文学部(人文系)の総合型選抜|主な大学の方式・出願要件・選考内容と対策【2027年度入試・学長監修】

文学部(人文系)の総合型選抜 受験の知識
文学部(人文系)の総合型選抜 ひと目で分かる要点(2027年度入試)
出願が始まる時期
9月上旬から
中央大学・立教大学・早稲田大学・筑波大学のAC入試など
共通テスト
大学で分かれる
京都大学・大阪大学・東京大学などは必要。名古屋大学の文学部・筑波大学・東北大学AO入試II期と、慶應義塾大学・上智大学・明治大学などの私立大学は課さない
私立大学の出願条件
専攻・学科ごと
史学科は歴史科目、英文学科は英語の評定や英語資格、国文学科は国語の評定などを求める大学がある
選考の中心
小論文・面接
英文を読んで書く試験、専門知識の筆記、課題レポートなど形は大学ごとに違う

文学部や人文学部を総合型選抜・学校推薦型選抜で受けたいと考えたとき、最初に困るのは、大学ごとに方式の名前も条件も選考の中身も違うことです。この記事では、各大学の2027年度入試の要項をもとにした大学別の記事から、文学部・人文系に関わる事実だけを集めて、主な大学の方式と募集人員、出願要件の傾向、選考で課されるもの、共通テストの要否、書類と試験の準備の進め方を、東京修学館の家近亮子学長の監修で整理します。

文学部(人文系)の総合型選抜・学校推薦型選抜とは

この節の答え文学・言語・歴史・哲学・芸術学などを学ぶ学部の年内入試で、名前ではなく高校長の推薦が要るかどうかで区分を見分けます。

文学部・人文系の学部は、文学、言語、歴史、哲学、芸術学などを学ぶ学部です。大学によって名前が違い、文学部のほかに、人文学部(武蔵大学・南山大学)、文芸学部(成城大学・近畿大学)、筑波大学の人文学類のような名前もあります。

この記事ではまとめて「文学部(人文系)」と呼びます。

一般選抜とは別に、年内から選考が始まる入試には、総合型選抜と学校推薦型選抜の二つがあります。文部科学省の『令和9年度大学入学者選抜実施要項』では、次のように定められています。

区分出願の仕方選考の決まり時期
総合型選抜志願者が自分の意志で出願できる(公募制)本人が書く資料(活動報告書、大学入学希望理由書など)を必ず評価に使い、面接(口頭試問・プレゼンテーションなどを含む)を必ず行う出願は2026年9月1日以降、合否の発表は11月1日以降
学校推薦型選抜出身高校の校長の推薦が必要調査書を主な資料とし、面接を必ず行う(合格したら入学を確約する非公募型は、大学の判断で面接を省ける)出願は2026年11月1日以降、合否の発表は12月1日以降

どちらも、調査書などの書類だけでなく、小論文や教科の試験、共通テスト、資格・検定試験などの評価方法を少なくとも一つ使うことになっています2。名前と区分が一致しない入試もあります。

慶應義塾大学文学部の「自主応募制による推薦入学者選考」は、名前に「推薦」が入っていますが総合型選抜として案内されていて、条件を満たせば自分の意思で出願できます。反対に、上智大学の「推薦入学試験(公募制)」は高校長の推薦状が必要です。

名前ではなく、出願の条件で区別してください。

出典

制度の定義と時期は文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』(令和8年5月27日通知)によります(文部科学省「入学者選抜実施要項」)。大学ごとの数字は、各大学の2027年度入試の要項に基づく大学別の記事から引いています。出願前に必ず各大学の最新の要項を確認してください。

主な大学の入試(2027年度入試・一覧)

この節の答え国公立7校と私立8校の文学部・人文系の主な方式について、募集人員・共通テストの要否・出願期間を一覧にしています。

文学部・人文系で総合型選抜または学校推薦型選抜を実施している主な大学です。募集人員と出願期間は2027年度入試(2026年秋から冬に実施)のものです。大学名から大学別の記事に移れます。

国公立大学

国公立大学 文学部・人文系の募集人員(2027年度入試)
東北大学 AO入試III期
32人
大阪大学 総合型選抜
30人
東北大学 AO入試II期
27人
名古屋大学 学校推薦型選抜
15人
筑波大学 人文学類 推薦入試
15人
東京大学 学校推薦型選抜(程度)
10人
京都大学 特色入試(総合型選抜)
10人
九州大学 総合型選抜Ⅱ(国際コース)
10人
九州大学 学校推薦型選抜
10人
筑波大学 人文学類 AC入試(総合型選抜)
5人
東京大学は「10人程度」。東北大学は文学部 人文社会学科、筑波大学は人文学類、ほかは文学部の募集人員です。総合型選抜と学校推薦型選抜の両方を並べています。
大学・学部方式募集人員共通テスト出願期間
東京大学 文学部学校推薦型選抜10人程度必要(概ね8割以上が目安)2026年11月1日〜11月6日(高校が出願)
京都大学 文学部特色入試(総合型選抜)10人必要(1000点満点中概ね840点以上)2026年11月5日〜11月11日
大阪大学 文学部総合型選抜30人必要(満点中概ね75%以上を目安)出願書類の受理 2026年11月2日〜11月7日
東北大学 文学部 人文社会学科AO入試II期/III期27人/32人II期は課さない/III期は必要II期 2026年10月13日〜10月16日、III期 2027年1月19日〜22日 終了
名古屋大学 文学部学校推薦型選抜15人課さない2026年11月2日〜11月6日
九州大学 文学部総合型選抜Ⅱ(国際コース)/学校推薦型選抜10人/10人必要総合型選抜Ⅱ 2026年10月19日〜10月30日、学校推薦型選抜 11月2日〜11月6日 終了
筑波大学 人文学類AC入試(総合型選抜)/推薦入試5名/15名課さないAC入試 2026年9月1日〜9月3日、推薦入試 11月2日〜11月9日 終了

「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。

国公立大学 文学部・人文系の出願期間と合格発表(日程チャート)
出願選考日・発表日
9月10月11月12月1月2月
筑波大学 AC入試
出願 9月1日〜9月3日/合格発表 11月2日
東北大学 AO入試II期
出願 10月13日〜10月16日/合格発表 12月4日
九州大学 総合型選抜Ⅱ(国際コース)
出願 10月19日〜10月30日/合格発表 2月10日
東京大学 学校推薦型選抜
出願 11月1日〜11月6日/合格発表 2月10日
大阪大学 総合型選抜
出願 11月2日〜11月7日/合格発表 2月9日
名古屋大学 学校推薦型選抜
出願 11月2日〜11月6日/合格発表 12月9日
九州大学 学校推薦型選抜
出願 11月2日〜11月6日/合格発表 2月10日
筑波大学 推薦入試
出願 11月2日〜11月9日/合格発表 12月10日
京都大学 特色入試
出願 11月5日〜11月11日/合格発表 2月10日
東北大学 AO入試III期
出願 1月19日〜1月22日/合格発表 2月10日
9月〜12月は2026年、1月・2月は2027年。東京大学は高校が出願します。大阪大学は出願書類の受理の期間です。合格発表の日付は「共通テストが要る大学・要らない大学」の節の記載によります。

私立大学

大学・学部方式募集人員共通テスト出願期間
慶應義塾大学 文学部自主応募制による推薦入学者選考(総合型選抜)120名選考に使わない2026年10月1日〜10月20日 終了
早稲田大学 文学部地域探究・貢献入試若干名必要(300点中240点以上)2026年9月1日〜9月10日 終了
上智大学 文学部推薦入学試験(公募制)哲学科15人、史学科13人、国文学科5人、英文学科20人、ドイツ文学科10人、フランス文学科6人、新聞学科40人使わない2026年11月1日〜11月5日
明治大学 文学部自己推薦特別入学試験専攻ごと(日本文学3人、英米文学4人、日本史学3人、西洋史学2人、演劇学5人など)使わない2026年9月25日〜10月1日 終了
青山学院大学 文学部自己推薦英米文学科約30名、史学科約13名、比較芸術学科約8名使わない英米文学科 2026年9月7日〜9月10日、史学科・比較芸術学科 9月28日〜10月1日 終了
立教大学 文学部自由選抜入試史学科10名程度、英米文学専修10名程度、ほかの学科・専修は若干名使わない2026年9月1日〜9月10日 終了
中央大学 文学部自己推薦入学試験専攻ごとに2〜18人使わない2026年9月1日〜9月7日 終了
法政大学 文学部自己推薦/英語外部試験利用自己推薦(英文学科)哲学科3人、日本文学科20人、英文学科5人、地理学科10人使わない2026年9月29日〜10月9日 終了

このほか、学習院大学(文学部哲学科のAOは2027年度から。文学部6学科で公募制推薦)、同志社大学(推薦選抜で英文学科10名・美学芸術学科6名など)、立命館大学(人文学プロポーズ方式・国際方式)、関西大学(自己推薦型・外国語能力重視型・論文評価型のAO入試)、関西学院大学(探究評価型で文学部10名)、明治学院大学(英文学科など3学科)、武蔵大学(人文学部の3学科で各8人)、南山大学(人文学部の4学科)、東京女子大学(人文学科17人)、お茶の水女子大学(人文科学科)、成城大学・近畿大学(文芸学部)、龍谷大学(文学部)も、文学部・人文系で総合型選抜や学校推薦型選抜を行っています。

神戸大学の文学部が対象だった「志」特別選抜は、令和9年度入試(2026年秋実施)が最後です。

一方、北海道大学は文学部でフロンティア入試(総合型選抜)を実施しておらず、成蹊大学は2027年度の総合型選抜(自己推薦型)を文学部では実施しません1。

英文学科・英米文学科の募集人員(私立大学・2027年度入試)
青山学院大学 英米文学科 自己推薦(約)
30人
上智大学 英文学科 公募制推薦
20人
立教大学 英米文学専修 自由選抜入試(程度)
10人
同志社大学 英文学科 推薦選抜
10人
法政大学 英文学科 英語外部試験利用自己推薦
5人
明治大学 英米文学(専攻別の募集)自己推薦
4人
青山学院大学は「約30名」、立教大学は「10名程度」。方式は大学で違い、上智大学の推薦入学試験(公募制)は高校長の推薦状が必要です。

出願要件の傾向(評定・英語資格・履修科目)

この節の答え私立大学の多くは評定の基準があり、史学科は歴史科目、国文学科は国語、英文学科は英語の評定や資格を求める例が多いです。

評定(全体の学習成績の状況)

下の表の私立大学5校は、評定の基準を出願資格に入れています(立教大学のドイツ文学・フランス文学専修と法政大学の英文学科は数値の基準なし)。国立大学は、調査書の学習成績概評(A段階など)で示す大学と、要項に評定の基準の記載がない大学に分かれます。

大学・方式評定の基準(要項の記載)
慶應義塾大学 文学部 自主応募制推薦全体4.1以上
上智大学 文学部 公募制推薦全体4.0以上が基本(哲学科は全体3.8以上かつ外国語・国語4.3以上でも可)で、新聞学科を除く学科は教科の基準が加わる。全学科で外国語検定試験の基準(英文学科は英検準1級など、ほかの学科は英検2級など)も満たす必要がある
立教大学 文学部 自由選抜入試キリスト教学科・日本文学専修・文芸・思想専修・史学科は3.8以上。英米文学専修と教育学科は4.0以上。ドイツ文学・フランス文学専修は条件なし
明治大学 文学部 自己推薦3.5以上(西洋史学専攻は英語4.0以上も必要)
法政大学 文学部哲学科・日本文学科は3.8以上(留学経験や国際バカロレアでも可)、地理学科は4.0以上、英文学科は数値基準なし
名古屋大学 文学部 学校推薦型選抜学習成績概評がA段階
東北大学 AO入試II期全学部で学習成績概評がA段階
京都大学・大阪大学 文学部要項に評定の基準の記載はない

専攻・学科ごとに科目の評定や履修が条件になる例

文学部の特徴は、専攻や学科の内容に合わせて、特定の科目の評定や履修を求める大学があることです(下の例は8大学)。全体の評定だけを見て準備すると、出願の段階で条件を満たせないことがあります。

  • 歴史系:青山学院大学の史学科は全体4.0以上、または3.8以上で「世界史探究」か「日本史探究」の評定平均値が4.5以上。中央大学の日本史学専攻は全体3.8以上かつ「歴史総合」「日本史探究」の評定平均値4.5以上。立教大学の史学科は3.8以上に加えて、世界史探究・日本史探究・地理探究のいずれかの評定4.5以上や歴史能力検定1級などの条件(資格Ⅰ〜Ⅵ)がある。上智大学の史学科は全体4.0以上かつ地理歴史4.3以上で、歴史総合と日本史探究または世界史探究の履修が必要
  • 地理:法政大学の地理学科は4.0以上かつ「地理探究」「地学」のいずれかが4.5以上。明治大学の史学地理学科(日本史学・アジア史・西洋史学・地理学の各専攻)は、日本史探究・世界史探究・地理探究などを3単位以上履修していることが条件
  • 国文・日本文学:上智大学の国文学科は全体4.0以上かつ国語4.3以上。立教大学の日本文学専修は3.8以上で国語の評定4.0以上、文芸・思想専修は国語4.0以上と地理歴史・公民(6単位以上)4.0以上
  • 英文:上智大学の英文学科は全体4.0以上かつ英語4.5以上。同志社大学の英文学科(推薦選抜)は全体4.0以上かつ英語4.1以上で、TOEIC L&R 600点以上かTOEFL iBTの基準も必要。学習院大学の英語英米文化学科(公募制)は4.2以上かつ英語4.4以上
  • 哲学・芸術:上智大学の哲学科は『歴史総合・世界史探究』または『倫理』の履修が必要。青山学院大学の比較芸術学科は全体4.0以上、または3.8以上で外国語4.2以上かつ「世界史探究」か「日本史探究」4.2以上

英語・外国語の資格

英文学科・英米文学科では、英語資格の基準を出願の条件にしている大学があります(下の一覧)。基準は大学によって英検2級程度から準1級程度まで幅があります。

  • 準1級程度:青山学院大学の英米文学科(英検準1級以上、TOEIC L&R 730点以上とS&Wの基準、IELTS 5.5以上など)、法政大学の英文学科(英検準1級以上、IELTS 5.5以上、TOEFL iBT 62点以上など)、上智大学の英文学科(公募制推薦。英検準1級、IELTS 5.5以上、TOEFL iBT 72以上など)
  • 2級程度から:明治学院大学の英文学科(英検2級以上またはCSE 1980点以上、TOEFL iBT 42点以上など)、関西大学文学部の外国語能力重視型(英検2級以上、TOEIC L&R 500点以上など)、立命館大学文学部の国際方式(英語は英検2級以上、TEAP 250点以上など)、上智大学 文学部のほかの6学科(公募制推薦。英検2級、IELTS 4.0以上など。ドイツ語・フランス語の検定でも可)、同志社大学の英文学科(推薦選抜。TOEIC L&R 600点以上かTOEFL iBTの基準)
  • 英語以外の言語:中央大学の文学部にはドイツ語・フランス語の資格で出願できる専攻がある。武蔵大学のヨーロッパ文化学科(語学力重視方式)は英語・ドイツ語・フランス語、日本・東アジア文化学科(語学力・文化理解力重視方式)は英語・中国語・韓国語のいずれかの資格が必要

立教大学は英検の基準を級ではなくCSEスコアで示していて(GTEC・IELTS・TEAPなども可。英米文学専修と史学科はドイツ語技能検定4級以上や実用フランス語技能検定3級以上などでも出願できる)、英米文学専修は2,300点以上、史学科は2,067点以上です1。

一方で、明治大学の文学部では外国語検定は自己アピールの例示で必須ではなく、大阪大学の文学部では語学力は活動実績の選択肢の一つです。資格の有効期間は大学と試験で違い、立教大学は出願期間の初日から遡って2年以内、上智大学は英検が2016年1度第1回以降、TOEFL iBT・IELTS・GTEC・TOEICが出願書類提出期日から遡って2年以内です。

受験の時期にも注意してください。

選考で課されるもの(大学の実例つき)

この節の答え英文や資料を読んで書く小論文、専門知識の筆記、出願時の課題レポート、プレゼンテーションなど形が大学ごとに違います。

明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学などは第1次選考を書類で行い、第2次選考で小論文や面接などを課します。慶應義塾大学・上智大学・学習院大学の文学部は、書類と試験をあわせて一度に判定します。

文学部の試験は「読んで、考えて、書く・話す」形が中心ですが、その中身は大学によって大きく違います。

英文や資料を読んで書く小論文

  • 名古屋大学:英語の文章を読み日本語で論述する小論文と、15分程度の個人面接(5分間のプレゼンテーションと質疑応答)
  • 九州大学(国際コース):英語小論文と、英語による個人面接(10分程度)
  • 青山学院大学 英米文学科:英文を読み、英語と日本語の両方で文章を書く小論文と、英語および日本語の面接
  • 中央大学 哲学専攻:哲学者の英語の文章を読み日本語で論述する資料読解力試験と面接
  • 慶應義塾大学:総合考査Ⅰ(120分)は小論文形式で、英語・ドイツ語・フランス語のいずれかによる作文力もあわせて評価する。総合考査Ⅱ(60分)は与えられたテーマについての記述

専門分野の知識を問う筆記試験

  • 学習院大学 哲学科(AO):専門知識(60分)と英文読解(60分)の筆記試験と面接。専門知識は哲学・思想史か美術史から出題され、教科書の範囲を超える内容を含む
  • 法政大学:日本文学科は国語(古文・漢文・小論文を含む、75分)と面接、地理学科は地理(地理総合、地理探究)と面接
  • 青山学院大学:史学科は「歴史に関する史料」か「歴史に関する英文」のいずれかを選ぶ論述と面接、比較芸術学科は芸術に関する基礎知識の筆記試験と面接
  • 上智大学:学科ごとの学科試問。史学科は歴史学と課題図書に関わる試問(90分)、英文学科は英語適性検査(60分)

出願時に提出する課題・レポート

  • 上智大学のレポート等特定課題:哲学科は哲学的著作を1冊読み、興味をもった議論を述べる(400字詰5枚以内)。英文学科は英米文学作品の登場人物を論じる(3000字程度)。史学科とフランス文学科は提出がなく、課題図書を読んで試験に臨む
  • 青山学院大学の入学者選抜課題:史学科は歴史の中の戦争の事例を一つ取り上げ、文献を参照して2000字以内で説明する。比較芸術学科は芸術作品を古典ならしめるものは何かを2000字以内で論じる
  • 関西大学 文学部 論文評価型:人文学の任意のテーマによる論文(6,000〜8,000字程度)
  • 中央大学 文学部:専攻により小論文を提出する。フランス語文学文化専攻4,000字程度、哲学専攻と心理学専攻3,000字程度、社会学専攻1,500字程度
文学部の出願時に提出する課題・レポートの字数
中央大学 フランス語文学文化専攻 小論文(程度)
4,000字
中央大学 哲学専攻・心理学専攻 小論文(程度)
3,000字
上智大学 英文学科 レポート等特定課題(程度)
3,000字
青山学院大学 史学科 入学者選抜課題(以内)
2,000字
青山学院大学 比較芸術学科 入学者選抜課題(以内)
2,000字
中央大学 社会学専攻 小論文(程度)
1,500字
関西大学 文学部 論文評価型の論文は6,000〜8,000字程度。上智大学 哲学科は400字詰5枚以内。上智大学の史学科とフランス文学科は提出がなく、課題図書を読んで試験に臨みます。

プレゼンテーション・講義・討論

  • 立命館大学 人文学プロポーズ方式:プレゼンテーション10分と質疑応答10分、個人面接(10分程度)
  • 南山大学:人類文化学科は事前に調べた資料をもとに発表し、日本文化学科は課題講義の受講、小論文、口頭試問
  • お茶の水女子大学(図書館入試):附属図書館の図書を参照して課題レポートを書き(9時30分〜15時30分)、2日目にグループ討論と面接
  • 明治大学は小論文と口頭試問、同志社大学の推薦選抜は論文と口頭試問、京都大学は「学びの設計書」に関連する論述試験と論文試験

同じ文学部でも、英文を読む力、専門の知識、長い文章を書く力、人前で説明する力のどれが重く問われるかが違います。大学別の記事と要項で試験の形式を確かめてから練習を始めてください。

共通テストが要る大学・要らない大学

この節の答え東京大学・京都大学・大阪大学・九州大学などは必要で、名古屋大学の文学部、筑波大学、東北大学II期と多くの私立大学は課しません。

文学部の年内入試は、共通テストの扱いで大きく二つに分かれます。共通テストを課す方式は、書類と面接などで評価されても、共通テストが基準に届かなければ合格できません。合格発表も共通テストの後になります。

共通テスト大学・方式
必要東京大学(学校推薦型選抜。概ね8割以上が目安)、京都大学(特色入試。1000点満点中概ね840点以上)、大阪大学(総合型選抜。950点満点を200点満点に換算し、概ね75%以上を目安)、東北大学(AO入試III期)、九州大学(総合型選抜Ⅱ・学校推薦型選抜)、早稲田大学(地域探究・貢献入試。英語・国語と、歴史総合・世界史探究または歴史総合・日本史探究の300点中240点以上)
受験は必要だが合否には使わないお茶の水女子大学(総合型選抜の合格者は受験が必要)
課さない・選考に使わない名古屋大学(文学部の学校推薦型選抜)、東北大学(AO入試II期)、筑波大学(AC入試・推薦入試)、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、同志社大学、立命館大学、関西大学

共通テストを課す方式の合格発表は、京都大学・東京大学・九州大学・東北大学III期・早稲田大学の文学部が2027年2月10日、大阪大学が2月9日です1。共通テストを課さない国立大学の方式は年内に結果が出ます。

名古屋大学文学部の合格者発表は2026年12月9日1、東北大学II期は12月4日、筑波大学はAC入試が11月2日、推薦入試が12月10日です。

出願の時期と併願のルール

この節の答え出願は9月上旬に始まる大学があり、国公立大学の学校推薦型選抜は1つの大学・学部に限られ、私立は方式ごとに専願か併願可かが違います。

出願は、中央大学・立教大学・早稲田大学・筑波大学のAC入試などが2026年9月上旬に始まり、明治大学・法政大学・慶應義塾大学などが9月下旬から10月、東京大学・上智大学・名古屋大学・大阪大学・京都大学などが11月です。9月に出願する大学を受けるなら、志望理由書や課題レポートは高3の夏休みのうちに仕上げておく必要があります。

私立大学 文学部の出願期間(2026年9月〜11月)
出願選考日・発表日
9月10月11月
中央大学 自己推薦入学試験
出願 9月1日〜9月7日
立教大学 自由選抜入試
出願 9月1日〜9月10日
早稲田大学 地域探究・貢献入試
出願 9月1日〜9月10日
青山学院大学 英米文学科
出願 9月7日〜9月10日
明治大学 自己推薦特別入学試験
出願 9月25日〜10月1日
青山学院大学 史学科・比較芸術学科
出願 9月28日〜10月1日
法政大学 自己推薦
出願 9月29日〜10月9日
慶應義塾大学 自主応募制推薦
出願 10月1日〜10月20日
上智大学 推薦入学試験(公募制)
出願 11月1日〜11月5日
日付はすべて2026年。出願期間だけを示しています。選考日と合格発表の日は、大学別の記事と要項で確かめてください。

専願か、併願できるか

  • 国公立大学の学校推薦型選抜への出願は、1つの大学・学部に限られる
  • 京都大学、大阪大学、東北大学のAO入試は、合格したら入学することを確約する入試。大阪大学は出願できるのが1つの選抜・1つの学部学科だけ
  • 慶應義塾大学の文学部、上智大学の公募制推薦、青山学院大学の史学科・比較芸術学科は、第一志望であることが出願の条件
  • 法政大学は、文学部の哲学科・日本文学科・英文学科が専願、地理学科は専願ではない
  • 明治大学の文学部は、合格したら入学することを前提に他大学・他学部との併願を認めている
  • 早稲田大学の地域探究・貢献入試は他大学との併願ができるが、学部の併願はできない

専願の入試は、不合格になった場合に備えて一般選抜の準備を並行することが前提です。併願のルールは方式ごとに細かく違うので、大学別の記事と要項で確かめてください。

志望理由書の書き方(文学部の場合)

この節の答え関心の出発点、その関心の深め方、その専攻を選ぶ理由、入学後の問いと卒業後を一本の筋にし、読んだ本への考えも書きます。

文学部の書類は、名前も字数も問われる内容も大学ごとに違います。まず、志望校の様式で何を聞かれているかを確かめることが出発点です。

文学部の志望理由書を組み立てる順番
1
関心の出発点を具体的に書く
心に残った作品、史料、言葉など、関心が生まれたきっかけを具体的なもので示す
2
その関心をどう深めたかを書く
読んだ本、調べたこと、書いたもの、探究活動など、自分で取り組んだ過程を示す
3
なぜその専攻・学科なのかを書く
専攻で扱う分野と自分の関心のつながりを説明する
4
入学後に学びたいことと、その先を書く
どんな問いを立てて研究したいか、卒業後にどう生かしたいかまでを一本の筋にする
文学部の志望理由書・自己推薦書 大学ごとの指定字数
明治大学 自己推薦書(以内・自筆)
2,000字
立教大学 志望理由書(程度)
2,000字
法政大学 志望理由書(以内)
1,600字
青山学院大学 比較芸術学科 志望動機・理由書(以内)
1,500字
青山学院大学 史学科 志望動機・理由書(以内)
1,200字
大阪大学 志望理由書(程度)
800字
京都大学の「学びの設計書」は、本文に字数の記載がないため入れていません。
大学書類と求められる内容
大阪大学志望理由書:どのような学問的探究に取り組みたいかを、読書経験などをふまえて800字程度
明治大学自己推薦書:自筆で2,000字以内。学びたいこと、最も高く評価する特定分野や高校での研究・学習、その際に読んだ著作への意見
京都大学学びの設計書:高校での活動を踏まえて、京都大学で何を学びたいか、卒業後にどうしたいかを書く
青山学院大学志望動機・理由書:史学科1200字以内、比較芸術学科1500字以内
法政大学志望理由書:1600字以内
立教大学志望理由書:2,000字程度

要項の問いから読み取れるのは、文学部が「何を読み、何を考えてきたか」を重く見ていることです。大阪大学は読書経験、明治大学は読んだ著作への意見まで求めています。文学部の志望理由書は、次の順で組み立てると筋が通ります。

  1. 関心の出発点を具体的に書く:心に残った作品、史料、言葉など、関心が生まれたきっかけを具体的なもので示す
  2. その関心をどう深めたかを書く:読んだ本、調べたこと、書いたもの、探究活動など、自分で取り組んだ過程を示す。中央大学の日本史学専攻のように、分野に関する活動を出願の条件にする専攻もある
  3. なぜその専攻・学科なのかを書く:明治大学・中央大学のように専攻ごとに募集する大学がある。専攻で扱う分野と自分の関心のつながりを説明する
  4. 入学後に学びたいことと、その先を書く:どんな問いを立てて研究したいか、卒業後にどう生かしたいかまでを一本の筋にする

自分の言葉で書くこと

京都大学の特色入試の要項には、本人が作成する書類について、志願者以外の者(生成AIツールを含む)により作成された文章等の利用は認めないと明記されています。筑波大学のAC入試では、生成AIを用いて作成した部分に下線を引いて示すよう指示されています。書類の内容は面接や口頭試問で掘り下げられるので、自分で説明できることだけを書くのが前提です。

書き方の詳しい手順は志望理由書の書き方、自己推薦書は自己推薦書の書き方で説明しています。

小論文・面接・口頭試問の準備

この節の答え英文や課題図書を読んで書く練習を早くから始め、面接では書類で挙げた本や作品の要点と自分の意見を説明できるようにします。

小論文:読む力と書く力を同時に鍛える

文学部の小論文は、英文や資料、課題図書を読んだうえで書く形式があります(名古屋大学、中央大学の哲学専攻、上智大学の史学科など)。英文を読む大学を受ける場合は、英語の長文を読んで要点を日本語でまとめる練習を早くから始めます。

出願時に長いレポートを出す大学では、文献を読み、調べたことと自分の考えを分けて書く力が問われます。

練習では、次のようなテーマで意見を書き、先生に読んでもらうことから始めます。いずれも練習用の例で、実際の出題ではありません。実際の出題は各大学が公表している過去の問題で確かめてください。

  • 練習に使えるテーマの例:翻訳で失われるものと、翻訳でしか伝わらないもの
  • 練習に使えるテーマの例:古典を現代の高校生が読む意味
  • 練習に使えるテーマの例:史料に書かれていることと、書かれていないこと
  • 練習に使えるテーマの例:地域の文化財をだれが、どのように守るのか

面接・口頭試問:書類に書いたことを深く聞かれる

面接や口頭試問では、志望理由書や自己推薦書に書いた本・作品・活動について、内容を深く聞かれることを前提に準備します。書類で挙げた本は、要点と自分の意見を言葉で説明できるようにしておきます。

青山学院大学の英米文学科や九州大学の国際コースのように英語の面接がある大学、名古屋大学や立命館大学のようにプレゼンテーションがある大学では、その形式に合わせた練習が必要です。

練習の進め方は小論文の書き方、面接対策、口頭試問の対策で詳しく説明しています。

学年別の準備の進め方

この節の答え高1・2年は志望専攻に関わる科目の評定と履修条件を確かめ、高3は6月までに要項を一覧にし、夏休みに書類の下書きを作ります。

高校1・2年生

  1. 志望しそうな専攻・学科の条件を一度確認する。歴史系なら歴史科目、国文系なら国語、英文系なら英語の評定や資格を求める大学があるので、その科目の評定を1年生から保つ
  2. 履修の条件を確認する。上智大学の史学科・哲学科や明治大学の史学地理学科のように、特定の科目の履修が出願の条件になる大学がある
  3. 英語資格が必要な学科を考えている場合は、高2までに受験しておく。有効期間に注意する
  4. 読んだ本や作品、調べたことを記録に残す。探究活動で文学・歴史・言語などのテーマに取り組み、発表や論文の形にしておくと、書類の材料になる

高校3年生

  1. 6月までに志望校の要項を読み、方式、出願資格、共通テストの要否、出願期間を一覧にする。9月上旬に出願が始まる大学がある
  2. 夏休みに志望理由書や課題レポートの下書きを作り、先生に読んでもらって書き直す
  3. 秋は小論文・面接・口頭試問の練習を重ねる。英文を読む試験や専門知識の筆記がある大学は、その対策も並行する
  4. 共通テストを課す大学を受ける人、専願の入試を受ける人は、一般選抜の学習を止めずに続ける

よくある質問

Q. 文学部の総合型選抜はどの大学にありますか?
A. 国立大学では京都大学(特色入試)、大阪大学(総合型選抜)、東北大学(AO入試II期・III期)、九州大学(総合型選抜Ⅱ・国際コース)、筑波大学(AC入試)などが実施しています。東京大学と名古屋大学の文学部は学校推薦型選抜です。私立大学では、慶應義塾大学の自主応募制推薦、明治大学・青山学院大学・中央大学・法政大学の自己推薦、立教大学の自由選抜入試などがあります。
Q. 文学部の総合型選抜に共通テストは必要ですか?
A. 大学によります。東京大学・京都大学・大阪大学・九州大学、東北大学のAO入試III期、早稲田大学の地域探究・貢献入試は共通テストが必要です。名古屋大学の文学部、東北大学のAO入試II期、筑波大学と、慶應義塾大学・上智大学・明治大学などの私立大学は共通テストを選考に使いません。
Q. 文学部の総合型選抜に必要な評定はどのくらいですか?
A. 大学と専攻によって違います。慶應義塾大学の文学部は全体4.1以上、上智大学の文学部は全体4.0以上が基本(哲学科は全体3.8以上かつ外国語・国語4.3以上でも可)、明治大学の文学部は3.5以上です。史学科で歴史科目の評定4.5以上(青山学院大学・中央大学の日本史学専攻など)、英文学科で英語の評定(上智大学は英語4.5以上)を求める例もあります。京都大学と大阪大学の文学部は要項に評定の基準の記載がありません。
Q. 文学部の総合型選抜に英語資格は必要ですか?
A. 英文学科・英米文学科では英語資格を出願の条件にしている大学があります。青山学院大学の英米文学科と法政大学の英文学科は英検準1級以上など、上智大学の英文学科(公募制推薦)は英検準1級など、明治学院大学の英文学科は英検2級以上など、同志社大学の英文学科(推薦選抜)はTOEICかTOEFL iBTの基準が条件です。上智大学の公募制推薦は、文学部のほかの学科でも英検2級などの基準があります。一方、明治大学の文学部では外国語検定は必須ではなく、大阪大学の文学部では語学力は活動実績の選択肢の一つです。
Q. 文学部の総合型選抜ではどんな試験がありますか?
A. 小論文と面接が中心です。名古屋大学のように英語の文章を読んで日本語で論述する小論文、学習院大学哲学科のように専門知識を問う筆記試験、上智大学のように出願時のレポートと学科試問、立命館大学の人文学プロポーズ方式のようにプレゼンテーションを課す大学もあります。
Q. 文学部の総合型選抜の出願はいつですか?
A. 2027年度入試では、中央大学・立教大学・早稲田大学・筑波大学AC入試などが2026年9月上旬、明治大学・法政大学・慶應義塾大学などが9月下旬から10月、東京大学・上智大学・名古屋大学・大阪大学・京都大学などが11月です。東北大学のAO入試III期は2027年1月に出願します1。

まとめ

文学部・人文系の総合型選抜・学校推薦型選抜は、大学ごとに方式の名前、共通テストの要否、出願の条件、選考の中身が大きく違います。国立大学では京都大学・大阪大学・東京大学のように共通テストを課す方式と、名古屋大学の文学部や東北大学のAO入試II期、筑波大学のように課さない方式があります。

私立大学は専攻・学科ごとに評定や英語資格の条件があり、史学科なら歴史科目、英文学科なら英語の条件を早めに確かめることが大切です。出願は9月上旬から始まる大学があります。

準備の中心は、読んできたもの・考えてきたことを専攻の学びにつなげて書く志望理由書と、読んで書く小論文、書類の内容を深く聞かれる面接・口頭試問です。東京修学館では、家近亮子学長が、志望理由書の構成づくりと、小論文・面接・口頭試問の練習を無料相談でお手伝いしています。

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参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 総合型選抜で評定がいらない大学一覧(各大学の2027年度入試の募集要項に基づく大学別の記事)東京修学館
  2. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF

リンク先の確認日:2026-11-01

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