指定校推薦とは?校内選考の決まり方と落ちる場合・総合型選抜との違い【学長監修】

指定校推薦とは?校内選考の決まり方と落ちる場合・総合型選抜との違い 受験の知識

指定校推薦は、大学が指定した高校の生徒だけが出願できる推薦入試です。高校の中で推薦する生徒を選ぶ「校内選考」があり、合格したら入学することが前提になります。この記事では、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項をもとに、指定校推薦の仕組みと校内選考を説明します。落ちることがある場面とその後の切り替え先、総合型選抜との選び方も整理します。校内選考の進め方は高校ごとに違うため、一般的な例として示します。東京修学館の家近亮子学長の監修です。

指定校推薦とは:学校推薦型選抜の「指定校制」

指定校推薦とは この記事の要点
出願の受付
2026年11月1日以降
2027年度入試の学校推薦型選抜
合格発表
2026年12月1日以降
日程は大学ごとに決まる
学校推薦型選抜の入学者
221,415人
令和7年度・34.1%(公募制なども含む)
募集人員の上限
入学定員の5割
附属高校からの推薦も含む

指定校推薦は、大学が指定した高校の生徒だけが出願できる学校推薦型選抜です。大学は高校ごとに推薦できる人数(推薦枠)を示し、高校は校内選考で推薦する生徒を決めます。推薦を受けた生徒は、学校長の推薦書と調査書をそろえて大学に出願します。

文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、学校推薦型選抜を次のように定めています。出身高校の学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価する入試です(第3の1(3))。本人の意志だけでは出願できず、その大学・学部で学ぶのにふさわしいかを学校長が判断する入試です。

実施要項の本文には「指定校」という言葉は出てきません。使われているのは「非公募型の学校推薦型選抜」という言葉です。高校との緊密な連携で丁寧なマッチングが図られ、合格したら入学することを確約して受けるものは、大学の判断で面接を省けるとしています(第3の1(3)①)。大学が高校を指定して募集する指定校推薦は、公募ではない推薦にあたります。

学校推薦型選抜と指定校推薦の違い

「学校推薦型選抜」は入試区分の名前で、「指定校推薦」はその中の一つの方式です。学校推薦型選抜には、指定校制のほかに公募制があり、附属高校や系列校からの推薦を別に設ける大学もあります。

学校推薦型選抜の中の主な方式
方式出願できる人校内選考大学の要項の届き方
指定校制(指定校推薦)大学が指定した高校の生徒枠より希望者が多い時などに、高校が推薦する生徒を決める指定した高校に直接送る大学がある
公募制(公募推薦)推薦要件を満たせば、どの高校からでも1校から推薦できる人数に上限がある方式では、校内で調整することがある大学のサイトなどで公開される
附属校・系列校の推薦附属高校・系列校の生徒高校の決まりによる対象の高校に案内される
附属校の推薦は実施要項 第8の2。指定校制・公募制の名前と条件は各大学の募集要項による

公募推薦は、大学が示す推薦要件を満たしていれば、どの高校からでも学校長の推薦を受けて出願できる方式です。指定校推薦と違い、自分の高校に枠が来ているかどうかは関係ありません。公募推薦の仕組みと、総合型選抜(旧AO入試)との違いは、公募推薦とはの記事で説明しています。

大学の要項での呼び方は、大学によって違います。

大学の要項での指定校推薦の呼び方の例(2027年度入試)
大学要項などでの呼び方
早稲田大学指定校推薦入試
上智大学推薦入学試験(指定校制)
武蔵大学指定校制推薦入学
武蔵野大学指定校学校推薦型選抜
大阪公立大学学校推薦型選抜〈指定校〉
各大学の2027年度入試の募集要項・入試案内による(大学別の記事に出典を記載)

学校推薦型選抜で入学する人の数

文部科学省の「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」に、全国の数字があります。令和7年度に学校推薦型選抜で大学に入学した人は221,415人2で、入学者全体の34.1%でした2。実施した大学は772大学です。この数字は公募制と指定校制などの合計で、指定校制だけの人数は示されていません。

学校推薦型選抜で入学した人の数(令和7年度・国公私立別)
国立大学
12,706人
公立大学
9,732人
私立大学
198,977人
出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(令和7年11月26日)。公募制・指定校制などの合計

内訳は国立12,706人、公立9,732人、私立198,977人で、学校推薦型選抜で入学した人のおよそ9割は、私立大学の入学者です。ただし、国公立大学にも指定校制の例があります。

国公立18校の推薦入試の方式は国公立大学の推薦入試で比べています。大阪公立大学は、2027年度入試で学校推薦型選抜〈指定校〉を設けています。

大学が指定する高校だけが出願でき、工学部建築学科が7名、生活科学部食栄養学科が10名3です。

実施要項は、学校推薦型選抜の募集人員を、附属高校からの推薦も含めて、学部などの入学定員の5割を超えない範囲で大学が定める1としています(第8の2)。

指定校推薦の仕組みと流れ

指定校推薦の流れ(2027年度入試)
1
大学が高校を指定する
大学・学部ごとの推薦枠(人数)と推薦の条件を高校に示す
2
高校が希望者を募る
進路希望調査や面談で、どの枠を希望するかを聞く
3
校内選考
希望者が枠より多い時などに、高校が推薦する生徒を決める
4
出願
学校長の推薦書と調査書などで出願する。受付は2026年11月1日以降
5
大学の選考
書類、面接、小論文など。方法は大学の要項で示される
6
合格発表・入学手続
発表は2026年12月1日以降。合格したら入学する前提
日付は文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第4の5。発表は一般選抜の試験期日の10日前まで(共通テストを使う方式は前日までのなるべく早い期日)。校内選考の進め方は高校ごとに違う

実施要項 第4の5は、学校推薦型選抜について、入学願書の受付を2026年11月1日以降とし1、判定結果を12月1日以降に発表すると定めています。

指定校推薦の要項は、一般には公開せず、指定した高校に送る大学があります。たとえば東京女子大学は、学校推薦型選抜を指定校制だけで行い、要項は指定校に送るとしています。自分の高校にどの大学の枠があるかは、進路指導の先生に聞くと分かります。

推薦枠は大学が年度ごとに示すので、前の年に枠があった大学・学部に、次の年も枠があるとは限りません。

専願と入学の確約

指定校推薦は、合格したら入学することを約束して受ける方式です。高校が大学に推薦し、その枠を使って出願するので、合格後の辞退は原則としてできないものと考えて出願します。

学費の扱いも違います。実施要項は、3月31日までに入学辞退を申し出た人に、授業料などを原則として返すよう大学に求めています。ただし、専願や学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人は、この対象から除いています(第10)1。

大学の選考で見られるもの

実施要項は、学校推薦型選抜で面接による評価を行うよう定めていますが、入学を確約して受ける非公募型は、大学の判断で面接を行わないこともできます。

学力も、調査書や推薦書だけでなく、小論文や共通テストなど少なくとも一つの方法で評価するよう定めています(第3の1(3)②)。

指定校推薦の出願と選考で使われる書類・試験
書類・試験用意する人内容
調査書高校3年間の成績、出欠、活動の記録。様式は全国共通
推薦書高校(学校長名)大学のアドミッション・ポリシーに対応する学習歴や活動歴、学力の三要素の評価
志望理由書など本人大学が求める場合に出す。校内選考で別に求める高校もある
面接大学志望する分野への意欲や適性の評価
学力の評価大学小論文、口頭試問、共通テスト、資格・検定試験などのうち少なくとも一つ
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第3の1(3)。何を課すかは大学・学部ごとに違う

調査書に書かれることは調査書とは、推薦書を先生に頼む時の進め方は推薦書の依頼方法で説明しています。

指定校推薦の校内選考:時期・評定平均・1人だけの時

校内選考の進め方には、全国共通の決まりがありません。基準や日程は高校ごとに決まり、基準を公表していない高校もあります。ここでは一般的な例を示すので、自分の高校の決まりは進路指導の先生に確かめてください。

校内選考で見られること(一般的な例)

指定校推薦の校内選考で見られることの例
見られること内容の例確かめ方
評定平均調査書の「全体の学習成績の状況」。大学が推薦の条件に基準を示すことがある出願で使う成績を担任の先生に確かめる
大学の推薦の条件評定の基準、資格・検定、欠席日数など高校に届いた要項を見せてもらう
欠席・遅刻3年間の出欠の記録調査書の出欠の欄
部活動・委員会・生徒会3年間の活動の記録調査書の特別活動の記録
志望理由書・校内面接その大学・学部で学びたいこと高校が指示する様式と日程
生活の様子校内の決まりを守って過ごしているか担任の先生
一般的な例。見る項目と重みは高校ごとに違う

希望者どうしを比べる時、まず並べやすいのは評定平均で、欠席や活動、志望の理由を合わせて見る高校もあります。

評定平均:推薦の条件と校内での比べ方

評定平均は、調査書の「全体の学習成績の状況」のことで、すべての科目の評定を平均して小数第1位まで出した値です。学習成績概評はこれをA〜Eの5段階に分けたもので、A段階は4.3以上です。計算のしかたは評定平均と学習成績概評の記事で説明しています。

現役生の場合、高1の最初の成績から評定平均に入り、高3は直近の成績を高校が判定して記入します。校内選考を高3の夏前後に行う高校では、高1・高2の成績と、高3の1学期(前期)の成績が持ち点になります。

大学が示す推薦の条件に評定平均の基準がある時は、その基準を満たすことが、校内選考に申し込む前提になります。基準を満たす希望者が枠より多い時に、高校の中で比べることになります。

校内選考はいつ行われるか

一般的な例では、高3の春に進路希望調査や面談があり、1学期(前期)の成績が出たあと、夏休みの前後に校内選考が行われます。高2のうちに希望を聞く高校もあります。指定校の一覧が生徒に示される時期も、高校ごとに違います。

学校推薦型選抜の出願は11月1日以降なので、校内選考はその前に終わります。一方、総合型選抜の出願は9月1日以降に始まるので、校内選考の結果を待つ間に、総合型選抜の出願期間が来ることもあります。校内選考の時期・見られること・落ちた後の選択肢は指定校推薦の校内選考でくわしく説明しています。

校内選考の希望者が1人だけの時

希望者が1人だけでも、推薦が自動的に決まるとは限りません。推薦するかどうかは、大学の推薦の条件を満たしているか、その大学・学部で学ぶのにふさわしいかを、高校が判断して決めます。実施要項も、学校推薦型選抜を、学校長がふさわしい能力・意欲・適性を判断する入試と位置づけています。

条件に届いていない時や、志望の理由がはっきりしない時は、希望者が1人でも推薦されないことがあります。希望者が複数いて評定平均が並んだ時の決め方も高校ごとに違うので、先生に確かめます。

欠席日数の扱い

出欠を推薦の条件にする大学もあります。実施要項は、出欠を推薦要件や合否の判定に使う時の配慮を大学に求めています。病気や事故など、本人に責任のない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席で、不利益にならないようにすることです(第13の2)。数え方と条件の例は総合型選抜の欠席日数で説明しています。

指定校推薦で落ちることはある?2つの場面と落ちた後

「指定校推薦で落ちる」には、校内選考で選ばれない場合と、出願したあとに大学の選考で不合格になる場合の2つがあります。

指定校推薦で落ちる2つの場面
場面時期(一般的な例)主なきっかけその後に選べる入試
校内選考で選ばれない高3の夏前後同じ枠の希望者との比較、推薦の条件に届かない総合型選抜、公募推薦、一般選抜。高校によっては残った枠の追加の募集
大学の選考で不合格2026年12月1日以降の発表面接・小論文などの評価、書類の不備一般選抜、出願期間が残っている総合型選抜・公募推薦
日付は2027年度入試。校内選考の時期と追加の募集の有無は高校ごとに違う

大学の選考で落ちることはあるか

指定校推薦は、高校が推薦の条件を確かめたうえで出願します。それでも大学は面接や小論文などで評価して合否を決めるので、不合格になることがあります。

指定校制だけを分けて、不合格になった人の数や割合を示した公的な統計は見当たりません。面接と書類の準備は、出願前に済ませておきます。

「指定校推薦で落とす大学」はあるか

特定の大学が「指定校推薦で落とす」と言える公的な資料はありません。見るべきなのは大学名より選考の中身です。高校に届いた要項で、面接の有無、小論文や口頭試問、共通テストを課すかどうかを確かめます。

面接で落ちることはあるか

面接でつまずきやすいのは、次のような場面です。

指定校推薦の面接でつまずきやすいことと準備(例)
つまずきやすいこと準備
志望の理由が「枠があったから」に聞こえるその大学・学部で学びたいことを、授業や研究の分野と結びつけて話す
志望理由書と話す内容がずれる出した書類を読み返し、同じ筋で話せるようにする
入学後に学びたいことを聞かれて答えられないカリキュラムとアドミッション・ポリシーを読んでおく
高校での学びを具体的に話せない調査書に書かれる活動を、一つずつ説明できるようにする
例。面接の形式と時間は大学・学部ごとに違う

質問への答え方と当日の流れは大学入試の面接対策、専門分野の知識を問われる場合の準備は口頭試問の記事で説明しています。

落ちた後の切り替え先

校内選考で選ばれなかった場合は、校内選考の時期によって、高3の夏から秋に次の入試を選ぶことになります。総合型選抜は本人の意志で出願でき、大学によっては秋から冬、年明けまで出願期間を設けています。

校内選考の結果が出たあとも出願期間がある総合型選抜の例(2027年度入試)
出願選考日・発表日
9月10月11月12月1月2月3月
国士舘大学 AO選抜(Ⅰ〜Ⅳ期)
出願 9月30日〜10月7日/出願 11月25日〜12月3日/出願 1月5日〜1月13日/出願 2月16日〜2月19日/Ⅰ期 発表 11月1日/Ⅱ期 発表 12月19日/Ⅲ期 発表 2月12日/Ⅳ期 発表 3月8日
玉川大学 総合型入学審査(Ⅰ〜Ⅲ期)
出願 9月2日〜9月10日/出願 11月27日〜12月3日/出願 2月8日〜2月18日/Ⅰ期 発表 11月2日/Ⅱ期 発表 12月23日/Ⅲ期 発表 3月12日
各大学の2027年度入試の募集要項による。1月以降は2027年。国士舘大学は学部によって実施する期が違い、第一志望であることと出願基準がある。玉川大学のⅠ期・Ⅱ期は専願で評定などの基準があり、Ⅲ期は併願でき評定・資格の基準がない。玉川大学のⅡ期・Ⅲ期の期間は郵送の受付で、窓口はⅡ期が12月4日、Ⅲ期が2月19日

たとえば国士舘大学のAO選抜は、Ⅱ期は2026年11月25日から12月3日に出願します4。玉川大学の総合型入学審査は、Ⅲ期の出願が2027年2月です。玉川大学のⅢ期は評定の基準がなく、他大学と併願できます。

公募推薦は、11月1日以降に出願が始まります。一般選抜の教科・科目の個別試験は、2027年2月1日から3月25日の間です。大学の選考で不合格になった場合は、12月以降に出願できる総合型選抜・公募推薦と、一般選抜が中心になります。

指定校推薦のメリット・デメリット

指定校推薦は、高校での積み重ねを生かして早く進路を決められる一方、出願できる大学と合格後の選択が限られます。

指定校推薦のメリット・デメリット
観点メリットデメリット
出願できる大学校内選考を通れば、学校長の推薦を受けて出願できる自分の高校に枠がある大学・学部しか選べない
合否の時期発表は12月1日以降で、一般選抜より早く進路が決まる校内選考の時期までに、志望校を一つに決める必要がある
評価されるもの3年間の成績と活動が、調査書と推薦書で評価される高1からの評定の積み重ねが要り、高3の夏以降に取り戻すのは難しい
合格後一つの大学に絞って準備できる合格したら入学が前提で、辞退は原則としてできない
学費早く決まるので、入学までの計画を立てやすい入学手続(在学契約)の後に辞退すると、3月31日までなら授業料などを返すという原則の対象から外れる
入学まで入学までの時間を、大学の学びの準備に使える一般選抜の勉強が止まりやすい。入学前の課題が出ることもある
合格後と学費の行は、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第10による。ほかは一般的な整理

実施要項は、入学手続をした人、特に12月以前に手続をした人に、入学までの課題などの準備を行うよう大学に求めています(第13の13(3))。学校推薦型選抜では、合格後も推薦した高校の指導のもとで、入学までの学習計画を立てることを例に挙げています。その取り組みを高校から大学に報告するような連携を、望ましいとしています。

指定校推薦が向いている人

指定校推薦を考える前のチェックリスト
高1から評定平均を安定して保っている
自分の高校に、志望する大学・学部の枠があるかを先生に確かめた
その大学・学部を第一志望にし、合格したら入学すると決められる
大学の推薦の条件(評定・資格・欠席)を満たしている
選ばれなかった時に受ける入試(総合型選抜・公募推薦・一般選抜)を決めてある

指定校推薦と総合型選抜の違いと選び方

指定校推薦と総合型選抜は、出願の入口と評価の中心が違います。学校推薦型選抜全体との比較は総合型選抜と学校推薦型選抜の違いで説明しているので、ここでは指定校推薦と総合型選抜を並べます。

指定校推薦と総合型選抜の違い(2027年度入試)
項目指定校推薦総合型選抜
出願できる人枠がある高校で、校内選考を通った人出願資格を満たせば、本人の意志で出願できる
評価の中心調査書を主な資料に、推薦書と面接など本人が書く書類と、時間をかけた面接など
評定平均推薦の条件に基準を示す大学がある。校内でも比べられる基準を設ける大学と、設けない大学がある
校内選考ある(希望者が枠より多い時など)学校長の推薦が要らないので、ふつうはない
推薦書学校長の推薦書が要る大学による。推薦書や評価書を求める大学もある
合格後入学が前提専願の方式と、併願できる方式がある
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第3。実際の条件は大学ごとに違う

両方を考える時に確かめること

指定校推薦と総合型選抜を両方考える人は、大学の決まりと高校の決まりの両方を確かめます。関西学院大学の総合型選抜は、指定校推薦入学と併願でき、指定校推薦に出願した場合は総合型選抜の辞退が認められます5。武蔵大学は、総合型選抜入試で不合格になっても、指定校制推薦入学や一般選抜に出願できるとしています。

一方で、同じ大学の指定校推薦と同時に出願できない方式もあります。大学ごとの例は総合型選抜の併願の記事にまとめています。校内選考に申し込む時は、ほかの入試との組み合わせについて高校の決まりがあるかも、進路指導の先生に確かめます。

指定校が取れなかった時の総合型選抜

校内選考を夏休みの前後に行う高校では、結果が出る時期と、総合型選抜の出願期間(9月1日以降)が近くなります。結果を待ってから準備を始めると、出願書類に使える時間が短くなります。

指定校推薦の準備は、総合型選抜にもそのまま使えます。校内選考のために考えた志望の理由、調べた大学のカリキュラム、3年間の活動の整理は、総合型選抜の志望理由書と面接の材料になります。書類の組み立ては志望理由書の書き方で説明しています。

指定校推薦を第一に考える人も、夏のうちに総合型選抜で受けられる大学を調べ、出願書類の下書きを進めておくと、校内選考の結果がどちらでも動けます。評定の基準が無い方式は総合型選抜で評定がいらない大学一覧から探せます。全体の仕組みは総合型選抜とはにまとめています。

指定校推薦の年間スケジュール

指定校推薦の準備は、高1の成績から始まります。2027年度入試(2027年4月入学)を受ける場合の流れを、一般的な例で並べます。

指定校推薦の年間スケジュール(2027年度入試・一般的な例)
高1〜高2
評定平均を積み上げる
高1の最初の成績から評定平均に入る。欠席や活動も調査書に残る
高2の冬〜高3の春
進路希望調査・面談
どの大学の枠を希望するかを聞かれる。時期は高校ごとに違う
高3の4〜6月
指定校の一覧と推薦の条件を確かめる
大学から高校に届いた条件を、進路指導の先生に聞く
高3の1学期末(前期末)
出願で使う成績がほぼ固まる
高3は直近の成績を高校が判定して調査書に書く
高3の7〜9月ごろ
校内選考
志望理由書や校内面接を求める高校もある。総合型選抜の準備も並行する
2026年9月1日以降
総合型選抜の出願が始まる
校内選考で選ばれなかった時の選択肢になる
2026年11月1日以降
指定校推薦の出願
学校長の推薦書、調査書、志望理由書などを出す
2026年12月1日以降
合格発表・入学手続
入学前の課題が出ることがある
2027年4月
大学に入学
高校の卒業が前提
日付は文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」第4。それ以外の時期は一般的な例で、高校・大学ごとに違う

高2までにできることは、評定平均を保つことと、欠席を増やさないことです。高3の春に指定校の一覧が示されてから志望を考え始めると、志望の理由を深める時間が足りなくなりがちです。高2のうちに学びたい分野を考え、大学を調べておきます。

よくある質問

Q. 自分の高校に指定校推薦の枠があるか、どうやって調べればいいですか?
A. 進路指導の先生か担任の先生に聞きます。指定校推薦の要項は、一般に公開せず、指定した高校に直接送る大学があります。推薦枠は入試の年度ごとに大学から示されるので、前の年の一覧と同じとは限りません。一覧が生徒に示される時期も高校ごとに違うので、合わせて確かめます。
Q. 指定校推薦は国公立大学にもありますか?
A. あります。たとえば大阪公立大学は、2027年度入試で、工学部建築学科と生活科学部食栄養学科に、大学が指定する高校だけが出願できる学校推薦型選抜〈指定校〉を設けています。ただし、令和7年度に学校推薦型選抜で入学した人のおよそ9割は私立大学の入学者でした(公募制と指定校制などの合計)。
Q. 指定校推薦で合格したあと、辞退はできますか?
A. 指定校推薦は、合格したら入学することを確約して受ける方式なので、辞退は原則としてできないものと考えます。文部科学省の実施要項でも、学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ人は、3月31日までの辞退で授業料などが返還される扱いの対象から外れています。迷いがある時は、校内選考に申し込む前に決めます。
Q. 指定校推薦の校内選考に落ちたら、同じ大学の公募推薦や総合型選抜は受けられますか?
A. その大学がその方式を行っていて、出願資格を満たしていれば出願できます。ただし、出願期間がすでに終わっている方式や、評定などの条件が別に決まっている方式があります。校内選考の前に、同じ大学の総合型選抜・公募推薦の日程と条件を調べておくと、選ばれなかった時にすぐ動けます。
Q. 指定校推薦でも小論文や面接はありますか?
A. 大学・学部によります。実施要項は、学校推薦型選抜で面接による評価を行うよう定めていますが、面接の導入には移行期間があり、大学が要否を判断できる方式もあります。また、小論文、口頭試問、共通テスト、資格・検定試験などのうち少なくとも一つで学力を評価します。高校に届いた要項で確かめます。
Q. 指定校推薦で合格したら、入学まで勉強しなくてもいいですか?
A. 勉強は続けます。高校を卒業することが入学の前提で、高3の残りの授業と定期テストも続きます。実施要項は、入学手続をした人、特に12月以前に手続をした人に、入学までの課題などの準備を行うよう大学に求めています(第13の13(3))。学校推薦型選抜では、入学までの学習計画を高校から大学に報告する取り組みも望ましいとしています。

まとめ

指定校推薦は、大学が指定した高校の生徒が、校内選考を経て学校長の推薦を受けて出願する学校推薦型選抜です。2027年度入試では、出願は2026年11月1日以降、合格発表は12月1日以降で、合格したら入学することが前提になります。落ちる場面は校内選考と大学の選考の2つで、大学の選考でも、面接や小論文などで不合格になることがあります。

校内選考の時期と基準は高校ごとに違うので、高3の春までに進路指導の先生に確かめます。結果を待つ間に総合型選抜の出願が始まることもあるので、志望の理由と活動の整理は、どちらの入試にも使える形で先に進めておくと安心です。

参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF
  2. 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要文部科学省・2025-11-26
  3. 2027年度 入学者選抜要項大阪公立大学・2026-10-07・PDF
  4. 令和9年度(2027年度)入学者選抜要項国士舘大学・PDF
  5. 入試情報総合サイト「総合型選抜」Q&A関西学院大学
  6. 総合型選抜で評定がいらない大学一覧(各大学の2027年度入試の募集要項・大学別の記事への入口)東京修学館

リンク先の確認日:2026-10-16

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