最終更新: 2026-10-09 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 各大学の2027年度入試の募集要項(このサイトの大学別の記事による)
自己推薦書の例文を、字数別、題材別、学部系統別にまとめました。例文ごとに、5つの要素がどこにあるかと、自分に置き換える時の差し替え箇所を表にしています。例文はすべて説明のための創作です。経験や数字、大学で学べることは、自分のものと、大学の公式の情報に置き換えて使います。構成の考え方、書き出しと締め方、NG例、語尾の整え方は、親記事の自己推薦書の書き方で説明しています。
自己推薦書の例文の読み方と、この記事の例文一覧
この記事の例文は、親記事の自己推薦書の書き方で説明している5つの要素で書いています。強み(結論)、経験、課題と行動、結果と学び、大学での活かし方の順です。親記事の配分の目安は、強みが全体の1割、経験が2割、課題と行動が3割、結果と学びが2割、大学での活かし方が2割です。
例文を読む前に決めておくこと
例文の使い方
1. 例文は写さない。5つの要素の順番と、どの要素に何字使うかを確かめるために読みます。
2. 経験と数字は創作です。自分が経験し、面接で説明できることに置き換えます。
3. 例文の「貴学の〇〇学部では…を学べます」は、要項や公式サイトで確かめた内容に置き換えます。
4. 字数は大学の指定が最優先です。指定がある場合は、上限の8割から9割を目安にします。
出願書類を自分の言葉で書くことは、大学の要項でも求められています。横浜国立大学の教育学部の要項は、自己推薦書について「指導者及び生成AI等が作成した文章の一部又は全部を使用することを禁じます」と定めています。大阪大学の要項も、出願書類を「志願者自身の言葉で作成してください」としています。生成AIの扱いは大学ごとに違い、筑波大学のAC入試のように、使った箇所に下線を引くよう求める大学もあります。例文の言い回しを並べ替えて使うことも避けます。
自己推薦書の例文の一覧(字数・題材・学部)
自分の指定の字数と、書きたい題材、志望する学部系統に近い例文から読みます。学部系統が違っても、字数が近い例文は分量の参考になります。
| 載せた節 | 想定した指定 | 題材 | 学部 | 強み |
|---|---|---|---|---|
| 字数別 | 400字以内 | 部活動(弓道部) | 教育学部 | つまずきを分けて教える力 |
| 字数別 | 600字以内 | アルバイト(スーパーの品出し) | 経営学部 | 現場の無駄を仕組みに変える力 |
| 字数別 | 800字以内 | 探究・課題研究(通学路の暑さ) | 理工学部 | 問いを立て直して確かめる力 |
| 字数別 | 1,200字以内 | 委員会(保健委員会) | 看護学部 | 生活に合わせて続けられる形を考える力 |
| 題材別 | 600字以内 | 生徒会(校則の見直し) | 法学部 | 決まりの目的から作り直す力 |
| 題材別 | 600字以内 | ボランティア・地域活動(町内会の防災訓練) | 社会福祉学部 | 来られない人の事情に目を向ける力 |
| 題材別 | 400字以内 | 習い事(書道) | 文学部 | 違いに気づくまで比べる力 |
| 題材別 | 400字以内 | 資格(ITパスポート試験) | 情報学部 | 知識を使える形にして伝える力 |
| 学部別 | 400字以内 | ボランティア(学習支援教室) | 国際教養学部 | 伝わる方法を工夫する力 |
| 学部別 | 400字以内 | 部活動(化学部) | 薬学部 | 手順を守って確かめる正確さ |
| 学部別 | 400字以内 | 家庭の事情(家業の手伝い) | 経済学部 | 数字の動きから理由を確かめる力 |
志望理由書の例文との違い
自己推薦書は、過去の経験から「どんな人物か」を示す書類です。志望理由書は、「なぜこの大学・学部で学びたいか」を示す書類です。そのため、この記事の例文は課題と行動に最も多くの字数を使い、志望理由書の例文は学びたいことに最も多くの字数を使います。両方を出す時の書き分けは親記事の自己推薦書の書き方、志望理由書の完成例は志望理由書の例文、構成は志望理由書の書き方で説明しています。
自己推薦書は何文字か:大学の指定の例と字数の決め方
自己推薦書の字数は、大学の募集要項と指定の様式が最優先です。親記事の自己推薦書の書き方では、指定がある場合は上限の8割から9割、指定がない場合は800字から1,200字を目安にしています。
このサイトの大学別の記事で、2027年度入試(2027年4月入学)の要項から自己推薦書の字数や分量をまとめた大学を並べました。同じ大学でも、学部や方式によって指定が違います。
| 大学 | 学部・方式 | 字数・分量の指定 |
|---|---|---|
| 神奈川大学 | 適性検査型 | 200字以上300字以内(高校時代に意欲的に取り組んだことと、それによって学んだこと) |
| 横浜国立大学 | 都市社会共生学科(総合型) | 600字程度。手書き |
| 大阪大学 | 薬学部・基礎工学部 | 800字程度。Web出願システムに直接入力 |
| 國學院大學 | 哲学科(公募制自己推薦(AO型)) | 900〜1,000字 |
| 横浜国立大学 | 経済学部(総合型) | 1,000字以内(志望する理由と、学部にふさわしい理由)。PC等で入力 |
| 横浜国立大学 | 都市基盤学科(総合型) | 志望する理由400字程度と、卒業した後の自分の姿・自分の特徴・勉強以外で力を入れてきたことを各200字程度。手書き |
| 中央大学 | 理工系3学部(高大接続型自己推薦) | 学科により、要約100字以内と本文500字以内、本文1,000〜1,500字以内など |
| 大阪大学 | 歯学部 | 受験の動機と目的など指定の4項目を合計1600字以内 |
| 明治学院大学 | 社会福祉学科(自己推薦AO入学試験) | 1600字程度 |
| 明治大学 | 文学部(自己推薦特別入試) | 自筆で2,000字以内 |
| 上智大学 | 推薦入学試験(公募制) | 大学所定用紙・A4サイズ1枚以内 |
| 一橋大学 | 学校推薦型選抜 | 片面3枚以内(表紙のみ所定様式) |
| 筑波大学 | AC入試 | 本文はA4で様式・枚数とも自由。所定の活動経過報告書に要約(400字以内)の欄がある |
字数ではなく枚数で指定される場合
上智大学の推薦入学試験(公募制)はA4サイズ1枚以内、一橋大学の学校推薦型選抜は片面3枚以内のように、紙の枚数で指定する大学もあります。筑波大学のAC入試は、本文はA4で様式・枚数とも自由で、所定の活動経過報告書に要約(400字以内)の欄があります。枚数の指定では、上限の枚数に近い分量まで書くことを目安にします。筑波大学のように枚数が自由な場合は、要約の400字に収まる中身に絞ります。
項目ごとに字数が決まっている場合
大阪大学の歯学部は指定の4項目を合計1600字以内、横浜国立大学の都市基盤学科は項目ごとに400字程度と200字程度という指定です。この形では、5つの要素を一つの文章に並べるのではなく、項目ごとに答えます。5つの要素は、各項目の中で順番を決める時に使います。
手書きか入力かも大学によって違います。手書きの指定では、清書の時間も見込みます。
字数別の自己推薦書の例文(400字・600字・800字・1,200字)
同じ5つの要素でも、字数が変わると、それぞれの要素に書ける量が変わります。字数別に4本の例文を並べ、例文ごとに要素の字数を表にしました。どの字数でも、課題と行動に最も多くの字数を使っています。
400字の例文(教育学部)
例文|部活動(弓道部)・教育学部・400字以内の指定(347字)
私の強みは、相手がつまずいている所を見つけ、段階に分けて教える力です。弓道部で2年の春から、入部したばかりの1年生10人の指導係を務めました。的前に立って1か月たっても、半数の5人は矢が的まで届きませんでした。私は一人ずつの射形を横から見て、足の開き、弓の握り、引き方の3つの段階のどこでつまずいているかを記録しました。そのうえで、全員に同じ注意をするのをやめ、一人に一つずつ課題を伝えるようにしました。夏休みの終わりには、10人全員の矢が的に届くようになりました。教える側がつまずきを分けて見ると、一人ひとりに届く言葉が変わると学びました。貴学の教育学部では、子どもが理解していく過程を学ぶ科目と、学校での実習があります。この力を、子どもに合わせた授業づくりの学びに活かしたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 教える力を一つに絞る | 35字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 役割と人数を1文で | 36字 | 部活動の名前と役割 |
| 課題と行動 | 記録して、伝え方を変えた | 131字 | 自分が気づいた問題と、変えたやり方 |
| 結果と学び | 変化と気づきを2文で | 69字 | 起きた変化(数字があれば入れる) |
| 大学での活かし方 | 学部の学びにつなぐ | 76字 | 要項や公式サイトで確かめた科目・実習 |
400字では、経験の説明を1文に抑え、課題と行動に字数を回します。
600字の例文(経営学部)
例文|アルバイト(スーパーの品出し)・経営学部・600字以内の指定(520字)
私の強みは、現場で気づいた無駄を、周りの人と相談しながら仕組みに変える力です。高校2年の夏から、近所のスーパーで週3日、夕方の品出しのアルバイトをしています。夕方は仕事帰りの買い物客が多く、売り場はいつも混み合います。
働き始めて気づいたのは、品出しの途中で、売り場と倉庫を何度も往復していることでした。同じ時間帯の3人に聞くと、台車に商品を積む順番は人によってばらばらでした。私は1週間、往復の回数と、品出しにかかった時間をメモに取りました。そのメモを店長に見せ、売り場の棚の並び順に台車へ積む方法を提案しました。長く働く方からは、慣れたやり方を変えたくないという声もありました。そこで、まず自分の担当の通路だけで2週間試し、かかった時間を比べた表を休憩室に貼りました。
その後、夕方の全員が同じ積み方を使うようになり、品出しは閉店の前に終わるようになりました。良い方法でも、人に使ってもらうには、小さく試して結果を見せることが大切だと学びました。
貴学の経営学部では、店や会社の業務の改善を、データをもとに考える科目があります。アルバイトで身につけた、現場の声を聞いて試す力を活かし、働く人が無理なく続けられる仕組みを学びたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で言い切る | 39字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | いつ・どこで・何を | 70字 | アルバイト先と仕事の内容 |
| 課題と行動 | 記録、提案、小さく試す | 226字 | 気づいた無駄と、確かめ方 |
| 結果と学び | 周りの変化と学び | 88字 | 周りの人がどう変わったか |
| 大学での活かし方 | 強みと学びたい内容 | 97字 | 学部で学べることと、学びたい対象 |
反対の声にどう対応したかが、課題と行動の中心です。アルバイトでは、自分で気づいて変えたことを書きます。
800字の例文(理工学部)
例文|探究・課題研究(通学路の暑さ)・理工学部・800字以内の指定(703字)
私の強みは、予想と違う結果が出た時に、その理由を考えて問いを立て直し、もう一度確かめる力です。この力は、高校2年の課題研究で身につけました。課題研究では、4人の班で、夏の通学路の暑さを調べました。きっかけは、自転車で通学する友人が、朝のうちに体調を崩したことです。
私たちは、日なたと日陰で気温に大きな差があると予想しました。そこで、通学路の5か所に温度計を置いて、7月の2週間、朝と夕方に記録しました。ところが、5か所の気温の差は、予想よりずっと小さいものでした。班の中では、テーマを変えようという意見も出ました。私は、測っていたのが空気の温度だけだったことに気づきました。体が感じる暑さは、地面からの照り返しにも左右されるのではないかと考えたのです。理科の先生に相談して、地面の表面の温度を測る温度計を借り、アスファルト、土、芝生の3種類の地面で測り直しました。測る時刻と高さをそろえ、毎回同じ手順で記録できるように、班の記録表も作り直しました。
測り直すと、気温の差は小さくても、地面の表面の温度は、アスファルトと芝生で大きく違っていました。結果を校内の発表会で報告し、芝生や土の道を選べる通学路の地図を作って、自転車で通う生徒に配りました。予想と違う結果は失敗ではなく、何を測っていなかったかを教えてくれるものだと学びました。
貴学の理工学部では、1年次から実験の科目があり、測定の方法と誤差の扱いを学べます。私は、課題研究で身につけた問いを立て直す力を、実験の結果を読み解く場面で活かしたいと考えています。そのうえで、町の暑さを和らげる舗装や建物の材料を学び、暑さに強い町づくりに関わることが目標です。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みと、身につけた場面 | 70字 | 自分の強みと、その場面 |
| 経験 | 研究のテーマときっかけ | 62字 | 研究のテーマときっかけ |
| 課題と行動 | 予想、外れた結果、測り直し | 292字 | 予想と方法、違った点と測り直した方法 |
| 結果と学び | 分かったことと学び | 141字 | 分かったこと、その後の行動 |
| 大学での活かし方 | 学部の学びと目標 | 138字 | 学部の科目と、関わりたい分野 |
800字では、課題と行動に「予想が外れた」「考え直した」「変えた」の3つを入れられます。
1,200字の例文(看護学部)
例文|委員会(保健委員会)・看護学部・1,200字以内の指定(1,050字)
私の強みは、相手の生活に合わせて、無理なく続けられる方法を一緒に考える力です。この力は、高校2年で保健委員長を務め、生徒の睡眠の問題に取り組んだ経験の中で身につけました。保健委員会の主な仕事は、保健室の利用の記録を整理することと、月に1回、保健だよりを作ることです。委員は各クラスから1人ずつ出ていて、記事も委員が分担して書いています。私は委員長として、毎月の話し合いの進行を担当しました。それまでの保健だよりは、睡眠や食事の大切さを説明する記事が中心でした。委員が各クラスで感想を聞くと、書いてあることは知っているという声がほとんどでした。
高校2年の春、利用の記録を整理していると、1時間目に頭痛やだるさで保健室に来る生徒が多いことに気づきました。養護の先生に伺うと、寝不足が関係していることが多いということでした。委員会で質問を10問に絞り、全校の生徒に睡眠のアンケートを行うと、寝る時間が遅い理由で最も多かったのは、寝る前にスマートフォンを見る時間の長さでした。私は、早く寝ましょうと呼びかけるだけでは、生活は変わらないと考えました。そこで、各クラスの委員と一緒に、使うのをやめる時刻を自分で決めて1週間記録する取り組みを提案しました。取り組みは、参加したい生徒だけが参加する形にしました。記録の表は、細かく書くと続かないので、守れた日に丸を付けるだけの形にしました。途中で続かなくなった生徒には、委員が理由を聞き、やめる時刻を少し遅らせるなど、無理のない目標に直してもらいました。
取り組みの後に同じアンケートを行うと、寝る時間が早くなったと答えた生徒が、参加者の半数ほどいました。養護の先生からも、1時間目の利用が減ったと聞きました。参加しなかった生徒からも、次は参加したいという声が届きました。この経験から、正しい知識を伝えるだけでは、人の生活は変わらないと学びました。相手の話を聞き、生活の中で続けられる形を一緒に探すことが、支える側の役割だと考えるようになりました。
貴学の看護学部では、人々の健康を支える看護を、病院と地域の両方の実習で学べます。私は、病気を防ぎ、健康な生活を続けられるように支える看護に関心があります。保健委員会で身につけた、相手の生活に合わせて考える力を、患者さんや地域の人の話を聞く場面で活かしたいと考えています。地域の健康づくりの活動にも、実習を通して関わりたいと考えています。そのうえで、生活の習慣を変える支援の方法を、看護の知識として学びたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みと、身につけた場面 | 85字 | 自分の強みと、委員会での役割 |
| 経験 | 委員会の仕事と、それまでの活動 | 186字 | 委員会の仕事と、自分の役職 |
| 課題と行動 | 記録で気づき、続く形にする | 373字 | 気づいた問題と、続けられるようにした工夫 |
| 結果と学び | 変化と、考えが変わったこと | 196字 | 周りの変化と、自分の考えの変化 |
| 大学での活かし方 | 関心のある看護と、活かす場面 | 210字 | 学部の実習と、関心のある看護の分野 |
1,200字では、経験を増やさず、一つの経験の中で「気づく」「確かめる」「続く形にする」と段階を重ねます。
字数別の例文 5要素の字数のまとめ
4本の例文の、要素ごとの字数を並べました。字数が増えた分は、主に課題と行動に回しています。
| 要素 | 400字の例文 | 600字の例文 | 800字の例文 | 1,200字の例文 |
|---|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 35字 | 39字 | 70字 | 85字 |
| 経験 | 36字 | 70字 | 62字 | 186字 |
| 課題と行動 | 131字 | 226字 | 292字 | 373字 |
| 結果と学び | 69字 | 88字 | 141字 | 196字 |
| 大学での活かし方 | 76字 | 97字 | 138字 | 210字 |
| 合計 | 347字 | 520字 | 703字 | 1,050字 |
題材別の自己推薦書の例文
自己推薦書に書く経験は、大会の成績や役職でなくてもかまいません。親記事でも、評価されるのは実績の大きさではなく、経験から何を考え、どう行動したかだと説明しています。題材を選ぶ時は、次の点を確かめます。
この記事の例文を、7つの題材ごとに整理しました。
| 題材 | この記事の例文 | 書く時に意識すること |
|---|---|---|
| 部活動 | 弓道部(400字)、化学部(400字) | 成績より、自分が変えたこと |
| 生徒会・委員会 | 保健委員会(1,200字)、校則の見直し(600字) | 役職より、自分が確かめて動いたこと |
| 探究・課題研究 | 通学路の暑さ(800字) | 予想が外れた時に、どう考え直したか |
| ボランティア・地域活動 | 町内会の防災訓練(600字)、学習支援教室(400字) | 気づいた問題と自分の行動 |
| 習い事・資格 | 書道(400字)、ITパスポート試験(400字) | つまずいた時の工夫、知識の使い方 |
| アルバイト | スーパーの品出し(600字) | 自分で気づいて変えたこと |
| 家庭の事情 | 家業の手伝い(400字) | どこまで書くかを家族と相談する |
生徒会(校則の見直し)の例文(法学部)
例文|生徒会(校則の見直し)・法学部・600字以内の指定(534字)
私の強みは、決まりの目的に立ち返り、立場の違う人と話し合って決まりを作り直す力です。高校2年で生徒会の副会長になり、生徒から要望の多かった、校内でのスマートフォンの使い方の決まりの見直しを担当しました。私の高校では、校内での使用が一日中禁止されていました。
生徒への調査では、昼休みの使用を認めてほしいという声が多く集まりました。一方、先生方からは、授業への影響を心配する声が上がりました。私は、賛成と反対を比べる前に、この決まりが何のために作られたのかを確かめることにしました。生活指導の先生に話を伺うと、きっかけは授業中の使用と、写真の無断の投稿だと分かりました。そこで生徒会で、使ってよい時間と場所を限り、校内での撮影は禁止する案を作りました。案は生徒総会で説明し、生活指導の先生を通じて職員会議にも出してもらい、出た意見をもとに2回直しました。
翌年度から、昼休みに限って、教室での使用が認められるようになりました。決まりは、目的を共有すれば、反対する人とも一緒に作り直せると学びました。
貴学の法学部では、法律がどんな目的で作られ、どう解釈されてきたかを学べます。生徒会で身につけた、決まりの目的から考える力を、ゼミでの判例の検討や議論に活かしたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 42字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 役職と担当した課題 | 86字 | 役職と取り組んだ課題 |
| 課題と行動 | 目的を確かめてから案を作る | 247字 | 対立した意見と、自分が確かめたこと |
| 結果と学び | 変わったことと学び | 71字 | 決まった内容 |
| 大学での活かし方 | 法学の学びにつなぐ | 88字 | 学部の学びの内容 |
役職の名前より、自分が何を確かめ、どう動いたかを書きます。
ボランティア・地域活動(町内会の防災訓練)の例文(社会福祉学部)
例文|ボランティア・地域活動(町内会の防災訓練)・社会福祉学部・600字以内の指定(518字)
私の強みは、その場に来られない人の事情に目を向け、参加できる形を考える力です。高校1年から、住んでいる地区の町内会の防災訓練に、高校生のボランティアとして参加しています。役割は、受付で参加者の名簿をつくり、避難所までの道を案内することでした。
2年目の訓練の前に、町内会長から、一人で暮らす高齢の方の参加が少ないと聞きました。災害の時に助けが要るのは、この方たちです。町内会長に相談し、民生委員の方と一緒に、参加していない方の家を訪ねて話を伺いました。すると、避難所まで歩くのが不安だという声と、長く立っていられないという声がありました。そこで翌年の訓練では、集合場所を各班の近くの公園に分け、避難所には椅子を並べて座って話を聞ける形にしました。歩くのが不安な方には、高校生が付き添う班もつくりました。
翌年の訓練には、前の年に来られなかった方が何人も参加しました。参加しない人には参加しない理由があり、それを聞くことから支えが始まると学びました。
貴学の社会福祉学部では、地域で暮らす高齢者を支える仕組みと、住民どうしをつなぐ方法を学べます。訓練で身につけた力を活かし、災害の時に取り残される人をなくす地域の支え方を学びたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 39字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 活動と自分の役割 | 82字 | 活動の名前と自分の役割 |
| 課題と行動 | 聞いた課題を、訪ねて確かめる | 229字 | 聞いた課題と、話を聞きに行った相手 |
| 結果と学び | 変化と学び | 72字 | 活動の変化 |
| 大学での活かし方 | 学部の学びにつなぐ | 96字 | 学部で学べることと、関心のある課題 |
ボランティアは、気づいた問題と自分から動いたことを、課題と行動に書きます。
習い事(書道)の例文(文学部)
例文|習い事(書道)・文学部・400字以内の指定(358字)
私の強みは、手本と自分の違いに気づくまで、繰り返し比べて確かめる力です。6歳から書道教室に通い、高校では古典の名筆を手本どおりに写す臨書に取り組んでいます。高校1年の時、先生から、形は似ているが筆の流れが違うと言われ、どこが違うのか分かりませんでした。私は、手本と自分の字を同じ大きさで写真に撮って並べ、線の太さが変わる位置に印を付けて比べました。すると、手本の書き手は、次の字へ移る前に筆を浮かせていると気づきました。その書き方をまねると、作品の流れが自然になり、先生からも筆の流れが良くなったと言われました。比べて違いを見つけると、昔の書き手の考えまで見えてくると学びました。貴学の文学部には、古典の写本を読み比べる演習があります。この力を活かし、写本の違いから、書き写した人の考えを読み解きたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 36字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 習い事と続けた年数 | 42字 | 習い事の名前と期間 |
| 課題と行動 | 比べ方を工夫して気づく | 132字 | 言われたことと、自分の工夫 |
| 結果と学び | 変化と学び | 80字 | 作品や成績の変化 |
| 大学での活かし方 | 演習とつなぐ | 68字 | 学部の演習や研究の内容 |
習い事は、続けた年数より、つまずいた時の工夫を書きます。
資格(ITパスポート試験)の例文(情報学部)
例文|資格(ITパスポート試験)・情報学部・400字以内の指定(356字)
私の強みは、学んだ知識を、周りの人が使える形に置き換えて伝える力です。高校2年の春、情報の授業をきっかけにITパスポート試験の勉強を始め、秋に合格しました。情報セキュリティを学んだ後、クラスで聞いてみると、半数近くが、学校の端末で同じパスワードを使い回していると答えました。私は情報科の先生に相談し、パスワードの決め方と、だましのメールの見分け方を1枚にまとめました。ホームルームで5分の時間をもらい、実際の画面を見せながら説明しました。説明の後、パスワードを変えたというクラスメイトが何人もいました。知識は、相手が使える形にして初めて役に立つと学びました。貴学の情報学部では、情報セキュリティと、人が使いやすい仕組みの設計を学べます。この力を活かし、誰もが安全に使える仕組みづくりに取り組みたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 35字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 資格ときっかけ | 43字 | 資格の名前と取った時期 |
| 課題と行動 | 学んだことを周りに広げる | 141字 | 資格の勉強で気づいたことと、行動 |
| 結果と学び | 周りの変化と学び | 60字 | 周りの反応 |
| 大学での活かし方 | 学部の学びにつなぐ | 77字 | 学部で学べる分野 |
資格は、合格だけでなく、知識をどう使ったかまで書きます。
学部別の自己推薦書の例文
同じ強みでも、大学での活かし方の要素は、学部によって書く内容が変わります。学部系統ごとに、強みと結びつけやすい学びと、この記事の例文を整理しました。
| 学部系統 | 強みと結びつけやすいこと | この記事の例文 | 学部別の記事 |
|---|---|---|---|
| 法・経済 | 決まりの目的、数字の動きと理由 | 校則の見直し(法学部)、家業の手伝い(経済学部) | 法学部・経済学部 |
| 経営 | 現場の課題を、仕組みで解決すること | スーパーの品出し | ― |
| 教育 | 人に教える・人の理解を支える経験 | 弓道部の後輩指導 | 教育学部 |
| 文学・国際 | 読み比べる力、言葉や文化の違いへの向き合い方 | 書道(文学部)、学習支援教室(国際教養学部) | 文学部・国際系学部 |
| 理工 | 確かめる・仕組みを考える経験 | 通学路の暑さ(理工学部)、ITパスポート試験(情報学部) | 理工学部 |
| 看護・医療 | 相手の生活への目配り、正確さと記録 | 保健委員会(看護学部)、化学部(薬学部) | 看護学部・医学部・医療系 |
| 福祉 | 来られない人の事情への目配り | 町内会の防災訓練(社会福祉学部) | ― |
大学での活かし方の要素では、「貴学の〇〇学部では、…を学べます」と書いた後に、自分の強みをどの場面で使うかを書きます。学べる内容は、要項のアドミッション・ポリシーや公式サイトで確かめます。ここでは、国際教養学部・薬学部・経済学部の例文を載せます。
ボランティア(学習支援教室)の例文(国際教養学部)
例文|ボランティア(学習支援教室)・国際教養学部・400字以内の指定(351字)
私の強みは、言葉が通じにくい相手にも、伝わる方法を工夫して届ける力です。高校2年から週に1回、市の国際交流協会の教室で、外国につながる小学生の宿題を手伝っています。算数の文章題で手が止まる子が多く、話を聞くと、計算ではなく問題文の日本語でつまずいていました。私は、問題文を短い文に区切り、図を添えて読む練習を提案しました。教室の大学生のスタッフと相談し、「合わせて」「残りは」などのよく出る言葉を、絵で示したカードも作りました。半年ほどで、辞書を引きながら自分で問題文を読める子が増えました。伝わらない時は、相手ではなく伝え方を変えればよいと学びました。貴学の国際教養学部では、言語の教育と多文化の共生を学べます。この力を活かし、外国につながる子どもが学びやすい教材と教え方を研究したいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 36字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 活動の場と内容 | 46字 | 活動の場所と内容 |
| 課題と行動 | つまずきの原因を探る | 132字 | 相手のつまずきと、自分の工夫 |
| 結果と学び | 変化と学び | 63字 | 相手の変化 |
| 大学での活かし方 | 学部の学びにつなぐ | 74字 | 学部で学べる分野 |
国際系では、言葉や文化の違いがある場面で、自分がどう動いたかを書きます。
部活動(化学部)の例文(薬学部)
例文|部活動(化学部)・薬学部・400字以内の指定(359字)
私の強みは、決めた手順を守り、記録を残して結果を確かめる正確さです。高校2年の化学部で、身近な飲み物に含まれるビタミンCの量を調べる実験に取り組みました。同じ飲み物を測っても、部員によって結果が大きくずれる問題が起きました。私は各自の実験ノートを並べ、試薬を加える速さと、色の変わり目の見方が人によって違うことに気づきました。そこで、手順を一つずつ書いた表を作り、色の変わり目は写真の見本と比べて決めるようにしました。その後は、部員の測った値のずれが小さくなり、文化祭で結果を発表できました。正しい結果は、手順をそろえて初めて得られると学びました。貴学の薬学部では、薬の成分を正確に分析する方法を実習で学べます。化学部で身につけた正確さを、実習と研究の場面で活かし、薬を安全に届けるための学びを深めたいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 34字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 実験のテーマ | 43字 | 部活動と取り組んだテーマ |
| 課題と行動 | ずれの原因を見つける | 132字 | 起きた問題と、原因の確かめ方 |
| 結果と学び | 変化と学び | 65字 | 結果の変化 |
| 大学での活かし方 | 実習とつなぐ | 85字 | 学部の実習の内容 |
医療系では、正確さや記録の習慣も、学部の学びにつながる強みです。
家庭の事情(家業の手伝い)の例文(経済学部)
例文|家庭の事情(家業の手伝い)・経済学部・400字以内の指定(352字)
私の強みは、数字の小さな動きに気づき、その理由を自分で確かめる力です。祖父母が営む町の青果店で、中学生の頃から週末の店番と、売上の記録を手伝っています。高校1年の冬、帳簿をつけていて、平日の夕方の売上が前の年より減っていると気づきました。来店するお客さんの年代と時間帯を2か月記録しました。記録を前の年の帳簿と時間帯ごとに比べると、近くに大型店ができてから、仕事帰りの客が減っていました。私は祖父母と相談し、地元の料理店への配達を増やす案を出しました。配達の注文は少しずつ増え、平日の売上も戻り始めています。数字の変化の裏には、町の暮らしの変化があると学びました。貴学の経済学部では、地域経済と統計の方法を学べます。この力を活かし、人口が減る町で商店が続く条件を、データを使って研究したいと考えています。
骨組みと差し替え箇所
| 要素 | この例文では | 字数 | 差し替える所 |
|---|---|---|---|
| 強み(結論) | 強みを1文で | 35字 | 自分の強みの一言 |
| 経験 | 家での役割 | 41字 | 家業と自分の役割 |
| 課題と行動 | 記録で理由を確かめる | 150字 | 気づいた変化と、確かめた方法 |
| 結果と学び | 変化と学び | 56字 | その後の変化 |
| 大学での活かし方 | 学部の学びにつなぐ | 70字 | 学部で学べる分野 |
家業の手伝いも、自分で確かめたことがあれば強みを示せます。数字は家族に確かめて書きます。
例文を自分の自己推薦書にする手順と差し替え箇所
例文を読んだら、5つの要素の順番と分量だけを借りて、中身は自分の材料で書きます。次の手順で進めると、例文の言い回しに引きずられずに書けます。
差し替える所の対応表
例文のどこを、自分の何に置き換えるかをまとめました。置き換えた後に、強みと大学での活かし方が一本の筋でつながっているかを確かめます。
| 要素 | 例文の書き方 | 自分の材料の探し方 |
|---|---|---|
| 強み(結論) | 「私の強みは、〜する力です。」の1文 | 経験の中で何度も出てくる自分の行動を、一言にまとめる |
| 経験 | いつ、どこで、どんな役割かを1〜3文 | 時期と役割を確かめる。数字は記録や証明書類で確かめる |
| 課題と行動 | 困ったこと、自分で確かめたこと、変えたこと | 当時のメモや写真を見返し、自分の判断で動いた場面を選ぶ |
| 結果と学び | 周りの変化と、自分の考えの変化 | 結果は大きく言わず、起きたことだけを書く |
| 大学での活かし方 | 「貴学の〇〇学部では…を学べます」と強みの使い方 | アドミッション・ポリシー、公式サイト、要項で確かめた内容に置き換える |
語尾と文体をそろえる
この記事の例文は、すべて「です・ます」で書いています。大学から文体の指定があれば、それに従います。語尾が同じ形で続く時の直し方や、「思います」を減らす書き方は、親記事の自己推薦書の書き方の「語尾と文体の整え方」で説明しています。
書いた後は、面接で話せるかを確かめる
自己推薦書は、面接や発表の材料にもなります。東京農業大学の総合型選抜 全学部は、自己推薦書などの書類審査の後に口頭試問があります。大正大学の総合型選抜 Ⅲ期 併願には、自己推薦書に基づくプレゼンテーション(一人5分程度)があります。例文から借りた言葉で書いた部分は、質問されると説明できません。面接の準備は総合型選抜の面接、活動の記録との書き分けは活動報告書の書き方、入試の全体像は総合型選抜とはで説明しています。
よくある質問
- Q. 自己推薦書の例文を、そのまま使ってもいいですか?
- A. 使えません。この記事の例文は、構成と字数の配分を示すための創作です。横浜国立大学の教育学部の要項は、自己推薦書に指導者や生成AIが作成した文章を一部でも使うことを禁じています。例文は骨組みと分量の参考にとどめ、経験と言葉は自分のものに置き換えます。
- Q. 自己推薦書は何文字で書けばいいですか?
- A. 大学の指定が最優先です。このサイトの大学別の記事では、1本の文章として300字以内から2,000字以内までの指定があり、A4で1枚以内や片面3枚以内のように枚数で指定する大学もあります。指定がある場合は上限の8割から9割、指定がない場合は800字から1,200字が目安です。
- Q. 指定の字数が例文と違う時は、どうすればいいですか?
- A. 字数が近い例文を選び、要素ごとの字数の表を参考に配分を決めます。字数を増やす時は経験を増やさず、課題と行動の中で、考え直したことや変えたことを書き足します。字数を減らす時は、経験の説明を短くし、強みと課題と行動の中心を残します。
- Q. 目立つ実績がなくても、例文のような自己推薦書は書けますか?
- A. 書けます。この記事の例文には、アルバイト、家の手伝い、町内会の活動など、身近な経験を題材にしたものが多くあります。大切なのは、その経験の中で困ったことに対して、自分で考えて動いたことです。
- Q. 自己推薦書と志望理由書で、同じ経験を使ってもいいですか?
- A. 両方を出す場合は、同じ経験を同じ書き方で繰り返さないようにします。自己推薦書では経験の中の課題と行動を中心に人物像を示し、志望理由書では経験をきっかけとして短く使い、学びたいことに字数を回します。
- Q. 自己推薦書の語尾は「です・ます」で書くべきですか?
- A. この記事の例文は、すべて「です・ます」で書いています。大学から文体の指定があればそれに従い、指定がなければ、一つの文章の中で語尾をそろえます。語尾の整え方は、親記事の自己推薦書の書き方で説明しています。
まとめ
自己推薦書の例文は、5つの要素の順番と字数の配分をつかむために読みます。この記事では、字数別に4本、題材別に4本、学部系統別に3本、合わせて11本を載せました。どの例文も、課題と行動に最も多くの字数を使い、強みと大学での活かし方を一本の筋にしています。字数は大学の指定が最優先です。経験と言葉は自分のものに置き換えて書いてください。
東京修学館では、自己推薦書の題材選びから構成づくりまでのご相談を、無料相談でお受けしています。構成の考え方や書き出し、語尾の整え方は、親記事の自己推薦書の書き方もあわせてご覧ください。
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