志望理由書の書き方|書き出し・構成・800字の例文と締め方【学長監修】

志望理由書の書き方 受験の知識

最終更新: 2026-10-02 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、各大学の2027年度入試の募集要項

志望理由書は、総合型選抜や学校推薦型選抜で「なぜこの大学・学部で学びたいのか」を伝える書類です。この記事では、書く前の準備、字数別の構成、書き出しと締め方の型、800字の例文、文体や改行の決まり、添削の受け方を整理します。東京修学館の家近亮子学長の監修です。

志望理由書とは(役割と、ほかの書類との違い)

志望理由書の書き方 ひと目で分かる要点
書く内容の柱
3つ
志望の理由・学びの計画・卒業後の目標
基本の構成
4つの部分
結論から将来の目標まで
字数の目安
指定の9割前後
「以内」は上限を超えない
一文の長さ
60字前後まで

志望理由書は、その大学・学部を志望する理由、入学後に学びたいこと、卒業後の目標を、受験生本人が書いて提出する書類です。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜の多くで、出願書類に指定されています。

大学によって「志願理由書」(筑波大学)、「志望動機・理由書」(青山学院大学)、「学びの設計書」(京都大学)など名前が違いますが、問われる内容は共通しています。

国の実施要項での位置づけ

文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、総合型選抜について、志願者本人が記載する資料を「必ず評価に活用する」と定めています。資料の例は、活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書です。

大学入学希望理由書(志望理由書)には、「入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等」を書かせるとされています。つまり、書く内容の柱は、志望の理由、入学後の学びの計画、卒業後の目標の3つです。

出典

文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)。文部科学省「入学者選抜実施要項」で公開されています。

自己推薦書・活動報告書との違い

一緒に提出することの多い書類と、役割の違いを整理しておきます。

書類問われていること時間の向き中心になる内容
志望理由書なぜこの大学・学部で学びたいか現在から未来動機、学びの計画、将来の目標
自己推薦書どんな人物か過去から現在強みと、それを示す経験
活動報告書何をしてきたか過去活動の事実、役割、成果

複数の書類を出す場合は、同じエピソードを同じ書き方で繰り返さないようにします。志望理由書では、経験はきっかけとして短く使い、字数の多くを学びたいことにあてます。

提出した志望理由書は、面接で質問のもとになります。自分の言葉で説明できることだけを書きます。面接の準備は総合型選抜の面接対策、入試の仕組みは総合型選抜の解説で説明しています。

字数・様式・設問は大学ごとに違う

書き始める前に、志望する大学の募集要項と様式を確認します。字数、書き方(自筆か入力か)、設問は、大学・学部・方式によって大きく違うためです。2027年度入試(2027年4月入学)の募集要項から例を挙げます。

志望理由書の字数の例(2027年度入試)
学習院大学 経済学部
400字
法政大学 理工学部
600字
慶應義塾大学 法学部
800字
大阪大学 文学部
800字
お茶の水女子大学
1,200字
大阪大学 医学部医学科
1,600字
立教大学 文学部など
2,000字
幅のある指定は上限の字数で示した。「以内」「程度」の別は下の表のとおり。各大学の2027年度入試の募集要項による。
大学・学部(方式)字数書き方・ほかの書類
学習院大学 経済学部(学校推薦型選抜・公募制)300〜400字活動報告書を別に提出
法政大学 理工学部(公募推薦)400〜600字自筆
慶應義塾大学 法学部(FIT入試)800字以内自筆・横書き
大阪大学 文学部(総合型選抜)800字程度Web出願システムに直接入力
お茶の水女子大学(総合型選抜)1,200字以内所定の用紙に横書き・自筆
大阪大学 医学部医学科(学校推薦型選抜)1,600字以内Web出願システムに直接入力
立教大学 文学部・経済学部・法学部など(自由選抜入試)2,000字程度学科によって活動報告書も提出

同じ志望理由書でも、300字から2,000字まで幅があります。字数が違えば、書ける内容の深さも構成も変わります。

設問を確かめる

設問も大学によって違います。慶應義塾大学法学部のFIT入試は、なぜ法学部で学ぼうと考えたのかと、その学びが将来にどのような意味を持ちうるのかを問います。大阪大学文学部は、取り組みたい学問的探究を、読書経験などをふまえて書く設問です。設問を要素に分け、すべてに答えます。

字数の指定の読み方

指定の書き方書く分量の目安
「800字以内」上限を超えない。9割前後(720字前後)を目安に、少なくとも8割は書く
「800字程度」800字の前後1割(720字から880字)に収めるのが目安。Web出願の入力欄に字数の上限がある場合は、その上限に従う
字数の指定がなく、枠や行数だけ枠の9割前後を、読みやすい大きさの字で埋める

書く前の準備と、書き上げるまでの手順

書き始められないときは、文章より先に材料がそろっているかを確かめます。文章にする前に、次の3つの材料をメモに書き出します。

材料やること書き出しておくこと
自己分析関心を持ったきっかけと、続けてきた学習や活動を振り返るいつ、何を見て、何を疑問に思ったか。自分で調べたこと、読んだ本
大学研究アドミッション・ポリシー(求める学生像)、カリキュラム、ゼミや研究分野、シラバス(授業計画)を調べる。オープンキャンパスにも参加する学びたい科目やゼミ、プログラムの正式な名称と、学びたい理由。ほかの大学との違い
将来像卒業後に、どんな立場で何に取り組みたいかを考える職業の名前だけでなく、誰のどんな課題に関わりたいか

大学案内の文章をそのまま写すことは避けます。大学の特色を挙げたら、「だから自分は何を学びたいのか」を続けて書きます。

自分と大学をつなぐ一文を作る

材料がそろったら、文章にする前に全体を一文にまとめます。つながらない部分があれば、材料がまだ足りていません。

一文にまとめる型と例

型:私は〔きっかけ〕から〔問い〕を持ち、〔この大学・学部の学び〕で〔学びたいこと〕を学び、〔将来の目標〕につなげたい。

例:私は商店街の聞き取り調査から「店を次の世代に引き継ぐ仕組みはどう作れるか」という問いを持ち、経済学部でデータに基づく地域分析を学び、地域の事業承継を支える仕事につなげたい。

書き上げるまでの手順

志望理由書を書き上げるまでの手順
1
募集要項を確認する
字数、様式、設問、出願の締切を確かめる
2
材料を集める
自己分析、大学研究、将来像をメモに書き出す
3
一文にまとめる
きっかけ、問い、学びたいこと、将来の目標を一文でつなぐ
4
構成メモを作る
4つの部分に、書く内容を箇条書きで割り振る
5
下書きを書く
字数を気にせずに書き、あとで指定の字数まで削る
6
添削を受けて書き直す
第三者に読んでもらい、直してから清書する

第1稿を出願の1か月以上前に書き上げておくと、書き直しの時間を取れます。

志望理由書の構成と字数別の配分

志望理由書の基本の構成は、次の4つの部分です。志望の理由を「結論」と「きっかけと問い」に分けると、4つの部分になります。この順番で書くと筋が通ります。

部分書くこと書くときの注意
1. 結論何を学びたくて、この大学・学部を志望するのか1〜2文で言い切る
2. きっかけと問い関心を持った経験、自分で調べたこと、そこから生まれた問い経験は一つに絞る
3. この大学・学部で学びたいことカリキュラムやゼミ、研究分野と、自分の問いの結びつき。入学後の計画最も多くの字数を使う
4. 将来の目標卒業後に取り組みたいことと、大学での学びとの関係新しい話題を出さずに結ぶ
志望理由書 800字の字数配分の目安
結論80字
きっかけと問い240字
この大学・学部で学びたいこと320字
将来の目標160字

字数別の配分

部分400字600字800字1,200字2,000字
結論40字60字80字100字150字
きっかけと問い120字180字240字350字600字
この大学・学部で学びたいこと160字240字320字500字850字
将来の目標80字120字160字250字400字

配分は目安です。どの字数でも、学びたいことに最も多くの字数を使います。経験の説明が全体の半分を超えると、自己推薦書に近い文章になります。

400字前後では、経験を2〜3文にとどめます。1,200字以上では、経験を増やすのではなく、問いを深めた過程(読んだ本、調べたこと)と学年ごとの学びの計画を加えます。

設問が複数に分かれている様式では、この構成にこだわらず、設問ごとに答えます。

書き出しの型と例文

書き出しの役割は、読む人に「何を学びたい人なのか」を最初に伝えることです。1文目、遅くとも2文目までに、学びたい内容が分かるようにします。書き出しには4つの型があります。型の選び方と学部系統別の例は、志望理由書の書き出しでくわしく説明しています。

型1文目に置くもの向いている場合
結論型学びたいことと志望の意思字数が短い場合。迷ったらこの型
将来像型将来の目標医療や教育など、職業と学部が結びついている場合
経験型きっかけになった具体的な場面字数に余裕がある場合
問い型自分が持っている問い探究学習や読書から関心が生まれた場合

書き出しの例|結論型

私は、地域の公共交通を維持する方法を政策の面から学びたいと考え、貴学政策学部を志望します。

書き出しの例|将来像型

私は、病気の子どもと家族を支える小児看護の専門職になることを目指しています。そのために、貴学看護学部で小児看護学と家族への支援を学びたいと考えました。

書き出しの例|経験型

高校2年の夏、台風で自宅の周りが浸水し、3日間を避難所で過ごしました。そこで持った疑問が、私が防災と都市計画を学びたいと考えた出発点です。

書き出しの例|問い型

同じ日本語で書かれているのに、なぜ千年前の文章は読めないのか。古典の授業で持ったこの問いを、貴学文学部で日本語の歴史を学ぶことで確かめたいと考えています。

経験型と問い型は、学びたい内容が出てくるのが遅くなりがちです。2文目までに示します。

避けたい書き出しと直し方

避けたい書き出し伝わらない理由直し方
「私は貴学の〇〇学部を志望します。」だけで終わる何を学びたいのかが分からない学びたい内容を同じ文に入れる
「貴学は長い伝統と充実した設備を持ち…」と大学の紹介から入る大学の説明で、自分の理由になっていない主語を「私」にして、自分の関心から書く
「現代社会ではグローバル化が進み…」と一般論から入る誰が書いても同じ文になる自分が見た場面や、調べた事実から始める

書き終えたら、大学名を別の大学に入れ替えて読んでみます。そのまま通じる場合は、その大学を選んだ理由がまだ書けていません。

志望理由書の例文(800字の完成例)

800字以内の指定を想定した例文です。経済学部を志望する受験生を想定した創作で、文体はです・ます調にしています。字数別・学部系統別・設問つきの例文 13 本は、志望理由書の例文にまとめています。

例文|経済学部・800字以内の指定(746字)

私は、地方の商店街が人口の減る中でも商いを続けていける仕組みを、経済学の方法で考えたいと思い、貴学経済学部を志望します。

きっかけは、高校2年の探究学習で、地元の商店街の空き店舗を調べたことです。祖父が営む文具店の周りでも、閉店する店が続いていました。私は店主の方々15人に聞き取りを行い、店を閉めた理由や、閉めようと考えている理由を尋ねました。予想していた「客が減ったから」という答えよりも、「後を継ぐ人がいないから」という答えのほうが多く、驚きました。売上があっても店が続かないのであれば、必要なのは集客の工夫だけではないはずです。この調査から、事業を次の世代に引き継ぐ仕組みはどうすれば作れるのか、という問いを持つようになりました。

貴学経済学部を志望する理由は二つあります。一つ目は、1年次からミクロ経済学と統計学を基礎から学び、データに基づいて地域の課題を分析する力を身につけられることです。聞き取りだけでは、私の町で起きていることが他の地域にも当てはまるのかを確かめられませんでした。二つ目は、〇〇教授のゼミで、中小企業の事業承継を対象にした実地調査が行われていることです。オープンキャンパスの模擬授業で、後継者のいない店と、開業を希望する人を結びつける取り組みを知りました。自分の問いに直接つながる研究だと感じました。入学後は、2年次までに分析の方法を身につけ、3年次からはゼミで商店街を対象にした調査に取り組みたいと考えています。

卒業後は、地方自治体や地域の金融機関で、店を引き継ぎたい人と、続けてほしい店をつなぐ仕事に携わりたいと考えています。祖父の店がある商店街のような場所を、次の世代が商いを始められる場所にすることが私の目標です。貴学での4年間の学びを、その土台にします。

段落部分字数書き方のポイント
第1段落結論60字何を学びたくて志望するのかを一文で示す
第2段落きっかけと問い258字経験は一つに絞り、そこから生まれた問いまで書く
第3段落この大学・学部で学びたいこと303字学べる内容と自分の問いを結ぶ。入学後の計画を学年の順に書く
第4段落将来の目標125字誰のどんな課題に関わるかを書き、大学での学びと結ぶ

一つの経験から問いを立て、その問いに答えるために大学で何を学ぶかを書いています。

例文を自分の文章にするときの注意

  • 例文の経験や数字は創作です。自分が実際に経験し、面接で説明できることに置き換えます
  • 「〇〇教授」「△△プログラム」のように伏せた部分は、大学の公式サイトで確かめた正式な名称を書きます

学部系統別の例文(法学部・医学部・理工学部)

400字から600字ほどの短い指定を想定した例文です。いずれも説明のための創作です。

法学部(問い型の書き出し)

例文|法学部(407字)

校則は誰が、どのような手続きで変えられるのか。この問いが、私が法学を学びたいと考えた出発点です。

高校2年のとき、生徒会で制服の規定の見直しを提案しました。しかし、校則を改める手続きが定められておらず、話し合いの場を持つまでに半年かかりました。この経験から、ルールを作り、変える手続きそのものが、人の権利を左右すると考えるようになりました。

貴学法学部では、憲法と行政法を軸に、意思決定の手続きがどのように設計されているかを学びたいと考えています。少人数の演習で判例を読み、自分の考えを根拠とともに述べる訓練を積めることも、貴学を志望する理由です。入学後は、2年次までに憲法と行政法の基礎を固め、3年次からは演習で、自治体の決定に住民が参加する手続きを調べます。

将来は自治体の職員として、住民や子どもの声が条例や計画に反映される手続きづくりに携わりたいと考えています。貴学で学ぶ憲法と行政法を、その仕事の土台にします。

身近な経験から生まれた問いを、法や手続きの問題として捉え直した例です。法学部の入試の傾向は法学部の総合型選抜でまとめています。

医学部(将来像型の書き出し)

例文|医学部医学科(441字)

私は、医師の少ない地域で、患者の暮らしまで含めて診ることのできる総合診療医になりたいと考え、貴学医学部医学科を志望します。

私の町には総合病院がなく、祖母は片道1時間半をかけて通院していました。かかりつけの医師は、祖母の薬を一つずつ確認し、生活に合わせて整理してくれました。そのとき、病気だけでなく暮らしを診る医師の役割を実感しました。診療所の医師にも話を伺い、医療と介護の連携という課題を知りました。

貴学医学部では、低学年から地域の医療機関での実習が組まれており、△△プログラムでは診療所や訪問診療の現場で学ぶ機会があります。早い時期から患者の暮らしに近い場で学べる点が、私の目標に合っていると考えました。入学後は、低学年の実習で地域の医療の実情を知り、高学年の臨床実習では総合診療と在宅医療を重点的に学びたいと考えています。

卒業後は、診療所と病院をつなぐ役割を担える医師として、生まれ育った地域の医療に貢献したいと考えています。貴学で学ぶ地域医療の実践を、その仕事の土台にします。

医学部の志望理由書では、経験そのものより、そこから何を調べ、どんな医師を目指すようになったかを書くと、自分の文章になります。大学ごとの方式は医学部の総合型選抜・学校推薦型選抜で整理しています。

理工学部(結論型の書き出し、だ・である調)

例文|理工学部(432字)

私は、視覚に障害のある人の移動を支える画像認識の技術を研究したいと考え、貴学理工学部情報工学科を志望する。

高校の課題研究で、点字ブロックの上にある障害物を、スマートフォンのカメラで検出するプログラムを作成した。晴れた日の昼間は検出できたが、夜間や雨の日には精度が大きく下がった。原因は学習に使った画像の偏りにあると考えたが、高校で学んだ数学では、手法の仕組みを十分に理解できなかった。

貴学科では、1年次から線形代数と確率統計を学び、3年次からは研究室で実際のデータを扱うことができる。〇〇教授の研究室では、屋外の環境でも安定して動作する画像認識が研究されており、私の課題に直接取り組めると考えた。入学後は、2年次までに数学の基礎を固め、3年次からは研究室で、夜間や雨の日にも精度が下がらない手法を研究する。

卒業後は大学院に進み、障害のある人の移動を支える技術の開発に携わる技術者になることを目標としている。貴学科で学ぶ数学と画像認識の方法を、その開発の土台にする。

取り組んだ研究や制作と、うまくいかなかった点を書くと、学びたいことの理由がはっきりします。だ・である調で書いた例です。理工系の入試の傾向は理工学部の総合型選抜を参照してください。

締め方の型と例文

最後の段落の役割は、大学での学びと将来の目標を結びつけて終えることです。新しい経験や実績は書き足しません。締め方には3つの型があります。

型書くこと向いている場合
将来の目標で結ぶ卒業後に取り組みたいことと、大学での学びとの関係迷ったらこの型
入学後の計画で結ぶ入学後にまず取り組むこと将来の職業をまだ絞っていない場合
冒頭の問いに戻る書き出しで示した問いに、大学でどう向き合うか問い型や経験型で書き始めた場合

締め方の例|将来の目標で結ぶ

卒業後は、自治体の職員として、高齢者が車を手放しても暮らせる地域づくりに携わりたいと考えています。貴学で学ぶ政策の評価の方法を、その仕事の土台にします。

締め方の例|入学後の計画で結ぶ

入学後は、まず1年次の基礎科目で社会調査の方法を身につけ、2年次からは地域で聞き取りを行う演習に参加します。4年間の学びを通して、地域の公共交通にどの立場で関わるかを見定めたいと考えています。

締め方の例|冒頭の問いに戻る

なぜ千年前の文章は読めないのか、という問いに、貴学での4年間で自分なりの答えを出したいと考えています。その過程で身につけた、言葉を丁寧に読む力を、将来は国語の教員として生徒に伝えます。

避けたい締め方と直し方

避けたい締め方伝わらない理由直し方
「入学できましたら、精一杯努力します。」意気込みだけで、何をするのかが分からない入学後に取り組むことを具体的に書く
「社会に貢献できる人間になりたいです。」誰にでも当てはまる誰の、どんな課題に、どんな立場で関わるのかを書く
「どうぞよろしくお願いいたします。」手紙のあいさつで、内容がない削って、その字数を将来の目標にあてる

文体はです・ます調か、だ・である調か

募集要項や様式に文体の指定があれば、それに従います。指定がなければ、です・ます調(敬体)でも、だ・である調(常体)でもかまいません。大切なのは、一つの文章の中で混ぜないことです。

文体印象字数向いている場合
です・ます調(敬体)丁寧で、読む人に語りかける印象文末が長く、字数を使う字数に余裕がある場合。迷ったらこちら
だ・である調(常体)簡潔で、論理を前に出す印象文末が短く、同じ字数で多く書ける字数が少ない場合。研究の計画を中心に書く場合

一人称は「私」です。なお、小論文は常体で書くのが基本です。小論文の文体は小論文の書き方で説明しています。

言葉づかいの決まり

避けたい表現書き言葉での表現
御校、そちらの大学貴学(学部は「貴学部」、学科は「貴学科」)
なので(文の初め)、だからそのため、したがって
すごく、ちゃんと、やっぱり非常に、きちんと、やはり
見れる(ら抜き言葉)、してる(い抜き言葉)見られる、している
部活、バイト、スマホ(略語)部活動、アルバイト、スマートフォン
〜と思います(が続く)〜と考えます。事実は「〜しました」と言い切る

一文は60字前後までを目安にし、長くなった文は二つに分けます。同じ文末が3回続いたら、文の順番や言い回しを変えます。

改行・段落・原稿用紙の決まり

志望理由書は、改行して段落に分けて書きます。ただし、改行の扱いは様式によって変わります。

様式段落と改行気をつけること
マス目のある用紙段落の最初は1マス空ける。段落を変えるときは行を改め、残りのマスは空ける空けたマスも含めて、用紙に収まるように書く
罫線や枠だけの用紙段落の最初は1字分空ける。段落の間に空行は入れない字の大きさをそろえ、枠からはみ出さない
Web出願の入力欄改行と段落の最初の1字下げが反映されるかを、確認画面で確かめる改行や空白が字数に数えられる場合がある。下書きは別のファイルで作る
パソコンで作成して印刷段落の最初は1字下げる用紙の大きさや字の大きさの指定に従う

段落の分け方

段落は、内容の役割が変わるところで分けます。目安は、400字前後で3〜4段落(結論ときっかけを一つの段落にまとめてもよい)、800字前後で4段落です。300字ほどの短い指定では、一つの段落で書いてもかまいません。

マス目のある用紙の書き方

  • 句読点やかっこは1マスに1つ。行の最初に句読点が来る場合は、前の行の最後のマスに文字と一緒に入れる
  • 横書きでは数字は算用数字を使い、2桁以上の数字は1マスに2字ずつ入れる

手書きの場合

自筆を指定する大学では、筆記具も募集要項の指定に従います。青山学院大学のように、鉛筆や消せるボールペンは使えないと定めている大学があります。下書きを完成させてから清書します。

よくある失敗と直し方

書き上げた下書きを、次の表で確かめます。

よくある失敗伝わらない理由直し方
どの大学にも当てはまる内容になっているその大学を選んだ理由が見えないその学部で学べることと、自分の問いを結ぶ
大学案内やアドミッション・ポリシーの言葉を並べている大学の説明で、自分の考えがない求める学生像に当たる自分の経験と、学びたいことを自分の言葉で書く
経験の説明で字数を使い切っている自己推薦書や活動報告書の内容になる経験はきっかけとして3割ほどにとどめ、学びたいことに字数を使う
将来の目標が「社会に貢献したい」で終わっている抽象的で、学びとのつながりが見えない誰の、どんな課題に、どんな立場で関わるのかを書く
きっかけ、学びたいこと、将来の目標がつながっていない一貫性がなく、面接で説明しにくい全体を一文にまとめ直し、つながらない部分を入れ替える
設問の一部に答えていない聞かれたことに答えていない設問を要素に分け、答えた部分に印をつけて確かめる
自分で説明できない専門用語を使っている面接で答えられない自分の言葉で説明できる表現に直す

直す前と直した後の例

直す前(102字)

貴学は長い伝統を持ち、国際交流が盛んで、就職にも強い大学です。充実した設備と熱心な先生方のもとで学び、幅広い教養を身につけたいと考え、志望しました。入学後は勉学に励み、社会に貢献できる人間になりたいです。

直した後(189字)

私は、外国にルーツを持つ子どもへの日本語指導を学びたいと考え、貴学国際学部を志望します。地域の学習支援教室で小学生に宿題を教える中で、会話はできても教科書の言葉が分からない子どもがいることを知りました。貴学部では、日本語教育学を1年次から学び、△△プログラムで地域の小学校での実習に参加できます。卒業後は、学校と家庭の間に立って子どもの学びを支える仕事に就きたいと考えています。

直す前の文章は、大学名を入れ替えてもそのまま通じます。直した後は、学びたい内容、きっかけ、その学部で学べること、将来の目標がつながっています。

添削の受け方と提出前のチェックリスト

書いた本人は、説明が足りない部分に気づきにくいものです。下書きができたら、第三者に読んでもらいます。

頼む相手見てもらう点
担任や進路指導の先生設問に答えているか。高校での活動や調査書と食い違いがないか
志望分野に近い教科の先生学問に関わる内容や用語の使い方が正確か
家族や友人初めて読む人に伝わるか。「何を学びたい人だと思ったか」を言ってもらう
塾や予備校の講師構成、大学ごとの様式に合った書き方、面接で聞かれそうな点

頼むときは、下書きと一緒に、募集要項の設問と字数、様式を渡します。

学校推薦型選抜では、先生が書く推薦書と志望理由書の内容が食い違わないように、早めに下書きを共有します。推薦書の頼み方は推薦書の依頼方法で説明しています。

添削を受ける流れ

志望理由書の添削を受ける流れ
出願の1か月以上前
第1稿を書き上げる
渡す前
自分で読み直す
声に出して読み、誤字と長すぎる文を直す
1回目の添削
内容を見てもらう
設問に答えているか、筋が通っているかを聞く
書き直し
自分の言葉で直す
直し方は自分で考える
2回目の添削
同じ人にもう一度見てもらう
表現、字数、誤字を確かめる
提出前
清書してコピーを取る
面接の前に読み返せるようにする

添削は、ほかの人の言葉に書き換えてもらうことではありません。自分の言葉で書いた文章でなければ、面接で説明できません。

生成AIの扱い

出願書類に生成AIが作った文章を使うことを、認めていない大学があります。京都大学の特色入試の要項は、本人が作成する書類について「志願者以外の者(生成AIツールを含む)により作成された文章等を利用することは認めません」と明記しています。上智大学の要項にも同じ趣旨の定めがあります。扱いは募集要項で確認してください。

提出前のチェックリスト

志望理由書 提出前のチェックリスト
1文目か2文目で、何を学びたいのかが分かる
大学名を入れ替えると通じない内容になっている
きっかけ、学びたいこと、将来の目標が一本につながっている
設問が聞いていることのすべてに答えている
学部、学科、科目、プログラムの名前が正式な名称になっている
指定の字数に収まり、9割前後まで書けている
様式が出願する年度のもので、筆記具や入力の方法が指定どおり
文体がそろっていて、話し言葉や誤字がない
書いた内容を、すべて自分の言葉で説明できる

よくある質問

Q. 志望理由書の書き出しはどう書けばいいですか?
A. 1文目で「何を学びたくて、この大学・学部を志望するのか」を示します。たとえば「私は、地域の公共交通を維持する方法を政策の面から学びたいと考え、貴学政策学部を志望します」のように書きます。経験や問いから書き始める場合も、2文目までに学びたいことを示します。
Q. 志望理由書の例文は、そのまま使ってもいいですか?
A. そのまま使うことは避けます。例文は構成と字数の配分を確かめるためのものです。800字なら、結論80字、きっかけと問い240字、学びたいこと320字、将来の目標160字が配分の目安です。経験や科目の名前は、自分で経験し、調べたものに置き換えます。
Q. 志望理由書は「です・ます」と「だ・である」のどちらで書きますか?
A. 大学の指定があればそれに従います。指定がなければどちらでもかまいませんが、一つの文章の中で混ぜないようにします。迷う場合はです・ます調、字数が少ない場合は文末が短いだ・である調が向いています。
Q. 志望理由書は改行してもいいですか?
A. 改行して段落に分けて書きます。800字前後なら4段落が目安です。段落の最初は1字分(マス目のある用紙では1マス)空けます。Web出願の入力欄では、改行が反映されるか、字数に数えられるかを確認画面で確かめます。
Q. 志望理由書の締め方はどうすればいいですか?
A. 卒業後の目標と、大学での学びを結びつけて終えます。「卒業後は〇〇として△△に携わりたいと考えています。貴学で学ぶ□□を、その土台にします」のように具体的に書きます。意気込みだけの文や、あいさつの文で終えることは避けます。
Q. 志望理由書の添削は誰に頼めばいいですか?
A. 担任や進路指導の先生、志望分野に近い教科の先生、塾や予備校の講師など、複数の人に読んでもらうのが望ましいです。頼むときは、募集要項の設問と字数、様式を一緒に渡します。書き直したものは、もう一度見てもらいます。

まとめ

志望理由書は、結論、きっかけと問い、学びたいこと、将来の目標の4つの部分で組み立てます。書き出しで何を学びたいのかを示し、将来の目標と大学での学びを結んで終えます。字数、様式、設問は大学ごとに違うので、最初に募集要項を確認してください。

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