課題レポートは、大学入試の総合型選抜や学校推薦型選抜で、大学が示した課題について調べ、自分の考えをまとめて提出する文章です。この記事では、志望理由書・小論文との違い、書く手順と構成、800字程度の例文、引用と参考文献の書き方を整理します。課題レポートを課す大学の実例と、生成AIの扱いも取り上げます。東京修学館の家近亮子学長の監修です。
課題レポートとは(志望理由書・小論文との違い)
この節の答え課題レポートは大学が示した課題について資料を調べ、根拠を示して考えを論じる文章で、最後に参考文献を付けます。
課題レポートは、大学が示したテーマや資料について調べ、根拠を示しながら自分の考えをまとめる文章です。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜で、出願書類の一つとして、または選考当日の課題として課されます。
「レポート等特定課題」「入学者選抜課題」「独自研究レポート」など、大学によって名前は違います。
| 項目 | 課題レポート | 志望理由書 | 小論文 |
|---|---|---|---|
| 問われること | 与えられた課題について、調べた事実と自分の考察 | なぜこの大学・学部で学びたいか | 設問に対する意見と、その理由 |
| 書く場所と時間 | 多くは出願前に自宅などで書く。会場で書く方式もある | 出願前に書く | 試験会場で、制限時間内に書く |
| 使う資料 | 自分で探して読む。指定図書や動画が示されることもある | 大学の案内や要項、自分の経験 | その場で示された課題文や図表 |
| 最後に付けるもの | 参考文献の一覧 | なし | なし |
志望理由書は自分自身について書く書類で、課題レポートは与えられた課題を論じる書類です。小論文とは、主張を根拠で支える点が同じです。
違いは、資料を調べて書き直す時間があることです。その分、どの資料を使い、どう示したかまで読み手に伝わります。
それぞれの書き方は、志望理由書の書き方と小論文の書き方で説明しています。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、総合型選抜を「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせる」入試方法と定めています。出願時に提出する課題レポートは、書類審査の資料の一つとして各大学が課しているものです。
同じ要項は、オンラインの模擬授業を受けて、その内容に関するレポート1を提出させる方法も例に挙げています。
出典
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)の第3「入試方法」と第13の7。文部科学省「入学者選抜実施要項」で公開されています。
課題レポートには、試験当日に会場で書く形もあります。会場で書く形は小論文に近いので、この記事では、出願時に提出する形を中心に説明します。
大学入試・大学受験のレポートと、授業のレポートの違い
大学入試の課題レポートは、「入試レポート」「受験レポート」と呼ばれることもあり、合否を決める選考の資料として読まれます。高校の授業で出す感想文や実験の記録とは、読む人も、求められることも違います。
| 観点 | 大学入試の課題レポート | 高校の授業のレポート(感想文・実験の記録など) |
|---|---|---|
| 読む人 | 大学の教員など、選考を担当する人 | 授業の先生 |
| 求められること | 課題文の問いに答え、資料を根拠に自分の考えを論じる | 授業の内容の理解や感想、実験の手順と結果 |
| 形式の決まり | 字数・様式・資料の明記など、要項と課題文の条件に従う | 先生の指示に従う |
| 出典と参考文献 | 使った資料を示し、最後に参考文献の一覧を付ける | 求められないこともある |
| 提出したあと | 面接や討論、発表で内容を聞かれることがある | 授業の評価に使われる |
書き方の基本は、大学の授業で書くレポートと同じで、問いに答え、根拠を示し、引用と参考文献を正しく書くことです。この記事で説明する手順と構成は、総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜のどちらの課題レポートにも使えます。
読み手に伝わる課題レポートの3つの条件
この節の答え問いに正面から答えていること、出典つきの根拠があること、調べた事実から自分の考察を書いていることの3点です。
大学が示す課題文には、「資料を使う」「調べて分析する」「自分の分析・見解を書く」といった指定が並んでいます(実例は大学別の実例の表)。共通して求められているのは、次の3点です。
| 条件 | 内容 | 見直し方 |
|---|---|---|
| 問いに答えている | 課題文が求めていることに、序論と結論で正面から答えている | 課題文と結論を並べて読む |
| 根拠がある | 主張を支える事実やデータがあり、出典が示されている | 主張ごとに、根拠にした資料を一つずつ挙げてみる |
| 自分の考察がある | 調べたことの紹介で終わらず、そこから何が言えるかを書いている | 資料にもとづく文と、自分の考えの文を色分けする |
調べた内容を並べただけの文章は、資料の要約です。資料のない意見だけの文章は、感想文になります。事実と考察の両方がそろって、課題レポートになります。
課題レポートの書き方5ステップ
この節の答え課題の読み取り、資料集め、構成、下書き、推敲の5段階で進め、最初に課題文を対象・作業・条件に分けます。
ステップ1:課題の読み取り
最初に、課題文を「対象」「求められている作業」「条件」に分けます。ここを読み違えると、どれだけ調べても課題に答えていないレポートになります。
課題文の例(説明のための創作)
あなたの住む地域の公共交通について現状を調べ、課題を一つ挙げて、あなたの考える解決策を論じなさい(2,000字程度。参考にした資料を明記すること)。
| 分ける項目 | この例での答え |
|---|---|
| 対象 | 自分の住む地域の公共交通 |
| 求められている作業 | 現状を調べる、課題を一つ挙げる、解決策を論じる、の3つ |
| 条件 | 2,000字程度、参考にした資料を明記する |
課題文の動詞によって、書く内容は変わります。
| 課題文の言葉 | 求められていること |
|---|---|
| 説明しなさい | 事実や仕組みを、筋道を立てて述べる |
| 要約しなさい | 自分の意見を入れずに、要点を短くまとめる |
| 考察しなさい | 調べた事実から何が言えるかを、理由とともに述べる |
| 論じなさい・考えを述べなさい | 自分の立場を示し、根拠で支える |
ステップ2:資料集め
課題に関係する資料を集めて読みます。読みながら、分かったことと出典(著者、題名、発行年、ページ、URL)を一緒にメモします。資料の選び方は、後の節で説明します。
ステップ3:構成
書き始める前に、課題への答え(結論)を一文で決めます。次に、その答えを支える事実と理由を並べ、序論・本論・結論の骨組みを箇条書きで作ります。
ステップ4:下書き
骨組みに沿って文章にします。一つの段落には一つの話題だけを書き、事実を述べる文と自分の考えを述べる文は分けます。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 文体 | 大学の指定に従う。指定がなければ、レポートは常体(だ・である)で書くのが一般的。敬体と混ぜない |
| 言葉づかい | 話し言葉を避ける。「なので」は「そのため」、「ちゃんと」は「適切に」と書き換える |
| 様式 | 手書きかパソコンか、用紙、枚数を要項で確かめる。早稲田大学の地域探究・貢献入試はパソコンでの作成が原則 |
ステップ5:推敲
書き上げたら、日を置いて読み直します。声に出して読むと、長すぎる文や、つながりの悪い段落に気づけます。そのうえで、学校の先生など自分以外の人に読んでもらい、書き直します。
構成の型:序論・本論・結論の役割と字数配分
この節の答え序論・本論・結論の3部構成で本論を事実の整理と考察に分け、序論と結論は短く、本論に字数の多くをあてます。
課題レポートの基本は、序論・本論・結論の3部構成です。本論を「事実の整理」と「考察と主張」に分けると、調べたことと自分の考えが混ざりません。
| 部分 | 役割 | 書くこと |
|---|---|---|
| 序論 | 問いと答えを示す | 何について論じるか、課題にどう答えるか、どの順で述べるか |
| 本論(事実の整理) | 現状を資料で示す | 統計や文献から分かる事実。出典を示す |
| 本論(考察と主張) | 事実から自分の考えを導く | 事実から言えること、自分の主張、反対の立場への応答 |
| 結論 | 答えを確かめる | 序論で示した答えを、本論を踏まえて言い直す。新しい話題は足さない |
字数の配分に決まりはありません。上の図は、序論と結論を全体の1割5分ずつ、本論を7割とした場合の例です。
1,200字なら序論180字・本論840字・結論180字になります。課題が現状の説明を重く求めていれば、事実の整理を増やします。
参考文献の一覧を字数に含めるかどうかは、大学の指定を確認してください。
構成メモと書き出しの例
構成メモの例(説明のための創作)
序論:〇〇市では路線バスの減便が続いている。通学と通院の移動手段をどう確保するかを論じる。答えは、予約制の乗合交通を既存の路線と組み合わせること。
本論(事実の整理):市の公表資料で見る便数と利用者数の変化。減便の理由。
本論(考察と主張):路線の維持、予約制の乗合交通、スクールバスの活用の3案を、費用と利用のしやすさで比べる。高齢者が予約しにくいという反対意見への応答。
結論:序論の答えを言い直し、残る課題を一つ挙げる。
書き出しの例(説明のための創作)
本稿では、〇〇市の路線バスの減便を取り上げ、通学と通院の移動手段を確保する方法を検討する。結論として、予約制の乗合交通を既存の路線と組み合わせることが有効だと考える。以下、まず減便の現状を市の公表資料で確認し、次に三つの対策を比較したうえで、この結論の理由を述べる。
書き出しでは、取り上げる対象、課題への答え、述べる順番の3つを示します。最初の段落で答えが分かると、読み手は本論を追いやすくなります。
課題レポートの例文(800字程度・説明のための創作)
この節の答え地域の防災を題材にした800字程度の創作の例文で、序論で答えを示し、本論で資料の事実と考察を分け、結論で答えを言い直す流れを示します。
ここまでの構成を、800字程度の課題で書くとどうなるかを例文で示します。課題文、例文、参考文献はすべて説明のための創作で、〇〇市は架空の市です。資料の数字は伏せ字にしています。
課題文の例(説明のための創作)
あなたの住む地域の防災について、資料を用いて現状を説明し、高校生にできる取り組みを一つ提案しなさい(800字程度。参考にした資料を明記すること)。
例文(説明のための創作)
序論 本稿では、〇〇市の防災を取り上げ、高校生にできる取り組みとして、地域の避難訓練で高校生が案内役を務めることを提案する。以下、まず市の資料から現状を確認し、次にこの取り組みが有効だと考える理由を述べる。
本論(事実の整理) 〇〇市の「市民意識調査報告書」(20XX年)によると、市のハザードマップを見たことがあると答えた人は、回答者の〇割にとどまる。同じ調査では、避難場所を知らないと答えた人の割合は、若い世代ほど高い。また、市の「地域防災計画」は、平日の昼間に災害が起きた場合、働く世代の多くは市外にいるため、地域に残る住民で初めの避難を支える必要があるとしている。つまり、〇〇市では、ハザードマップが十分に知られていないまま、昼間の避難を地域に残る住民で担う必要があるというのが現状である。
本論(考察と主張) この現状に対して、私は、高校生が避難訓練の案内役を務めることが有効だと考える。理由は二つある。第一に、高校生は平日の昼間も地域の学校にいるため、昼間の避難を支える担い手になりうる。第二に、案内役を務めるには、高校生自身が避難場所や危険な場所を地図で調べる必要があり、その過程でハザードマップの内容が家庭にも伝わると考えられる。一方で、授業のある日に高校生が地域の訓練に参加するのは難しいという意見もあるだろう。これに対しては、学校の避難訓練と地域の訓練を同じ日に行えば、授業と両立できると考える。ただし、案内役を務める前に、高校生が避難の手順を学ぶ時間を学校の中で設ける必要がある。
結論 以上のように、ハザードマップが十分に知られていない〇〇市の現状に対して、高校生が避難訓練の案内役を務めることは、昼間の避難の担い手を増やし、防災の情報を家庭に広げる点で有効である。今後は、学校と町内会が訓練の日程をどう調整するかを、実際の訓練の記録をもとに考えたい。
参考文献
〇〇市「市民意識調査報告書」20XX年
〇〇市「地域防災計画」20XX年
| 部分 | 例文でしていること |
|---|---|
| 序論 | 取り上げる対象(〇〇市の防災)、課題への答え(避難訓練の案内役)、述べる順番の3つを最初の段落で示す |
| 本論(事実の整理) | 市の資料の名前と年を示して現状を書く。この段落には自分の意見を入れない |
| 本論(考察と主張) | 「私は〜と考える」で立場を示し、理由を二つ挙げる。反対の意見を一つ取り上げて応える |
| 結論 | 序論の答えを、本論の二つの理由を踏まえて言い直し、残る課題を一つ挙げる。新しい論点は足さない |
| 参考文献 | 本文で使った資料を、作成者、題名、発行年の順にそろえて載せる |
字数が多い課題では、例文と同じ骨組みのまま本論を厚くします。2,000字程度なら、事実の整理で使う資料を増やし、考察と主張で複数の案を比べるなどして、字数配分の例のように本論に全体の7割ほどを充てます。
600字程度の短い課題では、反対の意見への応答を一文にまとめるなどして字数を詰め、序論と結論の役割は残します。
例文は、段落の役割と文の組み立てを見るためのものです。言い回しやテーマをそのまま使うと、課題文が求めることからずれやすく、他人の文章を書き写したと受け取られるおそれもあります。
自分の課題文を対象・作業・条件に分け、自分で集めた資料をもとに書いてください。
資料の調べ方と、引用・参考文献の書き方
この節の答え統計や白書・本・新聞を根拠にし、直接引用はかぎ括弧で囲んで出典を示し、本文で使った資料は参考文献に載せます。
課題レポートの説得力は、どの資料を使ったかで変わります。成蹊大学の要項は、経済学部で3件以上の資料、経営学部で情報源の明記、国際共創学部で参考文献の明記を求めています。
| 資料 | 使いどころ | 探す場所・注意 |
|---|---|---|
| 国や自治体の統計・白書 | 現状を数字で示す | 省庁や自治体のサイト、政府統計の総合窓口(e-Stat)。調査の年と対象を見ておく |
| 本(新書・入門書) | テーマの全体像をつかむ | 学校や地域の図書館。古い本でないか発行年を見る |
| 新聞記事・論文 | 最近の動きや、専門的な分析を知る | 図書館の新聞データベース、論文検索サイト(CiNii Research、J-STAGE) |
| 個人のブログ・まとめサイト | 調べる入口にとどめる | 根拠としては使わず、元の資料を探して読む |
引用のルール
著作権法第32条は、公表された著作物を、公正な慣行に合う方法で、正当な範囲内で引用できる3と定めています。第48条は出所の明示を求めています3。レポートでは、次のように書き分けます。
| 使い方 | 書き方 |
|---|---|
| 文章をそのまま使う(直接引用) | 一字一句変えずに、かぎ括弧で囲む。直後に著者、発行年、ページなどを示す |
| 内容をまとめて使う(要約) | 自分の言葉でまとめ、どの資料にもとづくかを示す。自分の意見と混ぜない |
| 統計や図表を使う | 機関名、資料名、調査の年を示す |
自分の文章が主で、引用は主張を支えるために必要な分だけにとどめます。出典を示さずに他人の文章を使うことは盗用にあたります。関西大学の法学部の要項のように、他人の文章を書き写した書類を無効とすると明記する大学もあります。
出典
著作権法第32条・第48条。引用の条件(主従関係、かぎ括弧などによる区分、出所の明示など)は著作権情報センター「著作権が制限されるのはどんな場合?」に整理されています。
参考文献の書き方
参考文献は、読み手がその資料を特定して探し出せるように書きます。書式は分野によって違い、統一された決まりはありません。大学の指定があればそれに従い、なければ一つのレポートの中で書式をそろえます。
| 資料の種類 | 書く項目 | 書き方の例(創作) |
|---|---|---|
| 本 | 著者名、書名、出版社、発行年 | 〇〇〇〇『△△入門』□□出版、2024年 |
| 新聞記事 | 見出し、新聞名、発行日、面 | 「記事の見出し」『〇〇新聞』2026年〇月〇日朝刊、〇面 |
| 論文 | 著者名、題名、雑誌名、巻号、発行年、ページ | 〇〇〇〇「論文の題名」『△△研究』第〇巻第〇号、2023年 |
| Webページ | 作成者(機関)名、題名、URL、見た日付 | 〇〇省「資料の題名」https://…(2026年〇月〇日閲覧) |
本文で引用した資料は、すべて参考文献の一覧に載せます。武蔵大学のテーマ追究方式のように、出典を脚注で示すよう指定する大学もあります。
課題レポートの出題の形と、大学別の実例(2027年度入試)
この節の答えテーマ指定型・課題図書型・講義・動画視聴型・探究型・会場作成型の5つがあり、字数の指定は800字程度〜4,000字程度です。
出題の形、字数、テーマ、様式は、大学・学部・方式ごとに決まっています。2027年度入試(2027年4月入学)の要項から、当サイトの大学別の記事で確認できた例を整理します。
出題の形は5つ
| 形 | 何をするか | 2027年度入試の例 |
|---|---|---|
| テーマ指定型 | 大学が示したテーマについて調べて論じる | 成蹊大学 経済学部・経営学部、明治学院大学 国際学科、上智大学 新聞学科 |
| 課題図書型 | 指定された本や資料を読み、要約や考察を書く | 上智大学 教育学科・総合グローバル学科、関西大学 外国語学部(中国語) |
| 講義・動画視聴型 | 動画や体験授業を視聴・受講して書く | 中央大学 都市環境学科、南山大学 心理人間学科・アジア学科 |
| 探究型 | 自分でテーマを決めて(または示された中から選んで)調べ、結果をまとめる | 武蔵大学 日本・東アジア文化学科、西南学院大学 国際文化学科、中央大学 物理学科 |
| 会場作成型 | 試験当日に、講義や図書をもとに会場で書く | お茶の水女子大学(図書館入試)、立命館大学 政策科学セミナー方式 |
会場作成型のお茶の水女子大学の図書館入試は、附属図書館の図書を参照しながら、9時30分から15時30分までかけて2課題レポートを書きます。会場で書く形は小論文に近いので、小論文の書き方もあわせて読んでください。
大学・方式ごとの字数と内容
課題レポートの字数を指定している例を並べると、800字程度から4,000字程度まで幅があります。
| 大学・学部(方式) | 課題の内容 | 分量・様式 |
|---|---|---|
| 成蹊大学 経済学部(総合型選抜 自己推薦型) | 「日本企業の国際化」を踏まえ、大学で身につけるべき能力とその方法を説明する。最低3件の資料と、最低1つのグラフを使う | 1,200字程度 |
| 成蹊大学 経営学部(同) | 「最低賃金の引き上げについて」。長所と短所を調べて分析し、問題点と克服する方法を論じる | 1,200字程度 |
| 関西大学 社会学部(AO入試) | 社会学・メディア・社会システムデザインの各専攻の専攻別課題レポート | 2,000字程度 |
| 上智大学(推薦入学試験・公募制) | 学科ごとの「レポート等特定課題」。心理学科は「自分にとって心理学を学ぶことの意味」、教育学科は指定図書の要約と考え | 学科により1,200字程度〜3,000字程度など。提出のない学科もある |
| 明治学院大学 国際学科(自己推薦AO入学試験) | 今日の社会で最も重要だと考える問題と、その対処 | 800字程度 |
| 中央大学 物理学科(高大接続型自己推薦入学試験) | 学科の探究課題から1テーマを選び、高校の教員をメンターとして研究したレポート | 2,000〜4,000字程度 |
| 中央大学 都市環境学科(同) | 指定されたオンライン授業の動画4本を視聴して書く | 要項で確認 |
| 早稲田大学 地域探究・貢献入試 | 地域の課題、意識した理由、これまでの活動、学びたいこと、卒業後の地域への貢献の5点を項目別に書く | 所定用紙4枚以内。パソコンでの作成が原則 |
| 南山大学 心理人間学科(総合型入試) | 学科のWebページや動画を見て、学科の特徴を書く | 所定用紙2枚。書式・字数は自由 |
| 武蔵大学 日本・東アジア文化学科(テーマ追究方式) | シラバスを見て研究テーマを選び、文献を読んで自分の分析・見解を書く | A4で4枚程度。「である」調、出典は脚注 |
| 近畿大学 法学部(総合型選抜のB・リーガル・パブリック志向型) | 出願書類として課題レポートを提出する | 要項で確認 |
字数ではなく、枚数で指定する大学もあります。武蔵大学のテーマ追究方式はA4で4枚程度、早稲田大学の地域探究・貢献入試は所定用紙4枚以内2です。
関西大学の文学部(AO入試の論文評価型)のように、6,000〜8,000字程度の論文を課す方式もあります。
課題の文言は年度ごとに変わります。志望する年度の要項の原文で確認してください。
配点と、提出後の使われ方
配点を公表している大学もあります。成蹊大学の経営学部は、一次審査の配点が書類50・課題レポート502です。南山大学のアジア学科は、350点のうち100点が体験授業の課題レポート2です。
提出した後も、課題レポートは選考で使われます。成蹊大学の経営学部は、課題レポートと同じテーマで二次審査の討論を行います。
関西大学のデータサイエンス型・SDGs型と武蔵大学のテーマ追究方式には、課題レポートの内容を5分ほどで発表する場があります。書いた内容は自分の言葉で説明できるようにしておきます。
生成AIの扱い(要項に明記している大学の例)
この節の答え上智大学や京都大学のように認めない大学と、筑波大学や武蔵大学社会学部のように使い方の明示を求める大学があります。
出願書類での生成AIの扱いを、要項に明記する大学があります。2027年度入試の要項から、当サイトの大学別の記事で確認できた記載を挙げます。
| 大学(方式) | 要項の記載 |
|---|---|
| 慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部(AO入試) | 「生成AIによって生成されたものを受験生独自の成果物とはみなしません」。情報収集の補助に使うことは認めている |
| 上智大学(推薦入学試験・公募制) | 「出願書類の作成において生成AIが出力した文章は、志願者本人が作成したものとしては認められません」 |
| 京都大学(特色入試) | 「志願者以外の者(生成AIツールを含む)により作成された文章等を利用することは認めません」 |
| 立命館大学(AO選抜入学試験) | 出願書類の作成に「生成AI等を用いることは認めません」。一部の方式は、使った場合に使い方を申告する |
| 筑波大学(AC入試) | 自己推薦書で、生成AIを用いて作成した文書には下線を引いて示す |
| 武蔵大学 社会学部 | 使用を認めるが、使った場合は使い方を明記する。将来計画書の全文を生成AIの出力だけで作ることは認めない |
認めない大学と、使った箇所や使い方の明示を求める大学に分かれています。書く前に、志望する大学・方式の要項で確認してください。
認められている範囲で使う場合も、生成AIの出力には、誤った内容や実在しない資料の名前が含まれることがあります。資料は元の文献に当たって確かめ、文章は自分で考えて書きます。
提出したレポートは面接や討論で内容を聞かれることが多いので、自分で説明できることだけを書くのが前提です。
よくある失敗と直し方
この節の答え課題に答えていない、紹介や感想で終わる、事実と意見が混ざるといった失敗が多く、序論に答えを一文で書き、事実と考察を分けて直します。
| よくある失敗 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 課題に答えていない | 調べたことを書くうちに、課題文から離れた | 序論に課題への答えを一文で書き、結論と対応させる |
| 調べたことの紹介で終わる | 事実の整理に字数を使い切った | 本論の後半を考察にあて、「この事実から何が言えるか」を書く |
| 感想で終わる | 根拠になる資料がない | 「〜と思った」を「〜と考える。理由は〜である」に直し、資料で支える |
| 事実と意見が混ざる | 一つの文に両方を入れている | 文を分ける。事実には出典を付け、意見は「〜と考える」と書く |
| 出典がない・対応しない | 資料を読む時に出典を控えていない | 読む時に出典を記録し、本文と参考文献の一覧を照らし合わせる |
| 字数が合わない | 配分を決めずに書き始めた | 「以内」は上限を超えない。「程度」は指定の字数の前後にまとめる |
いつから書くか:出願期間と進め方
この節の答え総合型選抜の出願は2026年9月1日以降で、9月上旬に出願する大学では夏休みの終わりが実質的な締切になります。
文部科学省の実施要項では、2027年度入試(2027年4月入学)の総合型選抜の出願は、2026年9月1日以降、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降1と定められています。課題レポートを出願時に提出する主な入試の出願期間は、次のとおりです。
9月上旬に出願する大学では、夏休みの終わりが実質的な締切になります。成蹊大学のように、課題テーマを6月に公開する大学もあります。テーマが公表されたら、すぐに課題文を読んで資料集めを始めます。
上の図の日程は、2027年度入試(2027年4月入学)のものです。2028年度入試(2028年4月入学)を受ける人は、出願の時期をつかむ目安としてこの図を使い、日付や課題テーマは、志望校の2028年度入試の要項が公表されてから確かめてください。
日程は締切から逆算して決めます。清書と様式の確認、先生に読んでもらって書き直す期間、下書き、構成、資料集めの順にさかのぼって日付を入れます。
先生に読んでもらう場合は、早めにお願いしておきます。高校2年生からの準備は高2からのスケジュール、入試の仕組みは総合型選抜の解説で説明しています。
提出前のチェック
この節の答え課題文の作業にすべて答え、序論と結論が対応し、引用と参考文献がそろい、字数と様式が要項どおりかを確かめます。
あわせて出す書類の書き方は、志望理由書の書き方、自己推薦書の書き方、活動報告書の書き方で説明しています。
よくある質問
- Q. 課題レポートと小論文の違いは何ですか?
- A. 出願時に提出する場合、課題レポートは、示されたテーマについて資料を調べ、時間をかけて書いて提出する文章です。小論文は、試験会場で制限時間内に書きます。課題レポートでは、使った資料の出典を示し、最後に参考文献を付ける点も違います。
- Q. 課題レポートは何字くらい書きますか?
- A. 大学・方式ごとに指定されています。2027年度入試の例では、明治学院大学の国際学科が800字程度、成蹊大学の経済学部・経営学部が1,200字程度、関西大学の社会学部が2,000字程度です。用紙の枚数で指定する大学もあるので、志望校の要項で確認してください。
- Q. 課題レポートは「です・ます」と「だ・である」のどちらで書きますか?
- A. 大学の指定があれば、それに従います。武蔵大学のテーマ追究方式のように、「である」調を指定する大学があります。指定がない場合、レポートは常体(だ・である)で書くのが一般的です。一つの文章の中で混ぜないようにします。
- Q. 課題レポートの書き出しはどう書けばよいですか?
- A. 最初の段落で、取り上げる対象、課題への答え、述べる順番の3つを示します。背景の説明を長く書くより、課題にどう答えるかを先に示すほうが、読み手は本論を追いやすくなります。
- Q. 課題レポートにインターネットの情報を使ってもよいですか?
- A. 使えます。国や自治体、研究機関など、作成者がはっきりした資料を選びます。個人のブログやまとめサイトは根拠にせず、元の資料を探して読みます。使った資料は、作成者、題名、URL、見た日付を参考文献に書きます。
- Q. 課題レポートに生成AIを使ってもよいですか?
- A. 大学によって扱いが違います。上智大学や京都大学は、生成AIが作成した文章を本人の書類として認めないと要項に明記しています。筑波大学のAC入試のように、使った箇所の明示を求める例もあります。志望校の要項を確認し、文章は自分で考えて書いてください。
まとめ
課題レポートは、大学が示した課題について資料を調べ、根拠を示して自分の考えを論じる文章です。字数・様式・テーマは大学ごとに違うので、まず志望校の要項で課題文と条件を確かめます。
課題の読み取り、資料集め、構成、下書き、推敲の順に進め、本論では事実の整理と自分の考察を分けます。引用には出典を示し、最後に参考文献を付けます。
9月上旬に出願する大学では、夏休み中に下書きを終えておく必要があります。東京修学館では、家近亮子学長が、課題レポートの構成づくりと、提出後の面接・プレゼンテーションの練習を無料相談でお手伝いしています。
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参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
リンク先の確認日:2026-11-01
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