推薦入試で不合格になったら?落ちた後の出願先と期限・定員割れ・繰り上げ合格【2027年度】

推薦入試で不合格になったら?落ちた後の出願先と期限・定員割れ・繰り上げ合格 受験の知識

推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)で不合格が分かった後も、同じ年度の入試は続きます。この記事は、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」と各大学の要項をもとに、落ちた後に出願できる入試と締切を日付で整理します。対象は2027年度入試(2027年4月入学)です。専願の方式で落ちた時の扱い、定員割れでも不合格になる理由、補欠合格・追加合格・繰り上げ合格の仕組みも、要項の言葉で見ていきます。不合格の理由を点数で知る成績開示の制度も、大学ごとの違いをまとめます。大学の例は、このサイトの大学別の記事で要項と照らした内容です。

推薦入試に落ちた後の4つの道と、不合格が分かる時期

この節の答え落ちた後の道は同じ大学の別方式・他大学の推薦・一般選抜・翌年度の4つで、不合格が分かる時期が遅いほど一般選抜に寄ります。

推薦入試で不合格になった後 この記事の要点
落ちた後の道
4つ
同じ大学の別方式・他大学の推薦・一般選抜・翌年度
次の締切までの日数
2〜17日
11月1日・2日の発表の後の例(2027年度入試)
定員割れ
不合格はある
基準に届かなければ募集人員に満たなくても不合格
成績開示
4〜6月が中心
出願の時に申し込む大学がある
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、各大学の2027年度入試の要項(このサイトの大学別記事)による

11月・12月の発表で不合格だった場合も、その後に一般選抜の出願と試験の日程が残っています。落ちた後の道は、大きく次の4つに分かれます。

落ちた後の道向いている場面見ておく要項の項目
同じ大学の別の方式(Ⅱ期・公募推薦など)その大学で学びたい気持ちが強い出願資格に「前の方式を受けた人を除く」とあるか。出願期間が発表の後まで残っているか
他大学の総合型選抜・公募推薦書類や面接の準備を生かしたい出願期間、評定の基準、専願か併願か、学校長の推薦書の要否
一般選抜(大学入学共通テスト利用を含む)学力試験で勝負できる科目がある共通テストに出願しているか、受験科目と配点、出願期間
翌年度に受け直す浪人を含めて考える既卒の人が出願できるか(卒業年の条件)、再出願の扱い

どの道が残るかは、不合格が分かる時期で変わります。第1次選考(書類)の結果が10月に出る方式なら、同じ年度の総合型選抜に出す時間が比較的あります。

最終の発表が11月・12月・2月と遅くなるほど、残る入試は一般選抜に寄っていきます。

推薦入試の不合格が分かる時期と、残っている入試の例(2027年度入試)
不合格が分かる時期この時期に出願できる入試の例(2027年度入試の日程)
10月(第1次選考の発表)武蔵野大学:10月9日の1次選考の発表の後、Ⅱ期の出願期間(10月28日〜11月10日)まで2週間あまり
11月1日・2日(総合型選抜の最終発表)同じ大学のⅡ期や公募推薦、他大学の公募推薦。下のチャートのとおり、締切まで2〜17日
12月(公募推薦・Ⅱ期の発表)麗澤大学:12月1日の発表の後、総合型選抜の一般R日程(出願12月1日〜21日)。東京農業大学:公募制の発表(12月2日)の後、一般選抜A日程(出願2027年1月4日〜25日)
2月(共通テストを課す国公立の推薦)一橋大学:学校推薦型選抜の最終発表は2027年2月10日。推薦の結果を待たずに出願しておいた一般選抜の前期日程・後期日程
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)。実施要項は、総合型選抜の判定結果の発表を2026年11月1日以降(第4の4)、学校推薦型選抜を12月1日以降(第4の5)とし、一般選抜の個別試験を2027年2月1日〜3月25日(第4の2)としている

不合格が分かったら、次の順番で出願先を絞ると迷いが少なくなります。指定校推薦で落ちた場合の時間の流れは「指定校推薦で落ちることはあるか」の記事にまとめています。

推薦入試に落ちた後、出願先を決める順番
1
合否の画面をよく読む
第1次選考か最終選考か、補欠・繰上合格の候補の表示があるか
2
同じ大学の次の方式を探す
出願資格と、発表から締切までの日数を要項で見る
3
他大学の推薦入試で締切が残るものを並べる
専願か併願か、学校長の推薦書が要るか
4
一般選抜の方式を絞る
共通テストに出願しているかで、使える方式が変わる
5
高校に書類を頼む
調査書・推薦書の発行には日数がかかる

不合格の後に出願できる入試と締切(2027年度入試の日付)

この節の答え11月1日・2日の発表から次の締切まで2〜17日の組み合わせがあり、推薦書が要る入試は発表の前から高校に頼んでおきます。

下のチャートの10校は、総合型選抜の最終発表が2026年11月1日か2日です。その日を含む前後に、同じ大学のⅡ期や公募推薦の出願期間が置かれています。

下のチャートは、発表の日と、その後に出願できる入試の出願期間を並べたものです。

推薦入試の不合格の発表と、次に出せる入試の出願期間(2026年)
次に出せる入試の出願期間選考日・発表日
10月11月
東洋大学(10月実施の入試)
次に出せる入試の出願期間 10月29日〜11月4日/総合型選抜の合格発表 11月2日
日本大学 商学部
次に出せる入試の出願期間 11月2日〜11月5日/総合型選抜の合格発表 11月2日
共立女子大学
次に出せる入試の出願期間 11月1日〜11月8日/総合型選抜の合格発表 11月2日
東京農業大学
次に出せる入試の出願期間 11月2日〜11月9日/総合型選抜の合格発表 11月2日
神奈川工科大学(課題レポート第2期)
次に出せる入試の出願期間 11月2日〜11月9日/総合型選抜の合格発表 11月2日
武蔵野大学(Ⅰ期)
次に出せる入試の出願期間 10月28日〜11月10日/総合型選抜の合格発表 11月2日
大正大学(Ⅰ期 専願)
次に出せる入試の出願期間 11月2日〜11月10日/総合型選抜の合格発表 11月2日
福岡大学
次に出せる入試の出願期間 11月1日〜11月10日/総合型選抜の合格発表 11月1日
麗澤大学(9月・10月の試験)
次に出せる入試の出願期間 11月1日〜11月11日/総合型選抜の合格発表 11月1日
日本女子大学
次に出せる入試の出願期間 11月1日〜11月19日/総合型選抜の合格発表 11月2日
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)。麗澤大学は面接方式Ⅲ期などの期間で、課題問題方式Ⅱ期は11月16日まで。大正大学Ⅱ期のWeb登録の締切は11月9日16時。出願資格・推薦書などの条件は下の表と各大学の要項で見る

発表から締切までが短い組み合わせもあります。東洋大学は、10月実施の入試の合格発表が11月2日、基礎学力テスト型入試の出願期間が10月29日〜11月4日です。

日本大学の商学部は、総合型選抜の発表が11月2日、公募制の書類の必着日が11月5日です。

大学次に出せる入試出願で気をつけること
東洋大学基礎学力テスト型入試(試験11月29日)10月18日実施の入試で不合格だった人だけが出願できる。11月22日実施の専願の入試に出願すると、基礎学力テスト型入試は受けられない
日本大学 商学部学校推薦型選抜(公募制)総合型選抜で不合格の人の出願を定めた記載はなく、評定・学校長の推薦書・第一志望などの公募制の要件で決まる
共立女子大学学校推薦型選抜(公募制推薦)2027年3月卒業見込みの人だけ。学部ごとの評定の基準(国際学部は基準なし)と校長の推薦が要る
東京農業大学学校推薦型選抜 公募制(試験11月21日)専願。推薦書(厳封)と事前課題を新しく用意する。評定3.5以上(生物産業学部は3.3以上。例外あり)
神奈川工科大学一般公募制、12月の専願1科目方式・併願2科目方式専願制の方式で合格内定を得られなかった場合、別の学科にも出願できる
武蔵野大学Ⅱ期(2期)出願資格に、Ⅰ期を受けたかどうかによる制限は書かれていない。Ⅱ期用のエントリーシートと写真が要る
大正大学Ⅱ期 併願、学校推薦型選抜(公募制)専願Ⅱ期のWeb登録の締切は11月9日16時。Ⅱ期・Ⅲ期の出願資格に、大正大学のほかの入試を受けたかどうかの条件はない。公募制は評定3.0以上と学校長の推薦書
福岡大学学校推薦型選抜(A方式推薦)高等学校長印を押した推薦書(厳封)と本人直筆の志望理由書が要る。出願期間は10日間
麗澤大学面接方式Ⅲ期・課題問題方式Ⅱ期など(試験11月22日)同じ日に行う選抜には重ねて出願できない。面接方式Ⅲ期は専願型だけ
日本女子大学学校推薦型選抜(公募制)第一志望で出願学科への入学を確約できることが条件。現代社会学科・心理学科・国際文化学科では行わない

推薦書が要る入試では、発表の後に高校へ頼むと締切に間に合わないことがあります。総合型選抜を受けている間に、公募推薦も考えていることを担任の先生に伝えておくと安心です。

出願期間が残っている総合型選抜を探す時の考え方は「総合型選抜はまだ間に合うか」の記事にまとめています。

12月の発表の後に出せる入試

公募推薦やⅡ期の発表は12月に入ります。麗澤大学は、11月22日の試験の発表(12月1日)の後に、総合型選抜の一般R日程(専願型・併願型、入学検定料0円)の出願期間が12月1日〜21日です。

大正大学は、Ⅱ期の合格発表(12月1日)がⅢ期の出願期間(11月27日〜12月4日、Web登録の締切は12月3日16時)の中にあります。

東京農業大学の総合型選抜 生物産業学部は、出願期間が11月27日〜12月7日です。第一志望で合格したら入学するのが前提ですが、評定の基準と事前課題はありません。

神奈川工科大学の12月の2方式も、出願期間は11月17日〜12月4日です。

年明けの一般選抜の出願期間

12月の発表でも落ちた場合や、推薦入試をこれ以上受けない場合は、一般選抜が次の機会です。出願期間は大学と方式でかなり違います。

大学・方式出願期間(2027年)
帝京平成大学 一般選抜Ⅰ期1月4日〜1月15日
西南学院大学 一般入試・英語4技能利用型一般入試1月6日〜1月19日
愛知淑徳大学 一般入試〔前期〕1月6日〜1月20日
國學院大學 一般選抜A日程(全学部統一)1月4日〜1月21日
帝京平成大学 大学入学共通テスト利用選抜Ⅰ期1月4日〜1月28日
國學院大學 一般選抜B日程(後期)1月4日〜2月19日
大正大学 一般選抜Ⅲ期1月6日〜2月26日
東京農業大学 一般選抜B日程2月1日〜3月1日
帝京平成大学 一般選抜Ⅲ期2月8日〜3月5日
大正大学 大学入学共通テスト利用入試Ⅲ期1月6日〜3月16日

大学入学共通テストを使う方式は、共通テストに出願していることが前提です。大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト実施要項」によると、出願期間は2026年9月15日〜10月2日です2。

上の表の共通テスト利用の方式も、この出願をしていることが前提です。

国公立大学の推薦で落ちた場合

共通テストを課す国公立大学の推薦には、最終発表が2月の方式があります。一橋大学の学校推薦型選抜は、最終発表が2027年2月10日です。

不合格の場合に受けられる一橋大学の一般選抜は、推薦の結果を待たずに出願しておいた前期日程と後期日程です。

筑波大学の推薦入試の要項は、推薦入試に合格しなかった人が、一般選抜の前期日程から一つ、後期日程から一つ、合計二つの大学・学部に出願できるとしています。千葉大学の理学部と文学部の要項は、不合格の後に千葉大学の個別学力検査等を受けるには共通テストの受験と新たな検定料が要るとしています。

国公立の推薦の全体は「国公立大学の推薦入試」の記事にまとめています。

専願の方式で落ちた時の扱い(「合格したら入学」の約束)

この節の答え専願の約束は合格した場合の条件で、不合格なら一般選抜に出せますが、同じ年度の総合型選抜に出し直せない大学もあります。

専願の「合格したら入学」の条件そのものは、不合格の後の出願を縛るものではありません。ただし、同じ大学の中での出し直しには別の決まりを置く大学があります(下の表)。

専願・第一志望という言葉の違いは「総合型選抜の併願」の記事で説明しています。

専願の方式で不合格だった時の扱い(2027年度入試の要項の例)
大学・方式要項の条件不合格だった時
明治大学 農学部 自己推薦・地域農業振興「合格の場合、入学が確約できる者」不合格だった場合にほかの入試を受けることを制限する記載はない
神戸大学合格した場合に入学することを確約できる者(専願)不合格なら一般選抜は受けられる
関西学院大学(総合型選抜)第一志望とし、合格した場合は入学すること同じ年度の総合型選抜の別の入学試験には出願できない。一般選抜には出願できる
神奈川工科大学(専願制の方式)合格したら入学することを前提にした入試方式合格内定を得られなかった場合、別の学科や併願制の方式にも出願できる
東洋大学(専願の入試)専願受けられる入試は、受けた入試の試験日で決まる
愛知淑徳大学(大学理念・違いを共に生きる入試の第2志望)第2志望で合格した場合も入学が条件第2志望の判定は、第1志望の判定で募集人員を満たさなかった場合に行う
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)
注意

気をつけたいのは、同じ大学の中での出し直しです。関西学院大学は、総合型選抜で不合格だった場合、同じ年度の総合型選抜の別の入学試験には出願できないとしています。東洋大学のように、受けた入試の日付で次に出せる入試が決まる大学もあります。

出願の順番に決まりがある大学もあります。関西大学のAO入試の要項は、AO入試に出願している人が関西大学の推薦入学制度に出願すると、AO入試の出願を辞退したものとして扱うと定めています。

推薦のデータ登録はAO入試の合否照会より前に始まるので、登録は照会の後にします。

国公立大学の「合格者とならない」決まりは合格者向け

千葉大学の国際教養学部(総合型選抜)の要項は、最終合格者が国公立大学の個別学力検査等を受けても、その大学・学部の合格者とならないと定めています。筑波大学も、合格して入学手続を済ませた人は他の国公立大学の個別学力検査等の合格者にならないとしています。

これは合格した人向けの決まりで、不合格だった人が一般選抜を受けることを止めるものではありません。

定員割れでも不合格になる理由(募集人員に満たなくても合格者を出さない)

この節の答え要項は基準に届かなければ募集人員に満たなくても合格者を出さないとしており、九州大学の経済学部は募集22人に合格13人でした。

「定員割れなら推薦入試は全員合格」とは言えません。このサイトで扱う大学の要項にも、選考の結果によっては合格者が募集人員に満たないことがある、とあります。大学が求める水準に届かない人は、席が余っていても合格になりません。

募集人員に満たなくても合格者を出さないことを示す要項の言葉(2027年度入試)
大学要項の書き方
慶應義塾大学 文学部 自主応募制推薦学力などが求める水準に満たない場合は、合格者数が募集人員を下回ることがある
東京大学 学校推薦型選抜募集人員は「程度」で、水準に達した志願者だけが合格する
学習院大学 理学部選考の結果、合格者がいない場合もある
共立女子大学受験者の学力の状況によって、合格者数が募集人員に満たない場合がある
日本女子大学選考の結果、合格者数が募集人員に満たない場合がある(総合型選抜・公募制の両方の要項)
愛知淑徳大学どの方式も、合格者数が募集人員に満たない場合がある
九州大学「合格者数が募集人員に満たない場合があります」
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)

実際の結果でも、志願者が募集人員より多いのに、合格者が募集人員を下回った区分があります。九州大学の2026年度(令和8年度)の結果では、経済学部の総合型選抜は募集22人に志願46人10、合格は13人でした。

医学部保健学科は募集22人・志願78人・合格18人、工学部は募集47人・志願113人・合格39人です。

九州大学 総合型選抜・学校推薦型選抜の募集人員と合格者数(2026年度)
募集人員合格者
経済学部(総合型選抜)
22人
13人
医学部保健学科(総合型選抜)
22人
18人
工学部(総合型選抜)
47人
39人
歯学部(学校推薦型選抜)
8人
6人
九州大学「令和9年度入学者選抜概要」に載っている令和8年度の総合型選抜・学校推薦型選抜の実施状況による。志願者は経済学部46人、医学部保健学科78人、工学部113人、歯学部(学校推薦型選抜)30人で、どれも募集人員より多い

学校推薦型選抜の歯学部も、募集8人・志願30人に対して合格6人でした。早稲田大学の地域探究・貢献入試(2026年度)では、人間科学部の2次選考の合格者8人のうち、最終合格は0人でした。

最終選考は、共通テスト(300点)で240点以上の人を合格とする形です。

私立大学の小さな区分でも同じことが起きます。麗澤大学の課題問題方式Ⅱ期の併願型は、2026年度の経営学部が志願5人・合格0人でした。

志願者が少ないことと、合格しやすいことは別の話です。倍率の読み方は「総合型選抜の倍率と合格率」の記事で説明しています。

推薦入試の欠員はどこへ行くか

このサイトで扱う国公立大学の要項には、推薦入試の欠員を補欠で埋めずに、一般選抜に回す書き方が並びます。推薦入試で不合格になった人が、欠員の分だけ繰り上がる仕組みではありません。

欠員の扱い要項にそう書いている大学(2027年度入試)
一般選抜(前期日程)の募集人員に加える京都大学、大阪大学、東北大学、島根大学、東京科学大学、東京大学(原則として各学部が主に対応する科類の前期日程)
学部によって前期日程か後期日程の募集人員に加える北海道大学(医学部・歯学部・水産学部は前期日程、理学部・工学部・獣医学部は後期日程)
入学手続者が足りない分を一般選抜の合格者で補う一橋大学、横浜国立大学(経営学部は後期日程、ほかは前期日程)、千葉大学(理学部物理学科の総合型選抜だけは後期日程)

欠員が一般選抜に回るということは、推薦で落ちた後に同じ大学の一般選抜を受ければ、その分も含めた募集人員で競うことになります。国公立の推薦の日程は「国公立大学の推薦入試」の記事も参考になります。

補欠合格・追加合格・繰り上げ合格の仕組み

この節の答え繰上合格や追加合格は正規合格者の手続で欠員が出た時だけ行われ、補欠者はない・追加合格は行わないと書く大学もあります。

補欠合格・追加合格・繰り上げ合格は、正規の合格者が入学手続をしなかった分を、あとから合格者を足して埋める仕組みです。呼び方は大学によって違い、「繰上合格」「追加合格」「補欠者」などの言葉が要項に出てきます。

文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、合否判定の方法や基準を、あらかじめ募集要項等で公表するよう大学に求めています(第13の5(4))。補欠合格候補者の取扱いと繰上合格の手続も1、あらかじめ定めておくことになっています。

成績の順番を恣意的に飛ばして合格・不合格にすることは、補欠合格候補者の決定や繰上合格の手続でも認められていません(第13の5(5))。

実施要項は、入学定員の充足や欠員の補充の方法等について、事前に準備1をするよう努めるともしています(第8の4)。推薦入試で補欠や追加合格を行うかどうかは、志望校の要項に書かれていることがあります。

推薦入試の補欠・追加合格・繰上合格 要項の書き方(2027年度入試)
大学・方式要項の書き方発表と手続
東洋大学 基礎学力テスト型入試(総合型選抜)繰上合格は、正規合格者の入学手続の状況で募集人員に満たない場合にだけ行う。候補者には合格発表の日にマイページで知らせる発表は2026年12月22日と2027年3月2日(どちらも10時から)。候補者の中の順位は公表しない
法政大学 GIS 自己推薦(A基準)欠員が出た場合に追加合格者を発表する発表は12月22日、追加合格の手続締切は2027年1月8日
武蔵野大学入試区分によって、正規合格者と同時に繰上合格候補者を発表する。候補者は合格者ではない繰上合格の発表日の表に載っているのは全学部統一選抜・一般選抜・共通テスト利用選抜で、総合型選抜は載っていない
慶應義塾大学 看護医療学部 AO入試「補欠者はありません」第2次合格者番号一覧に受験番号がない場合は不合格
千葉大学 国際教養学部・教育学部・園芸学部「追加合格は行いません」―
京都大学 特色入試・大阪大学合格者が募集人員に満たない場合、欠員を一般選抜(前期日程)の募集人員に加える―
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)

繰上合格がある方式でも、行うのは欠員が出た時だけです。東洋大学の要項は、すべての入試方式で繰上合格を行うとは限らず3、行う場合も候補者全員が合格になるわけではないとしています。流れは次のとおりです。

推薦入試の繰上合格の流れ(東洋大学 基礎学力テスト型入試の例)
1
合格発表の日に候補者を通知
マイページに「繰上合格候補者」になった旨が出る。候補者の中の順位は公表しない
2
正規合格者の入学手続
手続の状況で、募集人員に満たないかが決まる
3
繰上合格の発表
2026年12月22日と2027年3月2日の10時から、マイページで発表
4
繰上合格者の入学手続
12月22日の発表は第1次手続締切が2027年1月18日、3月2日の発表は3月9日が締切
東洋大学「2027年度 総合型選抜 基礎学力テスト型入試 入学試験要項」による。対象にならなかった場合は、候補者になった旨のページのまま変わらない

補欠の候補になった時にすること

候補は合格ではありません。武蔵野大学の要項も、繰上合格候補者は合格者ではないと書いています4(武蔵野大学でこの決まりがあるのは、繰上合格を行う一般選抜などの区分です)。

候補になっても、ほかの入試の出願と準備は止めずに進めます。

併願先に合格して入学手続の期限が来る場合は、延納の制度がほかの大学の追加合格を待つ形に使えるかを見ます。中央大学の特別入試の入学手続の延期は、併願校の追加合格(補欠合格)も対象にしています。

ただし、発表が2027年3月25日までにあり、別の日程で行うことが要項等で公表されている場合に限ります。愛知淑徳大学の公募制推薦の延期は、他大学の合格発表のうち補欠合格・追加合格を除いています。

推薦入試で補欠・繰上合格の候補になった時のチェックリスト
合否の画面で、候補になった旨と繰上合格の発表日を見た
候補は合格者ではないことを踏まえ、ほかの入試の出願を続けている
繰上合格の発表日ごとに、入学手続の締切と方法が違うかを要項で見た
見落としを理由にした手続に応じない大学があるので、発表日をカレンダーに入れた
電話での問い合わせに応じない大学では、マイページだけで結果を見る
併願先の延納の制度が、追加合格を待つ場合に使えるかを要項で見た

不合格の理由は分かるか(成績開示の制度がある大学)

この節の答え成績開示は大学ごとに制度が違い、出願の時に申し込む大学もあります。見られるのは翌年の4〜6月が中心で、開示しない大学もあります。

推薦入試の合否について、電話などの問い合わせに応じないと要項に書く大学があります。法政大学、東京農業大学、國學院大學などです。不合格の理由を点数で知る方法は、成績開示の制度に限られます。

成績開示の根拠になるのは、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」の第13の3(3)です。大学は「受験者本人への成績開示」に努める1、という努力の定めで、開示を義務づけてはいません。

そのため、開示の有無も、点数を出すか段階評価を出すかも、大学ごとに違います。

推薦入試の成績開示 大学ごとの申し込み方と時期(2027年度入試)
大学・方式申し込み方開示される内容開示の時期
北海道大学 フロンティア入試出願登録の時に「希望する」を選び、300円を払う総合点、配点別の得点、学部・学科等ごとの順位2027年4月14日〜6月30日 終了
京都大学 特色入試Web出願システムで開示共通テストの教科別の得点、第2次選考の教科別の得点と総点または段階評価2027年5月6日〜5月31日。第1次選考で不合格の人は対象外 終了
大阪大学第2次選考を受けた人がWeb出願システムで見る判定得点、共通テストの科目ごとの得点など2027年5月6日〜5月31日 終了
東京科学大学 総合型選抜出願登録の時に「希望する」を選び、500円を払う総合問題の合計点2027年5月中旬〜6月末。第1段階選抜で不合格の人は対象外
弘前大学出願の時に希望する総得点、試験科目ごとの得点2027年5月6日〜5月31日 終了
島根大学 へるん入試出願登録の時に申請する得点と総合順位の区分2027年5月1日〜5月31日 終了
九州大学 総合型選抜Ⅰ・Ⅱ本人が請求する第1次選抜と第2次選抜のABC評価郵送で開示
愛知淑徳大学 総合型選抜2027年4月1日〜4月23日に請求 終了評価項目ごとの得点、総得点、満点値5月中旬に簡易書留で届く
南山大学 総合型入試2027年4月1日〜5月7日に請求(手数料500円) 終了総合型入試の得点6月初旬に郵送
日本女子大学 総合型選抜―入試成績を開示しない―
麗澤大学―試験の成績開示はない―
西南学院大学 総合型入試―開示を請求できるのは一般入試と英語4技能利用型一般入試だけ―
各大学の2027年度入試の要項による(くわしくは大学別の記事)。東洋大学は、入学試験の成績開示について2027年3月に入試情報サイトで知らせるとしている

「終了」の印が付いた日程は、この年度の受付がすでに終わっています。次の年度の日程は、大学の公式サイトの入試情報で確認してください。

表で時期が分かる大学では、開示はどれも翌年の4〜6月です。同じ年度の次の出願を決める材料にはならず、翌年度に受け直す時や、自分の準備を振り返る時に使う情報です。

北海道大学・東京科学大学・弘前大学・島根大学のように、出願の時にしか申し込めない大学もあります。

開示がない大学や、次の出願が迫っている時は、自分で振り返るしかありません。書類・面接・小論文のどこで差がついたかを考える手がかりは「総合型選抜で落ちる人の特徴と不合格の理由」の記事にまとめています。

落ちた後の気持ちの切り替えと、次の出願までにやること

この節の答え同じ年度の再出願では調査書の再提出や検定料が軽くなる大学があり、推薦書と志望理由書は次の入試に合わせて用意し直します。

不合格が分かった日は、落ち込んで手につかないのが自然です。気持ちの整え方は「総合型選抜で落ちる人の特徴と不合格の理由」の記事に書いているので、ここでは次の出願の手間を減らす制度を見ます。

同じ年度に同じ大学へ出し直す時は、書類や検定料の扱いが軽くなることがあります。逆に、学校長の推薦書が要る入試では、新しく用意する書類が増えます。

大学書類と検定料の扱い(2027年度入試)
東京農業大学同じ年度の入試に出願した人は、一般選抜や共通テスト利用選抜で出願書類を送り直さなくてよい(2学期制で3年生前期の成績が無い調査書だった人は送り直す)。公募制は推薦書と事前課題を新しく用意する
武蔵野大学追加で出願する場合、調査書は内容に変更がなければ改めて出さなくてよい。Ⅱ期に出願した人が同じマイページIDで一般選抜A日程・C日程に出願すると、入学検定料はそれぞれ10,000円
愛知淑徳大学初回の検定料が25,000円の入試に出願した人は、2回目以降は1出願5,000円(共通テスト利用入試の検定料は別に定められている)
東京農業大学 総合型選抜 生物産業学部2027年度の総合型選抜・学校推薦型選抜に出願したことがある人は、調査書を送り直さなくてよい
推薦入試に落ちた後 次の出願までのチェックリスト
次に出す入試の出願期間と、書類の必着か消印有効かを書き出した
学校長の推薦書が要る入試は、担任の先生に頼む日を決めた
調査書を送り直す必要があるかを、次の入試の要項で見た
志望理由書は、次の大学・方式の求める人物像に合わせて書き直した
共通テストに出願しているかを踏まえ、一般選抜の方式を絞った
成績開示の制度があれば、申し込みの期限を控えた

翌年度に受け直す場合

推薦入試に落ちた大学を、翌年度にもう一度受けられるかは方式によります。慶應義塾大学のFIT入試のよくある質問は、一度何らかの入試で不合格になったことが不利になることはないと答えています。

総合政策・環境情報学部のAO入試は再出願でき、前回の出願との変更点を説明する書面(A4で1枚以内)を出します。

既卒の人が出願できるかは、卒業年の条件で決まります。早稲田大学の社会科学部 全国自己推薦入試は、2027年度入試では2026年3月に卒業した人まで出願できます。

西南学院大学の2027年度の総合型入試では、既卒の人も出願できるのは外国語学科・心理学科・国際文化学科です。くわしくは「浪人生の総合型選抜」の記事にまとめています。

よくある質問

Q. 推薦入試に落ちた大学に、同じ年度に別の方式で出願できますか?
A. 大学によります。武蔵野大学のⅡ期、大正大学のⅡ期・Ⅲ期は、出願資格にほかの入試を受けたかどうかの条件がありません。一方、関西学院大学は、総合型選抜で不合格だった場合、同じ年度の総合型選抜の別の入学試験には出願できないとしています。東洋大学のように、受けた入試の試験日で次に出せる入試が決まる大学もあります。
Q. 定員割れしている学部なら、推薦入試で不合格になることはありませんか?
A. 不合格になることはあります。慶應義塾大学 文学部や共立女子大学などの要項は、水準に届かない場合は合格者数が募集人員を下回ることがあるとしています。九州大学の経済学部(総合型選抜)は2026年度、志願46人が募集22人を上回っていても、合格は13人でした。
Q. 推薦入試の不合格者が、後から繰り上げで合格することはありますか?
A. 方式によってはあります。東洋大学の基礎学力テスト型入試は、正規合格者の入学手続で募集人員に満たない場合に繰上合格を行い、法政大学のGIS 自己推薦(A基準)は欠員が出た場合に追加合格を発表します。慶應義塾大学 看護医療学部のAO入試は補欠者がなく、千葉大学の一部の学部は追加合格を行わないと書いています。
Q. 補欠(繰上合格候補)になったら、順位は分かりますか?
A. 公表しない大学があります。東洋大学の要項は、繰上合格候補者の中での順位は公表しないとし、電話での問い合わせにも応じません。武蔵野大学の要項にあるとおり候補は合格者ではないので、ほかの入試の出願を続けながら、繰上合格の発表日に結果を見ます。
Q. 推薦入試で落ちた理由を、大学に問い合わせることはできますか?
A. 合否の問い合わせに応じないと要項に書く大学があります(法政大学・東京農業大学など)。理由を点数で知る方法は成績開示で、北海道大学・京都大学・大阪大学・愛知淑徳大学・南山大学などに制度があります。開示は翌年の4〜6月が中心で、北海道大学や東京科学大学のように出願の時にしか申し込めない大学もあります。日本女子大学のように開示しない大学もあります。
Q. 推薦入試に落ちた大学を、翌年度にもう一度受けられますか?
A. 既卒の人が出願できる方式なら受けられます。慶應義塾大学の総合政策・環境情報学部のAO入試は再出願ができ、前回からの変更点を説明する書面を出します。一方、早稲田大学の社会科学部 全国自己推薦入試のように卒業年に条件がある方式や、既卒の人が出願できない学科もあるので、出願する年度の要項で出願資格を見ます。

まとめ

推薦入試で不合格になっても、同じ大学の別の方式、他大学の推薦入試、一般選抜、翌年度の受け直しという道が残ります。2027年度入試では、11月1日・2日の発表から次の締切まで2〜17日の組み合わせがあるので、発表の前から次の出願先と書類を準備しておきます。

専願の約束は合格した場合の条件で、定員割れでも基準に届かなければ不合格になります。補欠・繰上合格と成績開示の有無は、志望校の要項で見ておきます。

東京修学館では、推薦入試の結果を受けた次の出願先の整理と、志望理由書・面接の準備を無料相談(60分)でお手伝いしています。

参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF
  2. 令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項独立行政法人 大学入試センター・PDF
  3. 2027年度 総合型選抜 基礎学力テスト型入試 入学試験要項東洋大学・2026-06・PDF
  4. 2027(令和9)年度 入学試験要項武蔵野大学・PDF
  5. 2027年度 農学部 自己推薦特別入学試験要項明治大学・PDF
  6. 2027年度 看護医療学部AO入試 募集要項慶應義塾大学・PDF
  7. 令和9(2027)年度 学生募集要項 フロンティア入試(総合型選抜)北海道大学・2026-05-29・PDF
  8. 関西学院大学総合型選抜入学試験要項 共通冊子 2027年度関西学院大学・2026-06・PDF
  9. 学生募集要項(特別選抜)令和9年度 総合型選抜・学校推薦型選抜 学生募集要項の一覧千葉大学
  10. 令和9(2027)年度 入学者選抜概要(分冊:令和8年度入学者選抜実施状況ほか)九州大学・PDF

リンク先の確認日:2026-10-26

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