが大切です。
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関連記事
参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
- 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
- 令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況
- 学校推薦型選抜(旧推薦入試)志願者数・合格者数
- 令和9年度京都大学特色入試学生募集要項(令和8年度の実施結果を掲載)
- 令和8年度 総合型選抜・学校推薦型選抜 実施状況
- 令和8年度(2026年度)AO入試Ⅱ期等の選考状況
- 令和8年度(2026年度)AO入試Ⅲ期等の選考状況
- 令和8年度 入学志願者数及び合格者数等一覧
- 令和9年度 学校推薦型選抜学生募集要項(令和8年度の結果を掲載)
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- 令和8年度学校推薦型選抜、帰国生徒・外国学校出身者特別選抜、高大連携特別選抜実施状況
リンク先の確認日:2026-11-01
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