総合型選抜は、早く進路が決まる可能性がある一方で、準備の負担や専願の条件など、出願前に知っておきたい点もある入試です。この記事では、文部科学省の実施要項と各大学の2027年度入試の募集要項に基づいて、メリットとデメリットを整理します。選考の基準の公表と入学金の返還についての定め、併願できる大学の探し方、向いている人、デメリットを小さくする進め方も、東京修学館の家近亮子学長の監修で解説します。
総合型選抜のメリット・デメリットの全体像
この節の答えメリットとデメリットは一つの特徴の両面で、早く結果が出る反面、書類を夏休み中に仕上げる必要があるなどの関係にあります。
総合型選抜は、以前「AO入試」と呼ばれていた方式です。文部科学省の実施要項は、詳細な書類審査と丁寧な面接などを組み合わせて、能力・適性や学習への意欲、目的意識を総合的に評価する入試と定めています。
メリットとデメリットは、一つの特徴の両面になっていることが多くあります。
| 観点 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 時期と準備 | 一般選抜より早く結果が出る方式が多い | 出願が9月1日以降に始まるため、書類を夏休み中に仕上げる必要がある |
| 評価されるもの | 書類と面接で、意欲や高校での取り組みが評価される | 学力の評価も行われる。筆記試験や大学入学共通テストを課す方式もある |
| 出願の条件 | 学校長の推薦がなくても、本人の意志で出願できる | 専願や入学の確約を条件にする方式がある |
| 受験の機会 | 不合格でも一般選抜に出願できる大学が多い | 募集人員が少なく、一般選抜の学習と並行する負担がある |
| 志望の整理 | 準備の過程で、大学で学びたいことがはっきりする | ― |
実際の条件は大学・方式ごとに違うので、以下では2027年度入試(2027年4月入学)の実例で説明します。制度の全体像は総合型選抜の基礎知識と合格までの流れにまとめています。
総合型選抜のメリット5つ
この節の答え一般選抜より早く結果が出ること、取り組みが評価されること、推薦なしで出願できること、受験の機会が増えることなどが挙げられます。
メリット1:一般選抜より早い時期に結果が出る
2027年度入試(2027年4月入学)では、総合型選抜の出願は2026年9月1日以降、合格発表は11月1日以降と定められています1。一般選抜の個別試験は、2027年2月1日から3月25日までの間です1。
年内に結果が出る方式なら、一般選抜の試験が始まる前に進路が決まります。
ただし、大学入学共通テストを課す方式は、最終の合格発表が2月になることが多くあります。国公立大学に多い形です。
| 大学・方式 | 大学入学共通テスト | 最終の合格発表(2027年度入試) |
|---|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 | 課さない | 2026年11月2日 |
| 関西学院大学 探究評価型入学試験 | 課さない | 2026年11月13日 |
| 東北大学 AO入試II期 | 課さない(大学独自の筆記試験) | 2026年12月4日 |
| 東北大学 AO入試III期 | 課す | 2027年2月10日 |
| 京都大学 特色入試(総合型選抜の学部) | 課す | 2027年2月10日 |
東北大学のII期の合格者発表は午後5時の予定で、III期は入学者選抜要項に記載された日程です。
早く決まった場合は、入学までの時間を大学での学びの準備にあてられます。大学は、入学手続をした人に、入学前の課題を出すよう努めることになっています。提出が必須の大学もあります(例:西南学院大学)。
メリット2:学力試験の点数以外の取り組みが評価される
実施要項は、総合型選抜では志願者本人が書く資料を必ず評価に使うと定めています。活動報告書、志望理由書、学修計画書などです。
試験の点数に表れない取り組みを、自分の言葉で伝えられます。実施要項は、面接も必ず行うよう定めています(それまで面接のなかった方式には、2029年度入試までの経過措置があります)。
メリット3:学校長の推薦がなくても出願できる
総合型選抜は、出願資格を満たせば本人の意志で出願できる公募制です。ただし、東北大学のAO入試のように、高校が作成する評価書の提出を求める大学もあります。
学校推薦型選抜との違いは総合型選抜と学校推薦型選抜の違いで比較しています。
メリット4:受験の機会が増える
総合型選抜で不合格になっても、一般選抜に出願できる大学が多くあります。関西学院大学の総合型選抜は専願ですが、不合格の場合は同じ大学の一般選抜に出願できます。一般選抜の前に、もう一つ挑戦の機会があります。
メリット5:大学で学びたいことがはっきりする
志望理由書を書くには、アドミッション・ポリシー(求める学生像)を読み、学部で何を学べるかを調べます。その過程で、大学で何をしたいのかが言葉になります。
総合型選抜のデメリット4つ
この節の答え準備に時間がかかること、専願の条件があること、募集人員が少なく一般選抜と両立が要ること、学力の評価もあることの4つです。
デメリット1:準備に時間がかかり、負担が大きい
総合型選抜の出願は9月1日以降に始まります。志望理由書や活動報告書は、高校3年生の夏休み中に仕上げる必要があります。エントリーや事前面談、課題の提出が、出願より前に始まる大学もあります。
書類は大学ごとに様式も設問も違い、出願する大学を増やすほど書く量が増えます。準備の進め方は、志望理由書の書き方、活動報告書の書き方、面接対策、小論文の書き方で説明しています。
デメリット2:専願・入学確約の条件があり、併願に制限がある
総合型選抜には、「合格した場合は入学する」ことを出願の条件にしている方式があります。これを専願と呼びます。
専願の方式に合格すると、ほかの大学の結果と比べてから入学先を決めることはできません。実例は、後の節「総合型選抜は併願できる?」にまとめています。
デメリット3:募集人員が少なく、一般選抜の学習と両立する必要がある
総合型選抜は、一つの学部・方式の募集人員が数人から数十人のことが多くあります。たとえば西南学院大学の総合型入試は、外国語学科の学びと探究型と心理学科を除くと、一つの型の募集人員が1人〜12人程度です3。
全国では、総合型選抜で入学した人は入学者全体の19.5%で、国立大学では7.7%2です。
合格者が募集人員を下回ることもあります。京都大学の特色入試(一般枠)は、2026年度入試の募集人員191人に対して、最終合格者は142人でした3(学校推薦型選抜の学部を含む)。
数字の読み方は総合型選抜の倍率で説明しています。
書類、面接、小論文などを組み合わせて評価するため、結果を見通すのも難しくなります。そのため、一般選抜の学習も続ける必要があります。
デメリット4:学力の評価も行われる
総合型選抜は「学力が評価されない入試」ではありません。実施要項は、書類に加えて、次のうち少なくとも一つで学力を評価するよう定めています。教科の試験、大学入学共通テスト、小論文・面接・口頭試問など、資格・検定試験です。
何を課すかは大学ごとに違い、筆記試験がなく書類と面接で選考する方式もあります(例:慶應義塾大学 総合政策・環境情報学部のAO入試)。一方で、筆記試験や大学入学共通テストを課す方式もあります。
| 大学・方式 | 学力の評価の例(2027年度入試) |
|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部FIT入試 | 論述試験と口頭試問(A方式)、総合考査と面接(B方式) |
| 東北大学 AO入試II期 | 大学独自の筆記試験。要項に、学力は「一般選抜と同等以上の水準を求めます」と明記 |
| 京都大学 特色入試(総合型選抜の学部) | 大学入学共通テストが必要。多くの学部が「概ね80%以上」などの基準を設ける |
選考の基準はどこまで公表されるか(実施要項と全国の数字)
この節の答え実施要項は大学に、評価方法の7月31日までの発表と合否判定の基準の公表を求めています。令和7年度の総合型選抜の志願者数÷合格者数は国立3.2倍、私立1.9倍です。
書類や面接を組み合わせる総合型選抜では、何がどう評価されるのかが出願前に気になるところです。文部科学省の実施要項は、2027年度入試について、評価の方法と合否判定の基準の公表を、大学に次のように求めています。
| 定め | 実施要項の内容 |
|---|---|
| 評価方法の発表(第7の1) | 実施教科・科目、評価方法など入学者選抜の基本的な事項を選抜区分ごとに決め、2026年5月27日から7月31日までに発表する。発表後は、大規模な災害などの場合を除き、受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わない 終了 |
| 募集要項(第10の1(1)(2)) | 募集人員、出願要件、評価方法、入学検定料、入学に要する経費の額と納入の期限などを募集要項に書いて発表する。調査書や本人が書く資料をどう活用するかも、募集要項などに明記する |
| 合否判定(第13の5(4)) | 合否判定の方法や基準を明確に定め、あらかじめ募集要項などで公表し、それを守る。判定は教授会や入試委員会など合議制の会議体で行う |
| 情報の開示(第13の3(1)(3)) | 受験者本人への成績開示、選抜区分ごとの受験者数・合格者数・入学者数の開示、評価・判定方法の開示に努める。小論文のテーマや口頭試問の内容も、積極的に公表することが望ましい |
「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。
このうち、成績や評価方法の開示は「努める」、小論文のテーマなどの公表は「望ましい」という書き方の定めで、どこまで示すかは大学によって違います。神奈川工科大学の2027年度の要項は、適性検査方式の配点の割合を、適性検査40%、面接40%、書類審査20%と示しています。
日本女子大学の総合型選抜は、試験結果と出願書類を総合的に検討して合否が決まります。配点や評価の観点が要項に書かれている方式なら、書類と面接の準備の配分を決める手がかりになります。
全国の志願者数と合格者数は、文部科学省の調査で公表されています。令和7年度入学者選抜(2025年度入学)の総合型選抜は次のとおりです。
| 区分 | 入学志願者数 | 合格者数 | 志願者数÷合格者数 |
|---|---|---|---|
| 国立大学 | 27,119人 | 8,386人 | 3.2倍 |
| 公立大学 | 7,157人 | 2,336人 | 3.1倍 |
| 私立大学 | 289,842人 | 149,783人 | 1.9倍 |
| 合計 | 324,118人 | 160,505人 | 2.0倍 |
志願者数を合格者数で割ると、国立大学が3.2倍、公立大学が3.1倍、私立大学が1.9倍2です(東京修学館の計算)。これは大学・学部・方式をまとめた全国の値で、志望する方式の倍率とは別のものです。
志願者数と合格者数は延数で、同じ人が複数の大学・学部に出願・合格すると、それぞれで数えられます。
総合型選抜は併願できる?専願・併願の実例
この節の答え合格したら入学する型と合格後に入学先を選べる型があり、関西学院大学は専願、中央大学や南山大学は他大学と併願できます。
併願できるかどうかは、大学・方式ごとに違います。2027年度入試の実例を、2つの型に分けて示します。専願・第一志望・併願可の言葉の違いと、24大学の要項の例は総合型選抜の併願でくわしく整理しています。
| 型 | 大学・方式(2027年度入試) | 出願の条件 | 他大学への出願 |
|---|---|---|---|
| 合格したら入学する(専願・入学の確約) | 関西学院大学 総合型選抜 | 第一志望で、合格したら入学することが出願資格。審査日以降は辞退できない | スポーツ選抜入学試験は、他大学との併願もできない |
| 合格したら入学する | 京都大学 特色入試(総合型選抜の学部) | 合格した場合は必ず入学することを確約する人に限る | 国公立大学の一般選抜には、前期日程と後期日程に1つずつ出願できる |
| 合格したら入学する | 慶應義塾大学 法学部FIT入試 | 第一志望で、合格したら入学することが出願の条件 | 他学部・他大学への出願は禁止されていない。一般選抜とも併願できる |
| 合格したら入学する | 立命館大学 AO選抜入学試験 | 要項上は専願ではないが、第1志望が出願資格で、合格したら入学することが前提 | 他大学との併願はできる |
| 合格後に入学先を選べる(併願可) | 中央大学 総合型選抜 | 自由応募制(文学部の社会学専攻・心理学専攻は、入学の確約が要件) | 他大学や中央大学の他学部と併願できる |
| 合格後に入学先を選べる | 南山大学 総合型入試 | 専願ではない | 他大学と併願できる。南山大学の中では1学科・1つの試験型に限る |
「合格したら入学する」型の中にも違いがあります。慶應義塾大学のFIT入試や立命館大学のAO選抜は、他大学への出願を妨げていません。
京都大学の特色入試は、合格すると、入学辞退を許可された場合を除いて、ほかの国公立大学の合格者になれません。
併願には3つの場面があります。それぞれ、募集要項で読むところは次のとおりです。
| 併願の場面 | 募集要項で読むところ |
|---|---|
| 他大学との併願 | 専願か。入学の確約が出願資格に含まれるか |
| 同じ大学の中での併願 | 複数の学部・学科・方式に出願できるか。総合型選抜と学校推薦型選抜の両方に出願できるか |
| 一般選抜との併願 | 不合格の場合に、同じ大学の一般選抜を受けられるか |
学費の扱いにも違いがあります。実施要項では、3月31日までに入学辞退の意思表示をした人には1、原則として授業料などを返還することとされています。
ただし、専願の方式や学校推薦型選抜に合格して入学手続をした人は、この対象から除かれています。
入学金と授業料等の返還の違い(要項の例)
この定め(実施要項 第10の2(4)①)で返還の対象として挙がっているのは、授業料等と諸会費等です。入学料(入学金)は挙がっていません。
実施要項は、返還の申し出の期限などを募集要項や入学手続要項に書いて明確にすること、入学料以外の学生納付金を合格発表の後の短い期間で納めさせる扱いを避けることも、大学に求めています(第10の2(3)(4))。2027年度入試の要項にある例は次のとおりです。
| 大学・方式 | 入学金 | 入学金以外の学費など |
|---|---|---|
| 日本女子大学 総合型選抜(他大学と併願できる) | 返還されない | 2027年3月31日までに辞退の手続をすると、入学金を除く前期学費等が返金される。他大学を併願している場合は、所定の手続で前期学費等の納入を2027年2月4日まで延ばせる |
| 神奈川工科大学 併願制の3方式(適性検査方式(併願型)、併願2科目方式、学校推薦型選抜の一般公募制) | 締切日までに入学辞退届を出すと返還される(適性検査方式(併願型)2027年1月14日、一般公募制1月15日、併願2科目方式3月12日) | 入学金を納めると、授業料(前期分)などの納入を、入学金の返還の締切日と同じ日まで延ばせる |
| 日本大学 法学部 CL方式(他大学併願型) | 入学申込金(入学金相当額)は、入学を辞退しても返還されない | 2027年2月26日(二段階最終入学手続締切日)までに残りを納める |
表は各大学の2027年度入試の要項によるもので、出典は大学別の記事に載せています。同じ大学の中でも、専願の方式は扱いが違うことがあります。
神奈川工科大学は、専願制の方式では、他大学との併願を理由に延納の制度を使えないとしています。合格後に納める額と期限を出願前に保護者の方と共有しておくと、併願先の結果を待てるかどうかを判断しやすくなります。
併願できる大学を探すには(首都圏の私立・理工系・国公立の例)
「併願できる大学」は、大学ごとではなく方式ごとに決まります。2027年度入試の要項では、首都圏の私立大学なら、日本女子大学の総合型選抜と國學院大學の公募制自己推薦(AO型)が、他大学と併願できる方式です。
日本大学の法学部CL方式は、法学部専願型と他大学併願型に分かれています。理工系では、神奈川工科大学の総合型選抜7方式のうち、適性検査方式(併願型)は他大学の総合型選抜・学校推薦型選抜と、併願2科目方式は一般選抜を含めて他大学と併願できます。
国公立大学には、大阪大学のように、合格したら入学することを確約し、出願は1つの選抜・1つの学部学科だけとする大学があります。
地域別・国公私立別に大学を並べた総合型選抜の大学一覧には、他大学と併願できるかどうかの列があります。
総合型選抜の評定の基準は大学・方式で違う
この節の答え慶應義塾大学法学部FIT入試A方式のように基準がない方式もあれば、明治大学文学部の3.5以上のように基準がある方式もあります。
評定平均(調査書の「全体の学習成績の状況」)を出願資格にしている方式と、基準を設けていない方式があります。
| 評定の扱い | 大学・方式(2027年度入試) | 基準 |
|---|---|---|
| 基準がない | 慶應義塾大学 法学部FIT入試 A方式 | 条件なし |
| 基準がない | 南山大学 総合型入試 | 評定の出願基準はない |
| 基準がある | 慶應義塾大学 法学部FIT入試 B方式 | 指定の各教科と全体が、いずれも4.0以上 |
| 基準がある | 明治大学 文学部 自己推薦特別入試 | 3.5以上(西洋史学専攻は英語4.0以上も必要) |
| 基準がある | 東北大学 AO入試II期 | 調査書の学習成績概評がA段階 |
| どちらかを満たす | 関西学院大学 探究評価型入学試験 | 3.5以上、または指定の英語資格・検定試験のスコア |
基準がない方式でも、調査書は提出します。現役生の出願時点の評定平均は、多くの高校で、高校1年生から3年生の1学期(前期)までの成績で決まります。
3年生の夏以降に上げることはできません。計算方法と上げ方は評定平均の解説で説明しています。
総合型選抜と一般選抜の日程(不合格のときの動き方)
この節の答え結果が11〜12月に出る方式なら、不合格でも学校推薦型選抜や一般選抜に進め、共通テストを課す方式は一般選抜と並行して準備します。
2027年度入試(2027年4月入学)では、学校推薦型選抜の出願は2026年11月1日以降、合格発表は12月1日以降です1。大学入学共通テストは2027年1月16日・17日です。
総合型選抜の結果が出る時期と、その後の入試の時期を、実例で並べます。
結果が11月から12月に出る方式なら、不合格の場合でも一般選抜に進めます。学校推薦型選抜は、出願期間が残っていれば出願できます。
大学入学共通テストを課す方式は、結果を待つ間に、一般選抜の出願と学習を進めておく必要があります。
2027年度入試では、共通テストの出願期間(2026年9月15日〜10月2日)4は総合型選抜の合格発表(11月1日以降)より前でした。共通テストを使う一般選抜も考える場合は、総合型選抜の結果を待たずに、共通テストの出願期間内に出願しておく必要があります。
不合格だった後の学校推薦型選抜・一般選抜への切り替えは、総合型選抜に落ちた後の動き方で説明しています。
総合型選抜に向いている人・向いていない人
この節の答え学びたい分野と志望大学が決まり、続けてきた取り組みを言葉で説明できる人が向いており、多くの点は準備で補えます。
「向いていない」は「受けられない」という意味ではありません。右端の列に、準備で補えることを書いています。
| 観点 | 向いている人 | 向いていない人 | 補い方 |
|---|---|---|---|
| 志望 | 学びたい分野と志望大学が決まっている | 志望が決まっていない。大学名だけで選んでいる | アドミッション・ポリシーと学部の授業内容を調べ、自分の関心と結びつける |
| 高校での取り組み | 探究、部活動、資格など、続けてきたことがある | 取り組みを振り返ったことがない | 続けたこと、工夫したことを書き出す |
| 表現 | 自分の経験を、文章と言葉で説明できる | 書くことや話すことを避けたい | 書類は添削を受けて書き直す。面接は練習を重ねて慣れる |
| 学力 | 一般選抜の学習も並行して続けられる | 学力の評価を避けるために総合型選抜を選びたい | 学力の評価は総合型選抜でも行われる。志望方式の選考内容を要項で読む |
| 併願 | 第一志望が決まっていて、専願でも迷わない | 複数の大学を比べてから決めたい | 合格後に入学先を選べる方式を選ぶ |
| 出願資格 | 評定や資格・検定試験の基準を満たしている | 基準を満たしていない | 補えない。基準を満たせない方式には出願できないので、別の方式を探す |
関連する記事に、総合型選抜で受かる人の特徴と落ちる人の特徴があります。
デメリットを小さくする進め方
この節の答え募集要項で条件を確かめ、出願の順番を決め、書類を夏休み中に仕上げ、一般選抜の学習を止めずに結果後の動きも決めておきます。
デメリットの多くは、早めに条件を確かめ、順番を決めておくことで小さくできます。
書類と面接は、学校の先生や塾に早めに見てもらってください。高校2年生のうちに始められることは総合型選抜の年間スケジュールで説明しています。
保護者が知っておきたいこと
この節の答え専願かどうか、入学手続の期限、入学手続を延期できる制度、入学検定料を、出願前に本人と話し合っておきます。
総合型選抜は、出願も合格後の手続も、一般選抜より早く進みます。出願前に、次の点を本人と話し合っておいてください。
| 話し合うこと | 内容 | 実例(2027年度入試) |
|---|---|---|
| 専願かどうか | 専願の方式は、合格したら入学することが前提。第一志望かを話し合う | 西南学院大学の総合型入試は、入学辞退を原則として認めない |
| 入学手続の期限 | 年内に合格すると、入学手続と納付の期限も早くなる | 東北大学のAO入試II期は、合格者発表が12月4日(予定)、入学手続が12月11日〜17日 |
| 併願する場合の納付金 | 入学手続を延期できる制度を設ける大学がある | 中央大学は、入学申込金240,000円を納めると、入学手続を2027年3月25日まで延期できる。入学申込金は返還されない |
| 入学検定料 | 出願する方式ごとにかかる | 慶應義塾大学の法学部FIT入試は1方式あたり35,000円。東北大学のAO入試II期は17,000円(別に支払手数料700円) |
書類は、高校での経験を一緒に振り返ると整理が進みます。ただし、代わりに書くことは避けてください。面接では、本人が自分の言葉で説明することになります。
よくある質問
- Q. 総合型選抜のメリットとデメリットは何ですか?
- A. メリットは、一般選抜より早く結果が出る方式が多いこと、書類と面接で意欲や取り組みが評価されること、学校長の推薦がなくても出願できることです。デメリットは、準備に時間がかかること、専願の方式があること、一般選抜の学習と並行する必要があることです。
- Q. 総合型選抜は併願できますか?
- A. 大学・方式によって、2つの型があります。一つは、合格したら入学することを条件にする型で、関西学院大学、京都大学の特色入試(総合型選抜の学部)、慶應義塾大学の法学部FIT入試などです。このうちFIT入試は、他大学への出願そのものは禁止していません。もう一つは、合格後に入学先を選べる型で、中央大学や南山大学が当てはまります。
- Q. 総合型選抜に評定平均は必要ですか?
- A. 大学・方式によります。慶應義塾大学の法学部FIT入試A方式や南山大学のように、評定の基準がない方式があります。一方で、FIT入試B方式は指定の各教科と全体が4.0以上、明治大学の文学部は3.5以上が条件です。
- Q. 総合型選抜に落ちたら一般選抜は受けられますか?
- A. 受けられる大学が多くあります。たとえば関西学院大学は、総合型選抜で不合格になっても一般選抜に出願できます。扱いは大学ごとに違うので、募集要項で確かめてください。
- Q. 総合型選抜に学力試験はありませんか?
- A. 筆記試験がない方式もありますが、学力が評価されない入試ではありません。実施要項は、書類に加えて、次のうち少なくとも一つで学力を評価するよう定めています。教科の試験、大学入学共通テスト、小論文・面接・口頭試問など、資格・検定試験です。慶應義塾大学の総合政策・環境情報学部のAO入試は、書類と面接で選考します。
- Q. 総合型選抜に向いているのはどんな人ですか?
- A. 大学で学びたいことが決まっていて、それにつながる取り組みを高校で続けてきた人です。自分の経験を文章と言葉で説明でき、夏休み中に書類を仕上げ、一般選抜の学習も並行できる人は、力を出しやすくなります。
まとめ
総合型選抜は、一般選抜より早く結果が出る方式が多く、書類と面接で意欲や取り組みを評価してもらえる入試です。一方で、準備に時間がかかり、専願や入学の確約を条件にする方式があり、学力の評価も行われます。
併願できるかどうかと評定の基準は、大学・方式ごとに違います。
出願を決める前に、志望する方式の募集要項で、出願資格、専願か併願可か、選考方法、日程を確かめてください。東京修学館では、家近亮子学長が、出願方式の選び方と準備の順番を、無料相談で一緒に整理しています。
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関連記事
参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
- 令和9年度大学入学者選抜実施要項
- 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
- 総合型選抜で評定がいらない大学一覧(各大学の2027年度入試の募集要項に基づく大学別の記事)
- 令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項
リンク先の確認日:2026-11-01
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