京都大学の特色入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)は、高校での学びの成果と、学部で学ぶための能力・志を、書類と学部ごとの試験、大学入学共通テストで総合的に評価する入試です。この記事では、令和9(2027)年度の学生募集要項に基づいて、学部別の実施方式と募集人員、共通テストの基準、出願要件、選考方法、日程、前年度の結果を整理し、準備の進め方を東京修学館の家近亮子学長の監修で解説します。
京都大学の特色入試とは
この節の答え全学部で行う独自の選抜方式で、学部によって総合型選抜と、学校長の推薦が要る学校推薦型選抜に分かれています。
特色入試は、京都大学が全ての学部・学科で実施している独自の選抜方式です。要項では「能力、学ぶ意欲、志を多面的・総合的に評価する」京都大学独自の選抜方式と説明されています。評価は次の二つを合わせて行われます。
- 高校での学修における行動と成果:調査書に加えて、高校が作成する「学業活動報告書」または「推薦書」、本人が作成する「学びの設計書」などの書類で評価する
- 学部のカリキュラムや教育コースへの適合力:書類審査に加えて、大学入学共通テストの成績、学部ごとの能力測定考査、論文試験、面接試験、口頭試問などで評価する
「特色入試」という一つの名前ですが、制度上は学部によって総合型選抜と学校推薦型選抜に分かれています。学校推薦型選抜の学部は学校長の推薦が必要で、1校から推薦できる人数に上限があります。
| 実施方式 | 学部・学科 |
|---|---|
| 総合型選抜 | 総合人間学部、文学部、教育学部、理学部、医学部人間健康科学科、薬学部、農学部 |
| 学校推薦型選抜 | 法学部、経済学部、医学部医学科、工学部 |
出典
京都大学「令和9年度京都大学特色入試学生募集要項」(令和8年7月)。出願要件と選考方法は学部ごとに大きく違います。出願前に必ず京都大学 特色入試のページで、令和9年度の要項と、変更があった場合に大学が掲載するお知らせを確認してください。
募集人員(令和9年度・学部別)
この節の答え令和9年度は一般枠196人・女性募集枠39人で、合格者が募集人員に満たない時は欠員分が前期日程に加えられます。
令和9年度の募集人員は、一般枠が合計196人1、女性募集枠が合計39人です。一般枠は性別によらず出願できる募集枠です。
| 学部・学科(入試の区分) | 実施方式 | 一般枠 | 女性募集枠 |
|---|---|---|---|
| 総合人間学部 | 総合型 | 5人 | ― |
| 文学部 | 総合型 | 10人 | ― |
| 教育学部 | 総合型 | 6人 | ― |
| 法学部 | 学校推薦型 | 20人 | ― |
| 経済学部(文系型入試/理系型入試) | 学校推薦型 | 15人/10人 | ― |
| 理学部(数理科学入試/生物科学入試/化学入試)(数理科学入試は2028年度入試から募集停止の予告あり) | 総合型 | 5人/10人/7人 | ― |
| 理学部(物理学・数学入試/宇宙・地球惑星科学入試) | 総合型 | ― | 10人/5人 |
| 医学部 医学科 | 学校推薦型 | 5人 | ― |
| 医学部 人間健康科学科(先端看護科学コース) | 総合型 | 20人 | ― |
| 医学部 人間健康科学科(先端理学療法学講座/先端作業療法学講座) | 総合型 | 7人/7人 | ― |
| 薬学部(薬科学科・薬学科) | 総合型 | 6人 | ― |
| 工学部 地球工学科 | 学校推薦型 | 5人 | 5人 |
| 工学部 建築学科 | 学校推薦型 | 3人 | ― |
| 工学部 物理工学科 | 学校推薦型 | 5人 | 5人 |
| 工学部 電気電子工学科 | 学校推薦型 | 7人 | 7人 |
| 工学部 情報学科 | 学校推薦型 | 2人 | 2人 |
| 工学部 理工化学科 | 学校推薦型 | 15人 | 5人 |
| 農学部 資源生物科学科 | 総合型 | 3人 | ― |
| 農学部 応用生命科学科 | 総合型 | 4人 | ― |
| 農学部 地域環境工学科 | 総合型 | 3人 | ― |
| 農学部 食料・環境経済学科 | 総合型 | 3人 | ― |
| 農学部 森林科学科 | 総合型 | 10人 | ― |
| 農学部 食品生物科学科 | 総合型 | 3人 | ― |
| 合計 | 196人 | 39人 |
選考の結果、合格者数が募集人員に満たない場合があり、その欠員分は一般選抜(前期日程)の募集人員に加えられます。実際に、令和8年度は一般枠の最終合格者が142人で、募集人員191人を下回りました(後述)。
大学入学共通テストの基準(学部別)
この節の答え全学部で共通テストの受験が必要で、多くの学部が概ね80%以上などの基準を設け、医学部医学科は判定に使いません。
特色入試は、全学部で令和9年度大学入学共通テストの指定された教科・科目を受験することが出願要件です。ただし医学部医学科は、出願資格の2〜4(国内の国際バカロレア認定校(DP)を卒業・卒業見込みの人、国際科学オリンピック日本代表として世界大会に出場した令和10年3月卒業見込みの人など)で出願する人を、共通テストの受験と成績提出の要件から除いています。
医学部医学科を除く全学部が、合格に必要な得点の目安を要項に明記しています。
| 学部・学科 | 共通テストの基準(要項の記載) |
|---|---|
| 総合人間学部 | 850点満点中概ね85%以上 |
| 文学部 | 1000点満点中概ね840点以上 |
| 教育学部 | 930点満点中概ね80%以上 |
| 法学部 | 950点満点中概ね80%以上 |
| 経済学部(文系型) | 1000点満点中概ね80%以上、かつ地歴・公民の得点の高い方と外国語がそれぞれ概ね90%以上 |
| 経済学部(理系型) | 1000点満点中概ね80%以上、かつ数学2科目と理科の得点の高い方1科目がそれぞれ概ね90%以上 |
| 理学部 | 1000点満点中概ね70%以上 |
| 医学部 医学科 | 受験と成績の提出は必要だが、判定には利用しない |
| 医学部 人間健康科学科 | 1000点満点中概ね75%以上 |
| 薬学部 | 950点満点中概ね8割以上 |
| 工学部 地球工学科 | 1000点満点中概ね80%以上、かつ数学2科目と選択した理科2科目の計4科目のうち、少なくとも1科目が概ね90%以上 |
| 工学部 建築学科 | 1000点満点中概ね80%以上、かつ数学2科目がそれぞれ概ね90%以上 |
| 工学部 物理工学科・電気電子工学科・情報学科・理工化学科 | 1000点満点中概ね80%以上 |
| 農学部 資源生物科学科・応用生命科学科 | 概ね750点以上 |
| 農学部 地域環境工学科・食料・環境経済学科・森林科学科 | 概ね800点以上 |
| 農学部 食品生物科学科 | 外国語を除く得点の合計が800点満点中概ね660点以上 |
書類や第2次選考の評価が高くても、共通テストがこの水準に届かなければ合格できません。特色入試を受ける人も、共通テストの学習は一般選抜と同じ水準で続ける必要があります。
利用する教科・科目と配点は学部ごとに要項で指定されています。工学部理工化学科は、合計が概ね80%以上でも、概ね80%に達しない科目がある場合は不合格にすることがあるとしています。
出願要件(専願・評定・推薦人数・英語資格)
この節の答え全学部とも専願で、総合人間学部と教育学部は評定4.3以上、学校推薦型の学部は1校から推薦できる人数に上限があります。
全学部共通:合格したら必ず入学する
特色入試に出願できるのは、「合格した場合は必ず入学することを確約する者1」に限られます。専願の入試です。
評定(全体の学習成績の状況)
学校長が推薦できる人数(学校推薦型選抜の学部)
| 学部・学科 | 1校から推薦できる人数 |
|---|---|
| 法学部 | 2人まで(ただし男性は1人まで) |
| 経済学部 | 文系型入試・理系型入試それぞれ2人(男女ともに在学する学校では、男子の上限はそれぞれ1人) |
| 医学部 医学科 | 1人(国際科学オリンピック日本代表に関する別枠あり) |
| 工学部 地球工学科・物理工学科 | 1人。女性を含む場合は2人まで |
| 工学部 建築学科 | 1人 |
| 工学部 電気電子工学科 | 一般枠は男女各1人の計2人、女性募集枠は女性2人まで |
| 工学部 情報学科 | 一般枠と女性募集枠を合わせて男女各1人の計2人 |
| 工学部 理工化学科 | 2人。女性を含む場合は3人まで |
総合型選抜の学部は学校長の推薦は不要です。教育学部を除く総合型選抜の学部では、高校が作成する「学業活動報告書」を提出します(教育学部は、本人が作成する「学びの報告書」と「学びの設計書」を提出)。
英語の資格・検定試験
法学部、経済学部(文系型入試)、医学部医学科(TOEFL iBTのみ)、薬学部、農学部の資源生物科学科と食品生物科学科は、英語の資格・検定試験の成績の提出が要件に含まれます。農学部の2学科はスコアの目安が明記されています。
- 農学部 資源生物科学科:英検2級以上、TOEIC 概ね600点以上など
- 農学部 食品生物科学科:英検準1級以上、IELTS 6.0以上、TOEIC 概ね800点以上など
卒業年度
総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部人間健康科学科と、農学部の応用生命科学科・地域環境工学科・森林科学科は、令和7年4月から令和9年3月までに卒業または卒業見込み1の人が対象です(前年度に卒業した人も出願できる)。医学部医学科、薬学部、工学部は、原則として令和9年3月卒業見込みの人が対象です。
農学部の資源生物科学科・食料・環境経済学科・食品生物科学科は、令和5年4月から令和9年3月までに卒業または卒業見込みの人が対象です。学部ごとの出願資格は要項で確認してください。
選考方法(学部別)
この節の答え多くの学部は書類審査の後に論文や口頭試問などの第2次選考があり、経済学部などは書類と共通テストだけで決まります。
経済学部と工学部の一部を除く学部・学科では、第1次選考(書類審査)の合格者が第2次選考に進みます。第2次選考の内容は学部ごとに大きく違います。
経済学部と、工学部の地球工学科・建築学科・物理工学科・電気電子工学科、理工化学科の一般枠は、第1次選考・第2次選考の区別がなく、提出書類と共通テストの成績だけで合否が決まります。
| 学部・学科 | 第2次選考の内容 |
|---|---|
| 総合人間学部 | 能力測定考査(文系総合問題・理系総合問題) |
| 文学部 | 「学びの設計書」に関連する論述試験と論文試験 |
| 教育学部 | 課題(小論文)と口頭試問 |
| 法学部 | 英語の文章を題材に、日本語で書く小論文 |
| 経済学部 | なし(共通テストの成績と書類で判定) |
| 理学部 数理科学入試(2028年度入試から募集停止の予告あり) | 数学の能力測定考査と口頭試問 |
| 理学部 生物科学入試・化学入試 | 口頭試問 |
| 理学部 物理学・数学入試、宇宙・地球惑星科学入試 | 能力測定考査(宇宙・地球惑星科学入試は小論文)と口頭試問 |
| 医学部 医学科 | 口頭試問と面接 |
| 医学部 人間健康科学科 | 論文と面接 |
| 薬学部 | 論文と面接 |
| 工学部 地球工学科・建築学科・物理工学科・電気電子工学科、理工化学科の一般枠 | なし(共通テストの成績と書類で判定) |
| 工学部 情報学科、理工化学科の女性募集枠 | 口頭試問 |
| 農学部 資源生物科学科 | 面接 |
| 農学部 応用生命科学科・地域環境工学科・森林科学科 | 小論文と面接 |
| 農学部 食料・環境経済学科 | 英文を読んで書く小論文 |
| 農学部 食品生物科学科 | 口頭試問 |
第2次選考がない学部・学科では、提出書類の評価と共通テストの得点がすべてです。学びの設計書や、活動実績を示す書類の内容がそのまま合否を分けます。
日程(令和9年度)
この節の答え出願は2026年11月5日〜11日(理学部と人間健康科学科は10月1日〜7日)、最終合格発表は2027年2月10日です。
| 項目 | 多くの学部 | 理学部・医学部人間健康科学科 |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2026年11月5日(木)午前10時〜11月11日(水)午後5時 必着 | 2026年10月1日(木)午前10時〜10月7日(水)午後5時 必着 終了 |
| 第1次選考結果発表 | 2026年11月27日(金) | 2026年11月5日(木) |
| 第2次選考 | 2026年12月12日(土)(医学科は12日・13日) | 2026年11月14日(土)(一部は15日も) |
| 大学入学共通テスト | 2027年1月16日・17日 | 同じ |
| 最終合格発表 | 2027年2月10日(水)(医学科は1月22日) | 2027年2月10日(水) |
| 入学手続 | 2027年2月17日(水)午後5時 必着 | 同じ |
「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。
経済学部と、工学部の地球工学科・建築学科・物理工学科・電気電子工学科、理工化学科の一般枠は、第1次選考結果発表と第2次選考がなく、結果は最終合格発表の2月10日に分かります。学部によっては、第2次選考の結果が1月8日などに先に発表され、共通テストの成績を合わせて最終合格者が決まります。
入学検定料は17,000円で、第1次選考で不合格になった場合は13,000円が返還されます1。出願はWeb出願システムでの登録に加えて、出願書類を郵送で期間内に届ける必要があります(持参不可)。
提出書類:学びの設計書と学業活動報告書
この節の答え本人が学びの設計書(理学部は学びの報告書)を書き、高校が学業活動報告書か推薦書を作り、生成AIの文章は使えません。
| 書類 | 作成者 | 内容 |
|---|---|---|
| 学びの設計書(志望理由書) | 本人 | 高校での活動を踏まえて、京都大学で何を学びたいか、卒業後にどうしたいかを書く。学部ごとの所定様式 |
| 学業活動報告書 | 高校 | 総合型選抜の学部(教育学部を除く)で提出。高校在学中の顕著な活動歴などを高校が記載する |
| 推薦書 | 高校(学校長) | 学校推薦型選抜の学部で提出 |
| 調査書 | 高校 | 全学部で提出 |
| 学びの報告書 | 本人 | 理学部(学びの設計書の代わりに提出)、教育学部、工学部の一部の女性募集枠で提出 |
| 顕著な活動実績の概要 | 本人 | 経済学部(名称は「顕著な活動・学習実績の概要」)、工学部の一部の学科で提出 |
理学部は「学びの設計書」ではなく「学びの報告書」を提出します。学部ごとに様式が違うので、志望学部の様式を京都大学の特色入試のページからダウンロードして確認してください。
生成AIの利用について
要項には、学びの報告書や学びの設計書など本人が作成する書類について、「志願者以外の者(生成AIツールを含む)により作成された文章等を利用することは認めません」と明記されています。自分で考え、自分の言葉で書くことが前提です。
学びの設計書の考え方は志望理由書の書き方、活動の整理の仕方は活動報告書の書き方が参考になります。
併願のルール
この節の答え学部をまたいだ併願はできませんが、特色入試に出願していても国公立の前期日程と後期日程に1つずつ出願できます。
- 学部・学科・コースをまたいだ併願はできない。経済学部の文系型入試と理系型入試、理学部の各入試も、複数に出願することはできない
- 国公立大学(独自日程で選抜を行う公立大学を除く)の学校推薦型選抜への出願は、1つの大学・学部に限られる(共通テストを課す場合・課さない場合を含む)
- 特色入試に出願していても、国公立大学の一般選抜は前期日程と後期日程にそれぞれ1つ出願できる
- 特色入試に合格した人は、入学辞退を許可された場合を除いて、他の国公立大学・学部を受験しても合格者にならない
- 一般枠と女性募集枠の併願は、工学部の地球工学科・物理工学科・情報学科・理工化学科では可能、理学部と工学部電気電子工学科では不可
専願の入試なので、合格したら入学することが前提です。不合格に備えて、京都大学や他大学の一般選抜への出願準備を並行して進めます。
出願から合格発表までの流れと、不合格のときの一般選抜
この節の答え書類は簡易書留速達で送り、合否はWeb出願システムで発表され、京都大学の前期日程の出願は特色入試の最終合格発表より前の2027年1月25日〜2月3日です。
特色入試の手続は、Web出願システムと郵送で進みます。要項に書かれている手順を、志願者がすることの順に並べると次のとおりです。
- Web出願システムで出願登録をし、入学検定料を納めて、入学願書と宛名票を印刷する。写真は令和8年7月1日以降に撮影したものを使う
- 入学願書、調査書、学業活動報告書または推薦書、学びの設計書などを、宛名票を貼った角形2号の封筒に入れ、「簡易書留速達」で郵送する。出願登録・入学検定料の納入・書類の到着のすべてが出願期間の最終日の午後5時までに必要
- 第1次選考の結果をWeb出願システムで見る。合否の通知は送られず、電話での問い合わせにも応じない。合格者は受験票をA4判でカラー印刷する。経済学部と、工学部の第1次選考がない学科・枠は、2026年11月27日の正午ごろから受験票をダウンロードできる
- 「受験上の諸注意」で指定された日までに、令和9年度共通テストの成績請求チケットを台紙に貼って学部の教務担当へ送る。総合人間・文・教育・理・医(人間健康科学科)・薬・農学部は「国公立総合型選抜用」、法・経済・医(医学科)・工学部は「国公立推薦型選抜用」を使う。提出しないと受験者としての権利を失う
- 第2次選考と大学入学共通テストを受け、最終合格発表をWeb出願システムで見る
- 合格したら、入学料の振込金受付証明書(入学料282,000円・予定)、国公立大学入学確認票、京都大学の受験票を、2027年2月17日午後5時必着で「簡易書留速達」で送る
前期日程の出願期間は、特色入試の最終合格発表より前
京都大学の一般選抜(前期日程)は、Web出願登録・入学検定料の納入と出願書類の受理がいずれも2027年1月25日〜2月3日2、第1段階選抜の合格者発表が2月10日、試験が2月25日・26日(医学部医学科の面接は27日)、合格発表が3月10日です(令和9年度京都大学入学者選抜要項)。一般選抜の学生募集要項は、入学者選抜要項で2026年12月中旬に公表予定とされています。
出願前に一般選抜の要項でも日程を確認してください。
特色入試の最終合格発表は、医学部医学科を除いて2月10日の正午ごろなので、前期日程の出願期間(2月3日まで)は最終合格発表より前にあたります。一般選抜も受けるなら、特色入試の結果が出る前に出願先を決めて出願をすませる必要があります。
医学部医学科は最終合格発表が1月22日で、前期日程の出願期間より前に結果が分かります。第2次選考の結果を先に発表する学部(理学部数理科学入試は2026年12月3日、教育学部・法学部・農学部などは2027年1月8日、医学部人間健康科学科は1月22日)では、第2次選考で不合格になった場合もその日に分かります。
合格後の入学辞退と、試験成績の開示
特色入試に合格した人が入学を辞退できるのは、真にやむをえない特別な事情があり、2027年2月17日午後5時までに具体的な理由を書いた「特色入試入学辞退願」(本人が署名・捺印したもの)を出して許可を得た場合です。法学部・経済学部・医学部医学科・工学部では、推薦した学校長も同じ日までに「推薦入学辞退願」を出します。
辞退が許可されない場合に他の国公立大学で合格者にならない扱い(上の併願のルール)は、独自日程で選抜を行う公立大学には当てはまりません。
特色入試の試験成績は、2027年5月6日午前10時ごろから5月31日午後5時まで、Web出願システムで本人に開示されます。開示されるのは、大学入学共通テストの教科別の得点(配点換算の前と後)と、受験した学部の第2次選考の教科別の得点および総点または段階評価です。
第1次選考で不合格になった人は、大学の試験成績がないため開示の対象になりません。
合否を分ける準備の差は、総合型選抜で受かる人と落ちる人の違いでも説明しています。
令和8年度の結果(志願者数・合格者数)
この節の答え令和8年度は一般枠で志願者635人・最終合格者142人、女性募集枠で志願者96人・最終合格者29人でした。
要項に掲載されている令和8年度特色入試の結果です。一般枠は募集人員191人に対して志願者635人1・最終合格者142人、女性募集枠は募集人員39人に対して志願者96人・最終合格者29人でした。
| 学部・学科(入試の区分) | 志願者数 | 最終合格者数 |
|---|---|---|
| 総合人間学部 | 27 | 4 |
| 文学部 | 76 | 9 |
| 教育学部 | 22 | 3 |
| 法学部 | 54 | 16 |
| 経済学部 文系型/理系型 | 35/8 | 13/2 |
| 理学部 数理科学/生物科学/化学 | 62/24/26 | 4/11/7 |
| 理学部 物理学・数学/宇宙・地球惑星科学(女性募集枠) | 26/24 | 9/5 |
| 医学部 医学科 | 7 | 4 |
| 医学部 人間健康科学科 先端看護/理学療法/作業療法 | 48/10/14 | 13/8/4 |
| 薬学部 | 9 | 3 |
| 工学部 地球工学科(一般枠/女性募集枠) | 21/14 | 5/5 |
| 工学部 建築学科 | 15 | 1 |
| 工学部 物理工学科(一般枠/女性募集枠) | 19/13 | 2/5 |
| 工学部 電気電子工学科(一般枠/女性募集枠) | 11/5 | 2/1 |
| 工学部 情報学科(一般枠/女性募集枠) | 16/4 | 1/0 |
| 工学部 理工化学科(一般枠/女性募集枠) | 21/10 | 10/4 |
| 農学部 資源生物/応用生命/地域環境 | 21/24/9 | 4/2/3 |
| 農学部 食料・環境経済/森林/食品生物 | 13/39/4 | 2/9/0 |
| 合計(一般枠/女性募集枠) | 635/96 | 142/29 |
上の表を令和8年度の募集人員(要項の同じ表に掲載)と比べると、一般枠と女性募集枠を分けた33の入試の区分のうち23区分で、最終合格者数が募集人員を下回りました。要項は、共通テストの得点の目安や書類・試験の評価を満たした人を合格者とすると定めています。
志願者数が少ないから受かりやすい、という入試ではありません。
学部別の倍率(令和8年度・2026年4月入学)
この節の答え要項の倍率は志願者数÷募集人員で、令和8年度の一般枠は3.3倍、志願者数÷最終合格者数で計算すると4.5倍です。
京都大学の総合型選抜(特色入試)の倍率は、令和9年度の学生募集要項の巻末「過去3年間の特色入試試験結果の概要」に、令和6年度から令和8年度までの3年分が載っています。令和8年度の入試は、2026年4月に入学する人を選ぶ入試です。
要項の表の「倍率」は、志願者数を募集人員で割った値になっています(表のどの行もこの計算と一致します。総合人間学部なら志願者27人÷募集人員5人で5.4倍)。
上の結果の表のとおり、最終合格者数が募集人員を下回る学部・学科が多いので、志願者数を最終合格者数で割った値も並べました。こちらは東京修学館が計算した値(志願者数÷最終合格者数・小数第2位を四捨五入)で、要項には載っていません。
| 学部・学科(入試の区分) | 要項の倍率(志願者数÷募集人員) | 志願者数÷最終合格者数(東京修学館の計算) |
|---|---|---|
| 総合人間学部 | 5.4 | 6.8 |
| 文学部 | 7.6 | 8.4 |
| 教育学部 | 3.7 | 7.3 |
| 法学部 | 2.7 | 3.4 |
| 経済学部 文系型/理系型 | 2.3/0.8 | 2.7/4.0 |
| 理学部 数理科学/生物科学/化学 | 12.4/2.4/3.7 | 15.5/2.2/3.7 |
| 理学部 物理学・数学/宇宙・地球惑星科学(女性募集枠) | 2.6/4.8 | 2.9/4.8 |
| 医学部 医学科 | 1.4 | 1.8 |
| 医学部 人間健康科学科 先端看護/理学療法/作業療法 | 2.4/2.0/2.8 | 3.7/1.3/3.5 |
| 薬学部 | 1.5 | 3.0 |
| 工学部 地球工学科(一般枠/女性募集枠) | 4.2/2.8 | 4.2/2.8 |
| 工学部 建築学科 | 5.0 | 15.0 |
| 工学部 物理工学科(一般枠/女性募集枠) | 3.8/2.6 | 9.5/2.6 |
| 工学部 電気電子工学科(一般枠/女性募集枠) | 1.6/0.7 | 5.5/5.0 |
| 工学部 情報学科(一般枠/女性募集枠) | 8.0/2.0 | 16.0/― |
| 工学部 理工化学科(一般枠/女性募集枠) | 1.4/2.0 | 2.1/2.5 |
| 農学部 資源生物/応用生命/地域環境 | 7.0/6.0/3.0 | 5.3/12.0/3.0 |
| 農学部 食料・環境経済/森林/食品生物 | 4.3/4.3/1.3 | 6.5/4.3/― |
| 合計(一般枠/女性募集枠) | 3.3/2.5 | 4.5/3.3 |
経済学部理系型は、要項の倍率が0.8倍で志願者が募集人員より少ないものの、合格者数で割った値は4.0倍です。工学部建築学科は、要項の倍率5.0倍に対して合格者数で割った値は15.0倍です。
工学部情報学科の女性募集枠と農学部食品生物科学科は最終合格者が0人のため、合格者数で割った値は「―」にしています。
全体では、一般枠が要項の倍率3.3倍・合格者数で割った値4.5倍、女性募集枠が要項の倍率2.5倍・合格者数で割った値3.3倍です。同じ表の令和7年度の合計は、募集人員177人、志願者596人、最終合格者145人(要項の倍率3.4倍)です。
令和9年度も全学部で募集:募集人員の変更と英語資格の注意
この節の答え令和9年度も10学部すべてで募集があり、一般枠は人間健康科学科の2講座と森林科学科で増えて196人です。
令和9年度の学生募集要項でも、特色入試は総合人間学部・文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・医学部・薬学部・工学部・農学部の10学部すべてで募集があります。要項は、令和9年度の特色入試の実施について追加の変更があれば、京都大学のWebサイトに掲載するとしています。
令和10年度(2028年度)入試からは、理学部の数理科学入試の募集停止が予告されています(下の「2028年度入試(2028年4月入学)からの変更予告」)。
令和8年度の結果の表と比べると、一般枠の募集人員は191人から196人に増えています。増えたのは医学部人間健康科学科の先端理学療法学講座と先端作業療法学講座(それぞれ5人から7人)と、農学部森林科学科(9人から10人)です。
女性募集枠は合計39人で変わりません。上の倍率の表の要項の倍率は、令和8年度の募集人員で計算された値です。
英語の資格・検定試験では、法学部・経済学部・医学部医学科・薬学部・農学部(資源生物科学科・食品生物科学科)で、TOEFL iBTのHome Edition(Special Home Editionを含む)のスコアレポートは使えません(令和7年度の特色入試から)。農学部の2学科はTOEFL iBTの目安を、2026年1月20日以前の試験(旧形式)と1月21日以降の試験(新形式)に分けて示しています。
資源生物科学科は概ね61点以上(旧形式)か3.5以上(新形式)、食品生物科学科は概ね80点以上か4.5以上です。
2028年度入試(2028年4月入学)からの変更予告
この節の答え理学部の数理科学入試は2028年度入試から募集停止が予告され、当面は物理学・数学入試などで受験機会を確保するとされています。
京都大学は2026年3月17日付で、令和10年度(2028年度)特色入試の入学者選抜方法の変更(理学部)を予告しています。この記事の募集人員・選考方法・日程は令和9年度(2027年度入試)の学生募集要項によるので、2028年4月入学で受ける人(2026年度の高校2年生)は、次の点が変わることが予告されています。
| 学部・学科 | 2027年度入試まで | 2028年度入試から |
|---|---|---|
| 理学部 特色入試(数理科学入試) | 募集人員5人。数学の能力測定考査と口頭試問で選考 | 募集を停止 |
数理科学入試は平成28年度入試から募集を始め、令和7年度までに50人が入学しています3。予告では、理学部と大学内で検討した結果、本来の役割を一定程度果たしたと判断し、令和10年度入試から募集を停止するとしています3。
予告には、当面は特色入試(物理学・数学入試等)を活用して志願者の受験機会を確保し、数理科学分野での入学者選抜のあり方を引き続き検討すると書かれています。なお、令和9年度の理学部の物理学・数学入試は、女性募集枠(10人)での募集です。
令和10年度の物理学・数学入試の募集枠や人数は、予告には書かれていません。
京都大学は、変更内容を反映した特色入試の学生募集要項を例年7月ごろに発表するとしています。出願する年度の募集要項で改めて確かめてください。
学年別の準備の進め方
この節の答え高3は実施方式と共通テストの基準を確かめて夏に学びの設計書の下書きを作り、高1・2は探究活動や評定に取り組みます。
高校3年生
- 志望学部の要項を読み、実施方式(総合型か学校推薦型か)、出願要件、共通テストの基準を確認する
- 学校推薦型選抜の学部は、校内で推薦を受けられるかを早めに先生に相談する。1校から推薦できる人数が少ない
- 学びの設計書の様式をダウンロードし、夏休み中に下書きを作る
- 高校が作成する学業活動報告書や推薦書のために、活動の記録を整理して先生に渡す
- 共通テストの基準を満たす学習を、一般選抜の受験勉強として続ける
高校1・2年生
- 探究活動や課題研究、コンテストへの参加など、学びの成果として示せる活動に取り組む
- 評定の基準がある学部(総合人間学部、教育学部、経済学部)を考えている場合は、評定を保つ
- 英語の資格・検定試験が必要な学部を考えている場合は、高2までに受験しておく
- 理学部を考えている場合は、数理科学入試に2028年度入試から募集停止の予告があるので、ほかの入試の区分と要件を確かめておく(上の「2028年度入試(2028年4月入学)からの変更予告」)
- 志望学部の過去の第2次選考の問題を見て、求められる力の水準を知る
合格に向けた対策のポイント
この節の答え共通テストを最優先で固め、学びの設計書で高校の活動と学部の学びをつなげ、第2次選考の形式に合わせて準備します。
- 共通テストを最優先で固める:医学部医学科を除く全学部が、概ね70〜85%にあたる基準を設けている。書類と第2次選考で評価されても、ここで届かなければ合格しない
- 学びの設計書は、高校での活動と学部の学びをつなげて書く:何をしてきたか、そこから何を学びたいと考えたか、卒業後にどうしたいかを一本の筋にする
- 高校が書く書類の材料を自分でそろえる:学業活動報告書や推薦書は高校が作成する。活動の内容と成果を、時期が分かる形でまとめて先生に渡す
- 第2次選考の形式に合わせて準備する:能力測定考査、論文、口頭試問、面接と学部で違う。口頭試問は、学びの設計書に書いた内容を深く聞かれる前提で準備する
- 一般選抜の準備を止めない:最終合格発表は2月10日(医学部医学科は1月22日)。前期日程の出願と学習を並行して進める
面接と口頭試問の準備は面接対策と口頭試問の対策、論文・小論文は小論文の書き方で説明しています。文学部の特色入試は文学部(人文系)の総合型選抜、医学部 人間健康科学科(先端看護科学コース)は看護学部の総合型選抜・学校推薦型選抜で、ほかの大学の同じ系統の入試と比べられます。
よくある質問
- Q. 京都大学の特色入試は総合型選抜ですか、学校推薦型選抜ですか?
- A. 学部によって違います。総合人間学部、文学部、教育学部、理学部、医学部人間健康科学科、薬学部、農学部は総合型選抜、法学部、経済学部、医学部医学科、工学部は学校推薦型選抜として実施されます。学校推薦型選抜の学部は学校長の推薦が必要です。
- Q. 京都大学の特色入試に共通テストは必要ですか?
- A. 必要です。全学部で、令和9年度大学入学共通テストの指定された教科・科目を受験することが出願要件です(医学部医学科は、国際バカロレア認定校や国際科学オリンピック日本代表の出願資格で出願する人を除く)。医学部医学科を除く全学部が「概ね80%以上」などの基準を設けています。医学部医学科は受験と成績の提出は必要ですが、判定には利用しません。
- Q. 京都大学の特色入試の募集人員は何人ですか?
- A. 令和9年度は、一般枠が合計196人、女性募集枠が合計39人です。合格者数が募集人員に満たない場合、欠員分は一般選抜(前期日程)の募集人員に加えられます。
- Q. 京都大学の特色入試の日程は?
- A. 令和9年度は、出願が2026年11月5日から11月11日(理学部と医学部人間健康科学科は10月1日から10月7日)、第2次選考が12月12日(医学部医学科は12日・13日、理学部と医学部人間健康科学科は11月14日。入試の区分により15日も)、最終合格発表が2027年2月10日(医学部医学科は1月22日)、入学手続が2月17日までです。
- Q. 京都大学の特色入試は一般選抜と併願できますか?
- A. できます。特色入試に出願していても、国公立大学の一般選抜は前期日程と後期日程にそれぞれ1つ出願できます。ただし特色入試は専願で、合格した人は入学辞退を許可された場合を除いて、他の国公立大学・学部の合格者にはなりません。
- Q. 京都大学の特色入試に評定平均の基準はありますか?
- A. 学部によります。総合人間学部と教育学部は調査書の全体の学習成績の状況が4.3以上、経済学部は概ね4.3以上が要件です。その他の学部は、要項に評定の基準の記載がありません。
- Q. 京都大学の特色入試は廃止されますか?
- A. 特色入試は令和9年度も10学部すべてで募集があります。理学部の数理科学入試は、令和10年度(2028年度)入試から募集停止が予告されています。
まとめ
京都大学の特色入試は全学部で実施され、学部によって総合型選抜と学校推薦型選抜に分かれています。共通テストの受験が全学部で必要で(医学部医学科の一部の出願資格を除く)、医学部医学科を除く全学部が概ね70〜85%にあたる基準を設けています。
令和9年度の募集人員は一般枠196人・女性募集枠39人、出願は11月5日から11日(理学部と医学部人間健康科学科は10月1日から7日)、最終合格発表は2月10日(医学部医学科は1月22日)です。専願で、合格したら入学することが前提になります。
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参考資料
この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。
リンク先の確認日:2026-11-01
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