法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜|主な大学の方式・出願要件・選考内容と対策【2027年度入試・学長監修】

法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜 受験の知識
法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜 ひと目で分かる要点(2027年度入試)
東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学
学校推薦型選抜
法学部は高校長の推薦が要る
国公立大学
8方式中7方式が2月に発表
一覧の8方式中7方式で共通テストが要る。東北大学のAO入試II期は12月4日
私立大学
10方式中7方式が9月に出願
10方式中9方式は共通テストを使わず、11月〜12月に合格発表(慶應義塾大学は8月、上智・学習院は11月に出願)
評定の基準
4.0以上〜基準なし
英語資格も英検1級レベルから不要まで

法学部を総合型選抜や学校推薦型選抜で受けたいと考えたとき、まず知っておきたいのは、大学ごとに入試の名前も、出願の条件も、試験の中身もまったく違うということです。この記事では、各大学の2027年度入試の要項に基づいて、法学部(法律学科・政治学科など)で総合型選抜・学校推薦型選抜を行う主な大学を一覧にし、出願要件、選考内容、準備の進め方を東京修学館の家近亮子学長の監修で解説します。

法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜とは

この節の答え総合型選抜は本人が出願でき、学校推薦型選抜は高校長の推薦が要り、東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学の法学部は学校推薦型選抜です。

大学の入試は、文部科学省の「大学入学者選抜実施要項」で、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の三つに分けられています2。総合型選抜と学校推薦型選抜の違いは、出願に高校長の推薦が要るかどうかです。

  • 総合型選抜:本人の意志で出願できる公募制の入試。志願者本人が書く資料(活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書など)を必ず評価に使い、面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などを含む)を必ず行う
  • 学校推薦型選抜:出身高校の校長の推薦に基づく入試。本人の意志だけでは出願できない。面接による評価を必ず行う

実施要項は、時期についても次のように定めています。

区分入学願書の受付合否の発表高校長の推薦
総合型選抜2026年9月1日以降2026年11月1日以降不要
学校推薦型選抜2026年11月1日以降2026年12月1日以降必要

名前だけでは区分が分からない

入試の名前は大学が独自に付けています。慶應義塾大学の「FIT入試」、中央大学の「チャレンジ入学試験」、同志社大学の「自己推薦入学試験」、立教大学の「自由選抜入試」(要項では自己推薦型の入試)などは総合型選抜にあたります。

一方で、法学部が学校推薦型選抜だけを行う大学もあります。

  • 東京大学・一橋大学・名古屋大学:総合型選抜はなく、法学部は学校推薦型選抜
  • 京都大学:特色入試という一つの名前だが、法学部は学校推薦型選抜(1校から推薦できるのは2人まで、ただし男性は1人まで)
  • 上智大学:推薦入学試験(公募制)で、大学は学校推薦型選抜と位置づけている
  • 学習院大学:法学部は政治学科だけが学校推薦型選抜(公募制)を行い、法学科では実施しない

法学部では実施していない大学もある

明治大学の法学部には高校生が一般に出願できる方式がなく、立命館大学は2027年度の早見表に法学部の方式が載っていません。北海道大学のフロンティア入試は法学部では行われず、龍谷大学の法学部は総合型選抜入試がなく公募推薦入試〔総合評価型〕で募集します。

明治学院大学は法学部の3学科で自己推薦AO入学試験を行いますが、法律学科では行いません。

出典

制度の定義と時期は文部科学省「入学者選抜実施要項」(令和9年度)によります。各大学の事実は2027年度入試の要項に基づき、出典は大学別の記事に記載しています。細かい条件は年度ごとに変わるので、出願前に必ず大学別の記事と最新の要項で確認してください。

主な大学の法学部の入試(2027年度入試・一覧)

この節の答え国公立7校と私立8校の法学部の主な方式について、募集人員・共通テストの要否・出願期間と合格発表を一覧にしています。

法学部で総合型選抜・学校推薦型選抜を行う主な大学です。募集人員と日程は2027年度入試の要項の記載です。大学名のリンク先で、出願要件と選考の細部を説明しています。

国公立大学

国公立大学 法学部の募集人員(2027年度入試)
名古屋大学 学校推薦型選抜
45人
東北大学 AO入試II期(法学科)
24人
京都大学 特色入試(学校推薦型選抜)
20人
大阪大学 総合型選抜 法学科
17人
東北大学 AO入試III期(法学科)
16人
東京大学 学校推薦型選抜(程度)
10人
一橋大学 学校推薦型選抜 法律学科
10人
九州大学 総合型選抜Ⅱ
10人
大阪大学 総合型選抜 国際公共政策学科
8人
東京大学は「10人程度」。東北大学のAO入試・大阪大学・九州大学は総合型選抜、ほかは学校推薦型選抜です。募集人員は2027年度入試の要項の記載です。
大学入試の名前(区分)学科と募集人員共通テスト出願期間/最終合格発表
東京大学学校推薦型選抜法学部 10人程度必要2026年11月1日〜11月6日(高校が出願)/2027年2月10日
京都大学特色入試(学校推薦型選抜)法学部 20人必要2026年11月5日〜11月11日/2027年2月10日
一橋大学学校推薦型選抜法学部 法律学科 10人必要2027年1月18日〜1月29日/2月10日
名古屋大学学校推薦型選抜法学部 45人必要2027年1月19日〜1月22日/2月10日
大阪大学総合型選抜法学科 17人、国際公共政策学科 8人必要2026年11月2日〜11月7日(書類必着)/2027年2月9日
東北大学AO入試II期(総合型選抜)法学部 法学科 24人不要2026年10月13日〜10月16日(書類必着)/12月4日 終了
東北大学AO入試III期(総合型選抜)法学部 法学科 16人必要2027年1月19日〜1月22日/2月10日
九州大学総合型選抜Ⅱ法学部 10人必要2026年10月19日〜10月30日(書類必着。Web入力と検定料の支払いは10月27日まで)/2027年2月10日 終了

「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。

国公立大学 法学部の出願期間と最終合格発表(日程チャート)
出願選考日・発表日
10月11月12月1月2月
東北大学 AO入試II期
出願 10月13日〜10月16日/最終合格発表 12月4日
九州大学 総合型選抜Ⅱ
出願 10月19日〜10月30日/最終合格発表 2月10日
東京大学 学校推薦型選抜
出願 11月1日〜11月6日/最終合格発表 2月10日
大阪大学 総合型選抜
出願 11月2日〜11月7日/最終合格発表 2月9日
京都大学 特色入試
出願 11月5日〜11月11日/最終合格発表 2月10日
一橋大学 学校推薦型選抜
出願 1月18日〜1月29日/最終合格発表 2月10日
名古屋大学 学校推薦型選抜
出願 1月19日〜1月22日/最終合格発表 2月10日
東北大学 AO入試III期
出願 1月19日〜1月22日/最終合格発表 2月10日
10月〜12月は2026年、1月・2月は2027年。東京大学は高校が出願します。大阪大学・九州大学・東北大学のAO入試II期は書類必着の期間です(九州大学のWeb入力と検定料の支払いは10月27日まで)。

私立大学

私立大学 法学部の募集人員(2027年度入試)
慶應義塾大学 FIT入試(各学科・両方式合計の最大)
80人
中央大学 チャレンジ入学試験(3学科合計)
30人
上智大学 公募制推薦 法律学科
28人
関西大学 AO入試 Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型(あわせて)
25人
同志社大学 自己推薦 法律学科
15人
中央大学 英語運用能力特別入学試験(3学科合計)
15人
立教大学 国際コース選抜入試(程度)
15人
上智大学 公募制推薦 国際関係法学科
14人
上智大学 公募制推薦 地球環境法学科
11人
立教大学 自由選抜入試(3学科で・程度)
8人
同志社大学 自己推薦 政治学科
5人
学習院大学 公募制 政治学科
5人
慶應義塾大学は法律学科・政治学科それぞれの、A方式とB方式を合わせた最大の人数です。早稲田大学の地域探究・貢献入試は「若干名」のため図に入れていません。上智大学と学習院大学は学校推薦型選抜(公募制)。立教大学の国際コース選抜入試は、国際ビジネス法学科グローバルコースの募集です。
大学入試の名前(区分)学科と募集人員共通テスト出願期間/合格発表
慶應義塾大学FIT入試 A方式・B方式(総合型選抜)法律学科・政治学科。各学科とも両方式合計で最大80名使わない2026年8月3日〜9月3日(書類の郵送は9月1日〜3日)/11月2日 終了
早稲田大学地域探究・貢献入試(総合型選抜)法学部 若干名必要2026年9月1日〜9月10日/2027年2月11日 終了
中央大学チャレンジ入学試験(総合型選抜)法学部 30人(3学科合計)不要2026年9月1日〜9月7日/11月5日 終了
中央大学英語運用能力特別入学試験法学部 15人(3学科合計)不要2026年9月14日〜9月18日/11月5日 終了
同志社大学自己推薦入学試験(総合型選抜)法律学科 15名、政治学科 5名不要書類受付 2026年9月1日〜9月7日/11月5日 終了
立教大学自由選抜入試(自己推薦型)法学部 3学科で8名程度不要2026年9月1日〜9月10日/12月7日 終了
立教大学国際コース選抜入試国際ビジネス法学科グローバルコース 15名程度不要出願は自由選抜入試と同じ
関西大学AO入試 Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型(総合型選抜)法学部 あわせて25人不要2026年9月1日〜9月7日/11月2日 終了
上智大学推薦入学試験・公募制(学校推薦型選抜)法律学科 28人、国際関係法学科 14人、地球環境法学科 11人不要Web出願 2026年11月1日〜11月5日/12月10日
学習院大学学校推薦型選抜(公募制)法学部 政治学科 5名不要2026年11月1日〜11月5日/12月11日

このほか、成蹊大学(自己推薦型。法律学科9名・政治学科6名)、法政大学(法学部国際政治学科の英語外部試験利用自己推薦。

5人)、明治学院大学(消費情報環境法学科 約34名、グローバル法学科 約15名、政治学科 約10名)、南山大学(法律学科の資格・検定試験活用型。7人)、西南学院大学(法律学科12人程度・国際関係法学科6人程度)、成城大学(法律学科10名)、関西学院大学(探究評価型は法学部5名。

グローバル入学試験とスポーツ選抜入学試験は全14学部で実施)も法学部で総合型選抜を行います。近畿大学の法学部は2027年度から始まります(10名程度)。

神戸大学の「志」特別選抜は令和9年度入試が最後です。

慶應義塾大学のFIT入試や中央大学の英語運用能力特別入学試験などの要項には、合格者数が募集人員に満たない場合があると書かれています。

私立大学 法学部の出願期間と合格発表(2026年8月〜12月)
出願選考日・発表日
8月9月10月11月12月
慶應義塾大学 FIT入試
出願 8月3日〜9月3日/合格発表 11月2日
中央大学 チャレンジ入学試験
出願 9月1日〜9月7日/合格発表 11月5日
同志社大学 自己推薦入学試験
出願 9月1日〜9月7日/合格発表 11月5日
関西大学 AO入試
出願 9月1日〜9月7日/合格発表 11月2日
早稲田大学 地域探究・貢献入試
出願 9月1日〜9月10日
立教大学 自由選抜入試
出願 9月1日〜9月10日/合格発表 12月7日
中央大学 英語運用能力特別入学試験
出願 9月14日〜9月18日/合格発表 11月5日
上智大学 推薦入学試験(公募制)
出願 11月1日〜11月5日/合格発表 12月10日
学習院大学 学校推薦型選抜(公募制)
出願 11月1日〜11月5日/合格発表 12月11日
日付はすべて2026年。慶應義塾大学の書類の郵送は9月1日〜3日。同志社大学は書類受付、上智大学はWeb出願の期間です。早稲田大学は共通テストが必要で、合格発表は2027年2月のため図に入れていません。立教大学の国際コース選抜入試の出願は、自由選抜入試と同じです。

出願要件の傾向(評定・英語資格・卒業年度・専願)

この節の答え評定は4.0以上から基準なしまで、英語資格は英検1級レベルから不要まであり、国公立の方式はいずれも合格したら入学することが条件です。

評定(全体の学習成績の状況)

評定の基準大学・方式の例
4.0以上慶應義塾大学 FIT入試B方式(外国語・数学・国語・地理歴史・公民と全体がいずれも4.0以上)、同志社大学 法学部、上智大学 法学部の3学科(全体)
3.8以上立教大学 法学部(自由選抜入試・国際コース選抜入試。自由選抜入試は評定に加えて、学術・文化・芸術での都道府県レベル以上の入賞、スポーツでの都道府県ベスト8以上、外国の高校での2学年以上の修了と特色ある異文化体験のいずれかも出願資格)、学習院大学 政治学科、西南学院大学 法学部の2学科
3.5以上近畿大学 法学部のA・B、関西学院大学 探究評価型(英語資格での代替も可)
学習成績概評がA段階東北大学 AO入試II期(全学部)
基準の記載なし慶應義塾大学 FIT入試A方式、中央大学、関西大学、成城大学、京都大学・一橋大学・名古屋大学の法学部

慶應義塾大学法学部は、2028年度入試からA方式とB方式を統合した「新FIT入試(仮称)」にすることを公表しており、全体の学習成績の状況が3.7以上であることなどを要件1にするとしています。評定の考え方は評定平均の解説で説明しています。

英語の資格・検定試験

次の方式は英語資格(一橋大学はほかの言語の検定や数学オリンピックの実績でも可)を出願の条件にしていて、水準は大学によって大きく違います。

  • 一橋大学:法学部は(A)〜(E)のいずれか1つが必要。英検1級、TOEFL iBT(2026年1月20日以前の試験は93点以上、1月21日以降の試験はバンドスコア5以上)、IELTS 6.5以上、独検・仏検・中検の準1級以上など、日本数学オリンピックの予選通過(Aランク)またはBランク上位者
  • 中央大学 英語運用能力特別入学試験:英検1級合格、TOEFL iBT 80以上(2026年1月21日以降の受験は4.5以上)、IELTS 6.0以上、TOEIC L&R 785以上など。いずれも出願期間初日から遡って2年以内に受験したもの。チャレンジ入学試験は外国語の資格が要件ではない
  • 同志社大学:TOEIC L&R 700点以上、TOEFL iBT 72点以上(またはバンドスコア4以上)、英検準1級、IELTS 6.0以上など(ドイツ語・フランス語の検定も可)。いずれも2025年4月1日以降に受験したもの
  • 上智大学:法律学科・地球環境法学科は英検2級A(2級合格かつCSEスコア2150点以上)など、国際関係法学科は英検準1級などが必要
  • 学習院大学 政治学科:英検準1級以上合格かつCSEスコア2304点以上、TOEFL iBT 62点以上(2026年1月21日以降の受験は3.5点以上)、IELTS 5.5以上などのいずれか
  • 京都大学、九州大学(総合型選抜Ⅱ)、大阪大学(国際公共政策学科のみ)、立教大学(自由選抜入試。基準点はない):英語資格の成績の提出が要件

南山大学の法律学科のように、英語の基準はなく、ニュース時事能力検定(N検)3級以上1(2024年4月1日以降の合格)を求める方式もあります。資格の有効期限も大学で違います。

卒業年度と専願

現役生だけが対象の方式もあります(大阪大学・名古屋大学・立教大学の法学部など)。同志社大学の法学部は2025年4月1日以降に高校を卒業した人まで出願できます1。

一覧の国公立大学の方式は、いずれも第1志望であることや合格したら入学することが出願の条件です。私立大学でも、上智大学と学習院大学の公募制は第一志望で入学を確約することが条件です。

慶應義塾大学のFIT入試も第一志望で合格したら入学することが条件ですが、一般選抜との併願はできます。一方、早稲田大学の地域探究・貢献入試、立教大学の自由選抜入試、南山大学の総合型入試、法政大学の法学部国際政治学科は専願ではなく、他大学と併願できます。

法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜 卒業年度と専願・併願の条件
条件大学・方式(本文の例)
現役生だけが対象大阪大学・名古屋大学・立教大学の法学部など
2025年4月1日以降に高校を卒業した人まで出願できる 終了同志社大学 法学部
第1志望であることや、合格したら入学することが出願の条件一覧の国公立大学の方式(いずれも)、上智大学・学習院大学の公募制
第一志望で、合格したら入学することが条件。一般選抜との併願はできる慶應義塾大学 FIT入試
専願ではなく、他大学と併願できる早稲田大学 地域探究・貢献入試、立教大学 自由選抜入試、南山大学 総合型入試、法政大学 法学部国際政治学科

選考で課されるもの(大学の実例)

この節の答え小論文と面接が中心ですが、講義を聞いて書く論述、英文の読解、資料の分析、グループ討論など形式は大学ごとに違います。

書類審査(第1次選考)を通った人に、小論文や面接などの試験(第2次選考)を課す大学があります。法学部の選考には、次のような形式があります。

大学・方式書類以外の選考
慶應義塾大学 FIT入試A方式教員の模擬講義(50分)のあとの論述試験(45分)と、口頭試問(約15分)
慶應義塾大学 FIT入試B方式総合考査Ⅰ(資料を読み取り400字程度にまとめる・45分)、総合考査Ⅱ(400字程度の小論文・45分)、個人面接(約10分)
中央大学 チャレンジ入学試験講義理解力試験(45分程度の講義の後、75分の論述)、15分程度の個人面接
京都大学 特色入試英語の文章を題材に、日本語で書く小論文
一橋大学小論文(300点)、個別面接(口頭試問を含む・150点)。共通テスト250点、推薦書・調査書40点、自己推薦書10点
東北大学 AO入試II期第1次選考は筆記試験(英文読解力と論理的思考力)、第2次選考は面接。配点は筆記900点、面接400点
九州大学 総合型選抜Ⅱ英語試験、日本語と英語による個人面接(30分程度)
大阪大学第1次選考は書類、第2次選考は面接。配点は共通テスト160、書類10、面接30
名古屋大学書類選考で約30人を面接免除で合格とし、残りから口頭試問を含む面接で約15人
早稲田大学 地域探究・貢献入試論理的思考力を問う総合試験(筆記・120分)と共通テスト
関西大学 AO入試Ⅰ型は英文資料の要旨作成(90分、日本語200字程度)、Ⅱ型は指定図書の小論文(90分、1,000字程度)、Ⅲ型は長文読解・小論文(90分)。いずれも口頭試問を含む面接
学習院大学 公募制英語問題(60分。英文資料を読み日本語で答える)、論述問題(60分。評論・グラフ・図表などの資料を分析)、面接
上智大学 公募制学科ごとのレポート等特定課題(各2000字程度)を提出。試験は小論文(800字)60分と面接

このほかにも形式はさまざまです。成蹊大学の法学部は、基礎読解力審査(75分、マークシート方式)1と、約60分のグループ討論で行う討論力審査を課し、近畿大学の法学部(A・B)はグループディスカッションと口頭試問です。

明治学院大学の政治学科は第二次選考が面接だけで、出願時に推薦状2通が必要です。

同じ「小論文」「面接」でも中身は大学で違います。志望大学の形式を早めに確かめ、それに合わせて練習します。

共通テストが要る大学・要らない大学

この節の答え国公立大学の法学部は共通テストを課す方式が中心で合格発表は2月、東北大学AO入試II期と私立の多くは共通テストを使いません。

一覧の国公立大学8方式のうち、東北大学のAO入試II期を除く7方式は共通テストを課し、学部が指定する教科・科目をすべて受験していることが出願の条件です(一橋大学は前期日程で指定する教科・科目)。書類や面接で評価されても、共通テストが基準に届かなければ合格できません。

大学・方式共通テストの扱い(要項の記載)
東京大学志望学部の指定科目をすべて受験。概ね8割以上の得点が目安
京都大学950点満点中概ね80%以上
一橋大学第1段階選抜に使う。基準は前期日程の出願者の中で上位159位相当の得点以上
名古屋大学6教科8科目又は7教科8科目、950点満点
大阪大学600点満点を160点満点に換算。満点中概ね80%以上が必要
東北大学 AO入試III期950点(配点の合計は面接400点と合わせて1,350)
九州大学 総合型選抜Ⅱ450点。各教科・科目の得点で修学に支障があると判断された場合は不合格になることがある
早稲田大学 地域探究・貢献入試法学部は外国語、国語、地歴・公民または数学(「歴史総合,世界史探究」「歴史総合,日本史探究」「公共,政治・経済」、数学Ⅰ・A/Ⅱ・B・Cから1つ)の3教科3科目(数学を選ぶと3教科4科目)300点で、240点以上の者を合格とする

共通テストを課す方式は、合格発表が2月になります(東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学・九州大学は2027年2月10日、大阪大学は2月9日)。不合格に備えて、一般選抜の準備を続ける必要があります。

一方、東北大学のAO入試II期と、一覧の私立大学の方式(早稲田大学を除く)は共通テストを使わず、11月から12月に結果が出ます。

志望理由書の書き方(法学部の場合)

この節の答え関心を持った社会の問題、自分で調べ考えたこと、大学で学ぶ分野、卒業後にどうしたいかの順に組み立てます。

法学部の志望理由書は、大学によって字数も問われる内容も違います。組み立て方と400〜1,200字の例文は法学部の志望理由書の書き方と例文で説明しています。

法学部の志望理由書を組み立てる順番
1
関心を持った社会の問題
ニュースや身近な出来事、探究活動の中で、ルールや制度、政治に関わる問題として気になったこと
2
自分で調べ、考えたこと
何を調べ、どんな論点があると分かったか。賛否の両方の立場を踏まえて書く
3
大学で何を学ぶか
法律学・政治学のどの分野で、その問題を深めたいか。大学のカリキュラムや学科の特色とつなげる
4
卒業後にどうしたいか
学んだことを社会でどう生かすか。職業名だけでなく、取り組みたい問題とつなげる
法学部の志望理由書 大学ごとの指定字数
立教大学 自由選抜入試(程度)
2,000字
同志社大学 自己推薦(程度)
1,600字
慶應義塾大学 FIT入試(以内・自筆)
800字
大阪大学(程度)
800字
学習院大学の公募制は、志望理由書と活動報告書がいずれも日本語500字〜600字。法政大学 法学部国際政治学科は英語で1000ワード以内。成蹊大学は学修計画レポート(A4用紙2ページ以内)も提出します。
大学・方式志望理由書などの指定
慶應義塾大学 FIT入試志望理由書(800字以内・自筆)
同志社大学 自己推薦志望理由書(1,600字程度)
立教大学 自由選抜入試志望理由書(2,000字程度)
大阪大学大阪大学への入学を目指す理由と、学部で取り組みたい学修を800字程度
学習院大学 公募制志望理由書と活動報告書(いずれも日本語500字〜600字)
成蹊大学法律学や政治学を学ぼうとする理由と、関心を持っている社会問題や社会現象。学修計画レポート(A4用紙2ページ以内)も提出
法政大学 法学部国際政治学科英語で1000ワード以内

問われ方は違っても、次の順に考えると筋の通った文章になります。

  1. 関心を持った社会の問題:ニュースや身近な出来事、探究活動の中で、ルールや制度、政治に関わる問題として気になったこと
  2. 自分で調べ、考えたこと:その問題について何を調べ、どんな論点があると分かったか。賛否の両方の立場を踏まえて書く
  3. 大学で何を学ぶか:法律学・政治学のどの分野で、その問題を深めたいか。大学のカリキュラムや学科の特色とつなげる
  4. 卒業後にどうしたいか:学んだことを社会でどう生かすか。職業名だけでなく、取り組みたい問題とつなげる

関西大学の法学部の要項は、他人の文章を書き写したり代わりに書いてもらったりした書類を無効とすると明記しています。京都大学の特色入試の要項も、生成AIツールを含む他者が作成した文章の利用を認めていません。

書き方の基本は志望理由書の書き方、活動の整理の仕方は活動報告書の書き方で説明しています。

小論文・面接・口頭試問の準備

この節の答え英文や資料、講義、指定図書など志望大学の小論文の形式に合わせて練習し、面接では書いた社会問題への反対意見にも答えられるようにします。

小論文:形式に合わせて練習する

法学部の小論文には、自由に論じるものだけでなく、英文や資料を読んで書くもの、講義を聞いて書くもの、指定図書について書くものがあります。関西大学の法学部Ⅱ型は、指定図書『多様性とどう向き合うか─違和感から考える』についての小論文を出願時に提出し、第2次選考でも指定図書の小論文(90分、1,000字程度)を書きます。

成蹊大学の法学部は、討論力審査の課題テーマ(文化の保存と「伝統」の変化をどう捉えるか)を事前に公表しています。

練習には、法律や政治に関わる身近なテーマが使えます。次は実際の出題ではなく、練習に使えるテーマの例です。

  • 成年年齢の引き下げで、18歳の生活や責任はどう変わるか
  • インターネット上の誹謗中傷と、表現の自由をどう両立させるか
  • 若い世代の投票率を上げるために、何ができるか
  • 生成AIが作った文章や画像の権利を、誰がどう持つべきか

問題の背景、対立する考え方、自分の結論と理由、反対の立場への応答の順に組み立てます。英文読解が課される大学を受ける場合は、英文を読んで日本語で要約する練習も加えます。基本の型は小論文の書き方で説明しています。

面接・口頭試問:書類の内容を深く聞かれる

関西大学の法学部や一橋大学のように面接の中で口頭試問を行う大学があり、大阪大学の法学部の面接は必要に応じて外国語で行われる場合があります。

提出した書類の内容は深く聞かれる前提で準備し、書いた社会問題について、なぜそう考えるのか、反対の意見にどう答えるのかを説明できるようにしておきます。面接の準備は面接対策、口頭試問は口頭試問の対策で説明しています。

学年別の準備の進め方

この節の答え高1・2年は評定を保ち英語資格を早めに受け、高3は慶應義塾大学FIT入試の8月3日など早い出願に合わせて夏休みに書類を仕上げます。

高校3年生

  1. 志望大学の法学部の方式が、総合型選抜か学校推薦型選抜か、共通テストが要るかを確かめる
  2. 出願の時期を整理する。慶應義塾大学のFIT入試は8月3日、中央大学・同志社大学・関西大学・早稲田大学・立教大学は9月1日(いずれも2026年。2027年度入試の日程)から出願が始まるので、志望理由書は出願の前の夏休み中に仕上げる
  3. 学校推薦型選抜を考えている場合は、校内で推薦を受けられるかを早めに先生に相談する。東京大学・京都大学・上智大学などは11月に出願する
  4. 小論文・面接の形式に合わせた練習を、書類の準備と並行して始める
  5. 共通テストを課す方式を受ける場合や、不合格に備える場合は、一般選抜の学習を止めない

高校1・2年生

  1. 評定を保つ。法学部には4.0以上や3.8以上を求める方式がある
  2. 英語資格を早めに受ける。英検準1級レベルを求める大学もあり、学習院大学の政治学科のように2028年度入試から基準が変わる大学もある
  3. 社会の問題について調べ、考えたことを記録しておく。志望理由書と面接の材料になる
  4. 慶應義塾大学法学部のように2028年度入試から方式が変わる大学もあるので、志望大学の発表を確認する

よくある質問

Q. 法学部で総合型選抜を行っている大学はどこですか?
A. 国公立大学では大阪大学、東北大学(AO入試)、九州大学(総合型選抜Ⅱ)など、私立大学では慶應義塾大学のFIT入試、早稲田大学の地域探究・貢献入試、中央大学のチャレンジ入学試験、同志社大学の自己推薦入学試験、立教大学の自由選抜入試、関西大学のAO入試などがあります(2027年度入試)。
Q. 東京大学や京都大学の法学部に総合型選抜はありますか?
A. ありません。東京大学、一橋大学、名古屋大学の法学部は学校推薦型選抜を行っています。京都大学は「特色入試」という名前ですが、法学部は学校推薦型選抜で、1校から推薦できるのは2人まで(ただし男性は1人まで)です。どれも高校長の推薦と共通テストが必要です。
Q. 法学部の総合型選抜に共通テストは必要ですか?
A. 大学によります。東京大学、京都大学、一橋大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東北大学のAO入試III期、早稲田大学の地域探究・貢献入試は必要です。東北大学のAO入試II期と、慶應義塾大学、中央大学、同志社大学、立教大学などの方式は共通テストを使いません。
Q. 法学部の総合型選抜に評定平均はどのくらい必要ですか?
A. 大学と方式で違います。慶應義塾大学のFIT入試B方式、同志社大学、上智大学は4.0以上、立教大学、学習院大学の政治学科、西南学院大学は3.8以上です。慶應義塾大学のFIT入試A方式、中央大学、関西大学の法学部などは、要項に評定の基準がありません。
Q. 法学部の総合型選抜に英語資格は必要ですか?
A. 大学によります。一橋大学は英検1級やIELTS 6.5以上などの資格・実績のいずれか、同志社大学は英検準1級やTOEIC L&R 700点以上などが要件です。中央大学のチャレンジ入学試験のように、英語資格が要件ではない方式もあります。
Q. 法学部の総合型選抜はいつ出願しますか?
A. 慶應義塾大学のFIT入試は2026年8月3日から、中央大学・同志社大学・関西大学・早稲田大学・立教大学は9月1日から出願が始まります。学校推薦型選抜は11月以降で、一橋大学と名古屋大学は共通テストの後の1月に出願します。

まとめ

法学部の総合型選抜・学校推薦型選抜は、大学ごとに入試の名前、出願要件、選考の形式が大きく違います。東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学の法学部は学校推薦型選抜で、一覧の国公立大学は8方式のうち7方式で共通テストが必要です。

一覧の私立大学は10方式のうち9方式が共通テストを使わず、11月から12月に結果が出ます。評定や英語資格の基準も方式で違うので、大学別の記事と最新の要項で確認してください。

準備の中心は、社会の問題について自分で調べ考えたことを、法律学・政治学の学びにつなげて書く志望理由書と、志望大学の形式に合わせた小論文・面接の練習です。東京修学館では、家近亮子学長が、志望理由書の構成づくりと、小論文・面接・口頭試問の練習を無料相談でお手伝いしています。

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参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 各大学の2027年度入試要項(大学別の記事に出典を記載)東京修学館
  2. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF

リンク先の確認日:2026-11-01

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