総合型選抜の塾は行くべきか|独学との違い・必要な人と選び方【学長監修】

総合型選抜の塾は行くべきか 受験の知識

最終更新: 2026-10-04 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)、消費者庁「特定商取引法ガイド」(特定継続的役務提供)、国民生活センター「クーリング・オフ」、大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」、各大学の2027年度入試の募集要項(大学別の記事に出典を記載)

総合型選抜の対策で塾に通うべきか、独学でも受かるのかは、志望校と、身近に相談できる人がいるかで変わります。この記事では、文部科学省の実施要項で大学が見ている点を確かめたうえで、塾を使わずにできること、一人では難しくなりやすいこと、塾が助けになる人・なくても進められる人を整理します。塾でやること、選ぶ時と契約の前に確かめること、通い始める時期と費用の考え方もまとめました。

総合型選抜の塾は行くべきか(結論)

総合型選抜の塾は行くべきか 要点
塾に通うこと
必須ではない
評価されるのは調査書・本人の書類・面接・学力の評価
大学が見るもの
書類・面接・学力
文部科学省の実施要項の定め
一人で難しい所
読み手と練習相手
書類を読む人、面接の質問役
学習塾の契約
8日以内
書面を受け取った日から。クーリング・オフ
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、消費者庁「特定商取引法ガイド」(特定継続的役務提供)

総合型選抜の対策に、塾は必須ではありません。実施要項は、総合型選抜で、高校が作る調査書を活用したうえで、本人が書く資料、面接、学力の評価を使うよう大学に求めています。どれも受験生本人を見るもので、塾に通ったかどうかは評価の材料に挙げられていません。

一方で、総合型選抜の準備には、一人では進めにくい部分があります。書類を読んで意見をくれる人、面接の練習相手、大学ごとの要項の読み比べ、出願の日程の管理です。これらを学校の先生や家族で補えるなら、塾がなくても準備は進められます。補えない部分がある人には、塾が助けになります。

あなたの状況考え方
学校の先生が書類を読み、面接の練習相手もしてくれる塾がなくても進めやすい。足りない所だけ外の助けを考える
志望理由書を読んでくれる人が身近にいない書類の読み手を確保することが課題。塾は確保する方法の一つ
面接や口頭試問の練習相手がいないまず学校で頼めるかを確かめる。難しければ外の助けを考える
複数の大学・方式に出願し、日程が重なる日程表を自分で作れるか。難しければ管理を手伝う人がいると安心
高3の夏から準備を始める残りの日数で何ができるかを先に整理する。塾は不足を補う手段の一つ

以下、大学が見ているもの、一人でできること・難しいこと、塾の選び方と契約の決まりの順に説明します。制度の全体像は総合型選抜とは、向き不向きは総合型選抜のメリット・デメリットにまとめています。

総合型選抜で大学が見ているもの(文部科学省の実施要項)

総合型選抜のルールは、文部科学省が年度ごとに出す「大学入学者選抜実施要項」に書かれています。2027年度入試(2027年4月入学)の実施要項は、総合型選抜を次のように定めています。

実施要項の定義(第3の1(2))

(一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、)詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。

そのうえで、大学に次のことを求めています。

総合型選抜で大学が評価に使うもの(実施要項の定め)
実施要項の定め内容準備で大切なこと
本人が書く資料を評価に使う活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書など自分の経験と考えを、自分の言葉で書く
面接による評価を行う(2026年度入試ですでに実施されていた選抜区分で導入が難しいものは、遅くとも2029年度入試までに導入)志望する学問分野への意欲や適性をみる。口頭試問、プレゼンテーション、集団討論なども含む書いた内容を、質問に答えながら説明できるようにする
学力を評価する教科の試験、共通テスト、小論文・面接・口頭試問など、資格・検定試験のうち少なくとも一つを使う課される評価方法を募集要項で確かめて練習する
本人が書く資料を積極的に活用する書類の内容について、プレゼンテーションなどで本人が説明する書類と面接を別々に準備しない
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第3の1(2)、第6の5(3)

評価の対象は、調査書と、本人が書いた書類、面接や小論文での本人の受け答えです。塾にできるのは、その準備を手伝うことです。

評価の基準は、各大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)です。実施要項は、入試方法などの基本的な事項を、2027年度入試では2026年5月27日から7月31日までに発表するよう大学に求めています(第7の1)。書類や学力をどう評価するかも、募集要項に書かれます(第10の1)。塾に通うかを決める前に、まず志望校の募集要項を読んでください。

塾を使わずに準備できること

次のことは、公開されている資料と学校の力を借りて、自分で進められます。

準備一人でできる進め方使える資料
志望校と方式を選ぶ出願資格、専願か併願可か、選考方法、日程を表にまとめる大学の募集要項、入試のページ
大学を調べる授業、ゼミ、実習の内容を調べ、オープンキャンパスで話を聞く大学案内、大学説明会、シラバス
書類の材料を集める活動の日付、役割、工夫したことを記録する自分の記録、成果物、証明書
志望理由書の下書き経験、その大学で学びたいこと、将来を一本につなげて書く志望理由書の書き方
小論文の練習過去の出題を調べ、時間を計って書く大学が公表している出題
評定を保つ定期テストと提出物を落とさない学校の成績

実施要項は、大学案内や大学説明会などで、アドミッション・ポリシー、教育研究の内容、過去の志願者数・合格者数などの情報の提供に努めるよう大学に求めています(第13の3(2))。小論文のテーマや口頭試問の内容も、積極的に公表することが望ましいとしています(第13の3(1))。公表の範囲は大学ごとに違うので、志望校の大学案内と募集要項で確かめます。

書類ごとの書き方は、自己推薦書の書き方、活動報告書の書き方、小論文の書き方で説明しています。

学校の先生に頼めること

学校の先生は、総合型選抜の準備で身近な相談相手です。頼めることや対応の範囲は高校によって違うので、志望校が固まる前に相談してください。

相手頼めることの例頼む時のポイント
担任の先生進路の相談、調査書の発行、推薦書が必要な場合の最初の相談志望校と方式を早めに伝える
進路指導の先生入試の資料、校内の手続きの確認校内の締切を先に聞いておく
国語や小論文を担当する先生志望理由書や小論文を読んでもらう下書きと募集要項をそろえて渡す
部活動の顧問・探究活動の先生活動の振り返り、面接の質問役活動の記録を一覧にして渡す

締切の直前ではなく、余裕を持って頼みます。推薦書の頼み方は推薦書の依頼方法で説明しています。家族や、志望分野に近い仕事をしている大人に読んでもらうのも一つの方法です。

一人では難しくなりやすいこと

独学で進めにくいのは、知識の量よりも、外からの目が要る作業です。次の4つは、一人では進めにくいところです。

書類を第三者に読んでもらう

志望理由書は、書いた本人には分かりやすく見えます。経験の背景を知っているので、説明が足りない所に気づきにくいためです。初めて読む人に意味が通じるかは、他の人に読んでもらわないと分かりません。

総合型選抜の書類を人に読んでもらいながら仕上げる流れ
1
書く
完成度より先に、最後まで書き切る
2
読んでもらう
初めて読む人に、分かりにくい所を聞く
3
質問に答える
口で説明したことが、書き足すべき所になる
4
自分で書き直す
人の言い回しを借りず、自分の言葉で直す
5
声に出して説明する
面接で聞かれても話せるかを確かめる

読んでもらう相手は、ほめるだけでなく、分かりにくい所を指摘してくれる人が向いています。ただし、直すのは本人です。文章を書き換えてもらうと、面接で自分の言葉として話せなくなります。

面接や口頭試問の練習相手

面接では、答えた内容をさらに掘り下げて聞かれます。一人で答えを考えるだけでは、追加の質問に答える練習ができません。志望分野の知識を問う口頭試問が課される方式もあります。先生や家族に質問役を頼み、録画して見直すと、話し方の癖にも気づけます。くわしくは総合型選抜の面接対策と口頭試問の対策で説明しています。

大学ごとの要項の読み比べ

総合型選抜は、大学・学部・方式ごとに、書類の種類と字数、自筆かどうか、選考方法が違います。2027年度入試の例でも、志望理由書などの字数には大きな差があります。

総合型選抜 志望理由書などの字数の上限(2027年度入試の例)
慶應義塾大学 法学部FIT入試
800字
青山学院大学 史学科
1,200字
青山学院大学 地球社会共生学部
1,600字
慶應義塾大学 理工学部
2,000字
関西大学 社会学部(心理学専攻を除く)
2,000字
各大学の2027年度入試の要項による(大学別の記事に出典を記載)。いずれも「以内」の字数。青山学院大学は志望動機・理由書、関西大学は入学志望理由書

慶應義塾大学の法学部FIT入試は志望理由書が800字以内で自筆、理工学部は2000字以内で自筆です。青山学院大学の史学科は志望動機・理由書が1200字以内で、これとは別に2000字以内の入学者選抜課題を出します。地球社会共生学部の志望動機・理由書は1600字以内です。関西大学の社会学部は、自筆の入学志望理由書が2,000字以内(心理学専攻は4,000字以内)です。

複数の大学に出願すると、こうした違いを並べて管理する必要があります。様式の取り違えや字数の見落としは、大学ごとの条件を1枚の表に書き出せば防げます。

出願の日程の管理

2027年度入試の総合型選抜は、出願が2026年9月1日以降、合格発表が11月1日以降と決まっています(実施要項 第4の4)。学校推薦型選抜の出願は11月1日以降です(第4の5)。ただ、Webでの出願登録が8月に始まる大学があり、共通テストの出願も同じ時期に重なります。

2027年度入試の例では、慶應義塾大学の法学部FIT入試は、Web出願の登録が8月3日から、書類の郵送が9月1日〜3日、最終合格発表が11月2日です。筑波大学のAC入試は、インターネット出願登録が8月6日から、書類の提出が9月1日〜3日、第1次選考の結果発表が10月1日、合格者発表が11月2日です。同志社大学のAO入試は、出願情報登録が8月25日から、書類の受付が9月1日〜7日です。共通テストの出願内容の登録は9月15日〜10月2日です。

総合型選抜の出願と共通テスト出願の重なり(2027年度入試の例)
出願・書類の期間選考日・発表日
8月9月10月11月
慶應義塾大学 法学部FIT入試
出願・書類の期間 9月1日〜9月3日/Web出願の登録の開始 8月3日/最終合格発表 11月2日
筑波大学 AC入試
出願・書類の期間 9月1日〜9月3日/出願登録の開始 8月6日/第1次選考の結果発表 10月1日/合格者発表 11月2日
同志社大学 AO入試
出願・書類の期間 9月1日〜9月7日/出願情報登録の開始 8月25日
大学入学共通テストの出願
出願・書類の期間 9月15日〜10月2日
各大学の2027年度入試の要項、大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第4による。点は登録の開始日・発表日

併願するほど、締切と選考日が重なります。学校行事や定期テストとも重なるので、出願校が決まったら1枚の日程表にまとめます。時期ごとの進め方は総合型選抜の年間スケジュールで説明しています。

塾が助けになる人・なくても進められる人

塾が要るかどうかは、準備に足りないものがあるかどうかで考えます。観点ごとに比べると次のとおりです。

総合型選抜で塾が助けになる人・なくても進められる人
観点塾がなくても進めやすい人塾が助けになりやすい人
書類を読む人学校の先生や家族が読み、意見をくれる身近に読んでくれる人がいない
面接の練習質問役を頼める人がいる練習相手がいない。練習の回数を増やしたい
志望校の情報自分で募集要項を読み、比べられる方式が多く、何を比べればよいか分からない
計画締切から逆算して自分で進められる予定を立てても止まりやすく、進み具合を見てくれる人が欲しい
志望分野の相談同じ分野に詳しい先生や先輩が身近にいる志望分野に詳しい相談相手が身近にいない
準備の時間高2から始め、書き直す時間がある始めるのが遅く、出願までの予定を一人で組むのが難しい

大切なのは、塾に通うかどうかより、自分の準備に足りないものを知ることです。足りないのが書類の読み手だけなら、学校の先生に頼む、添削だけを受けられるサービスを探す、といった方法もあります。

総合型選抜で塾が要るかを考えるためのチェック
志望校の募集要項を読み、出願資格と選考方法を書き出した
志望理由書の下書きを、最後まで書いた
書類を読んで意見をくれる人がいる
面接の質問役を頼める人がいる
小論文を書いて、読んでもらえる人がいる
出願校の締切と選考日を、1枚の表にまとめた
一般選抜の教科の学習時間も確保できている

当てはまらない項目が、準備で補う所です。学校や家族で補えない項目が多い時は、塾を検討する目安になります。準備で失敗しやすい点は総合型選抜で落ちる人の特徴にまとめています。

総合型選抜の塾でやること(一般的な内容)

総合型選抜を対象にした塾の内容は、塾によって違います。次のような指導を行う塾があります。どこまでが料金に含まれるかは、塾ごとに確かめてください。

内容塾で行われることの例塾を使わない場合の代わり
志望校・方式の相談出願資格と選考方法を比べ、出願先を一緒に考える募集要項を表にまとめ、担任の先生に相談する
志望理由書などの書類下書きを読み、質問や指摘を返す。本人が書き直す学校の先生や家族に読んでもらう
活動の整理経験を振り返り、書類の中心にする活動を決める活動の記録を時期順に書き出す
小論文答案を読み、構成や論の運びを指摘する過去の出題で練習し、国語の先生などに読んでもらう
面接・口頭試問・プレゼンテーション模擬面接を行い、答え方を振り返る先生や家族に質問役を頼み、録画して見直す
日程の管理出願校の締切と選考日を一緒に確かめる自分で日程表を作る
教科の学習塾によっては、一般選抜や共通テストの対策もある学校の授業、一般の学習塾や予備校

指導の形(個別・集団・オンライン)

形向いている人確かめること
個別指導自分の書類や志望校に合わせて見てほしい担当者は誰か、途中で替わることがあるか
集団授業小論文の考え方などを、他の受講生と一緒に学びたい自分の書類を個別に見てもらえる時間があるか
オンライン近くに通える塾がない、移動の時間を減らしたい面接練習を画面越しで行う時の進め方

実施要項は、面接にオンラインでの実施を含めています(第3の1(2)②)。志望校の面接の形に合わせて練習できるかも、確かめる点の一つです。

総合型選抜の塾を選ぶ時に確かめること

塾を比べる時は、体験や面談の場で、次の点を具体的に聞いてください。答えが書面で確かめられると安心です。

総合型選抜の塾を選ぶ時の確認チェックリスト
書類を読み、面接の相手をするのは誰か。担当は替わらないか
志望する分野と大学の入試を理解しているか
志望理由書を代わりに書かず、本人が書き直す指導か
料金に何が含まれ、何が別料金か(添削の回数、面接練習、教材など)
合格実績は、何年度の、どの入試の、何人の合格か
中途解約と返金の決まりが書面に書かれているか
体験や面談で、実際の指導の進め方を見られるか

指導する人

書類を読み、面接の相手をする人が誰かを確かめます。説明会で話す人と、実際に書類を見る人が同じかどうかも聞いておきます。志望分野の学びを理解しているか、相談が授業時間の外でもできるか、担当が途中で替わることがあるかも聞いておきます。

志望理由書を代わりに書かないか

大学は、本人が書いた書類を求めています。2027年度入試の要項には、本人以外が書くことをはっきり認めない例があります。

大学要項の記載(2027年度入試)
京都大学 特色入試「志願者以外の者(生成AIツールを含む)により作成された文章等を利用することは認めません」
九州大学「志願者以外の者(生成系AIツールを含む)により作成したことが認められる場合や剽窃等があった場合は、不正行為とみなし、入学許可を取り消すことがあります」
青山学院大学(自己推薦)「出願者自身で考えた文章で提出してください。人工知能等での自動生成や他者による作成を禁じます」

慶應義塾大学の法学部FIT入試のように、志望理由書を自筆で書く方式もあります。完成した文章を渡す、文章を大きく書き換える、といった進め方は、こうした決まりに反するおそれがあります。質問や指摘で考えを引き出し、文章は本人が直す進め方かどうかを確かめてください。

料金の内訳

総額だけでなく、何にいくらかかるかを書面で確かめます。添削の回数に上限があるか、面接練習は何回か、出願校を増やすと追加の費用がかかるか、講習や教材は別料金かを聞いておきます。費用の項目は後の節で整理しています。

合格実績の数え方

合格実績の数字を見る時は、何を数えた数かを確かめます。実績の大きさは、あなたが合格できるかを示すものではありません。

確かめること聞き方の例
年度何年度の入試の実績ですか
入試の種類総合型選抜の合格ですか。一般選抜なども含みますか
数え方1人が複数の大学に合格した時、1人と数えますか、合格の数で数えますか
対象の生徒短期の講習だけを受けた人も含みますか
割合の分母合格した割合を示している場合、何人のうちの何人ですか

返金や解約の決まり

期間が2か月を超え、総額が5万円を超える学習塾の契約には、特定商取引法のクーリング・オフと中途解約の決まりが当てはまります。くわしくは「費用の考え方と契約の前に確かめること」の節で説明します。受験料や入学金まで含めた家庭の費用の全体像と、保護者の関わり方は総合型選抜で保護者ができることにまとめています。

総合型選抜の塾に通い始める時期

塾に通い始める時期に決まりはありません。何を外に頼りたいかで、決める時期が変わります。総合型選抜の準備の流れと、塾を考える時期の目安を並べます。

総合型選抜の準備の流れと塾を考える時期(2027年度入試の場合)
高1
定期テストと提出物で評定を保つ
評定平均は高1の最初の成績から計算に入る
高2
活動を続け、大学を調べ、足りないものを書き出す
塾を考えるなら、体験や面談で比べ始める
高3の4月〜6月
募集要項を読み、志望理由書の初稿を書く
入試方法などの基本的な事項は5月27日から7月31日までに発表される
高3の7月〜8月
書類を書き直し、小論文と面接を練習する
Webでの出願登録が8月に始まる大学がある
9月1日以降
総合型選抜の出願
大学・方式ごとに出願期間は違う
11月1日以降
総合型選抜の合格発表
学校推薦型選抜の出願も11月1日以降
日付は文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」の第4・第7による2027年度入試の決まり

書類の読み手や面接の練習相手を外に求めるなら、志望理由書の初稿を書く高3の春までに決めておくと、書き直す時間を残せます。評定平均は高1の最初の成績から計算に入るので、評定の基準がある方式を考えている人は、高1・高2の成績から意識しておきます。

高3の夏から通う場合は、出願までに何回書き直せるか、面接練習をいつ始められるかを、契約の前に確かめます。期間が2か月を超えない契約は、次の節で説明する特定商取引法の中途解約の決まりの対象になりません。

費用の考え方と契約の前に確かめること

費用は、塾と指導の内容によって違います。この記事では金額の目安は示しません。代わりに、何にお金がかかるかと、契約の前に確かめることを整理します。

費用の項目中身契約の前に確かめること
入会金入る時に一度払う費用解約した時の扱い
授業料月ごと、コースの一括、回数ごとなど何か月分・何回分か、前払いの額
書類の添削志望理由書、活動報告書などを読む回数の上限、出願校が増えた時の追加料金
面接・口頭試問の練習模擬面接回数、授業料に含まれるか
小論文の添削答案を読んで指摘する何本まで見てもらえるか
講習・模試・教材季節の講習、模試、教材費別料金か、教材は解約の時にどう扱うか

塾とは別に、受験そのものにも費用がかかります。たとえば慶應義塾大学の理工学部の総合型選抜は、入学検定料が35,000円です(2027年度入試)。出願校の数と検定料、試験会場までの交通費も見込んでおきます。

学習塾の契約の決まり(特定商取引法)

期間が2か月を超え、総額が5万円を超える学習塾の契約には、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の決まりが当てはまります。消費者庁「特定商取引法ガイド」(特定継続的役務提供)によると、主な内容は次のとおりです。

学習塾の契約で知っておきたい特定商取引法の決まり
項目決まり
対象になる学習塾入学試験に備えるため、または学校教育の補習のために、生徒などに学力を教えるもの(塾が用意した場所で行うもの)。浪人生だけを対象にしたコースは対象外
期間と金額期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約。金額は入学金、受講料、教材費などを合わせた総額
書面契約の前に概要書面、契約の後に契約書面を渡すことが事業者に義務づけられている
クーリング・オフ法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録で契約を解除できる。教材などの関連商品の契約も含む
中途解約8日を過ぎても、将来に向かって契約を解除できる
授業の開始前に解約した時請求できる額の上限は11,000円
授業の開始後に解約した時受けた授業の対価に加えて、2万円か1か月分の授業料相当額のどちらか低い額までを請求できる
出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」(特定継続的役務提供)。塾以外の場所で教える家庭教師は別の区分で、上限額が違う。ガイドには、役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれるとの注がある
学習塾の契約から解約までの流れ(特定商取引法)
1
契約の前
概要書面を受け取り、料金と解約の決まりを読む
2
契約の後
契約書面を受け取り、受け取った日を控えておく
3
8日以内
クーリング・オフで契約を解除できる
4
8日を過ぎた後
中途解約ができる。請求される額には上限がある
5
困った時
消費者ホットライン188に相談する

授業が始まる前に解約した場合、塾が請求できる額の上限は11,000円です。始まった後は、受けた授業の対価に加えて、2万円か1か月分の授業料相当額のどちらか低い額までです。これより多く受け取っている場合、塾は残りを返すことになっています。

特定商取引法は、事実と違うことを告げる、故意に事実を告げない、といった勧誘を禁じています。告げられた内容を事実だと誤って信じて契約した場合は、契約を取り消せることがあります。国民生活センターによると、クーリング・オフは書面(はがき可)または電磁的記録で行い、電子メールなどでも通知できます。

期間が2か月を超えない契約や、総額が5万円を超えない契約は、この決まりの対象外です。その場合は、契約書に書かれた解約の条件を確かめます。迷った時は、消費者庁の消費者ホットライン「188」で、身近な消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

よくある質問

Q. 総合型選抜は塾なしでも合格できますか?
A. できます。文部科学省の実施要項が評価に使うよう大学に求めているのは、調査書、本人が書く資料、面接、学力の評価で、塾に通ったかどうかは評価の材料に挙げられていません。ただし、書類を読んでくれる人と面接の練習相手は、学校の先生や家族などで確保しておくと準備が進めやすくなります。
Q. 総合型選抜の塾にはいつから通えばいいですか?
A. 決まりはありません。書類の読み手や面接の練習相手を外に求めるなら、志望理由書の初稿を書く高3の春までに決めておくと、書き直す時間を残せます。2027年度入試の総合型選抜は、出願が2026年9月1日以降で、Webでの出願登録が8月に始まる大学もあります。
Q. 志望理由書を塾の講師に書いてもらってもいいですか?
A. いけません。大学は本人が書いた書類を評価します。京都大学や九州大学、青山学院大学の2027年度入試の要項には、本人以外が作成した文章を認めない、他者による作成を禁じるといった記載があります。添削は、指摘を受けて本人が書き直す形で受けてください。
Q. オンラインの総合型選抜の塾でも大丈夫ですか?
A. 書類の添削や面接の練習は、オンラインでも行えます。実施要項も、総合型選抜の面接にオンラインでの実施を含めています。志望校の面接が対面か画面越しかを確かめ、その形に近い練習ができるかを契約の前に聞いておくと安心です。
Q. 総合型選抜の塾と、一般の学習塾や予備校は何が違いますか?
A. 教科の学力を伸ばす指導が中心の塾と、志望理由書などの書類、小論文、面接の準備を扱う塾があります。総合型選抜でも学力の評価は行われるので、教科の学習をどこで続けるかも合わせて考えてください。
Q. 総合型選抜の塾を途中でやめることはできますか?
A. 期間が2か月を超え、総額が5万円を超える学習塾の契約は、特定商取引法により、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフ、その後も中途解約ができます。請求される額には上限があります。対象にならない短い契約は、契約書の解約の条件を確かめてください。

まとめ

総合型選抜の対策に塾は必須ではありません。評価されるのは、調査書、本人が書く書類、面接、小論文などの学力の評価です。一人では難しくなりやすいのは、書類の読み手、面接の練習相手、要項の読み比べ、日程の管理です。学校の先生や家族で補えない部分がある時に、塾が助けになります。

塾を選ぶ時は、指導する人、志望理由書を代わりに書かないか、料金の内訳、合格実績の数え方、解約の決まりを確かめ、契約の書面を読んでから決めてください。

東京修学館の指導内容は特徴のページ、授業の進め方は授業内容のページ、料金は料金体系のページにまとめています。

学長への無料相談はこちら

慶應義塾大学博士・敬愛大学特任名誉教授の家近亮子学長が、あなたの志望校選びと総合型選抜対策を直接アドバイスします。

関連記事

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました