教育学部や教育学科を総合型選抜・学校推薦型選抜で受けたいと考えたとき、最初に知りたいのは、どの大学にどんな入試があり、何を準備すればよいかです。この記事では、2027(令和9)年度入試の各大学の要項に基づいて、教育系の学部・学科で実施される主な入試を一覧にし、出願要件、選考で課されるもの、共通テストの要否、志望理由書と小論文・面接の準備の進め方を、東京修学館の家近亮子学長の監修で解説します。細かい条件は、大学別の記事と各大学の要項で確認してください。
教育学部の総合型選抜・学校推薦型選抜とは
この節の答え総合型選抜は本人の意志で出願でき、学校推薦型選抜は学校長の推薦が要り、教育系は特色入試や自由選抜入試など名称が大学で違います。
総合型選抜と学校推薦型選抜は、どちらも一般選抜とは異なる観点や方法で評価する入試2です。文部科学省の実施要項では、二つは次のように定められています。
| 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | |
|---|---|---|
| 出願 | 本人の意志で出願できる公募制 | 出身高校の学校長の推薦が必要 |
| 評価の中心 | 詳細な書類審査と、時間をかけた丁寧な面接など | 学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価する |
| 必ず行うこと | 志願者本人が記載する資料(活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書など)の評価と、面接(集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などを含む) | 面接(集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などを含む) |
| 2027年度入試の時期 | 出願の受付は2026年9月1日以降、合否の発表は11月1日以降 | 出願の受付は2026年11月1日以降、合否の発表は12月1日以降 |
教育系の学部・学科の名前は大学ごとに違います。教育学部のほか、文学部教育学科(学習院大学・立教大学)、総合人間科学部教育学科(上智大学)、心理学部教育発達学科(明治学院大学)、人間科学部児童教育学科(西南学院大学)、文学部初等教育学専修(関西大学)、社会学部教育文化学科(同志社大学)、人間社会科学科「教育科学・子ども学コース」(お茶の水女子大学)などがあります。
入試の名称も、特色入試、AO入試、自由選抜入試、公募制推薦など、大学によってさまざまです。
出典
各大学の2027年度入試の学生募集要項・入学試験要項(大学ごとの出典は、大学別の記事に記載しています)、文部科学省「大学入学者選抜実施要項」(令和9年度)。出願要件と選考方法は毎年変わることがあります。出願前に必ず各大学の最新の要項を確認してください。
主な大学の入試一覧(2027年度入試)
この節の答え国公立7校と私立8校の教育系の主な入試について、方式・募集人員・共通テストの要否・主な選考を一覧にしています。
教育系の学部・学科で、高校生が一般に出願できる総合型選抜・学校推薦型選抜を実施している主な大学です。募集人員と選考内容は2027年度入試の要項によります。
国公立大学
| 大学・学部(学科) | 方式 | 募集人員 | 共通テスト | 主な選考 |
|---|---|---|---|---|
| 京都大学 教育学部 | 特色入試(総合型選抜) | 6人 | 必要 | 書類、課題(小論文)と口頭試問 |
| 東京大学 教育学部 | 学校推薦型選抜 | 5人程度 | 必要 | 書類・資料、面接等 |
| 東北大学 教育学部 教育科学科 | AO入試II期(総合型選抜) | 15人 | 不要 | 筆記試験(英文読解力、日本語の読解力と表現力)、面接 |
| 名古屋大学 教育学部 | 学校推薦型選抜 | 10人 | 必要 | 書類と共通テスト、小論文と面接 |
| 九州大学 教育学部 | 総合型選抜Ⅰ | 7人 | 不要 | 小論文試験と調査書、プレゼンテーションと面接 |
| 筑波大学 教育学類 | 推薦入試(学校推薦型選抜) | 7名 | 不要 | 小論文(専門に関連する英語の文章を読む形式)、面接 |
| お茶の水女子大学 人間社会科学科(教育科学・子ども学コース) | 学校推薦型選抜 | 10名 | 要項に課す旨の記載はない | 書類、小論文と面接(口述試験を含む) |
私立大学
| 大学・学部(学科) | 方式 | 募集人員 | 共通テスト | 主な選考 |
|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 教育学部(生涯教育学専修、教育心理学専修、初等教育学専攻、国語国文学科、地理歴史専修、地球科学専修) | 地域探究・貢献入試(総合型選抜) | 募集単位ごとに若干名 | 必要 | 書類(課題レポート)、総合試験(筆記・120分)、共通テスト |
| 上智大学 総合人間科学部 教育学科 | 推薦入学試験(公募制) | 7人 | 不要 | 書類(自己推薦書・レポート)、教育に関する小論文(90分)、面接 |
| 立教大学 文学部 教育学科 | 自由選抜入試 | 若干名 | 不要 | 書類、小論文と面接 |
| 学習院大学 文学部 教育学科 | 学校推薦型選抜(公募制) | 若干名 | 不要 | 小論文(60分)、集団面接(グループディスカッションとプレゼンテーション)、個人面接 |
| 明治学院大学 心理学部 教育発達学科 | 自己推薦AO入学試験 | 約25名 | 不要 | 書類、小論文、面接 |
| 同志社大学 社会学部 教育文化学科 | 自己推薦入学試験 | 8名 | 不要 | 書類、小論文、口頭試問(活動のプレゼンテーションを含む) |
| 関西大学 文学部 初等教育学専修 | AO入試 | 3人 | 不要 | 書類、小論文または外国語の長文読解(型による)、面接 |
| 西南学院大学 人間科学部 児童教育学科 | 総合型入試 | 5人程度 | 不要 | 書類、グループディスカッション、面接 |
このほか、中央大学文学部の教育学専攻(自己推薦入学試験・2人。評定4.0以上と、英語・ドイツ語・フランス語のいずれかの資格が要件)、関西学院大学教育学部(探究評価型入学試験〔若干名〕、学部特色入学試験など)、龍谷大学文学部哲学科の教育学専攻(公募推薦入試〔総合評価型〕・8人。
学校長の推薦が必要で、英語と国語の学力試験が中心)でも、教育学を学べる学科・専攻で年内の入試が行われています。
教育学部以外で、教員に関わる区分がある入試
- 立命館大学スポーツ健康科学部のCREA方式(教員熱望型):教職課程を履修し教員を希望することが出願資格で、全体の学習成績の状況3.5以上が必要
- 関西大学外国語学部のAO入試C〔英語教員〕:外国語学部のA〜Eの型の一つ。評定3.8以上かつ英語に関する科目4.2以上と、英検2級以上かつCSEスコア2,100点以上などの4技能資格が必要
出願要件の傾向(評定・英語資格・卒業年度・専願)
この節の答え評定は京都大学4.3以上、学習院大学4.1以上、立教・上智・西南学院大学4.0以上などで、英語資格を求める大学は一部です。
評定(全体の学習成績の状況)
下の表の15校のうち11校は、評定か学習成績概評の基準を要項に書いています(筑波大学と明治学院大学は、ほかの条件と並ぶ選択肢の一つ)。基準の有無と水準は大学ごとに違います。
| 大学・学科 | 評定の基準(要項の記載) |
|---|---|
| 京都大学 教育学部 | 全体の学習成績の状況4.3以上 |
| 東北大学 教育学部(II期) | 調査書の学習成績概評がA段階 |
| 筑波大学 教育学類 | 推薦要件(1)は体育専門学群と知識情報・図書館学類を除く学群・学類で、学習成績概評がA段階、または個別学力検査等に合格できる程度以上の学力 |
| お茶の水女子大学 教育科学・子ども学コース | 学習成績概評がAであることと、学科が示す意欲などの要件の両方 |
| 名古屋大学 教育学部、九州大学 教育学部、東京大学 教育学部 | 評定の数値基準の記載はない |
| 学習院大学 教育学科 | 4.1以上(または4.0以上かつ数学・理科4.2以上) |
| 立教大学 教育学科、上智大学 教育学科、西南学院大学 児童教育学科、中央大学 教育学専攻 | 4.0以上 |
| 明治学院大学 教育発達学科 | 英語の評定4.0以上、国語の評定4.0以上、全体3.5以上、英検2級以上などの英語資格のいずれか1つに加えて、単発でない社会貢献活動(ボランティア活動や地域活動)の実績か国際交流経験が必要 |
| 関西大学 文学部 | 3.5以上 |
| 早稲田大学 地域探究・貢献入試 | 出願資格に評定の基準はない |
学習院大学や西南学院大学の要項では、評定は1年生からの成績で判断されます。学習成績概評の区分と評定の計算の仕方は評定平均の解説で説明しています。
英語資格
- 西南学院大学 児童教育学科:英検CSE 1728点以上、TEAP 135点以上、GTEC 680点以上などが出願要件(2024年9月以降の受験が有効)
- 上智大学 教育学科:英検2級、TOEFL iBT 42、IELTS 4.0などの基準のいずれか1つと評定の基準の両方を満たす必要がある(4技能のスコアが必要。有効期間は、英検が2016年度第1回以降、TEAPが2025年度・2026年度の受験、TOEFL iBT・IELTS・GTEC・TOEICが出願書類提出期日から遡って2年以内)
- 同志社大学 教育文化学科:GTEC、TOEFL iBT、TOEFL ITP、英検のいずれかで英語能力を証明する
- 立教大学 教育学科:基準点はなく、スコアの提出が条件(英語以外の言語の検定でも可)。英語は4技能のスコアで、出願期間の初日から遡って2年以内に受けたものだけが有効
- 明治学院大学 教育発達学科:英語資格は、評定などと並ぶ出願条件の選択肢の一つ
- 学習院大学 文学部(公募制)と、京都大学・東北大学・名古屋大学・九州大学・筑波大学・お茶の水女子大学の教育系の方式:出願要件に英語資格は含まれていない(東北大学・筑波大学などは、提出すれば評価に使われる)
卒業年度と専願
名古屋大学、筑波大学(原則)、お茶の水女子大学、東北大学II期、学習院大学、上智大学は、2027年3月までに卒業する見込みの現役生が対象で、西南学院大学の児童教育学科も既卒生は出願できません。一方、九州大学の総合型選抜Ⅰは2021年4月以降の卒業者、東京大学は2025年4月以降の卒業者も出願でき1、早稲田大学の地域探究・貢献入試は出願資格に卒業年度の制限がありません。
この記事で取り上げた国公立大学の入試は、いずれも合格したら入学することが出願の前提です(九州大学は第1志望であること、または入学の確約1)。国公立大学の学校推薦型選抜に出願できるのは1つの大学・学部だけです。
私立大学では、上智大学・学習院大学・明治学院大学が第一志望で入学を確約できること、西南学院大学が専願制を条件にしています。早稲田大学の地域探究・貢献入試や立教大学の自由選抜入試は、他大学と併願できます。
ただし地域探究・貢献入試は複数の学部には出願できず、教育学部は学部内の併願もできません。
選考で課されるもの(大学の実例)
この節の答え小論文と面接が中心で、学習院大学と西南学院大学はグループディスカッション、九州大学はパネルを使った発表を課します。
この記事で取り上げた大学は、いずれも書類に加えて、小論文・面接・総合試験などの試験を課します。教育系の学科で課される主な試験を、形式ごとに整理しました。
| 形式 | 大学の実例(要項の記載) |
|---|---|
| 小論文 | 京都大学(課題(小論文))、名古屋大学、上智大学(教育に関する小論文90分)、学習院大学(60分)、立教大学、明治学院大学、同志社大学、関西大学(90分、800〜1,000字程度)、九州大学(第1次選抜の小論文試験) |
| 英文を読む試験 | 東北大学(筆記試験で英文読解力と日本語の読解力、要旨や自分の考えを述べる表現力を問う)、筑波大学(専門に関連する英語の文章を読ませる小論文) |
| 大学独自の総合試験 | 早稲田大学(論理的思考力を問う総合試験。筆記・120分) |
| グループディスカッション | 学習院大学(集団面接80分。グループディスカッションとプレゼンテーション)、西南学院大学(80分・100点) |
| プレゼンテーション | 九州大学(課題についてパネルを作り10分程度で発表)、同志社大学(口頭試問の中で活動のプレゼンテーション) |
| 口頭試問 | 京都大学、同志社大学、お茶の水女子大学(面接に口述試験を含む) |
| 個人面接 | 東北大学、名古屋大学、九州大学(10分間)、筑波大学、上智大学、立教大学、学習院大学(1人10分程度)、明治学院大学、関西大学、西南学院大学など |
配点が公表されている例では、東北大学の教育学部(II期)は筆記試験400点・面接200点の計600点1、西南学院大学の児童教育学科は書類選考50点、グループディスカッション100点、面接50点1です。この記事で取り上げた大学の選考方法(大学別の記事に整理したもの)には、模擬授業を課すという記載はありません。
準備は、上の表にある小論文・面接・グループディスカッション・プレゼンテーションを中心に進めます。
共通テストが要る大学・要らない大学
この節の答え京都大学・東京大学・名古屋大学と早稲田大学の地域探究・貢献入試は必要で、東北大学II期や九州大学総合型選抜Ⅰなどは不要です。
| 区分 | 大学・方式 | 要項の記載 |
|---|---|---|
| 要る | 京都大学 教育学部(特色入試) | 930点満点中概ね80%以上 |
| 要る | 東京大学 教育学部(学校推薦型選抜) | 指定の教科・科目をすべて受験し、概ね8割以上が目安。教育学部は文系型・理系型のどちらで受験しても可 |
| 要る | 名古屋大学 教育学部(学校推薦型選抜) | 6教科8科目又は7教科8科目(950点満点)。令和8年度の合格者の平均得点率は78.23% |
| 要る | 早稲田大学 教育学部(地域探究・貢献入試) | 3教科3科目(300点)で240点以上が合格の条件。科目は専修によって違う |
| 要らない | 東北大学 AO入試II期、九州大学 総合型選抜Ⅰ、筑波大学 推薦入試 | 共通テストを課さず、年内に合否が決まる |
| 要らない | 上智大学、立教大学、学習院大学、明治学院大学、同志社大学、関西大学、西南学院大学 | 選考方法に共通テストは含まれない |
共通テストを課す入試は、書類や面接の評価が高くても、共通テストの得点が基準に届かなければ合格できません。合格発表も2月で、京都大学・東京大学・名古屋大学は2027年2月10日1、早稲田大学の教育学部は2月12日です。
一般選抜の学習を止めずに準備する必要があります。
お茶の水女子大学の学校推薦型選抜は、要項に共通テストを課す旨の記載がなく、12月10日に合格者が発表されます1。東北大学では、令和8年度は教育学部にもIII期(共通テストを課す方式)の募集がありましたが、令和9年度の募集人員表にはありません。
日程の目安(2027年度入試)
この節の答え出願は9月の大学、10月の東北大学、11月の大学、共通テスト後の1月の名古屋大学に分かれます。
出願の時期は、9月の大学、10月の大学(東北大学)、11月の大学、共通テストの後の1月の大学(名古屋大学)に分かれます。
| 大学 | 出願 | 試験 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 9月1日〜9月10日 終了 | 10月25日(2次選考) | 2027年2月12日 |
| 立教大学 | 9月1日〜9月10日 終了 | 11月14日 | 12月7日 |
| 関西大学 | 9月1日〜9月7日 終了 | 10月18日 | 11月2日 |
| 同志社大学 | 9月1日〜9月7日(書類受付) 終了 | 11月14日 | 12月4日 |
| 九州大学 | 9月7日〜9月11日 終了 | 10月12日(第1次)、11月28日(第2次) | 12月21日 |
| 西南学院大学 | 9月11日〜9月18日 終了 | 10月17日 | 11月2日 |
| 明治学院大学 | 9月14日〜9月24日 終了 | 11月15日 | 12月4日 |
| 東北大学 | 10月13日〜10月16日(書類必着) 終了 | 11月7日(筆記)、11月28日(面接) | 12月4日 |
| 京都大学 | 11月5日〜11月11日 | 12月12日(第2次選考) | 2027年2月10日 |
| 東京大学 | 11月1日〜11月6日(高校による出願) | 12月12日(面接等) | 2027年2月10日 |
| 学習院大学 | 11月1日〜11月5日 | 11月14日 | 12月4日 |
| 上智大学 | 11月1日〜11月5日 | 11月28日 | 12月10日 |
| お茶の水女子大学 | 11月2日〜11月4日(書類必着) 終了 | 11月28日・29日 | 12月10日 |
| 筑波大学 | 11月2日〜11月9日(書類必着) | 11月26日〜27日 | 12月10日 |
| 名古屋大学 | 2027年1月19日〜1月22日 | 2027年2月8日 | 2027年2月10日 |
「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。
年の記載がないものは2026年です。出願はWeb登録と書類の郵送の両方が必要な大学があり、締切の扱い(消印有効か必着か)も大学で違います。
志望理由書の書き方(教育系の場合)
この節の答えきっかけの経験、生まれた問い、大学で学びたいこと、卒業後の進路の順に材料を整理し、一本の筋にして書きます。
大学ごとに求められる書類
| 大学・学科 | 本人が作成する主な書類 |
|---|---|
| 京都大学 | 学びの設計書(京都大学で何を学びたいか、卒業後にどうしたいか)、学びの報告書 |
| 東北大学 | 志願理由書(勉学したい学問分野、希望する進路、これまで熱中したことと関連させて書く)。教育学部は活動報告書の提出なし |
| 九州大学 | 総合型選抜Ⅰの教育学部は志望理由書を提出しない |
| 筑波大学 | 志望の動機(自筆で600字以内) |
| お茶の水女子大学 | 志望理由書(1枚以内。専攻分野への興味、大学生活や将来への抱負などを自筆で書く) |
| 早稲田大学 | 課題レポート(所定用紙4枚以内。地域の課題、その課題を意識した理由、これまでの活動、学部で学びたいこと、卒業後の地域への貢献の5点) |
| 上智大学 | 自己推薦書と、指定図書2冊から1冊を要約し考えを書くレポート(2000字程度) |
| 立教大学 | 志望理由書(2,000字程度) |
| 学習院大学 | 志望理由書(1,200字程度) |
| 明治学院大学 | 自己アピール書(A4用紙2枚またはA3用紙1枚。パソコンは使用不可) |
| 同志社大学 | 英語の志望理由書(600words程度)、活動と人間形成について論じるレポート(2,000字以内) |
| 西南学院大学 | 志望理由書、学修計画書(手書き・パソコンどちらも可) |
組み立て方
東北大学の志願理由書が「勉学したい学問分野、希望する進路、これまで熱中したこと」を関連させて書くよう求めているように、教育系の志望理由書でも、経験と学びたいことと将来を一本の筋にすることが基本です。組み立て方と例文は教育学部の志望理由書の書き方と例文で説明しています。
次の順で材料を整理すると書きやすくなります。
- きっかけになった経験:学校生活、部活動、学習支援やボランティアなどで、教育について考えた具体的な場面を一つ選ぶ
- そこから生まれた問い:その場面で何に疑問を持ったか、何を知りたいと思ったかを言葉にする
- 大学で学びたいこと:志望する学部・学科のカリキュラムや専修・コースを調べ、問いとどうつながるかを書く。学校の教員を目指す場合も、教育学として何を学びたいかまで書く
- 卒業後の進路:教員、教育に関わる仕事、研究など、学んだことをどう生かしたいかを書く
東北大学の面接が志願理由書も参考に行われるように、提出した書類の内容は面接や口頭試問で掘り下げられます。書いた内容は自分の言葉で説明できるようにしておきます。
京都大学・九州大学・上智大学などの要項には、生成AIで作成した文章を本人の書類として認めない旨が書かれています。書き方の基本は志望理由書の書き方、自己推薦書は自己推薦書の書き方で説明しています。
小論文・面接・グループディスカッションの準備
この節の答え教育に関わるテーマで課題文の要点と自分の立場を書く型を練習し、討論では議論を前に進める役割を意識します。
小論文
教育系の小論文は、課題文や資料を読んで考えを述べる形式(学習院大学・九州大学など)があり、筑波大学のように英語の文章を読む形式や、上智大学のように「教育に関する小論文」と分野が示される大学もあります。練習では、教育に関わるテーマについて、課題文の要点をまとめ、自分の立場と理由、具体例を示して書く型を身につけます。
練習に使えるテーマの例(実際に出題された内容ではありません):学校でのICTの活用、不登校の子どもへの支援、いじめの予防、教員の働き方、地域と学校の連携、外国にルーツを持つ子どもの学び、幼児教育の役割。
面接・口頭試問
面接では、志望理由書に書いた経験や問いについて、深く聞かれる前提で準備します。京都大学や同志社大学のように口頭試問がある大学では、書類の内容に関連して考えを説明することが求められます。
九州大学のプレゼンテーションは、課題についてパネルを作り10分程度で発表する形式です。
グループディスカッション
学習院大学と西南学院大学は、グループディスカッションを選考に含めています。自分の意見を述べるだけでなく、他の人の意見を聞いて整理し、議論を前に進める役割を意識して練習します。
学校の授業や探究活動での話し合いも練習の場になります。
練習の仕方は小論文の書き方、面接対策、口頭試問の対策で説明しています。
学年別の準備の進め方
この節の答え高1・2年は評定を保ち教育について考える活動を記録し、高3は方式と共通テストの要否を確かめ、夏休みに書類の下書きを作ります。
高校3年生
- 志望校の方式が総合型選抜か学校推薦型選抜か、共通テストが要るか、出願が9月・11月・1月のどれかを確認する
- 学校推薦型選抜を受ける場合は、校内で推薦を受けられるかを早めに先生に相談する。東京大学は1つの高校から推薦できる人数が合計4人まで、名古屋大学の教育学部は2人以内と決まっている
- 英語資格が出願要件の大学は、証明書が出願期間内にそろうよう手配する
- 志望理由書や課題レポートは夏休み中に下書きを作り、先生に読んでもらう。9月に出願が始まる大学は、夏休みの終わりが実質的な締切になる
- 小論文、面接、グループディスカッションなど、志望校の選考の形式に合わせて練習する
- 共通テストを課す大学を受ける場合や、不合格に備える場合は、一般選抜の学習を続ける
高校1・2年生
- 評定の基準がある大学(この記事の評定の表では4.0以上が6校)を考えている場合は、1年生から成績を保つ
- 学習支援、ボランティア、探究活動など、教育について考えるきっかけになる活動に取り組み、記録を残しておく
- 英検などの英語資格を2年生までに受けておく
- 教育に関する新聞記事や本を読み、要点と自分の考えを短くまとめる練習をする
よくある質問
- Q. 国立大学の教育学部に総合型選抜はありますか?
- A. あります。京都大学の教育学部は特色入試(総合型選抜)、東北大学の教育学部はAO入試II期、九州大学の教育学部は総合型選抜Ⅰを実施しています。東京大学と名古屋大学の教育学部、筑波大学の教育学類、お茶の水女子大学の教育科学・子ども学コースは学校推薦型選抜で、学校長の推薦が必要です。お茶の水女子大学の教育科学・子ども学コースは総合型選抜(新フンボルト入試)にも出願でき、出願資格と選抜方法は人間社会科学科と同じです。
- Q. 教育学部の総合型選抜に共通テストは必要ですか?
- A. 大学によります。京都大学(930点満点中概ね80%以上)、東京大学(概ね8割以上が目安)、名古屋大学、早稲田大学の地域探究・貢献入試(300点中240点以上)は必要です。東北大学のAO入試II期、九州大学の総合型選抜Ⅰ、筑波大学の推薦入試と、この記事で取り上げたその他の私立大学は、選考に共通テストを使いません。
- Q. 教育学部の総合型選抜に評定平均の基準はありますか?
- A. この記事の評定の表にある15校のうち11校の要項に、評定か学習成績概評の基準があります。京都大学は4.3以上、学習院大学の教育学科は4.1以上(または4.0以上かつ数学・理科4.2以上)、立教大学・上智大学・西南学院大学は4.0以上、東北大学のII期は学習成績概評がA段階です。名古屋大学、九州大学、東京大学の教育学部と早稲田大学の地域探究・貢献入試は、要項に評定の数値基準の記載がありません。
- Q. 教育学部の総合型選抜の日程は?
- A. 2027年度入試では、早稲田大学、立教大学、関西大学、同志社大学が9月1日から出願を受け付け、九州大学は9月7日から、西南学院大学は9月11日からです。東北大学は10月、京都大学・東京大学・学習院大学・上智大学・お茶の水女子大学・筑波大学は11月、名古屋大学は共通テストの後の2027年1月19日からが出願期間です。
- Q. 教育学部の総合型選抜で英語資格は必要ですか?
- A. 一部の大学で必要です。西南学院大学の児童教育学科は英検CSE 1728点以上などが出願要件で、上智大学の教育学科は英検2級などの基準を満たす必要があります。同志社大学の教育文化学科は英語能力の証明、立教大学の教育学科はスコアの提出が条件です。京都大学・東北大学・名古屋大学・九州大学・筑波大学・お茶の水女子大学の教育系の方式は、出願要件に英語資格が含まれていません。
- Q. 教育学部の総合型選抜は他の大学と併願できますか?
- A. この記事で取り上げた国公立大学の入試は、合格したら入学することが前提です。国公立大学の学校推薦型選抜に出願できるのは1つの大学・学部だけです。私立大学では、上智大学・学習院大学・明治学院大学が入学の確約、西南学院大学が専願制を条件にしています。早稲田大学の地域探究・貢献入試や立教大学の自由選抜入試は、他大学と併願できます。ただし地域探究・貢献入試は複数の学部には出願できず、教育学部は学部内の併願もできません。
まとめ
教育学部・教育系学科の総合型選抜と学校推薦型選抜は、京都大学・東北大学・九州大学などの国立大学から、早稲田大学・上智大学・立教大学などの私立大学まで広く実施されています。共通テストの要否、評定の基準、英語資格、出願の時期は大学ごとに大きく違うので、まず志望校の方式と条件を要項で確かめることが出発点です。
準備の中心は、経験と学びたいことと将来をつなげた志望理由書と、小論文・面接・グループディスカッションなど志望校の選考形式に合わせた練習です。東京修学館では、家近亮子学長が、志望理由書の構成づくりと、小論文・面接・グループディスカッションの練習を無料相談でお手伝いしています。
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この記事で分からなかったところを、家近亮子学長があなたの志望校と今の状況に当てはめて整理します。60分・初回無料、入塾は任意です。
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参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
リンク先の確認日:2026-11-01
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