総合型選抜とは、書類と面接などで受験生の意欲や適性を総合的に評価する大学入試で、以前はAO入試と呼ばれていました。この記事は、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項と、各大学の2027年度入試(2027年4月入学)の要項をもとにしています。仕組み、ほかの入試との違い、日程、評定・併願・既卒生の扱い、費用と合格後の流れ、準備の進め方を、初めて調べる人にも全体の流れが見えるように順に整理します。監修は東京修学館の家近亮子学長です。
- 総合型選抜とは(定義と旧AO入試からの変更点)
- 学校推薦型選抜・一般選抜との違い
- 「自己推薦」「公募推薦」は総合型選抜か(名前と区分の見分け方)
- 総合型選抜で入学する人はどのくらいいるか
- 選考で見られるものと選考方法
- 出願はいつから?日程と流れ(2027年度入試)
- 評定平均は関係あるか
- 欠席日数は見られるか
- 浪人生(既卒生)でも出願できるか
- 併願はできるか(専願と併願)
- 受験にかかる費用と、合格した後の流れ
- メリットとデメリット
- 総合型選抜でよくある誤解
- 総合型選抜で受かる人・向いている人
- 準備の進め方(学年別)
- 学部系統別の傾向
- 大学別の入試ガイド(59大学)
- 総合型選抜に塾は必要か
- 出願前に確認することと、つまずきやすい点
- よくある質問
- まとめ
- 関連記事
- 参考資料
総合型選抜とは(定義と旧AO入試からの変更点)
この節の答え書類審査と丁寧な面接などで能力・適性や意欲を総合的に評価する入試で、令和3年度の入学者選抜からAO入試が総合型選抜になりました。
総合型選抜は、一般選抜、学校推薦型選抜と並ぶ大学入試の区分の一つです。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項(第3の1(2))は、総合型選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定義しています。
ひと言でいえば、試験の点数だけで合否を決めない入試です。
学校長の推薦がなくても、大学が示す出願資格を満たせば自分の意志で出願できます。大学のアドミッション・ポリシー(求める学生像)に合うかどうかを、書類と面接などで時間をかけて見る入試です。
総合型選抜を短く説明すると
短く説明すると、総合型選抜は「大学で学びたいこと」と「そのために取り組んできたこと」を、書類と面接で大学に伝える入試です。学力も、小論文や筆記試験などで見られます。押さえておきたい点は次の3つです。
- 出願のしかた:大学が示す出願資格を満たせば、学校長の推薦なしに、自分の意志で出願できる
- 選ばれ方:一般選抜は学力検査や小論文などが主な資料。総合型選抜は、本人が書く書類(志望理由書・活動報告書・学修計画書など)と面接が中心で、学力を見る方法も一つ以上組み合わせる
- 時期:令和9年度入試の基準では、出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降。一般選抜より早い時期に選考が進む
学校推薦型選抜・一般選抜との違いは次の節で、名前に「推薦」が付く入試の見分け方はその次の節で説明します。
アドミッション・ポリシー(求める学生像)との関係
総合型選抜の評価の土台になるのが、大学・学部が定めるアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)です。実施要項は、入試の方法をアドミッション・ポリシーに応じて組み合わせ、能力・意欲・適性などを多面的・総合的に評価・判定するとしています(第3の1)。
| 実施要項の定め | 受験生にとっての意味 |
|---|---|
| 抽象的な「求める学生像」だけでなく、高校までにどのような力を培ってほしいか、その力をどのような基準・方法で評価するかを、できる限り具体的に書く(第2) | 方針を読むと、何を準備すればよいかと、どの選考で何が見られるかの手がかりになる |
| 高校で履修してほしい科目や、取得しておくことが望ましい資格などを、できる限り具体的に書く(第2) | 科目の履修や資格が、出願要件や評価の対象になることがある |
| 調査書や本人が書く資料をどう使うかを、アドミッション・ポリシーに基づいて募集要項に書く(第10の1(2)) | 書類の評価のされ方は、志望する方式の募集要項で分かる |
志望理由書や面接では、方針の言葉を並べるより、方針のどの部分に自分の経験と学びたいことが対応するかを示すほうが伝わります。3つのポリシーの関係と、方針の探し方・使い方はアドミッション・ポリシーとはで説明しています。
実施要項が定める総合型選抜の決まり
| 決まり | 内容 |
|---|---|
| 公募制 | 入学志願者が自分の意志で出願できる |
| 本人が書く書類 | 活動報告書、大学入学希望理由書(志望理由書)、学修計画書などを、必ず評価に活用する |
| 面接など | 志望する学問分野への意欲や適性を見る面接を必ず行う。ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問を含み、オンラインでの実施もある |
| 学力の評価 | 調査書などの出願書類だけでなく、教科・科目の試験、大学入学共通テスト、小論文など、資格・検定試験の成績のうち、少なくとも一つを必ず活用する。何を使うかは募集要項に書かれる |
| 職業分野の学部 | 高度な専門知識などが必要な職業分野の人材を育てる学部・学科で行う場合は、その職業を目指すことへの意欲・適性を特に重視して評価する |
面接には移行期間があります。実施要項の「第14 備考」は、令和8年度にすでに実施されていた選抜区分で、令和9年度入試から面接を導入することが難しいものは、遅くとも令和11年度入試まで1に導入するとしています。
2027年度入試では、早稲田大学の地域探究・貢献入試のように面接のない方式もあります。
学力が問われない入試ではありません。何で学力を評価するかは、志望大学の募集要項の「選抜方法」で確認します。
旧AO入試から何が変わったか
総合型選抜は、以前「AO入試」(AOはアドミッション・オフィスの略)と呼ばれていました。文部科学省は、2017年7月の「平成33年度大学入学者選抜実施要項4の見直しに係る予告」で、入試区分の名称を改めると通知しました。
令和3年度の入学者選抜(2021年4月入学)の実施要項から「総合型選抜」になっています。同じ時に、一般入試は「一般選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」に変わっています。
| 項目 | AO入試(2020年4月入学まで) | 総合型選抜(2021年4月入学から) |
|---|---|---|
| 学力の評価 | 実施要項に「知識・技能の修得状況に過度に重点を置いた選抜基準とせず」との記載があった。基礎学力の把握は、大学の検査、大学入試センター試験、資格・検定試験、評定平均値のうち少なくとも一つでよかった | この記載を削除。調査書などの出願書類だけでなく、小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科・科目のテスト、資格・検定試験の成績、大学入学共通テストなどの少なくとも一つを必ず使う |
| 本人が書く書類 | AO入試の留意点には書かれていなかった | 活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書などを積極的に活用する(令和9年度の実施要項では「必ず評価に活用する」) |
| 出願の開始 | 8月1日以降 | 9月以降 |
| 合格発表 | 実施要項に時期の定めはなかった。2017年7月の予告によると、10月以前に合格発表を行う大学が全体の42%を占めていた | 11月以降 |
制度上の区分は総合型選抜ですが、入試の名前に「AO」を残している大学もあります。慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部のAO入試、東北大学のAO入試、同志社大学商学部のAO入試などです。
逆に、立教大学の自由選抜入試のように、「総合型選抜」という言葉が入らない名前の大学もあります。
出典
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)の「第3 入試方法」「第14 備考」。AO入試からの変更点は、文部科学省「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告について(通知)」(平成29年7月13日付け)、「令和2年度大学入学者選抜実施要項」(AO入試の最後の年度)、「令和3年度大学入学者選抜実施要項」(令和2年6月19日付け通知)による。実施要項は文部科学省「入学者選抜実施要項」で公開されています。
学校推薦型選抜・一般選抜との違い
この節の答え学校推薦型選抜との一番の違いは学校長の推薦が要るかどうかで、一般選抜は学力検査などを主な資料にします。
3つの入試区分の違いを、実施要項の定めに沿って並べます。総合型選抜と学校推薦型選抜のいちばんの違いは、出願に学校長の推薦が要るかどうかです。
| 項目 | 総合型選抜 | 学校推薦型選抜 | 一般選抜 |
|---|---|---|---|
| 出願の条件 | 本人の意志で出願できる(公募制) | 出身高校の学校長の推薦が必要 | 推薦は不要 |
| 主な評価資料 | 詳細な書類審査と、時間をかけた丁寧な面接など | 調査書を主な資料とし、推薦書、面接など | 学力検査、小論文などを主な資料とし、調査書、面接、本人が書く書類などを組み合わせる |
| 面接 | 必ず行う(移行期間あり) | 必ず行う(移行期間あり。指定校制で入学を確約する方式は大学の判断) | 大学・方式による |
| 学力の評価 | 教科・科目の試験、共通テスト、小論文など、資格・検定試験のうち少なくとも一つ | 同じ | 共通テストと大学の個別試験が中心 |
| 出願の開始 | 2026年9月1日以降 | 2026年11月1日以降 | 試験期日に応じて大学が定める |
| 合格発表 | 2026年11月1日以降 | 2026年12月1日以降 | 2027年3月31日まで |
| 試験の時期 | 大学ごとに設定 | 大学ごとに設定 | 個別試験は2027年2月1日から3月25日まで |
日付は令和9年度入試(2027年4月入学)のものです。総合型選抜は出願が9月1日から始まるため1、書類は高3の夏のうちに仕上げます。
総合型選抜でも、高校の先生が書く評価書や推薦書の提出を求める方式があります。たとえば慶應義塾大学の法学部FIT入試B方式は、在籍した高校の教員による評価書1通が必要です。
二つの方式の詳しい比較は総合型選抜と学校推薦型選抜の違いにまとめています。
「自己推薦」「公募推薦」は総合型選抜か(名前と区分の見分け方)
この節の答え名前に「推薦」が入っていても、慶應義塾大学文学部や法政大学の公募推薦入試のように総合型選抜の入試があり、区分は大学の案内と募集要項で見分けます。
入試の名前は大学が付けます。名前に「推薦」が入っていても、制度の区分は総合型選抜という入試があります。2027年度入試で、大学が総合型選抜として案内している例です。
| 大学・入試の名前(2027年度入試) | 推薦の扱い(各大学の要項による) |
|---|---|
| 慶應義塾大学 文学部 自主応募制による推薦入学者選考 | 条件を満たせば自分の意思で出願できる。提出する評価書には、在籍学校長の署名と学校長印が要る |
| 早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試 | 高校在学中の活動歴をもとに自分自身を推薦する入試で、学校長の推薦は要らない |
| 明治大学 自己推薦特別入学試験(文・理工・農・国際日本・総合数理学部)、商学部 公募制特別入学試験 | 入試総合サイトで総合型選抜として掲載されている。文学部の自己推薦は、教員が書く評価書も出す |
| 法政大学 自己推薦入試・公募推薦入試 | グローバル体験公募推薦は、本人をよく知る人1名の推薦書が要る。情報科学部は2027年度に公募推薦入試から自己推薦入試に名前が変わり、入学推薦書が要らなくなった |
| 明治学院大学 自己推薦AO入学試験 | 学校長の推薦は要らない |
学校推薦型選抜は、出身高校の学校長の推薦に基づく入試です。実施要項によると、学校推薦型選抜は本人の意志だけで出願できるものではありません。
その大学・学部で学ぶのにふさわしい人を、高校の学校長が判断する入試です(第3の1(3))。
名前だけでは区分は分かりません。大学の入試情報や募集要項で、その入試が総合型選抜と学校推薦型選抜のどちらとして案内されているかを見ます。
慶應義塾大学の文学部のように、総合型選抜でも学校長の署名が要る書類を出す方式があるので、出願書類の欄も読んでおきます。
学校推薦型選抜の種類と流れは学校推薦型選抜とは、どの高校からでも出願できる公募推薦は公募推薦とは、大学が指定した高校の生徒が出願する指定校推薦は指定校推薦とはで説明しています。
総合型選抜で入学する人はどのくらいいるか
この節の答え令和7年度に総合型選抜で入学した人は126,766人で入学者全体の19.5%、実施している大学は728大学です。
文部科学省が公表した令和7年度入学者選抜の実施状況によると、総合型選抜で大学に入学した人は126,766人で、入学者全体の19.5%でした。学校推薦型選抜は221,415人で、全体の34.1%です2。
| 区分 | 総合型選抜を実施した大学 | 総合型選抜の入学者 | 学校推薦型選抜の入学者 |
|---|---|---|---|
| 国立大学 | 75大学(92.6%) | 7,714人(7.7%) | 12,706人(12.7%) |
| 公立大学 | 79大学(80.6%) | 2,183人(6.0%) | 9,732人(26.9%) |
| 私立大学 | 574大学(95.8%) | 116,869人(22.8%) | 198,977人(38.8%) |
| 合計 | 728大学(93.6%) | 126,766人(19.5%) | 221,415人(34.1%) |
総合型選抜はほとんどの大学で実施されています。ただし国公立大学では、総合型選抜で入学する人の割合が小さいことが分かります。
総合型選抜は、短期大学の入試にもあります。実施要項は、大学入学者選抜の対象に短期大学と専門職大学を含めています(第1)。
同じ文部科学省の発表によると、令和7年度に総合型選抜を実施した短期大学は261校(全体の99.2%)でした。総合型選抜で短期大学に入学した人は12,268人で、短期大学の入学者全体の41.0%です。
学校推薦型選抜で入学した人は13,454人(44.9%)でした。
出典
文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(令和7年11月26日)。文部科学省の発表ページで公開されています。かっこ内は、大学数・入学者数それぞれの全体に対する割合です。令和7年度から選抜区分の整理が変わり、外国人留学生を対象とする選抜も数値に含まれるため、前年度までの数値とは比較できないとされています。
倍率はどのくらいか
倍率には種類があります。志願倍率は志願者数を募集人員で割った値、実質倍率は受験者数を合格者数で割った値です。総合型選抜では合格者数が募集人員より少なくなることがあるため、合格者数で割った数字を見ます。
国公立11大学の令和8年度入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)では、志願者数を合格者数で割った値は、多くが2倍台後半から4倍台でした。総合型選抜の例を挙げます。
| 大学・入試(令和8年度入試) | 志願者数 | 合格者数 | 志願者数÷合格者数 |
|---|---|---|---|
| 東北大学 AO入試II期 | 1,341人 | 298人 | 4.5倍 |
| 九州大学 総合型選抜(Ⅰ・Ⅱ) | 802人 | 232人 | 3.5倍 |
| 東京科学大学 総合型選抜(理工学系) | 890人 | 218人 | 4.1倍 |
| 筑波大学 アドミッションセンター入試 | 343人 | 36人 | 9.5倍 |
私立大学は、学部・方式ごとに募集人員が細かく分かれています。大学全体の倍率ではなく、志望する学部・方式の志願者数と合格者数を、大学の公式サイトの入試結果で確認します。
大学ごとの数字と読み方は総合型選抜の倍率の記事にまとめています。
選考で見られるものと選考方法
この節の答え本人が書く書類、調査書、面接、小論文、資格・検定試験、共通テスト、教科の試験などを、大学が組み合わせて選考します。
総合型選抜では、大学がアドミッション・ポリシーに応じて、複数の評価方法を組み合わせます。どれが必須かは、最初の節の「実施要項が定める総合型選抜の決まり」の表のとおりです。ここでは、それぞれの方法の中身を整理します。
| 選考方法 | 内容 |
|---|---|
| 本人が書く書類 | 志望理由書(大学入学希望理由書)、活動報告書、学修計画書、自己推薦書など |
| 調査書 | 高校での成績(評定)、出欠の記録、活動の記録。出願書類として提出する |
| 面接 | 個人面接、集団討論、ディベート、プレゼンテーション、口頭試問 |
| 小論文・エッセイ | 課題文や資料を読んで論じる。講義を聞いて論述する形式もある |
| 資格・検定試験 | 英検やTOEFLなど4技能を測る英語の試験、国際バカロレア、国際科学オリンピックなど。出願資格にする大学もある |
| 大学入学共通テスト | 国公立大学に多い。基準の得点率を示す方式もある |
| 教科・科目の試験 | 大学独自の筆記試験。2月1日より前に実施できる |
大学ごとの選考内容の例(2027年度入試)
同じ総合型選抜でも、選考の中身は大学・方式で大きく違います。大学別の記事で要項を確認した例を挙げます。
| 大学・方式 | 選考の内容 |
|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 A方式 | 第2次選考は、模擬講義(50分)のあとの論述試験(45分)と口頭試問(約15分) |
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 B方式 | 第2次選考は、総合考査Ⅰ・Ⅱ(各45分)と個人面接(約10分) |
| 早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試 | 1次選考は書類、2次選考は小論文と面接 |
| 早稲田大学 地域探究・貢献入試 | 1次選考は書類(課題レポートを含む)、2次選考は総合試験(筆記・120分)。共通テストで300点中240点以上が合格の条件 |
| 東北大学 AO入試II期 | 第1次選考は筆記試験、第2次選考は面接試験。共通テストは課さない |
| 東京女子大学 知のかけはし入学試験(数学的思考力型) | 基礎学力試験(数学・記述式・80分)と個人面接(30分程度) |
書類と選考ごとの準備は、志望理由書の書き方、活動報告書の書き方、自己推薦書の書き方、小論文の書き方、面接対策、口頭試問の対策で説明しています。
出願はいつから?日程と流れ(2027年度入試)
この節の答え令和9年度入試では出願が2026年9月1日以降、合格発表が11月1日以降で、共通テストを課す方式は2月に発表されます。
日程には全国共通の基準があります。実施要項の定めは次のとおりです。
これは「これより前には行わない」という基準で、実際の日程は大学ごとに決まります。4つの大学の例を並べます。
出願の手続が8月に始まる方式もあります。慶應義塾大学の法学部FIT入試は、出願期間が2026年8月3日からですが、書類の郵送は9月1日から3日です3。
共通テストを課す方式では、最終の合格発表が2月になります。大阪大学は2027年2月9日、京都大学の特色入試は2月10日です。高2からの月ごとの進め方は総合型選抜の年間スケジュールで説明しています。
評定平均は関係あるか
この節の答え評定の基準は大学・方式で違い、基準がない方式でも調査書は出すため、成績は書類審査や面接の資料になります。
関係があります。ただし、扱いは大学・方式ごとに違います。評定平均(調査書の「全体の学習成績の状況」)の基準を出願資格にしている方式と、していない方式があります。大学別の記事で要項を確認した、2027年度入試の例です。
| 大学・方式 | 評定の条件 |
|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 A方式 | 条件なし |
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 B方式 | 指定の各教科(外国語・数学・国語・地理歴史・公民)と全体がいずれも4.0以上 |
| 慶應義塾大学 文学部 自主応募制推薦 | 4.1以上 |
| 慶應義塾大学 総合政策・環境情報学部 AO入試 | 条件なし |
| 早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試 | 4.0以上 |
| 早稲田大学 地域探究・貢献入試 | 出願資格に評定の基準は書かれていない |
| 明治大学 文学部 自己推薦特別入試 | 3.5以上(西洋史学専攻は英語4.0以上も必要) |
| 中央大学 法学部・経済学部・商学部の各方式 | 評定の基準の記載はない |
| 関西学院大学 探究評価型 | 評定3.5以上、または英語資格のどちらか |
| 京都大学 特色入試(総合人間学部・教育学部) | 4.3以上 |
| お茶の水女子大学 新フンボルト入試 | 学習成績概評がA段階以上であることが「望ましい」(出願の要件ではない) |
全体の値だけでなく、特定の教科の評定を条件にする方式もあります。基準は年度によって変わることがあるので、出願する年度の募集要項で確かめてください。
基準がない方式でも、調査書は提出します。成績は書類審査や面接の資料になります。
また、現役生の評定は、高1から高3の出願時点までの成績(多くの高校では1学期または前期まで)で決まります。高3の夏以降に上げることはできません。
計算方法と学習成績概評(A〜E)の区分は評定平均の解説を参照してください。
欠席日数は見られるか
この節の答え欠席日数の上限を出願資格にする方式があり、病気など本人の責任ではない欠席には実施要項に配慮の定めがあります。
調査書には「出欠の記録」の欄があり、大学に提出されます。欠席日数の上限を出願資格に書いている方式もあります。大学別の記事で要項を調べた範囲では、次の例があります。
| 大学・方式(2027年度入試) | 欠席日数の条件 |
|---|---|
| 慶應義塾大学 理工学部 分野志向型入試 | 調査書の欠席日数の合計が30日を超えないこと |
| 早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試 | 45日以内(本人に帰責されない理由による欠席は配慮の対象) |
| 早稲田大学 人間科学部 FACT選抜 | 合計40日以内 |
| 明治大学 商学部 公募制特別入試(全商協会員校対象) | 10日以内(2028年度入試からこの条件はなくなると予告されている) |
| 早稲田大学 スポーツ科学部 スポーツサポート歴入試 | 欠席日数の定めはない |
上限を満たしていても、出欠の記録は書類審査で見られることがあります。早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試は、45日以内という条件に加えて、1次選考で成績評価、活動記録、出席状況などを考慮するとしています。
病気やけがなど、本人の責任ではない理由の欠席については、実施要項に配慮の定めがあります。
- 出欠の状況を合否判定などに使う場合、病気・事故など本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席で、志願者が不利益を被らないよう配慮する
- 出席停止(感染症など)や忌引きは欠席日数とは別に扱われ、その日数は原則として調査書に書かない(調査書の作成が難しい場合は、従来の書き方でもよいとされている)
欠席が多い理由がある場合は、担任の先生に相談し、調査書への記載や大学への申し出の方法を確認してください。調査書に書かれる内容と、発行の頼み方は調査書とはで説明しています。
浪人生(既卒生)でも出願できるか
この節の答え既卒生が出願できる方式は多いですが、卒業年に条件を付ける方式や現役生だけを対象にする方式もあります。
高校を卒業した人が出願できる総合型選抜は多くあります。既卒の人の出願条件と共通テストの扱いは浪人生の総合型選抜にまとめています。
ただし、卒業した年に条件を付ける方式や、2027年3月に卒業見込みの人(現役生)だけを対象にする方式もあります。条件は、大学・学部・方式ごとに募集要項の「出願資格」に書かれます。
実施要項は、大学に出願できるのは、大学の入学資格を持つ人と、入学までに持つ見込みの人としています(第9)1。また、合理的な理由がある場合を除き、現役・既卒の別などを理由に一律に扱いを変えることを、公平性・公正性を欠く不適切な選抜に挙げています(第13の5(5)②)。
| 大学・方式 | 卒業した人の出願 |
|---|---|
| 中央大学 総合型選抜 | 卒業した人も出願できる(経済学部の資格・実績評価型のうち、科目等履修生の要件で出願する場合は卒業見込みの人だけ) |
| 南山大学 総合型選抜 | 卒業年の制限はない。よくある質問で、年齢の上限もないと説明している |
| 武蔵野大学 総合型選抜 Ⅰ期 | 既卒生も出願できる。入試Q&Aは、審査で有利・不利はないと説明している |
| 神奈川工科大学 総合型選抜 | すでに卒業している人(社会人も可)も出願できる |
| 九州大学 総合型選抜Ⅰ(共創学部・教育学部) | 2021年4月以降に卒業した人と、2027年3月卒業見込みの人 |
| 名古屋大学 総合型選抜 | 2025年度中に卒業した人と、2026年度中に卒業または卒業見込みの人 |
| 神奈川大学 総合型選抜 | 2027年3月までに卒業見込みの人と、卒業後1年以内の人 |
| 法政大学 文学部 哲学科・日本文学科・英文学科 | 卒業後5年以内まで出願できる |
| 慶應義塾大学 文学部 自主応募制推薦、理工学部 分野志向型入試 | 2027年3月卒業見込みの人だけ。既卒生は出願できない |
| 明治大学 文学部 自己推薦特別入試 | 原則として2027年3月卒業見込みの人だけ |
同じ大学の中でも、学部や方式によって扱いが違います。既卒生として出願する時は、次の点を確認して準備します。
- 卒業した年の条件:「◯年4月以降に卒業した人」「卒業後1年以内」など、出願できる卒業年の範囲
- 調査書の取り寄せ:卒業した高校に発行を頼む。手続と日数を早めに問い合わせる。明治学院大学のように、既卒者の調査書の扱いを要項に定める大学もある
- 共通テスト:共通テストを課す方式なら、その年度の共通テストに出願する
- 卒業後の過ごし方:高校卒業後に取り組んだことも、書類と面接で説明できるように整理しておく
併願はできるか(専願と併願)
この節の答え専願の方式と他大学と併願できる方式があり、どちらかは要項で決まっていますが、一般選抜とは併願できます。
総合型選抜には、合格したら必ず入学することを条件にした「専願」の方式と、他大学と併願できる方式があります。どちらかは大学・方式ごとに募集要項で決められています。2027年度入試の例を挙げます。
| 扱い | 大学・方式 | 要項の内容 |
|---|---|---|
| 併願できる | 中央大学 総合型選抜(全方式) | 自由応募制で、他大学や他学部と併願できる。入学申込金240,000円を納めると、入学手続を2027年3月25日まで延期できる。入学申込金は理由を問わず返還されない。文学部の社会学専攻(出願資格1・2)と心理学専攻は「合格後に入学することを確約できる者」が要件(要項のQ&Aでは、他大学の受験を妨げるものではないと説明されている) |
| 併願できる | 立教大学 自由選抜入試 | 出願は1学科(専修)のみ。一般選抜や他大学との併願はできる |
| 併願できる | 早稲田大学 地域探究・貢献入試 | 専願ではなく、早稲田大学の他の入試や他大学と併願できる。学部の併願はできない |
| 第一志望が条件 | 立命館大学 AO選抜入学試験 | 専願ではなく他大学と併願できるが、第1志望であることが出願資格で、合格したら入学することが前提 |
| 第一志望が条件 | 慶應義塾大学 法学部FIT入試 | 他大学への出願は禁止されていないが、第一志望で、合格したら入学を確約する。一般選抜とは併願できる |
| 方式で違う | 法政大学 自己推薦入試・公募推薦入試 | 文学部の哲学科・日本文学科・英文学科などは専願。法学部国際政治学科、文学部地理学科などは専願ではない |
| 専願 | 関西学院大学 総合型選抜 | 第一志望で、合格したら入学する。審査日以降は辞退できない |
| 専願 | 大阪大学 総合型選抜 | 専願。出願できるのは1つの選抜・1つの学部学科だけ |
出願前に確認する点は3つです。
- 専願かどうか:「合格した場合は入学を確約する」「第一志望とする」といった記載があるか
- 他大学・他方式との併願:別の方式や学校推薦型選抜と同時に出願できるか。大阪大学では、他の国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜には、どちらかの不合格が分かっている場合に限って出願できる
- 入学手続の期限と納入金:併願できる方式でも、手続の期限までに入学金などを納める必要がある
一般選抜とは併願できます。専願の京都大学や大阪大学の例でも、国公立大学の一般選抜の前期日程と後期日程に1つずつ出願できます。
入学を辞退する時の学費の扱いにも注意が必要です。実施要項では、3月31日までに入学辞退の意思を示した人には1、原則として授業料などを返還することとされています。
ただし、専願の方式に合格して入学手続をした人は、この対象から除かれています。専願・第一志望・併願可の言葉の違いと要項の例は総合型選抜の併願で説明しています。
受験にかかる費用と、合格した後の流れ
この節の答え入学検定料は国立大学の標準額が17,000円、私立は大学ごとに違い、年内に合格すると入学手続の期限も早く来ます。
総合型選抜の受験では、出願の時に受験料(入学検定料)がかかります。額は大学・方式ごとに決まり、募集要項に書かれます。
国立大学は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で、学部の標準の額が17,000円と決まっています5。私立大学は大学ごとに違い、2027年度入試の例では、立教大学の自由選抜入試が35,000円、大正大学が30,000円、神奈川工科大学が10,000円です。
検定料は出願する方式ごとにかかるので、併願するほど合計が増えます。ほかに、試験会場への交通費や、塾を使う場合はその費用がかかります。
費用の全体像と、併願した時の積み上がりの計算例は総合型選抜で保護者ができることで説明しています。
合格した後の流れ
共通テストを課さない方式は年内に合否が分かることが多く、入学手続の期限も一般選抜より早く来ます。たとえば関西大学のAO入試は、2027年度入試で合格発表が11月2日、入学金の納入が11月4日〜11日で、納めた入学金は返還されません。
実施要項は、入学手続をとった人に入学までに取り組む課題を課すなど、入学後の学修の準備を講じるよう努めることを大学に求めています。特に12月以前に入学手続をとった人には、積極的に講じるとしています(第13の13(3))。
2027年度入試の例では、西南学院大学の総合型入試は入学前学習課題を期限までに出さないと入学許可が取り消され、明治学院大学の自己推薦AO入学試験は入学前教育の受講が必須です。
合格した後も、高校の授業と課題は続きます。入学前の課題に取り組む時間も含めて、卒業までの予定を立てておくと安心です。
メリットとデメリット
この節の答え探究や意欲が評価され年内に合否が出る方式がある一方、書類や面接の準備に時間がかかり、専願の方式もあります。
| 観点 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 評価されるもの | 学力試験の点数だけでなく、探究や活動、学ぶ意欲が評価される | 合否の基準が点数ほどはっきりせず、結果の理由が分かりにくい |
| 時期 | 共通テストを課さない方式は、年内に合否が分かる | 出願が9月から始まるため、高3の夏までに書類を仕上げる必要がある |
| 準備の中身 | 志望理由を掘り下げる中で、大学で学びたいことが固まる | 書類・小論文・面接の準備に時間がかかり、大学ごとに作り込みが要る |
| 受験の機会 | 一般選抜の前に、受験の機会が増える | 専願や第一志望が条件の方式では、合格したら入学が前提になる |
| 学力 | 文章を書く力、説明する力は、一般選抜や入学後の学びにも生きる | 学力の評価は必ずある。不合格に備えて一般選抜の学習を並行する |
項目ごとの詳しい説明は総合型選抜のメリット・デメリットにまとめています。
総合型選抜でよくある誤解
この節の答え学力の評価は少なくとも一つ使われ、評定の基準がない方式や既卒生が出願できる方式もあるなど、よくある誤解は要項で正せます。
総合型選抜は、AO入試の時代の印象や、人から聞いた話で誤解されることがあります。よくある誤解を、実施要項と各大学の要項で分かることと並べます。
| よくある誤解 | 実際(実施要項・要項で分かること) |
|---|---|
| 学力試験がないので、勉強しなくても受けられる | 実施要項は、調査書などの出願書類だけでなく、小論文、口頭試問、教科・科目のテスト、資格・検定試験、共通テストなどのうち少なくとも一つを必ず使うと定めている |
| 目立つ実績や受賞歴がないと出願できない | 大会の成績などの実績を出願資格にする方式はある。一方で、活動や資格に最低基準を設けない方式もある(次の節の早稲田大学社会科学部の例)。部活動や探究など、続けたことや工夫したことも書類の材料になる(課外活動とは) |
| 評定が低いと総合型選抜は受けられない | 評定の基準がない方式もある。このサイトの大学一覧で比べた59校では、どの方式にも評定の基準が要項にない大学が21校あった。ただし調査書は提出し、評価の資料になる |
| 総合型選抜と推薦入試は同じもの | 学校推薦型選抜は出身高校の学校長の推薦が必要。総合型選抜は推薦が要らず、自分の意志で出願できる |
| 合格したら必ず入学しなければならない | 専願や第一志望が条件の方式ではそうなる。他大学と併願できる方式もあり、どちらかは方式ごとに要項で決まっている |
| 結果は必ず年内に分かる | 共通テストを課す方式は、最終の合格発表が2月になる。大阪大学は2027年2月9日、京都大学の特色入試は2月10日 |
| 浪人生(既卒生)は出願できない | 既卒生が出願できる方式は多い。卒業年の条件がある方式や、現役生だけの方式もあるので、要項の出願資格で確認する |
制度の決まりは実施要項に、出願の条件と選考方法は大学の募集要項に書かれます。人から聞いた話は、要項の該当する項目で確かめてから判断してください。
総合型選抜で受かる人・向いている人
この節の答え学びたいテーマが具体的にあり、つながる経験を言葉で説明でき、書類の準備と一般選抜の学習を並行できる人が向いています。
目立つ受賞歴が必ず要るわけではありません。早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試は、要項のQ&Aで、活動や資格に最低基準はないとしています。問われるのは、経験から何を考え、大学での学びにどうつなげるかです。
合格する人に共通する点は総合型選抜で受かる人の特徴、つまずきやすい点は総合型選抜で落ちる人の特徴で説明しています。
向いている人・慎重に考えたい人
総合型選抜の仕組みから見た、向き・不向きの目安です。慎重に考えたい点に当てはまっても、総合型選抜を受けられないわけではありません。併願できる方式を選ぶ、一般選抜の学習と並行するなど、受け方で調整できます。
| 観点 | 向いている人 | 慎重に考えたい人 | 理由(実施要項などの定め) |
|---|---|---|---|
| 学びたいこと | 学部で学びたいテーマを具体的に言える | 学部・学科をまだ決めかねている | 大学入学希望理由書や学修計画書には、入学後に学びたい内容・計画と、卒業後を見据えた目標を書く(第6の5(2)) |
| 準備の時間 | 高3の夏までに書類を仕上げる時間を取れる | 夏は一般選抜の学習だけに集中したい | 出願は9月1日以降に始まる(第4の4) |
| 学力の準備 | 小論文や筆記試験、共通テストの準備も続けられる | 書類と面接だけで受けられると考えている | 学力の評価方法を少なくとも一つ必ず使う(第3の1(2)③) |
| 出願資格 | 評定や資格などの条件を満たしている | 志望する方式の条件に届かない | 条件は方式ごとに募集要項の出願資格に書かれる |
| 入学の約束 | 合格したらその大学に入学すると決められる | 合格した後も、他の大学と比べて決めたい | 専願や第一志望を条件にする方式がある |
準備の進め方(学年別)
この節の答え高1から成績と記録の習慣をつくり、高2で自己分析と大学研究を始め、高3の夏までに書類を仕上げて9月からの出願に備えます。
出願は高3の9月から始まります。そこから逆算すると、高2のうちに自己分析と大学研究を始めておくと余裕が持てます。小論文の準備をいつから始めるかは小論文対策はいつからにまとめています。
準備は大きく4つに分かれます。
| 準備 | やること | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 自己分析と大学研究 | 力を入れてきたこと、関心のある分野、将来の目標を書き出す。アドミッション・ポリシーを読み、その大学で学びたい理由を言葉にする | 年間スケジュール |
| 志望理由書 | きっかけ、取り組み、志望する理由、入学後の計画を一つの筋にまとめ、添削を受けて書き直す | 志望理由書の書き方 |
| 小論文 | 志望分野の基礎知識を入れ、時間内に論理的に書く練習を重ねる | 小論文の書き方 |
| 面接・口頭試問 | 書類の内容を自分の言葉で説明できるようにし、模擬面接を重ねる | 面接対策 |
高校の先生に推薦書や評価書を書いてもらう方式では、依頼の時期にも注意します。進め方は推薦書の依頼方法を参照してください。
学部系統別の傾向
この節の答え法学部は評定の基準に幅があり、国際系は英語資格が要件の方式が多く、医学部は共通テストが必要な大学が多いなど系統で違います。
求められる出願資格と選考の形は、学部の系統によって違います。学部系統別の記事で、各大学の2027年度入試の要項から確認した傾向をまとめます。
| 学部系統 | 要項で確認した傾向 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 法学部 | 東京大学・京都大学・一橋大学・名古屋大学は学校推薦型選抜。評定は4.0以上の方式から基準なしまで幅がある。論述やグループ討論など形式はさまざま | 法学部 |
| 経済・経営・商学部 | 国公立は共通テストを課し、合格発表は2月。私立は共通テストを使わない方式が中心。日商簿記2級以上などの資格で出願できる方式がある | 経済学部 |
| 文学部・人文系 | 専攻・学科ごとに条件が違う。史学科で歴史科目の評定、英文学科で英語資格、国文学科で国語の評定を求める例が多い | 文学部 |
| 国際・外国語系 | 英語の資格・検定試験のスコアが出願要件になる方式が多い。英語での面接や小論文など、英語で表現する場面がある | 国際系学部 |
| 教育学部 | 選考は小論文と面接が中心。グループディスカッション、プレゼンテーション、口頭試問を課す大学もある | 教育学部 |
| 理工系 | 国公立は共通テストを課す方式が多い。数学・理科の評定や、数学Ⅲ・物理などの履修が条件に入ることが多い。女子枠を設ける大学がある | 理工学部 |
| 医学部 | 国立大学が中心で、募集人員が少ない。多くの大学で共通テストが必要で、評定の基準も高い | 医学部 |
| 看護学部 | 総合型選抜で募集する大学と学校推薦型選抜で募集する大学に分かれる。ほとんどの大学が、第一志望か、合格したら入学することを条件にしている | 看護学部 |
大学別の入試ガイド(59大学)
この節の答え59大学の方式、出願資格、選考方法、日程を大学別の記事にまとめ、早慶上智MARCHや難関国公立などの区分で並べています。
59大学について、2027年度入試の要項をもとに、方式、出願資格、選考方法、日程をまとめた記事を公開しています。大学名から各記事に移動できます。
評定の基準があるか、共通テストを使うか、専願か併願かで59校を見比べた表は、総合型選抜の大学一覧にまとめています。
| 区分 | 大学 |
|---|---|
| 早慶上智MARCH(8校) | 慶應義塾、早稲田、上智、明治、青山学院、立教、中央、法政 |
| 難関国公立(13校) | 東京、京都、一橋、東京科学(旧 東京工業大学・東京医科歯科大学)、大阪、大阪公立、東北、名古屋、北海道、九州、神戸、筑波、お茶の水女子 |
| 関関同立(4校) | 関西、関西学院、同志社、立命館 |
| 首都圏の私立(6校) | 学習院、成蹊、成城、武蔵、明治学院、東京女子 |
| 首都圏の私立・国立(19校) | 横浜国立、千葉、國學院、日本、東洋、専修、玉川、日本女子、共立女子、東京農業、武蔵野、産業能率、神奈川、神奈川工科、帝京、帝京平成、国士舘、大正、麗澤 |
| そのほかの私立(9校) | 南山、愛知淑徳、近畿、龍谷、西南学院、福岡、弘前、岡山、島根 |
東京大学や一橋大学のように、総合型選抜がなく、学校推薦型選抜だけを実施している大学もあります。その場合は、学校推薦型選抜を扱っています。
総合型選抜に塾は必要か
この節の答え塾は必須ではなく、高校で添削と面接の練習を十分に頼めるなら塾なしで準備でき、回数を確保しにくい時に助けになります。
総合型選抜の出願に、塾は必須ではありません。必要な情報は大学の募集要項に書かれており、書類の添削や面接の練習は高校の先生にも頼めます。判断の分かれ目は、見てもらう相手と時間を高校で確保できるかどうかです。
| 準備 | 自分と高校でできること | 塾を使う場合に補えること |
|---|---|---|
| 情報収集 | 大学の公式サイトと募集要項を読む。オープンキャンパスに参加する | 複数の大学・方式の要件を並べて、出願の組み合わせを相談できる |
| 志望理由書などの書類 | 下書きを書き、担任や進路指導の先生に読んでもらう | 添削と書き直しの回数を確保できる |
| 小論文 | 参考書と過去の課題で書き、先生に講評をもらう | 志望分野に合わせた課題で、継続して講評を受けられる |
| 面接・口頭試問 | 先生や家族を相手に模擬面接をする | 初対面の相手との練習や、専門分野の質問への備えができる |
| 進み具合の管理 | 出願日から逆算して、自分で計画を立てる | 締切までの計画を一緒に管理してもらえる |
高校で添削や面接の時間を十分に取ってもらえるなら、塾を使わずに準備できます。先生に頼める回数が限られる場合や、一般選抜の学習との両立に不安がある場合は、塾を使う意味があります。
塾を使う場合も、書類を書くのは本人です。面接では、書いた内容を自分の言葉で説明できるかが問われます。塾が必要な人と選び方は総合型選抜の塾は行くべきかで説明しています。
出願前に確認することと、つまずきやすい点
この節の答え出願資格、専願か併願か、提出書類、事前の手続、選考方法を出願する年度の募集要項で確かめ、抽象的な志望理由などを防ぎます。
準備の途中でつまずきやすい点と、その防ぎ方です。
| つまずきやすい点 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 志望理由が抽象的 | 「幅広く学びたい」では、その大学である理由が伝わらない | 学部のカリキュラムや研究分野と、自分の学びたいことを結びつけて書く |
| 活動の羅列 | 何をしたかだけが並び、考えたことが見えない | 一つの経験について、課題、行動、学んだことを書く |
| 書類と面接の食い違い | 書いた内容を深く聞かれて、答えに詰まる | 提出した書類を読み返し、想定される質問に声に出して答える |
よくある質問
- Q. 総合型選抜で受かりやすい大学はありますか?
- A. 大学名だけで受かりやすさは判断できません。倍率は大学・学部・方式ごとに違い、年度によっても変わります。国公立大学では、志願者が少なくても、基準に届く人がいなければ合格者が0人になる学部があります。倍率の低さではなく、出願資格を満たせるか、選考方法が自分の強みと合うかで選んでください。倍率の見方は総合型選抜の倍率の記事で説明しています。
- Q. 総合型選抜に評定平均は必要ですか?
- A. 大学・方式によります。2027年度入試の例では、慶應義塾大学の法学部FIT入試B方式は、指定の各教科と全体が4.0以上です。早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試も4.0以上が出願資格です。一方、慶應義塾大学のFIT入試A方式には評定の条件がありません。基準がない方式でも調査書は提出するため、成績は評価の資料になります。
- Q. 総合型選抜は併願できますか?
- A. 方式によります。中央大学の総合型選抜や立教大学の自由選抜入試は、他大学と併願できます。関西学院大学や大阪大学の総合型選抜は、合格したら入学することを条件にした専願です。一般選抜とは併願できます。出願前に、募集要項の「出願資格」と併願の項目を確かめてください。
- Q. 総合型選抜の準備はいつから始めればいいですか?
- A. 高校2年生のうちに、自己分析と大学研究を始めるのが目安です。令和9年度入試では出願が2026年9月1日以降に始まるため、志望理由書などの書類は高3の夏に仕上げます。評定は高1の最初の成績から入るので、成績の維持は高1から必要です。
- Q. 欠席日数が多いと総合型選抜で不利になりますか?
- A. 欠席日数の上限を出願資格にしている方式があります。2027年度入試の例では、慶應義塾大学理工学部の分野志向型入試は合計30日を超えないこと、早稲田大学社会科学部の全国自己推薦入試は45日以内が条件です。文部科学省の実施要項は、病気や事故など本人の責任ではない欠席で不利益を被らないよう、大学に配慮を求めています。
- Q. 総合型選抜のために塾に行くべきですか?
- A. 必須ではありません。募集要項を自分で読み、高校の先生に書類の添削と面接の練習を十分に頼めるなら、塾を使わずに準備できます。添削や模擬面接の回数を高校で確保しにくい場合は、塾が助けになります。検討する時は、指導者、添削の回数、料金の総額を確認してください。
まとめ
総合型選抜は、書類と面接などで、能力・適性、学ぶ意欲、目的意識を総合的に評価する入試で、以前はAO入試と呼ばれていました。実施要項では、本人が書く書類と学力の評価を必ず使い、面接も原則として必ず行うと定められています。
令和9年度入試では、出願は2026年9月1日以降、合格発表は11月1日以降です。
評定の基準、欠席日数の条件、併願の可否、選考方法は、大学・方式ごとに違います。まず志望大学の募集要項を読み、出願資格を満たせるかを確認することが出発点です。
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- 調査書とは
- 課外活動とは
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参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
- 令和9年度大学入学者選抜実施要項
- 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
- 総合型選抜で評定がいらない大学一覧(各大学の2027年度入試の募集要項に基づく大学別の記事)
- 平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告について(通知)(29文科高第355号)
- 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)
リンク先の確認日:2026-11-01
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