総合型選抜の併願|専願・第一志望・併願可の違いと要項の例【学長監修】

総合型選抜の併願 受験の知識

最終更新: 2026-10-05 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)、大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」、各大学の2027年度入試の募集要項・入学試験要項(大学別の記事に出典を記載)

総合型選抜を受ける時に、ほかの大学や一般選抜と併願できるかは、大学・学部・方式ごとに違います。この記事では、2027年度入試(2027年4月入学)の要項で、専願・第一志望・入学確約・併願可の言葉がどう書かれているかを、24大学の例で整理します。他大学や一般選抜との組み合わせ、入学手続までの日程、併願先を決める手順、合格後に辞退する時の注意もまとめました。

総合型選抜は併願できるか(結論)

総合型選抜の併願 要点
併願できるか
方式で違う
併願できる方式と専願の方式がある
見分け方
要項の言葉
「確約」「専願」「併願が可能」を探す
この記事の例
24大学
2027年度入試の要項の書き方
専願で不合格
一般選抜へ
合格した場合の入学を約束するもの
出典:各大学の2027年度入試の募集要項・入学試験要項(大学別の記事に出典を記載)、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」

総合型選抜は、併願できる方式と、できない方式の両方がある入試です。どちらになるかは大学ごとではなく、学部や方式ごとに決まります。同じ大学の中に、専願の方式と併願できる方式が並んでいることもあります。

このサイトが大学別の記事のために控えている2027年度入試の要項を、「専願」「併願」「確約」「第一志望」の語で読み比べました。要項の書き方は、大きく次の4つに分かれます。

総合型選抜の要項にある併願の書き方(2027年度入試)
要項の書き方例意味
合格したら入学を確約(専願)京都大学 特色入試、西南学院大学 総合型入試など合格したら入学する約束。辞退を原則として認めないと書く要項がある
第一志望であること慶應義塾大学 法学部FIT入試、立命館大学 AO選抜入学試験など例の方式はどれも、合格したら入学が前提。他大学の入試を受けてよいかは、続く文やFAQで決まる
他大学との併願ができる中央大学 法学部チャレンジ入学試験、南山大学 総合型入試など他大学の入試を受けてよい。合格後に入学するかは自分で決める
専願型と併願型を選ぶ神奈川工科大学、大正大学など同じ大学で、入学を確約する型と併願できる型が分かれている
各大学の2027年度入試の要項による。くわしくは後の節の一覧表

専願の方式は、合格した場合に入学することを約束するものです。不合格になった場合に、一般選抜などほかの入試に出願することまで止めるものではありません。たとえば慶應義塾大学 法学部のFIT入試は、入学の確約を出願の条件にしながら、FAQで一般選抜との併願はできると答えています。

総合型選抜そのものの仕組みは総合型選抜とは、専願の方式を受ける時の負担も含めた長所と短所は総合型選抜のメリット・デメリットで説明しています。

専願・第一志望・入学確約・併願可の違い

併願できるかどうかは、要項の出願資格や注意事項に書かれています。使われる言葉は大学によって違い、同じ言葉でも意味が少しずつ違います。

総合型選抜の要項に出てくる併願の言葉
要項の言葉要項の書き方の例読み方
入学を確約「合格した場合、入学を確約できる者」(北海道大学)合格したら入学する約束。専願の方式の書き方
専願・専願制「合格した場合は入学することを前提とする専願制」(西南学院大学)入学を前提にする方式。立命館大学は「立命館大学のみを志願すること」の意味で使う
第一志望「本学科を第一志望として本学科へ進学を希望する者」(青山学院大学 史学科)その大学・学部を一番に志望していること。他大学を受けてよいか、合格したら入学が前提かは、続く文やFAQで決まる
自由応募制「本入試制度は自由応募制です」(中央大学 法学部チャレンジ入学試験)同じ要項に「他大学との併願を認めています」とある。この方式の推薦書は任意
専願型・併願型「専願型は本学を第一志望とする方を対象とした選抜です。併願型は他大学との併願受験が可能です」(麗澤大学)同じ方式の中で、入学を確約するか併願するかを選ぶ
各大学の2027年度入試の要項・入試ガイドによる

「第一志望」は2つに分けて読む

いちばん迷いやすいのが「第一志望」です。読む時は、①他大学の入試を受けてよいか、②合格したら入学するのが前提か、の2つに分けて確かめます。

慶應義塾大学 法学部のFIT入試のFAQは、他学部や他大学への出願を「禁止するものではありません」としつつ、条件は第一志望で入学を確約できることだと答えています。明治大学 文学部の自己推薦特別入試も、合格したら入学することを前提に他大学・他学部との併願を認めています。どちらも、他大学は受けられるが、合格したら入学が前提という形です(次の節の表)。

立命館大学のAO選抜入学試験も同じ形です。要項は「本入学試験は専願(受験の際、立命館大学のみを志願すること)ではありません」と書き、Q&Aは他大学と併願しても合格したら入学が前提と答えています。立命館大学の言う「専願」は、立命館大学だけを志願するという意味です。

同じ大学の中でも書き方は違います。青山学院大学 文学部史学科の自己推薦は「本学科を第一志望として本学科へ進学を希望する者」です。理工系女子特別入学者選抜は「第一志望とし、合格した場合に入学することを確約できる者」です。要項を読んでも分からない時は、大学のFAQを見たうえで、出願の前に入試の窓口に問い合わせます。

要項の書き方の例(2027年度入試)

書き方の違いが分かる例を4つに分けて並べます。要項の言葉は原文のまま「」に入れています。すべての大学・方式ではないので、出願する年度の要項で原文を確かめてください。

合格したら入学を確約する方式(専願)

総合型選抜で入学の確約を求める方式の例(2027年度入試)
大学・方式要項の書き方併願・辞退について要項にあること
京都大学 特色入試「合格した場合に入学することが確約できる人に限ります」学部・学科・コース間の併願はできない。合格者は、入学の辞退を許可された場合を除き、ほかに出願した国公立大学を受けても合格者とならない
北海道大学 フロンティア入試「合格した場合、入学を確約できる者」最終合格者は、特別な事情が生じて具体的な理由を付した入学辞退届を2027年2月15日17時までに出した場合を除き、国公立大学の一般選抜を受けても合格者とならない
大阪大学 総合型選抜「合格した場合に、必ず入学することを確約する者」総合型選抜・学校推薦型選抜のどちらか1つ、1学部1学科だけに出願できる
東洋大学 AO型推薦入試・自己推薦入試「(前略)本学当該学科を第一志望として入学を志す者(合格した場合、必ず入学することを確約できる者)」原則として入学を辞退できない(病気やけが、経済的困窮などの場合を除く)
西南学院大学 総合型入試「合格した場合は入学することを前提とする専願制」入学辞退は原則として認めない
神奈川大学 総合型選抜(総合評価型)の国際日本学部・人間科学部・化学生命学部「本学専願」合格した場合、入学辞退はできない。ほかの学部・学科は他大学と併願できる
各大学の2027年度入試の要項による

国公立大学では京都大学・北海道大学・大阪大学、私立大学では東洋大学・西南学院大学の例です。神奈川大学は、同じ総合評価型の中で、学部によって「本学専願」か併願できるかが分かれています。

第一志望であることを求める方式

総合型選抜で第一志望を条件にする方式の例(2027年度入試)
大学・方式要項の書き方他大学の入試を受けてよいか合格したら入学が前提か
慶應義塾大学 法学部FIT入試「第一志望としていずれかの学科での勉学を強く希望する者。また、合格した場合に入学することを確約できる者」FAQ:他学部・他大学への出願は「禁止するものではありません」。一般選抜・帰国生入試との併願も可能前提(入学の確約が出願の条件)
明治大学 文学部 自己推薦特別入試「第一志望として入学を志す者」他大学・他学部との併願を認める前提(「合格した場合は本学部に入学することを前提として」)
明治学院大学 自己推薦AO入学試験「出願する学科を第一志望とし、入学を確約できる者」「他大学との併願は可能です」前提(「本学に合格した場合は入学していただくことが条件です」)
立命館大学 AO選抜入学試験「立命館大学の志望学部を第1志望として勉学を希望する者」Q&A:「併願は可能です」。立命館大学の他学部・同じ学部のほかのAO選抜とは併願できない前提(Q&A「合格した場合には立命館大学に入学することが前提です」)
各大学の2027年度入試の要項・FAQ・Q&Aによる

慶應義塾大学 法学部のFIT入試、明治大学 文学部、明治学院大学、立命館大学は、どれも他大学の入試を受けることを認めながら、自校に合格したら入学することを前提にしています。合格したら入学するのが前提なので、他大学の結果を待って入学先を選ぶ使い方はできません。

青山学院大学は、前の節のとおり、同じ大学の中で第一志望の書き方が方式ごとに違います。学習院大学は、同じ国際社会科学部でも、総合型選抜(AO)は他大学と併願でき、学校推薦型選抜(公募制)は「第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者」が条件です。

他大学と併願できる方式

総合型選抜で他大学と併願できる方式の例(2027年度入試)
大学・方式要項の書き方あわせて要項にあること
中央大学 法学部チャレンジ入学試験「本入試制度は自由応募制です。他の入試制度や本学他学部、他大学との併願を認めています」他大学を併願する場合、入学申込金240,000円を納めると入学手続を2027年3月25日まで延期できる(条件あり)
同志社大学 AO入試「この制度は専願制ではないので受験生を拘束するものではありません」出願資格は、同志社大学で勉学したいという強い意志を持つ人
南山大学 総合型入試「本学総合型入試は、専願ではありません」南山大学の総合型入試に出願できるのは1学科だけ
國學院大學 公募制自己推薦(AO型)「本制度は他大学や試験日の異なる他の試験制度との併願が可能です」入学検定料は1学科・専攻につき35,000円で、併願による減免はない
日本女子大学 総合型選抜「本学の総合型選抜は、他大学との併願が可能です」複数学科への出願はできない。他大学を併願している場合、入学金を除く前期学費等を延納できる
早稲田大学 地域探究・貢献入試Q&A「可能です。専願入試ではありません」早稲田大学の指定校推薦で合格した場合は、指定校推薦の入学を辞退できない
各大学の2027年度入試の要項・要項内のQ&Aによる

併願できる方式でも、同じ大学の中の出願には制限があることがあります。南山大学は出願できる学科を1つに限り、日本女子大学は複数学科への出願を認めていません。國學院大學は複数の学科・専攻に出願できますが、試験日の重なる学科は受験できず、検定料も学科ごとにかかります。

同志社大学のAO入試のように、併願を認めつつ、出願資格で「同志社大学で勉学したいという強い意志」を求める方式もあります。併願できることと、志望理由が浅くてよいことは別です。中央大学・早稲田大学の大学別の記事も参考にしてください。

同じ大学に専願型と併願型がある方式

総合型選抜で専願型と併願型を分けている例(2027年度入試)
大学専願の方式(要項の書き方)併願できる方式(要項の書き方)
神奈川工科大学適性検査方式(専願型)など。「合格した場合に必ず入学することを前提とした入試方式です。(専願制入試)」適性検査方式(併願型)、併願2科目方式、学校推薦型選抜(一般公募制)の3つ。「他大学との併願が可能」
大正大学総合型選抜 Ⅰ期 専願。「本学を専願(第一志望)とする者」総合型選抜 Ⅱ期・Ⅲ期。「他大学との併願が可能です」
麗澤大学面接方式など。「合格後は、入学を確約できる者」選択テーマ発表方式・課題問題方式・一般R日程の併願型。「他大学との併願受験が可能」
日本大学 法学部 CL方式法学部専願型。「本学部を第一志望とし,合格した場合は本学部に入学することを確約できる者」他大学併願型。出願要件は各学科の要件だけ
武蔵大学社会学部 ゼミ力重視方式(専願制)ほかの方式。「他大学及び本学一般選抜との併願は可能です」
各大学の2027年度入試の要項・入試ガイドによる

神奈川工科大学、大正大学、麗澤大学、日本大学、武蔵大学のように、同じ大学の中で専願と併願を選べる場合は、選考の中身も違うことがあります。神奈川工科大学の適性検査方式は、専願型が1科目、併願型が2科目の試験です。大正大学は、併願できる方式の要項で「併願先の出願条件(専願等)を必ず確認してください」と求めています。

東洋大学は、AO型推薦入試などの専願のみの入試と、併願できる基礎学力テスト型入試の両方を行っています。専願のみの入試に出願すると、11月29日の基礎学力テスト型入試には出願できません(10月18日の入試で不合格だった場合を除く)。同じ大学で専願と併願の方式を組み合わせる時は、出願の順番の決まりも確かめてください。

ほかの入試との組み合わせ(他大学・学校推薦型・指定校・一般選抜)

総合型選抜と組み合わせる入試は、他大学の総合型選抜、学校推薦型選抜(公募制・指定校)、一般選抜に分けて、要項に書かれている例を見ていきます。

国公立大学どうしの組み合わせ

国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜には、ほかの国公立大学との組み合わせに決まりがある場合があります。京都大学の特色入試の要項は、国公立大学(独自日程の公立大学を除く)の学校推薦型選抜への出願を、1つの大学・学部に限っています。

大阪大学は、総合型選抜と学校推薦型選抜のどちらか1つにしか出願できないとしています。他の国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜とは、どちらかの不合格が判明している場合に限り出願でき、学校推薦型選抜どうしの併願は一切できません。京都大学の特色入試と北海道大学のフロンティア入試にも、合格者が他の国公立大学を受けた時の扱いの定めがあります(前の節の表)。

学校推薦型選抜・指定校推薦との組み合わせ

学校推薦型選抜の公募制には、学習院大学や上智大学のように、第一志望と入学の確約を出願の条件にする例があります。一方、神奈川工科大学の一般公募制は、他大学の総合型選抜・学校推薦型選抜と併願できる方式です。学習院大学は、公募制で合格した後にやむを得ず辞退する場合、高校長の職印による入学辞退願を、高校長から大学に出すよう定めています。総合型選抜との違いは総合型選抜と学校推薦型選抜の違いで説明しています。

指定校推薦の募集要項を、高校に直接送る大学があります(神奈川工科大学など)。早稲田大学の地域探究・貢献入試のQ&Aは、出願後に早稲田大学の指定校推薦で合格した場合は、指定校推薦で入学手続を進めるよう求め、指定校推薦の入学は辞退できないと答えています。立命館大学は、AO選抜入学試験と指定校推薦の併願はできるが、両方合格した場合は指定校推薦で合格した学部に入学することを基本としています。麗澤大学の入試ガイドは、総合型選抜(9月・10月実施の入試)に出願した後に指定校推薦がとれた場合は、指定校推薦に無料で振り替えられると答えています。

上智大学の公募制推薦(学校推薦型選抜)は、上智大学の指定校制と併願できません。これは学校推薦型選抜どうしの決まりで、総合型選抜の例ではありません。指定校推薦を考えている人は、大学の決まりに加えて、高校の校内の決まりを進路指導の先生に確かめてください。

一般選抜との組み合わせ

一般選抜との併願を要項で認めている例があります。慶應義塾大学 法学部のFIT入試のFAQは、一般選抜や帰国生入試との併願が可能と答えています。大正大学のⅡ期・Ⅲ期の要項も、一般選抜入学試験に挑戦できると案内しています。立命館大学のAO選抜入学試験は、不合格となった場合は、立命館大学の他の入学試験に出願できるとしています。専願の方式を受ける人も、結果が出るまでは一般選抜の準備を止めないことが大切です。

合格発表から入学手続、一般選抜までの日程

併願の計画で大切なのは、合格発表と入学手続の期限の順番です。全国共通の時期は、実施要項で決まっています。

総合型選抜と一般選抜の日程の決まり(2027年度入試)
2026年9月1日以降
総合型選抜の出願
実施要項 第4の4
2026年9月15日〜10月2日
大学入学共通テストの出願
大学入試センターの実施要項
2026年11月1日以降
総合型選抜の合格発表/学校推薦型選抜の出願
実施要項 第4の4・第4の5
2026年12月1日以降
学校推薦型選抜の合格発表
一般選抜の試験期日の10日前まで(実施要項 第4の5)
2027年1月16日・17日
大学入学共通テスト(本試験)
実施要項 第4の1
2027年2月1日〜3月25日
一般選抜などの個別テストの期日
合格者の決定発表は3月31日まで(実施要項 第4の2)
2027年3月31日まで
実施要項が示す、入学辞退で授業料等が返る申し出の期限
専願・学校推薦型選抜で在学契約を結んだ人を除く(第10の2(4))。大学が別の期限を定める例がある(日本大学 法学部CL方式は2027年1月30日17時)
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」、日本大学 法学部 総合型選抜CL方式 募集要項

総合型選抜の合格発表は11月1日以降、一般選抜の個別テストは2月1日以降です。総合型選抜で合格した大学の入学手続の期限は、一般選抜の合格発表より前に来ることがあります。たとえば中央大学 法学部のチャレンジ入学試験は、合格発表が2026年11月5日、入学手続期間が11月12日までです。

入学手続を2段階に分けられる方式

併願する人向けに、入学申込金(入学金に当たる額)などだけを先に納め、残りの学費の納入を後に延ばせる方式があります。要項にある例です。

大学・方式先に納めるもの(期限)残りの手続の期限要項にある注意
中央大学 法学部チャレンジ入学試験など入学申込金240,000円(法学部チャレンジ入学試験の入学手続期間は2026年11月5日〜11月12日)2027年3月25日対象は出願手引に挙がった入学試験だけ。入学申込金は返還しない。手続後の辞退では入学金を除く学費等が返る
東洋大学 基礎学力テスト型入試入学申込金(入学金相当額)を2026年12月18日まで2027年2月26日第2次手続をすると入学申込金は入学金に充てる
日本大学 法学部 CL方式入学申込金(入学金相当額)を2026年11月20日まで2027年2月26日(二段階最終入学手続締切日)入学申込金は返還しない。手続完了後の辞退で入学金以外が返るのは2027年1月30日17時までの申し出だけ
日本女子大学 総合型選抜入学手続金(2026年11月2日〜11月13日23:59)延納した前期学費等は2027年2月4日23:59まで他大学を併願している場合に、所定の手続で延納できる
神奈川工科大学 併願制の3方式入学1次手続(入学金)入学金返還手続の締切:適性検査方式(併願型)2027年1月14日、学校推薦型選抜(一般公募制)1月15日、併願2科目方式3月12日締切までに入学辞退届を出すと入学金が返る

延納の期限が、併願先の一般選抜の合格発表より前か後かで、使えるかどうかが変わります。たとえば中央大学は、併願校の合格発表日が、中央大学の入学申込手続の締切日から2027年3月25日までの間にあることを、延期の条件の1つにしています。日本大学 法学部のCL方式は、二段階の最終締切(2月26日)が返金の申し出の期限(1月30日17時)より後なので、1月31日以降に辞退すると入学金を含めて返りません。

国公立大学の総合型選抜には、共通テストの後に最終合格が決まる方式があります。北海道大学のフロンティア入試は、共通テストを課すTypeⅠの最終合格者の発表が2027年2月9日(入学手続は2月15日17時まで)、課さないTypeⅡが2026年12月8日です。時期ごとの準備は総合型選抜の年間スケジュールで説明しています。

併願先を決める手順

併願先は、「行きたい順」と「日程の順」を重ねて決めます。

総合型選抜の併願先を決める手順
1
第一志望を決める
専願の方式を受けるなら、合格したら入学してよいかを家族とも確かめる
2
候補の要項を集める
出願資格と注意事項から「確約」「専願」「併願」「第一志望」の語を探す
3
日程を1枚に並べる
出願期間、試験日、合格発表、入学手続の期限を学校ごとに書き出す
4
順番を確かめる
専願の方式の合格発表が、併願したい入試の出願より前か後かを見る
5
お金の期限を確かめる
入学金・入学申込金の期限と、延納や返還の制度、辞退の申し出の期限を確かめる
6
一般選抜の準備を続ける
総合型選抜の結果が出るまで、共通テストと一般選抜の学習を止めない

書類の負担も考えに入れます。國學院大學のように、出願書類を学科・専攻ごとに作るよう求める大学もあります。私立大学どうしでは、この記事で見た要項にある出願の制限は、同じ大学の中の出願が中心です。国公立大学では、前の節の京都大学や大阪大学のように、他大学との組み合わせにも決まりがあります。そのうえで、試験日が重ならず、それぞれの書類と面接を準備できる数に収めます。

総合型選抜の併願で出願前に確かめること
出願資格に「合格した場合は入学を確約」「専願」の語があるか
「第一志望」の方式で、他大学を受けてよいか、合格したら入学が前提か
同じ大学の中で、複数の学部・学科・方式に出願できるか
他の国公立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜との組み合わせに決まりがあるか
試験日・2次選考の日が、ほかの大学と重なっていないか
入学手続の締切、延納や入学金の返還の制度、辞退の申し出の期限
指定校推薦を考えている場合、高校の校内の決まり
専願の方式に出願すると、同じ大学のほかの方式に出願できなくなるか

倍率は、志願者数と合格者数から計算した結果で、年度によって動きます。数字の見方は総合型選抜の倍率で説明しています。欠席日数など、方式ごとに違う出願条件は総合型選抜の欠席日数も参考にしてください。

合格後に辞退する時に確かめること

併願して複数の大学に合格した場合や、併願できる方式で合格した後に別の大学を選ぶ場合は、入学の辞退の手続が要ります。まず、全国共通の定めを確かめます。

実施要項の定め(第10の2(4)①)

3月31日までに入学辞退の意思表示をした者(専願又は学校推薦型選抜(これに類する入学試験を含む。)に合格して大学等と在学契約を締結した受験者を除く。)については、原則として、受験者が納付した授業料等及び諸会費等の返還に応じる。

返還の対象は授業料等と諸会費等で、入学金は含まれていません。下の表の例でも、神奈川工科大学の併願制の方式を除き、返るのは入学金を除く学費等です。専願や学校推薦型選抜で合格して在学契約を結んだ人は、この定めの対象から外れています。実際の申し出の期限と返る範囲は、大学・方式ごとに要項で決まり、3月31日より早い例もあります。

総合型選抜の合格後の辞退と学費の扱い(要項の例)
大学・方式辞退の扱い返るもの・返らないもの
神奈川大学 総合型選抜(「本学専願」の学部・学科)入学辞退はできない―
神奈川大学 総合型選抜(併願できる学部・学科)2027年3月31日13:00までに所定の手続入学金を除く学費が返る
日本大学 法学部 CL方式入学手続完了後、やむをえない理由で辞退する時は2027年1月30日17時までに電話で申し出る(学校長からの入学辞退願も出す)入学金を除く入学時納入金が返る。1月31日以降の申し出は入学金を含めて返らない
麗澤大学 併願型2027年3月30日必着で入学辞退届を郵送入学金を除く授業料・施設費・諸会費が返る
学習院大学 学校推薦型選抜(公募制)やむを得ない事情がある時は、高校長から入学辞退願を出す2027年3月31日16:00までの申し出で、入学金を除く入学手続時納付金が返る
東洋大学 専願の入試原則として辞退できない。病気やけが、経済的困窮などの場合は届出で認める認められた場合、入学金を除く納付金が返る
神奈川工科大学 併願制の3方式入学金返還手続の締切までに入学辞退届入学金が返る(入学金返還制度)
各大学の2027年度入試の要項による。期日と金額は方式ごとに違うので、合格した方式の入学手続要項で確かめる

専願の方式で合格した後の辞退は、東洋大学・西南学院大学・神奈川大学のように、原則として認めない(神奈川大学は「入学辞退はできません」)と書く要項があります。一方で、学習院大学の公募制や日本大学 法学部のCL方式のように、辞退の手続を定めている例もあります。当てはまる事情がある時は、早めに大学の窓口に連絡して手続を確かめてください。

よくある質問

Q. 総合型選抜は併願できますか?
A. 方式によります。2027年度入試では、日本女子大学の総合型選抜や南山大学の総合型入試は他大学と併願でき、京都大学の特色入試や西南学院大学の総合型入試は専願です。同じ大学に専願型と併願型がある例もあるので、志望する方式の要項で確かめてください。
Q. 専願と第一志望は同じ意味ですか?
A. 同じとは限りません。第一志望の方式は、他大学を受けてよいかと、合格したら入学が前提かに分けて読みます。慶應義塾大学 法学部のFIT入試、明治大学 文学部の自己推薦特別入試、明治学院大学の自己推薦AO入学試験は、どれも他大学を受けることは認めつつ、合格したら入学が前提です。立命館大学は、要項で専願(立命館大学のみを志願すること)ではないとしつつ、Q&Aで「他大学と併願しても、合格した場合には立命館大学に入学することが前提です」と答えています。
Q. 専願の総合型選抜に落ちたら、一般選抜は受けられますか?
A. 受けられます。専願は合格した場合に入学することを約束するもので、不合格の場合に一般選抜へ出願することを妨げるものではありません。共通テストの出願期間は2026年9月15日〜10月2日で、総合型選抜の合格発表(11月1日以降)より前に締め切られます。共通テストに出願していない人は、共通テストを使う入試に出願できないので、結果を待たずに出願を済ませておきます。
Q. 総合型選抜で受かったら、辞退できますか?
A. 専願の方式では、東洋大学・西南学院大学・神奈川大学のように辞退を原則として認めないと書く要項がある一方、学習院大学の公募制や日本大学 法学部のCL方式のように辞退の手続を定めた例もあります。辞退で返るのは入学金を除く学費等とする要項が多く、申し出の期限も大学ごとに違います(日本大学 法学部のCL方式は2027年1月30日17時まで)。
Q. 総合型選抜と指定校推薦は併願できますか?
A. 大学と高校の決まりによります。立命館大学は、AO選抜入学試験と指定校推薦の併願はできるが、両方合格した場合は指定校推薦で合格した学部に入学することを基本としています。早稲田大学の地域探究・貢献入試のQ&Aは、早稲田大学の指定校推薦で合格した場合は指定校推薦の入学を辞退できないと答えています。高校の校内の決まりも進路指導の先生に確かめてください。
Q. 総合型選抜は何校まで併願できますか?
A. 私立大学どうしでは、この記事で見た要項にある制限は、同じ大学の中の出願が中心です(南山大学の総合型入試は1学科だけ、など)。国公立大学では、京都大学の特色入試の要項が国公立大学の学校推薦型選抜への出願を1つの大学・学部に限り、大阪大学が他の国公立大学の総合型・学校推薦型選抜との出願を不合格が判明した場合に限るなど、他大学との組み合わせにも決まりがあります。そのうえで、書類と面接を準備できる数に収めてください。

まとめ

総合型選抜には、他大学と併願できる方式と、合格したら入学することを確約する専願の方式があります。2027年度入試の要項では、京都大学の特色入試・北海道大学のフロンティア入試・東洋大学のAO型推薦入試などが専願、中央大学の法学部チャレンジ入学試験・同志社大学のAO入試・日本女子大学の総合型選抜などが併願できる方式です。神奈川工科大学や大正大学のように、同じ大学に専願型と併願型がある例もあります。

見分ける手がかりは、要項の「確約」「専願」「併願が可能」「第一志望」の言葉です。「第一志望」は、他大学を受けてよいかと、合格したら入学が前提かに分けて読みます。併願先を決める時は、合格発表と入学手続の期限、延納や返還の制度、辞退の申し出の期限を日程表に並べ、専願の方式を受ける場合も一般選抜の準備を続けてください。

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