評定平均は、総合型選抜や学校推薦型選抜の出願要件や書類審査で使われる、高校の成績の平均値です。この記事では、文部科学省が定める調査書の記入ルールに基づいて、計算方法、学習成績概評(A〜E)の区分、入試での使われ方、上げ方と下げないための注意点を、東京修学館の家近亮子学長の監修で整理します。
学習成績概評の早見表と評定平均の計算
この節の答え学習成績概評はAが5.0〜4.3、Bが4.2〜3.5、Cが3.4〜2.7、Dが2.6〜1.9、Eが1.8以下で、計算の道具も置いています。
先に答えだけ確かめたい人のために、区分の表と計算の道具を置いておきます。区分は文部科学省の通知で全国共通です。くわしい決まりは、このあとの節で説明します。
| 学習成績概評 | 全体の学習成績の状況(評定平均) |
|---|---|
| A | 5.0 〜 4.3 |
| B | 4.2 〜 3.5 |
| C | 3.4 〜 2.7 |
| D | 2.6 〜 1.9 |
| E | 1.8 以下 |
評定平均と学習成績概評を計算する
すべての科目の評定(5段階)の合計と、評定の数を入れてください。小数点以下第2位を四捨五入した評定平均と、A〜Eの区分が出ます。
評定平均とは(正式には「全体の学習成績の状況」)
この節の答え評定平均は調査書の「全体の学習成績の状況」のことで、履修したすべての科目の5段階の評定を平均した値です。
評定平均とは、高校で履修したすべての科目の評定(5、4、3、2、1の5段階)を平均した値です。大学に提出する調査書では「全体の学習成績の状況」という欄に記載されます。
以前は「評定平均値」という名称だったため、今も「評定平均」「評定」と呼ばれています。
調査書には、全体の値のほかに、国語・数学・外国語など教科ごとの平均である「各教科の学習成績の状況」も記載されます。大学によっては、全体の値だけでなく、特定の教科の値を出願要件にしている場合があります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 評定 | 各科目の成績を5段階で表したもの(5が最も高い) |
| 全体の学習成績の状況 | すべての科目の評定の平均。一般に「評定平均」と呼ばれる値 |
| 各教科の学習成績の状況 | 教科ごと(国語、数学、外国語など)の評定の平均 |
| 学習成績概評 | 全体の学習成績の状況を A〜E の5段階に区分したもの |
出典
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)の別紙「調査書記入上の注意事項等について」。計算方法と学習成績概評の区分は、この通知で全国共通に定められています。文部科学省「入学者選抜実施要項」で公開されています。
「評定」とは:評定・評定平均・学習成績の状況の関係
「評定」とは、高校が科目ごとに付ける5段階の成績です。調査書では「各教科・科目等の学習の記録」の欄に、科目ごと・学年ごとに5、4、3、2、1の数字で書かれます。
ふだんは「評定」という言葉が、科目ごとの5段階の評定と、その平均である評定平均の2つの意味で使われます。「評定4.0以上」「評定3.5」のように小数の値が付いていれば、科目ごとの評定ではなく平均の値のことです。
全体の平均か、外国語のような教科ごとの平均かは、要項の書き方で見分けます。募集要項では「全体の評定平均値」や「全体の学習成績の状況」と書かれることもあります。
「全体の学習成績の状況」とは、すべての教科・科目の評定の合計を、すべての評定の数で割った値です。「全体の評定平均」「全体評定平均」と呼ばれるのもこの値で、これをA〜Eの5段階に分けたものが「学習成績概評」です。
「学校成績概評」と書かれることがありますが、調査書の欄の名前は「学習成績概評」です。調査書のどの欄に何が書かれるかは、次のとおりです。
| 調査書の欄 | 書かれること |
|---|---|
| 各教科・科目等の学習の記録 | 科目ごと・学年ごとの評定(5〜1)と、修得単位数の計 |
| 各教科の学習成績の状況 | 教科ごとの評定の平均(小数点以下第2位を四捨五入) |
| 全体の学習成績の状況 | すべての教科・科目の評定の平均。いわゆる評定平均 |
| 学習成績概評・成績段階別人数 | その生徒のA〜Eの段階と、同じ学年で各段階に属する人数 |
評定平均の計算方法
この節の答えすべての科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入し、単位数による重み付けはしません。
計算式は次のとおりです。文部科学省の通知では「すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)」と定められています。
計算式
評定平均(全体の学習成績の状況)= すべての科目の評定の合計 ÷ 評定の数
小数点以下第2位を四捨五入して、小数第1位まで求める
計算の例
文部科学省の通知に載っている例では、評定の合計が120、評定の数が31の場合、120 ÷ 31 = 3.87 となり、小数点以下第2位を四捨五入して「3.9」になります1。教科ごとの値も同じ方法で、理科の3科目の評定が3、3、5なら(3+3+5)÷ 3 = 3.66 で「3.7」です1。
計算で間違えやすい点
- 単位数では重み付けしない:週の授業時間が多い科目も少ない科目も、評定1つは同じ重さで数える
- すべての教科・科目が対象:保健体育、芸術、家庭、情報なども、国語や数学と同じ1科目として入る
- 複数の学年で履修する科目は学年ごとに数える:たとえば体育を3年間履修した場合、各学年の評定をそれぞれ1科目分として計算する
- 四捨五入は最後に1回:学年ごとの平均を出してから平均するのではなく、全科目の評定を合計して割る
通知表の成績が10段階や100点満点の高校でも、調査書には5段階の評定に換算して記載されます。自分の評定平均を正確に知りたい場合は、担任の先生に確認するのが確実です。
調査書には、成績のほかに「出欠の記録」も学年ごとに書かれます。欠席日数を出願条件にしている方式の例と、調査書での扱いは総合型選抜の欠席日数で説明しています。
いつからいつまでの成績が対象か
この節の答え評定平均は高1の最初の成績から入り、現役生が秋に出願する場合は多くの高校で高3の1学期(前期)までが対象です。
評定平均は、高校1年生の最初の成績から計算に入ります。卒業見込みの現役生の場合、3年生の成績は年度の途中でまだ確定していないため、通知では「当該学年における直近の成績を総合し1、高等学校として判定した成績」を3年生の成績として記入すると定められています。
| 出願時の立場 | 評定平均に入る成績 |
|---|---|
| 現役生(総合型選抜・学校推薦型選抜に秋に出願) | 高1、高2の成績と、高3の出願時点までの直近の成績(多くの高校では1学期または前期) |
| 卒業した人 | 高1から高3の卒業時までの成績(卒業後に変わることはない) |
総合型選抜の出願は9月1日以降1、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降に始まります。出願時点の評定平均は、高3の1学期(前期)までにほぼ決まるため、高3の夏以降に取り戻すことはできません。
高1・高2の成績が、高3の1学期(前期)の成績とあわせて、そのまま入試の持ち点になります。
評定平均の出し方:端数の扱い・対象の科目・いつ決まるか
この節の答え全科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入します。選択科目も入り、最終学年は調査書を作る時点の成績です。
計算式そのものは、上の「評定平均の計算方法」で説明しました。この節では、文部科学省の「調査書記入上の注意事項等について」に沿って、細かい決まりを確かめます。端数の扱い、対象になる科目、どの学年の成績が入るかの3つです。
端数は小数点以下第2位を四捨五入する
全体の学習成績の状況は、評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入して書きます。切り上げや切り捨てではありません1。調査書に書かれるのは、4.3や3.9のような小数第1位までの値です。
境目の近くでは、この四捨五入で段階が変わります。評定の数が32の人なら、合計136では136÷32=4.25で「4.3」となり、A段階です。合計が135なら135÷32=4.21…で「4.2」となり、B段階です。
四捨五入は、小数第2位の数字を見て1回だけ行います。4.249…なら第2位は4なので「4.2」です。先に4.25と丸めてから4.3にする、という2回の丸めはしません。上の計算の道具も、この決まりで計算しています。
対象になる科目(選択科目・副教科・留学)
対象は、指導要録に記録された、すべての教科・科目の評定です。注意事項は必修か選択かで分けていません。
選択科目も、評定が付いていればほかの科目と同じ1科目として入ります。保健体育や芸術などの副教科も、上の「計算で間違えやすい点」のとおり同じ重さで数えます。
海外の高校に留学した期間は、扱いが違います。留学に係る評定は調査書に記入せず1、外国の高校が出した成績などの証明書を添付します。留学に係る修得単位も、学習成績の状況の計算に入れる必要はないとされています。
高校によって違うところ
計算の決まりは全国共通ですが、もとになる評定は、在籍する高校が指導要録に記録したものです。どの科目を何年生で学ぶか、選択科目をいくつ取るかは、高校の教育課程と本人の選択で変わります。
そのため、同じ学年でも、評定の数(割る数)が人によって違うことがあります。
調査書の学習成績概評の欄には、段階ごとの人数(成績段階別人数)も書かれます。この人数は、教育課程の異なる類型がある高校では類型別に、専門学科では科別に数えます1。
自分の評定平均は、どの科目が数に入っているかも含めて、担任の先生に聞くのが確実です。最終学年の成績がどの時点のものになるかも、あわせて確かめておくと安心です。
どの学年の成績が入り、いつ決まるか
学習の記録の欄は、高校に在学したすべての学年について書きます。様式には第4学年までの欄があります。
学習成績概評は、3か年間の全体の学習成績の状況でA〜Eに分けます。定時制・通信制で修業年限が3年を超える課程は、その期間1で分けます。
卒業見込みの人の最終学年は、調査書を作る時点で成績が決まっていないことがあります。その場合は、「いつからいつまでの成績が対象か」のとおり、直近の成績をもとに高校が判定した成績が入ります。
出欠の記録も、直近の学期末か、最終学年の成績を判定した時点のものです1。
そのため、秋に出す調査書と年明けに出す調査書とで、最終学年の成績の区切りが違うことがあります。自分の調査書にどの時点の成績が入るかは、調査書を作る高校に確認してください。
通信制・定時制の人、転入学した人、卒業した人
調査書の様式は、全日制・定時制・通信制で共通です。学年による教育課程の区分を設けない課程では、様式の「学年」を「年度」と読み替えて書きます1。単位制による課程を置く高校は、備考の欄にその旨を書きます。
編入学・転入学をした人は、様式の入学の欄にその学年が書かれます。通信制・定時制の課程の人や転入学・編入学をした人は、どの期間の成績が平均に入るかを、調査書を発行する学校に確認してください。
卒業した人の調査書は、卒業した高校に頼みます。実施要項は、過年度に卒業した人について、従前の様式の調査書の提出を認めています1。
発行の手続きは卒業した高校に、出願できるかどうかは志望校の要項で確かめてください。頼み方は調査書とは(書かれる内容と頼み方)にまとめています。
学習成績概評(A〜E)の区分
この節の答え学習成績概評は評定平均を5段階に分けたもので、4.2はB段階、4.3はA段階と、0.1の差で段階が変わります。
学習成績概評は、全体の学習成績の状況を次の区分で5段階に分けたものです。大学の募集要項で「学習成績概評がA段階の者」「B段階以上の者」と書かれている場合は、この区分を指しています。
| 学習成績概評 | 全体の学習成績の状況 |
|---|---|
| A | 5.0 〜 4.3 |
| B | 4.2 〜 3.5 |
| C | 3.4 〜 2.7 |
| D | 2.6 〜 1.9 |
| E | 1.8 以下 |
たとえば評定平均4.2はB段階、4.3はA段階です1。0.1の差で段階が変わるため、境目に近い人は、次の定期テストでどの科目の評定を上げれば届くかを具体的に計算しておく価値があります。
学習成績概評のA段階とは(評定平均4.3以上)
学習成績概評のA段階とは、全体の学習成績の状況(評定平均)が5.0〜4.3の段階です。調査書の「学習成績概評」の欄には、その生徒が属する段階が書かれます。
「評定A」「評定A段階」と呼ばれるのも、多くはこのA段階のことです。科目ごとの評定は5〜1の数字で書くので、Aが付くのは学習成績概評のほうです。
A段階に届くために必要な評定の合計は、評定の数によって変わります。文部科学省の計算例と同じ、評定の数が31の場合の境目を表にしました。
| 学習成績概評 | 評定の合計(評定の数31の場合) | 境目の計算 |
|---|---|---|
| A | 132以上 | 132÷31=4.25…で「4.3」 |
| B | 107〜131 | 107÷31=3.45…で「3.5」 |
| C | 83〜106 | 83÷31=2.67…で「2.7」 |
| D | 58〜82 | 58÷31=1.87…で「1.9」 |
| E | 57以下 | 57÷31=1.83…で「1.8」 |
評定の数が31で合計131の人は、131÷31=4.22…で評定平均4.2となり、B段階です。評定の数が同じまま合計が1つ増えて132になれば、4.3でA段階に入ります。
自分の評定の数で計算する時は、上の計算の道具が使えます。
総合型選抜・学校推薦型選抜での使われ方
この節の答え学校推薦型選抜では評定平均を推薦の要件にする大学が多く、総合型選抜には基準がある方式とない方式があります。
評定平均の扱いは、入試方式によって違います。
| 入試方式 | 評定平均の位置づけ |
|---|---|
| 学校推薦型選抜 | 学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価する方式。評定平均や学習成績概評を推薦の要件にしている大学が多い |
| 総合型選抜 | 書類審査と面接などを組み合わせて総合的に評価する方式。評定平均の基準を設ける大学と、設けない大学がある。基準がなくても調査書は提出する |
| 一般選抜 | 学力検査が主な資料。調査書は提出するが、評定平均が合否の中心になることは少ない |
文部科学省の実施要項では、大学は「重要と判断する教科・科目を指定し1、一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる」とされています。全体の評定平均だけでなく、「外国語の学習成績の状況が4.0以上」のように教科を指定する大学もあるのはこのためです。
基準の例
基準は大学・学部・方式ごとに違います。たとえば早稲田大学スポーツ科学部の総合型選抜III群(スポーツ自己推薦入学試験)は、2027年度入試で、卒業見込みの人について「2年次末までの全体の評定平均値が3.5以上」2を出願資格の一つにしています。
このように、対象となる時点(2年次末まで、3年1学期までなど)も大学によって異なります。
「この大学は評定がいくつ必要」という情報は、まとめサイトではなく、必ず志望大学のその年度の募集要項で確認してください。基準は年度によって変わることがあります。
評定平均だけでは決まらない
総合型選抜でも学校推薦型選抜でも、大学は調査書などの出願書類だけでなく、小論文、面接、口頭試問、資格・検定試験の成績、大学入学共通テスト、教科の試験などのうち少なくとも一つを使って学力を評価することになっています。評定平均は出願の条件や評価の一部であり、基準を満たしたうえで、書類と面接などで何を示せるかが合否を分けます。
総合型選抜で評定はいらない?関係ない?
この節の答え評定平均の基準を置かない総合型選抜はありますが、調査書は提出するので、評定は選考の資料の一つとして使われます。
総合型選抜には、出願の条件に評定平均の基準を置かない方式があります。そのため「総合型選抜は評定がいらない」「評定は関係ない」と言われることがありますが、基準がないことと、評定を見ないことは同じではありません。
基準がなくても調査書は出す
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、各大学が入学者選抜の資料として、在籍する高校が作った調査書の提出を求めるとしています。あわせて、大学が調査書を十分に活用することも求めています。
調査書には評定や学習成績概評が書かれるので、評定の基準がない方式でも、成績は選考の資料の一つです。
総合型選抜では、活動報告書や大学入学希望理由書(志望理由書)など本人が書く資料を評価に使うことと、面接(口頭試問やプレゼンテーションなどを含む)による評価を行うことも定められています。評定の基準がない方式では、出願の段階で評定によるふるい分けがない分、書類と面接で何を示せるかが問われます。
評定の基準がない大学の探し方
評定の基準があるかどうかは、国公立か私立かでは決まらず、同じ大学でも学部や方式で分かれます。関東・東京の大学を含め、評定の基準がない総合型選抜を大学ごとに見比べるなら、総合型選抜で評定がいらない大学一覧に、評定の条件・共通テスト・併願の可否を国公立と私立に分けてまとめています。
評定の基準がない方式でも、英語の資格・検定試験のスコアや活動の実績、教科を指定した評定が条件になっていることがあります。基準に届かない時の方式の選び方は、「評定平均が基準に届かない時の考え方」で説明しています。
評定は高いほうがいいか
評定の基準がない方式でも、評定が高くて不利になることはありません。総合型選抜と並行して、学校推薦型選抜や評定の基準がある方式も考えるなら、出願時点までの評定がそのまま出願の条件に関わります。
評定の上げ方は「評定平均を上げる方法」にまとめています。
評定平均を上げる方法
この節の答えすべての科目が同じ重さなので評定の低い科目から上げ、定期テストの準備を前倒しし、提出物と実技の科目も落としません。
評定平均は単純な平均なので、上げ方も単純です。評定が低い科目を一つずつ引き上げるのが最も効きます。
| 方法 | やること |
|---|---|
| 1. 評定が低い科目から手をつける | まず評定が3以下の科目を洗い出す。得意科目の4を5にするのも、苦手科目の2を3にするのも、平均への効果は同じ |
| 2. 定期テストの準備を前倒しする | 授業の週のうちに問題集を1周しておき、直前の時間を苦手科目に回す |
| 3. 提出物と授業での取り組みを落とさない | 提出物は期限を守り、内容まで仕上げて出す。発表や話し合いへの参加も評価に入る |
| 4. 実技の科目を軽く見ない | 保健体育、芸術、家庭、情報も評定平均に同じ重さで入る |
| 5. 先生に評価の基準を聞く | 次の学期に何を改善すれば評定が上がるかを確認する |
評定が低い科目から手をつける
すべての科目が同じ重さで数えられるため、得意科目の4を5にするのも、苦手科目の2を3にするのも、平均に与える効果は同じです。一般に、低い評定のほうが上げやすいので、まず評定が3以下の科目を洗い出します。
定期テストの準備を前倒しする
評定の中心になるのは定期テストです。試験範囲が出てから始めるのではなく、授業の週のうちに問題集を1周しておくと、直前の時間を苦手科目に回せます。
提出物と授業での取り組みを落とさない
高校の成績は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点で評価されます。テストの点数だけでなく、レポートや課題の提出、授業中の発表や話し合いへの参加も評価に入ります。
提出物は期限を守り、内容まで仕上げて出すことが前提です。
実技の科目を軽く見ない
保健体育、芸術、家庭、情報も評定平均に同じ重さで入ります。主要教科に比べて評定を上げやすいことが多く、ここで4や5を取れるかどうかで全体の値が変わります。
先生に評価の基準を聞く
評定がどの要素で決まるか(テスト、課題、発表の割合)は、科目ごとに示されています。分からなければ担当の先生に直接聞き、次の学期に何を改善すれば評定が上がるかを確認します。
評定平均を下げないための注意点
この節の答え定期テストを大きく落とすこと、欠席や遅刻の増加、提出物の未提出は、どれも評定を下げる原因になります。
- 定期テストを1回でも大きく落とすと、その学期の評定に響く。体調管理と試験前の計画が前提になる
- 欠席や遅刻が増えると、授業での取り組みが評価されにくくなる。調査書には出欠の記録も記載される
- 提出物の未提出は、テストの点数が良くても評定を下げる原因になる
- 選択科目は、興味だけでなく、自分が評定を取りやすいかも考えて選ぶ
- 部活動や課外活動で忙しい時期ほど、学期の最初に課題と試験の日程を書き出しておく
評定平均が基準に届かない時の考え方
この節の答え基準を設けていない方式や評定以外の要件で出願できる方式を探し、一般選抜の準備も並行して進めます。
志望大学の基準に届かない場合、選択肢は3つあります。
- 基準を設けていない方式を探す:同じ大学でも、方式によって評定の基準がある場合とない場合がある。総合型選抜には、評定平均の基準を出願要件にしていない大学・学部もある
- 評定以外の要件で出願できる方式を探す:英語の資格・検定試験の成績、特定分野の活動実績や受賞歴などを出願要件にしている方式がある
- 一般選抜と並行して準備する:総合型選抜や学校推薦型選抜は募集人員が限られる。一般選抜の学習を続けておくことで選択肢が残る
基準がない方式でも調査書は提出するため、成績は面接などで話題になることがあります。評定が低い理由と、そこから何を学び、どう取り組みを変えたかを説明できるようにしておくことが大切です。
学年別にやること
この節の答え高1は評定が最初から入ると知って習慣を作り、高2は基準との差を確かめ、高3は1学期の成績と要項の基準を確認します。
| 学年 | やること |
|---|---|
| 高校1年生 | 評定平均は最初の学期から入ることを知る。定期テストと提出物の習慣を作る。実技の科目も手を抜かない |
| 高校2年生 | 1年次の評定を計算し、志望大学の基準との差を確認する。低い科目を1段階上げる計画を立てる |
| 高校3年生 | 1学期(前期)の成績が出願時点の最後の成績になる。志望大学の募集要項で、基準の値と対象の時点を確認する |
よくある質問
- Q. 評定とは何ですか?評定平均とは違いますか?
- A. 評定は、高校が科目ごとに付ける5段階(5、4、3、2、1)の成績で、調査書には科目ごと・学年ごとに書かれます。評定平均は、すべての科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入した値で、調査書では「全体の学習成績の状況」と呼ばれます。「評定4.0以上」のように小数で書かれていれば、平均の値のことです。
- Q. 学習成績概評のA段階とは何ですか?
- A. 全体の学習成績の状況(評定平均)が5.0〜4.3の段階です。学習成績概評はA(5.0〜4.3)からE(1.8以下)までの5段階で、区分は文部科学省の通知で全国共通です。たとえば評定の数が31なら、評定の合計が132以上で評定平均4.3となり、A段階です。
- Q. 総合型選抜は評定が関係ないのですか?
- A. 評定平均の基準を出願の条件に置かない総合型選抜はあります。ただし、総合型選抜でも調査書は提出し、評定や学習成績概評は選考の資料の一つになります。基準があるかどうかは同じ大学でも学部・方式で分かれるので、出願する年度の募集要項で確かめてください。
- Q. 評定平均の計算方法は?
- A. すべての科目の評定(5段階)を合計し、評定の数で割って、小数点以下第2位を四捨五入します。たとえば評定の合計が120、評定の数が31なら、120÷31=3.87で、評定平均は3.9です。単位数による重み付けはなく、保健体育や芸術なども同じ1科目として数えます。
- Q. 評定平均はいつからいつまでの成績で決まりますか?
- A. 高校1年生の最初の成績から入ります。現役生が総合型選抜や学校推薦型選抜に出願する場合は、高1、高2の成績と、高3の出願時点までの直近の成績(多くの高校では1学期または前期)で計算されます。
- Q. 評定平均4.0は学習成績概評でどの段階ですか?
- A. B段階です。学習成績概評は、A(5.0〜4.3)、B(4.2〜3.5)、C(3.4〜2.7)、D(2.6〜1.9)、E(1.8以下)の5段階で、文部科学省の通知で全国共通に定められています。
- Q. 副教科(実技の科目)も評定平均に入りますか?
- A. 入ります。調査書の「全体の学習成績の状況」は、すべての教科・科目の評定を対象に計算します。保健体育、芸術、家庭、情報も、国語や数学と同じ重さで数えられます。
- Q. 浪人すると評定平均は変わりますか?
- A. 変わりません。卒業した人の評定平均は、卒業時までの成績で確定しています。卒業した人が出願できるかどうか、卒業後何年まで出願できるかは、大学・方式ごとに募集要項で定められています。
- Q. 評定平均が低くても総合型選抜は受けられますか?
- A. 評定平均の基準を出願要件にしていない大学・学部であれば出願できます。ただし調査書は提出するため、成績は評価の資料になります。また、総合型選抜でも小論文や面接、資格・検定試験、共通テストなどで学力が評価されるので、評定以外で学力と意欲を示す準備が必要です。
- Q. 評定平均は四捨五入ですか?切り上げや切り捨てはありますか?
- A. 四捨五入です。調査書の全体の学習成績の状況は、評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入した小数第1位までの値で書きます。切り上げでも切り捨てでもないので、たとえば4.25は4.3、4.24は4.2になります。四捨五入は最後に小数第2位で1回だけ行い、学年ごとの途中の値では丸めません。
- Q. 選択科目や、複数の学年で学ぶ科目は評定平均にどう入りますか?
- A. 選択科目も、評定が付いていればほかの科目と同じ1科目として入ります。調査書の計算はすべての教科・科目の評定が対象で、必修の科目だけに限っていません。保健体育のように複数の学年で学ぶ科目は、学年ごとの評定をそれぞれ1科目分として数えます。なお、留学中の科目の評定は記入せず、外国の高校の証明書などを添付します。
- Q. 評定平均は三年間のいつまでの成績ですか?高3の2学期以降は入りますか?
- A. 高1から、調査書を作る時点までの在学中の成績が入ります。卒業見込みの人の最終学年は、成績が決まっていなければ、直近の成績をもとに高校が判定した成績が書かれます。秋に出願する総合型選抜では高3の1学期(前期)までになることが多く、2学期以降が入るかは調査書を作る時期によります。学習成績概評の区分は3か年間(修業年限が3年を超える定時制・通信制の課程はその期間)の成績で決めます。自分の場合は担任の先生に確認してください。
まとめ
評定平均は、調査書の「全体の学習成績の状況」のことで、すべての科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入した値です。学習成績概評はこの値をA〜Eの5段階に区分したもので、区分は全国共通です。
現役生の場合、高1から高3の直近の成績までが対象になるため、高1・高2の成績がそのまま入試で使われます。
必要な値は大学・学部・方式ごとに違い、年度によっても変わります。志望大学の募集要項で基準と対象の時点を確認し、低い科目を1段階ずつ上げる計画を立てることが出発点です。
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