一橋大学の学校推薦型選抜は、大学入学共通テストで基礎学力を確かめたうえで、資格・検定試験などで示される特定分野の深い学びと、小論文・面接・推薦書・自己推薦書で応用力や学びへの姿勢を評価する入試です。この記事では、令和9(2027)年度の募集要項に基づいて、学部別の募集人員と出願要件、共通テストによる第1段階選抜、配点、日程、提出書類、前年度の結果を整理し、準備の進め方を東京修学館の家近亮子学長の監修で解説します。
一橋大学に総合型選抜はなく、学校推薦型選抜を全学部で実施
この節の答え総合型選抜という入試はなく、学校長の推薦が要る学校推薦型選抜を商・経済・法・社会・ソーシャル・データサイエンスの5学部で行います。
最初に確認しておきたいのは、一橋大学には「総合型選抜」という名前の入試がないことです。令和9年度の入学者選抜要項に載っている選抜は、一般選抜(前期日程・後期日程)、学校推薦型選抜、外国学校出身者選抜、私費外国人留学生選抜の4つです。
選抜方法の一覧表でも、アドミッション・オフィス入試の欄は「実施しない」となっています。東京大学と同じく、高校での学びや活動を評価する入試を受けたい場合の選択肢は、学校推薦型選抜になります。
学校推薦型選抜は、商学部、経済学部、法学部、社会学部、ソーシャル・データサイエンス学部の全5学部で実施されます。どの学部も、次の三つを組み合わせて合格者を決めます。
- 大学入学共通テスト:第1段階選抜に使われ、第2次試験の配点にも入る
- 出願要件となる資格・実績:英語などの外国語の検定、数学オリンピック、情報・簿記・統計の資格など。学部ごとに使えるものが決まっている
- 第2次試験と提出書類:小論文、個別面接(口頭試問を含む)、学校長の推薦書、調査書、本人が書く自己推薦書
総合型選抜のように本人が自由に出願できる入試ではなく、高等学校長または中等教育学校長が「責任を持って推薦できる」人であることが出願資格に含まれています。
出典
一橋大学「令和9(2027)年度 一橋大学学校推薦型選抜募集要項」(2026年9月公表)、「令和9(2027)年度 一橋大学入学者選抜要項」。出願要件・配点は学部ごとに違います。試験期日や選抜方法が変更される場合は大学のウェブサイトで告知されるので、出願前と受験直前に必ず一橋大学「一橋大学で学びたい方へ」で、変更のお知らせが出ていないかを確認してください。
募集人員(令和9年度・学部別)
この節の答え令和9年度の募集人員は5学部の合計55人で、商学部と経済学部が15人、法学部と社会学部が10人、ソーシャル・データサイエンス学部が5人です。
令和9年度の学校推薦型選抜の募集人員は、5学部の合計で55人です1。入学定員955人のうち2、ごく一部の枠であることが分かります。
| 学部 | 学科 | 入学定員 | 学校推薦型選抜の募集人員 |
|---|---|---|---|
| 商学部 | 経営学科・商学科 | 258人 | 15人 |
| 経済学部 | 経済学科 | 258人 | 15人 |
| 法学部 | 法律学科 | 159人 | 10人 |
| 社会学部 | 社会学科 | 220人 | 10人 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | ソーシャル・データサイエンス学科 | 60人 | 5人 |
| 合計 | 955人 | 55人 |
商学部は学科を区別せずに一括して募集し、3年生に進む時に経営学科か商学科に配属されます。合格者(入学手続者)が募集人員に満たなかった場合は、一般選抜の合格者で補充されます。
後で見るとおり、令和8年度は社会学部を除く4学部で合格者数が募集人員を下回りました。
大学入学共通テストの扱い:第1段階選抜の基準
この節の答え前期日程と同じ教科・科目の受験が必須で、第1段階選抜は前期日程の出願者の中で入学定員と同じ順位相当の得点以上が基準です。
学校推薦型選抜でも、令和9年度大学入学共通テストの受験が必須です。出願資格は、志望学部が一般選抜前期日程試験に関して指定する教科・科目のすべてを受験していることで、指定された教科・科目を一つでも受けていない人は無資格者として扱われ、第2次試験を受けられません。
一橋大学は前年度の共通テストの成績を利用しません。
受験が必要な教科・科目
| 教科 | 第1欄(一般選抜前期日程と同じ) | 第2欄 |
|---|---|---|
| 国語 | 「国語」 | 「国語」 |
| 地理歴史・公民 | 5科目から2科目(「公共,倫理」と「公共,政治・経済」の組合せは不可) | 5科目から1科目 |
| 数学 | 「数学Ⅰ,数学A」と「数学Ⅱ,数学B,数学C」 | 同じ |
| 理科 | 「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」または「物理」「化学」「生物」「地学」から1 | 「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目 |
| 外国語 | 英語(リスニングを含む)・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語から1 | 同じ |
| 情報 | 「情報Ⅰ」 | 同じ |
商学部、経済学部、法学部、社会学部は第1欄が原則で、第1欄の要件を満たさない人にだけ第2欄が適用されます。ソーシャル・データサイエンス学部は、両方の要件を満たす人については得点の高い方の成績を使います。
英語の得点は、リーディングとリスニングの素点を合計した200点満点で計算されます。
第1段階選抜は「前期日程の出願者の中での順位」で決まる
出願後、まず共通テストの成績で第1段階選抜が行われます。基準は、その学部の一般選抜前期日程に出願した人の第1段階選抜において、上位何位に当たる得点以上かという形で定められています。
| 学部 | 第1段階選抜の基準(前期日程出願者の中で) | 入学定員 |
|---|---|---|
| 商学部 | 上位258位相当の得点以上 | 258人 |
| 経済学部 | 上位258位相当の得点以上 | 258人 |
| 法学部 | 上位159位相当の得点以上 | 159人 |
| 社会学部 | 上位220位相当の得点以上 | 220人 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | 上位60位相当の得点以上 | 60人 |
どの学部も、基準になる順位は入学定員と同じ数です。一般選抜前期日程の第1段階選抜は募集人員の「学部別に約3倍」が目安とされているので、学校推薦型選抜の第1段階選抜は、同じ出願者の中でそれよりも上位の得点が求められる仕組みです。
資格や活動の実績があっても、共通テストで一般選抜の受験生と比べて上位に入らなければ第2次試験に進めません。
出願資格:専願・学校長の推薦・卒業見込み
この節の答え卒業者か2027年3月卒業見込みで、合格したら入学を確約でき、学校長が責任を持って推薦できる人が対象です。
全学部に共通する出願資格は、共通テストの受験に加えて次のとおりです。
- 高等学校または中等教育学校を卒業した人、および2027年3月に卒業見込みの人
- 合格した場合は、入学することを確約できる人(専願)
- 高等学校長または中等教育学校長が責任を持って推薦できる人
要項には、評定(全体の学習成績の状況)の基準や、1校から推薦できる人数の上限は書かれていません。ただし、校内で誰を推薦するかは高校が決めることなので、推薦を受けられるかどうかは早めに担任の先生に相談しておく必要があります。
卒業した人の扱いなど、自分が出願資格に当てはまるか分からない場合は、一橋大学の入試課に確認してください。
出願要件:資格・検定試験と実績(学部別)
この節の答え英検1級、IELTS 6.5以上、数学オリンピック予選通過などの資格・実績を少なくとも1つ持つことが条件で、使えるものは学部で違います。
一橋大学の学校推薦型選抜の大きな特徴は、外国語の検定や数学オリンピックなどの資格・実績を、少なくとも1つ持っていることが出願の条件になっている点です。社会学部とソーシャル・データサイエンス学部のアドミッション・ポリシーでは、外国語、数学、情報学などの特定の分野における深い学びを、資格・検定試験の結果で判定すると説明されています。
要件の一覧
- (A) 英検1級、TOEFL iBT(2026年1月20日以前の試験は93点以上、2026年1月21日以降の試験はバンドスコア5以上)、IELTS(アカデミック・モジュール)Overall Band Score 6.5以上のいずれか
- (B) ドイツ語技能検定試験(独検)準1級以上、またはGERのB2以上
- (C) 実用フランス語技能検定試験(仏検)準1級以上、またはCECRLのB2以上
- (D) 中国語検定試験(中検)準1級以上、またはHSK6級200点以上
- (E) 日本数学オリンピックの予選通過(Aランク)、またはBランク上位者
- (F) 応用情報技術者試験(旧ソフトウェア開発技術者試験)に合格
- (G) 日商簿記検定試験1級
- (H) 日本情報オリンピックで予選Aランク
- (I) 統計検定2級にA評価以上で合格、または1級の「統計数理」に合格
- (J) 国際バカロレア資格
学部ごとに使える要件
| 要件 | 商学部 | 経済学部 | 法学部 | 社会学部 | ソーシャル・データサイエンス学部 |
|---|---|---|---|---|---|
| (A)〜(E) 外国語の資格・検定試験、日本数学オリンピック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| (F) 応用情報技術者試験 | ○ | ― | ― | ○ | ○ |
| (G) 日商簿記検定試験1級 | ○ | ― | ― | ― | ― |
| (H) 日本情報オリンピック | ― | ― | ― | ― | ○ |
| (I) 統計検定 | ― | ― | ― | ― | ○ |
| (J) 国際バカロレア資格 | ― | ― | ― | ― | ○ |
| 学部 | 使える要件 | 英語・他言語・数学オリンピック以外で使えるもの |
|---|---|---|
| 商学部 | (A)〜(G) | 応用情報技術者試験、日商簿記1級 |
| 経済学部 | (A)〜(E) | なし |
| 法学部 | (A)〜(E) | なし |
| 社会学部 | (A)〜(F) | 応用情報技術者試験 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | (A)〜(F)、(H)〜(J) | 応用情報技術者試験、日本情報オリンピック予選Aランク、統計検定、国際バカロレア資格 |
英語で出願する場合、英検は準1級ではなく1級が必要です。TOEFL iBTのHome EditionやIELTS Onlineのスコアは使えますが、TOEFL iBTのMy Best ScoreとIELTSのOne Skill Retakeは使えません。
IELTSの成績証明書は発行機関からの直送が認められず、IELTS Onlineの場合は試験結果を印刷して出すことに加え、大学が電子送信で試験結果を確認できるようにする手続も必要です。
日本数学オリンピックのBランク上位者は、要項で「第36回(2025年11月)は6点1、第35回(2025年1月)は5点取得」とされています。ただし社会学部だけは、第36回・第35回とも5点と書かれています。
第34回・第33回と第30回以前の点数は入試課への確認が必要で、オンラインで実施された第31回・第32回の受験者は、第31回は4点以上、第32回は6点以上を取っていて、それを証明する書類を出せることが条件です。そのうえで2026年11月20日までに入試課にメールで連絡し、審査を受ける必要があります(審査には大学所定の「日本数学オリンピック予選の得点にかかる誓約書」も要ります)。
証明書が出願時に発行されておらず、第2次試験の日までに発行される予定の場合は、「証明書類を提出できない理由書」を出し、原本を第2次試験の当日に持参します。
選考方法と配点(学部別)
この節の答え共通テストの第1段階選抜の後、小論文と個別面接で判定し、どの学部も第2次試験で最も配点が大きいのは小論文です。
選抜は、第1段階選抜(共通テストの成績)と第2次試験の2段階です。第2次試験では、推薦書、調査書などの提出書類、小論文、面接試験、共通テストの成績で、能力、学習意欲、適性などを総合的に判定します。
- 小論文:大きなテーマについて論じさせることで、構想力、論理的思考力、分析力、表現力、独創力などを多面的にみる
- 面接:個別面接(口頭試問を含む)
配点
| 学部 | 共通テスト(合計) | 小論文 | 面接 | 推薦書・調査書 | 自己推薦書 | 第2次試験(合計) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 商学部 | 300 | 250 | 150 | 40 | 10 | 450 |
| 経済学部 | 250 | 300 | 150 | 40 | 10 | 500 |
| 法学部 | 250 | 300 | 150 | 40 | 10 | 500 |
| 社会学部 | 300 | 300 | 120 | 20 | 10 | 450 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | 300 | 250 | 150 | 40 | 10 | 450 |
共通テストの内訳は、商学部・社会学部・ソーシャル・データサイエンス学部が国語、地理歴史・公民、数学、理科、外国語、情報の各50点です。経済学部は国語45、地理歴史・公民45、数学45、理科35、外国語45、情報35、法学部は国語40、地理歴史・公民50、数学50、理科40、外国語40、情報30です。
経済学部と法学部では小論文の300点が共通テストの合計(250)を上回り、社会学部では小論文と共通テストの合計が同じ300です。書類(推薦書・調査書と自己推薦書)の配点は小さいものの、アドミッション・ポリシーでは、面接、調査書、推薦書、自己推薦書で「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するとされています。
自己推薦書に書いた内容は、面接で話す内容と一体で準備しておくのが確実です。
日程(令和9年度)
この節の答え共通テスト後の2027年1月18日〜29日に出願し、2月8日に小論文と個別面接、2月10日に最終合格発表です。
一橋大学の学校推薦型選抜は、共通テストの後に出願する日程です。出願期間は共通テストの翌日から始まるので、出願要件の証明書、学校長の推薦書、自己推薦書は、それまでに準備を終えておく必要があります。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 大学入学共通テスト | 2027年1月16日(土)・17日(日) |
| 出願期間 | 2027年1月18日(月)〜1月29日(金)必着(Web出願サイトの登録は1月18日午前9時00分から1月29日17時00分まで) |
| 第1段階選抜合格者発表 | 2027年2月5日(金)14時00分以降 |
| 第2次試験 | 2027年2月8日(月)。小論文10時30分〜12時00分、個別面接13時30分〜17時00分頃。一橋大学国立西キャンパス |
| 最終合格者発表 | 2027年2月10日(水)14時00分以降 |
| 入学手続 | 2027年2月17日(水)必着 |
出願はWeb出願サイトでの登録・検定料の支払いと、出願書類の郵送(一般書留・速達郵便)の両方が必要です。持参や宅配便での提出は認められていません1。
期間前に届いたものは受理されず、期間を過ぎて届いたものは1月27日までの消印があるものに限って受理されます。
入学検定料は17,000円で、支払時に別途サービス利用料700円がかかります1。第1段階選抜で不合格になった人と無資格者には13,000円が返還されます(2027年3月3日までに申請)。
合格した場合の入学料は282,000円です。受験上の配慮を希望する場合は、2026年12月18日(必着)までに入試課へ申請します。
期限の後の申請も検討の対象ですが、希望する配慮によっては対応が間に合わないことがあります。
第1段階選抜の発表から第2次試験・合格発表まで(2027年2月)
第2次試験を受けられるのは、2027年2月5日14時00分以降に発表される第1段階選抜の合格者です。合格者発表ウェブサイトには、合格者の共通テストの「試験場コード‐受験番号」が2月8日まで掲載されます。
受験票は郵送されないので、合格した人はWeb出願サイトの申込確認ページにログインし、学校推薦型選抜受験票を白色A4の用紙に印刷します。
- 持ち物:学校推薦型選抜受験票、令和9年度大学入学共通テストの受験票、顔写真付きで試験日に有効な身分証明書(生徒証・マイナンバーカード・パスポートなど)、昼食、(出願時に「証明書類を提出できない理由書」を出した人は)出願要件の証明書の原本
- 会場:一橋大学国立西キャンパス。当日の午前9時00分から正門で案内がある。試験の日より前に試験場の建物には入れない。自動車・バイク・自転車での入場はできない
- 午前の小論文:9時30分〜10時10分に入室し、10時30分に試験開始
- 昼休み:試験場で食堂の営業はなく、自分の席で昼食をとってよい
- 午後の個別面接:13時10分までに入室し、13時30分に開始
事故などで試験開始時刻までに着けない場合は、志望学部の事務室に電話で問い合わせます(学部ごとの番号は募集要項に載っています)。所持品についての注意は受験票に書かれるほか、第1段階選抜合格者発表日までに大学のウェブサイトに掲載されます。
最終合格者の受験番号は2月10日14時00分以降に合格者発表ウェブサイトに掲載され、合格者には合格通知書と入学手続書類が同じ日に発送されます(届くのは翌日以降)。推薦した学校長にも合否が郵便で通知され、電話やメールでの合否の問い合わせには応じてもらえません。
2月15日13時00分までに入学手続書類が届かない場合は、同じ日の15時までに入試課に連絡します。
提出書類:推薦書と自己推薦書
この節の答え学校長の推薦書と調査書、片面3枚以内の自己推薦書、出願要件の証明書を出し、自己推薦書には課題研究や学びたいことを書きます。
| 書類 | 作成者 | 内容 |
|---|---|---|
| 入学志願票・宛名ラベル | 本人 | Web出願サイトで登録後に印刷する |
| 調査書 | 高校 | 出身学校長が2026年4月以降に作成し、厳封したもの |
| 推薦書(所定様式) | 高校(学校長) | 出願する学部のアドミッション・ポリシーに対応する、本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価を書く。厳封して提出 |
| 自己推薦書(表紙のみ所定様式) | 本人 | 片面3枚以内。手書き・PCどちらでもよい |
| 出願要件に関する書類 | 本人 | (A)〜(J)のうち、志望学部の要件に当てはまる証明書(原本か、出身高校などで原本の写しであることの証明を受けたもの)。自己推薦書に添付する |
自己推薦書に書くこと
募集要項では、次の内容について自己をアピールする自己推薦書を作るよう求めています。
- 「総合的な探究の時間」や理数探究などで取り組んだ課題研究
- 学校内外での活動・経験(出願要件に関するものを含む)と、その成果を得るための努力のプロセス
- それを踏まえた自分の素質・才能・適性、これから目指したいもの
- 一橋大学で学びたいこと・取り組みたいこと、将来の希望
本や雑誌に掲載された資料など、自己推薦書の内容の根拠になる資料があれば添付できます。表紙、自己推薦書、添付資料の順に重ね、左上をホチキスで綴じて提出します。
法学部と社会学部の志願者は、出願登録の時に入学後に履修する第二外国語も選びます。
資格を取った経緯を並べるだけでなく、その分野の学びをなぜ一橋大学のその学部で続けたいのかまでつなげて書くことが大切です。書き方は自己推薦書の書き方、高校の先生への依頼の仕方は推薦書の依頼で説明しています。
併願のルール
この節の答え国公立の学校推薦型選抜は1大学・1学部に限られますが、一橋大学を含む国公立の前期日程と後期日程にも1つずつ出願できます。
- 国公立大学の学校推薦型選抜に出願できるのは、1つの大学・学部に限られる(共通テストを課すかどうかに関わらない)
- 学校推薦型選抜に出願していても、国公立大学の前期日程と後期日程に1つずつ出願できる。一橋大学の前期日程・後期日程にも出願できる
- 一橋大学の学部間、または同じ学部での学校推薦型選抜・前期日程・後期日程(経済学部とソーシャル・データサイエンス学部)の併願ができる
- 入学志願票を出した後は、志望学部を変えられない
- 学校推薦型選抜に合格した人は、入学辞退を許可された場合を除いて、他の国公立大学・学部(独自日程の公立大学を除く)の個別試験を受けても入学資格を得られない
- 入学手続をした人は、それを取り消して他の国公立大学・学部の入学手続をすることはできない
一般選抜前期日程の出願期間は2027年1月25日から2月3日までで、学校推薦型選抜の最終合格発表(2月10日)より前に締め切られます。不合格に備えて、前期日程の出願先は推薦の結果を待たずに決めておく必要があります。
前期日程の試験は2月25日・26日です。
学校推薦型選抜で不合格だった場合の一般選抜(2027年度)
この節の答え推薦の最終合格者発表の2月10日は前期日程の第1段階選抜合格者発表と同じ日で、推薦の結果を待たずに出願しておいた前期日程・後期日程が次の受験機会です。
学校推薦型選抜の第1段階選抜合格者発表は2027年2月5日、最終合格者発表は2月10日です。2月10日は、一般選抜前期日程の第1段階選抜合格者発表と同じ日にあたります。
推薦で不合格だった場合に受けられる一橋大学の一般選抜は、推薦の結果を待たずに出願しておいた前期日程と後期日程です。
| 一般選抜 | 実施する学部(2027年度の募集人員) | 出願の後の日程(2027年) |
|---|---|---|
| 前期日程 | 商学部243人、経済学部185人、法学部149人、社会学部210人、ソーシャル・データサイエンス学部30人 | 第1段階選抜合格者発表2月10日、試験2月25日・26日、合格発表3月10日 |
| 後期日程 | 経済学部58人、ソーシャル・データサイエンス学部25人 | 第1段階選抜合格者発表2月22日、試験3月12日、合格発表3月23日 |
前期日程の募集人員には、ソーシャル・データサイエンス学部を除いて外国学校出身者選抜(5人以内)の分が含まれます。後期日程を行うのは経済学部とソーシャル・データサイエンス学部だけです。
一般選抜の第1段階選抜は共通テストの合計点で行われ、令和9年度の入学者選抜要項では、学部ごとに高得点順に、前期日程は募集人員の約3倍、後期日程は約6倍が第1段階選抜の合格者になります。
一般選抜の第2次試験は、推薦の小論文・面接とは内容が違います。前期日程の第2次試験は、商・経済・法・社会の4学部が国語・数学・英語・地理歴史、ソーシャル・データサイエンス学部は国語・数学・英語・総合問題です。
ソーシャル・データサイエンス学部の後期日程は数学と英語で、数学では数学Ⅲの範囲の問題も出題されます(数学Ⅲを学習していない受験者が不利にならないよう、選択問題などの配慮があります)。
推薦で合格した人が特別の事情で入学できなくなった場合は、推薦した学校長からの「推薦入学辞退願」を2月17日までに入試課に出して許可を得る必要があり、許可されなかった場合や入学手続をしなかった場合も、他の国公立大学・学部の一般選抜を受けても合格者になりません。
令和8年度の結果(出願数・合格者数)
この節の答え令和8年度は商学部と社会学部で出願数が募集人員を上回りましたが、合格者数はどの学部も募集人員以下でした。
募集要項に掲載されている学校推薦型選抜の合格状況と、大学が公表している令和8年度の入学者数等の表から整理しました。令和8年度は、商学部と社会学部で出願数が募集人員を上回りましたが、合格者数はどの学部も募集人員以下でした。
| 学部 | 募集人員 | 出願数 | 第1段階選抜合格者数 | 合格者数 | 入学者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 商学部 | 15 | 24 | 11 | 11 | 11 |
| 経済学部 | 15 | 10 | 5 | 5 | 5 |
| 法学部 | 10 | 10 | 7 | 7 | 7 |
| 社会学部 | 10 | 23 | 11 | 10 | 10 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | 5 | 4 | 4 | 0 | 0 |
過去3年の推移(出願数→合格者数)
| 学部 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|---|
| 商学部 | 12→6 | 22→9 | 24→11 |
| 経済学部 | 9→6 | 12→5 | 10→5 |
| 法学部 | 17→10 | 10→7 | 10→7 |
| 社会学部 | 15→6 | 16→10 | 23→10 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | 3→3 | 12→2 | 4→0 |
3年間・5学部の15の組み合わせのうち12で、合格者数が募集人員に届いていません。商学部や社会学部では出願者の半数以上が第1段階選抜(共通テスト)で不合格になる年があり、第2次試験でも全員が合格するわけではありません。
令和8年度のソーシャル・データサイエンス学部は、第1段階選抜を通過した4人全員が不合格でした。出願者が少ないから受かりやすい、という入試ではありません。
学部別の倍率の推移(2024〜2026年度)
この節の答え大学の表の倍率は志願者数÷募集人員で2026年度は0.7〜2.3倍、出願数÷合格者数(この記事で計算した値)は1.4〜2.3倍(SDSは合格者0人のため除く)です。
一橋大学の資料の年度は、入学する年で数えます。令和8(2026)年度は2026年4月に入学した人を選んだ入試の数字で、令和9(2027)年度の学校推薦型選抜は2027年1月〜2月に出願と試験があります。
大学の「一橋大学入学者数等」(令和8年度)の表には倍率の欄があり、学校推薦型選抜は商学部1.6倍、経済学部0.7倍、法学部1.0倍、社会学部2.3倍、ソーシャル・データサイエンス学部0.8倍です。この倍率は、この記事で確かめたところ、志願者数を募集人員で割った値と一致します。
1倍を下回る学部があるのは、志願者が募集人員より少なかったためです。
合格者との関係を見る場合は、出願数を合格者数で割った値が目安になります。次の表はこの記事で計算した値(出願数÷合格者数・小数第2位を四捨五入)で、大学が公表した数字ではありません。
| 学部 | 2024年度(令和6年度) | 2025年度(令和7年度) | 2026年度(令和8年度) |
|---|---|---|---|
| 商学部 | 2.0倍 | 2.4倍 | 2.2倍 |
| 経済学部 | 1.5倍 | 2.4倍 | 2.0倍 |
| 法学部 | 1.7倍 | 1.4倍 | 1.4倍 |
| 社会学部 | 2.5倍 | 1.6倍 | 2.3倍 |
| ソーシャル・データサイエンス学部 | 1.0倍 | 6.0倍 | 合格者0人のため計算できない |
どの学部も募集人員が5〜15人と少ないため、志願者や合格者が数人違うだけで値が大きく動きます。2025年度のソーシャル・データサイエンス学部の6.0倍は、合格者が2人の年の値です。
同じ大学の表で、令和8年度の一般選抜の倍率(同じく志願者数÷募集人員)は、前期日程が商学部3.1倍、経済学部4.2倍、法学部3.0倍、社会学部3.6倍、ソーシャル・データサイエンス学部3.4倍、後期日程が経済学部18.9倍、ソーシャル・データサイエンス学部20.0倍です。ただし一般選抜と学校推薦型選抜では出願の条件も第2次試験の内容も違うため、倍率の大小だけで受かりやすさは比べられません。
ソーシャル・データサイエンス学部の学校推薦型選抜
この節の答え募集人員は5人で、使える出願要件が5学部で最も多い一方、第1段階選抜の通過者のうち合格した人は2025年度が9人中2人、2026年度が4人中0人です。
ソーシャル・データサイエンス学部は入学定員60人で、2027年度の募集人員は学校推薦型選抜5人、一般選抜前期日程30人、後期日程25人です。アドミッション・ポリシーは、学校推薦型選抜で「外国語、数学、情報学、統計学などの特定の分野における深い学び」を資格・検定試験の結果で確認するとしており、出願要件に使えるものは5学部で最も多くなっています。
日商簿記検定試験1級(G)は、この学部の出願要件には使えません。
結果は年によって大きく違います。第1段階選抜を通過した人のうち合格した人は、2024年度が3人中3人、2025年度が9人中2人、2026年度が4人中0人で、3年とも合格者は募集人員の5人に届いていません。
共通テストで第1段階選抜を通っても、第2次試験で合格者が出ない年がある学部です。
アドミッション・ポリシーは、入学者に数学の堅固な基礎知識とそれに基づく論理的な思考力、日本語と英語を用いた読解力・説明力・表現力・思考力を求め、入学後の学びでは、現実の社会の課題を発見・解決しようとする積極的な姿勢も求められるとしています。社会で数理的な考え方を応用する能力や、情報技術の活用を自ら試す姿勢も望ましいとされています。
資格・検定で示した分野の学びを、社会の課題の発見や解決にどう使いたいかまで、自己推薦書と面接で説明できるようにしておくと、学部の求める学生像と結び付けやすくなります。
学年別の準備の進め方
この節の答え高3は夏までに推薦を相談して自己推薦書の下書きを作り、高1・2は志望学部で使える資格を選んで計画的に受けます。
高校3年生
- 志望学部の出願要件(使える資格・検定)を確認し、まだ持っていない場合は出願期間までに結果が出る試験日を調べる
- 校内で学校長の推薦を受けられるかを、夏までに担任の先生に相談する
- 夏休みに自己推薦書の下書きを作り、課題研究や活動の記録、証明書類をそろえる
- 共通テストは、一般選抜前期日程の受験生と比べて上位に入る水準を目標に学習を続ける
- 小論文は大きなテーマを論じる形式なので、社会の問題について自分の考えを構成して書く練習を秋から続ける
高校1・2年生
- 英語で出願するなら英検1級、TOEFL iBT、IELTS 6.5以上のどれかを目標に、計画的に受験する
- 数学が得意なら日本数学オリンピック、情報やデータに関心があれば日本情報オリンピックや統計検定、応用情報技術者試験など、志望学部で使える要件を早めに選ぶ
- 「総合的な探究の時間」や理数探究の課題研究に本気で取り組み、自己推薦書に書ける学びの経験をつくる
- 共通テストは国語、地理歴史・公民、数学2科目、理科、外国語、情報の6教科を受けるので、文系・理系を問わず苦手教科を作らない
合格に向けた対策のポイント
この節の答え出願要件の資格を最優先で取り、共通テストで上位に入り、配点が最も大きい小論文に時間をかけ、一般選抜の準備も続けます。
- 出願要件の資格を最優先で取る:要件を満たさなければ出願そのものができない。英検は1級が必要で、準1級では出願できない
- 共通テストで上位に入る:第1段階選抜は、前期日程の出願者の中で入学定員と同じ順位に当たる得点が基準。推薦だからといって共通テストの水準が下がるわけではない
- 小論文に最も時間をかける:第2次試験で最大の配点。構想力・論理的思考力・分析力・表現力・独創力をみる、と要項に書かれている
- 自己推薦書と面接を一貫させる:資格や課題研究を通じて何を学び、一橋大学で何を学びたいかを一本の筋にし、口頭試問を含む個別面接で深く聞かれても答えられるようにする
- 一般選抜の準備を止めない:前期日程の出願は推薦の結果が出る前に締め切られる。前期日程の試験は2月25日・26日
小論文の準備は小論文の書き方、面接と口頭試問は面接対策と口頭試問の対策で説明しています。
よくある質問
- Q. 一橋大学に総合型選抜はありますか?
- A. ありません。令和9年度の一橋大学の入学者選抜は、一般選抜(前期日程・後期日程)、学校推薦型選抜、外国学校出身者選抜、私費外国人留学生選抜の4つです。高校での学びや活動を評価する入試としては、全5学部で実施している学校推薦型選抜があります。
- Q. 一橋大学の学校推薦型選抜に共通テストは必要ですか?
- A. 必要です。志望学部が一般選抜前期日程で指定する教科・科目をすべて受験していることが出願資格で、共通テストの成績で第1段階選抜が行われます。基準は、その学部の前期日程出願者の中で上位何位相当の得点以上か(商学部・経済学部258位、法学部159位、社会学部220位、ソーシャル・データサイエンス学部60位)で決まります。
- Q. 一橋大学の学校推薦型選抜の募集人員は何人ですか?
- A. 令和9年度は合計55人です。商学部15人、経済学部15人、法学部10人、社会学部10人、ソーシャル・データサイエンス学部5人です。合格者が募集人員に満たない場合は、一般選抜の合格者で補充されます。
- Q. 一橋大学の学校推薦型選抜の日程は?
- A. 令和9年度は、共通テストの後の2027年1月18日から1月29日(必着)が出願期間です。第1段階選抜合格者発表が2月5日、第2次試験(小論文・個別面接)が2月8日、最終合格者発表が2月10日、入学手続の期限が2月17日です。
- Q. 一橋大学の学校推薦型選抜に英検は何級が必要ですか?
- A. 英語で出願要件を満たす場合は英検1級が必要です。ほかにTOEFL iBT(2026年1月20日以前の試験は93点以上、21日以降の試験はバンドスコア5以上)、IELTS Overall Band Score 6.5以上も使えます。外国語の検定のほか、数学オリンピック予選や、学部によっては日商簿記1級、応用情報技術者試験、統計検定なども要件になります。
- Q. 一橋大学の学校推薦型選抜は一般選抜と併願できますか?
- A. できます。学校推薦型選抜に出願していても、一橋大学を含む国公立大学の前期日程と後期日程に1つずつ出願できます。ただし学校推薦型選抜は合格したら入学することを確約する入試で、合格者は入学辞退を許可された場合を除いて、他の国公立大学・学部の個別試験を受けても入学資格を得られません。
まとめ
一橋大学に総合型選抜はなく、商・経済・法・社会・ソーシャル・データサイエンスの全5学部で学校推薦型選抜を実施しています。令和9年度の募集人員は合計55人。
英検1級などの外国語検定、数学オリンピック予選、学部によっては簿記・情報・統計の資格などのどれかが出願要件で、共通テストの後の1月18日から29日に出願し、共通テストによる第1段階選抜、2月8日の小論文と個別面接を経て、2月10日に最終合格が発表されます。
準備の中心は、出願要件となる資格の取得、一般選抜の受験生と比べて上位に入る共通テストの学力、そして配点の大きい小論文です。東京修学館では、家近亮子学長が、自己推薦書の構成づくりと、小論文・面接の練習を無料相談でお手伝いしています。
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参考資料
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リンク先の確認日:2026-11-01
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