推薦入試の作文の書き方|よく出るテーマ8つ・構成と例文・失敗例【学長監修】

推薦入試の作文の書き方 受験の知識

推薦入試(学校推薦型選抜・指定校推薦・公募推薦)では、「作文」や「課題作文」を課す大学があります。出願書類として提出する課題作文と、試験当日にテーマを示されて書く作文の2つの形があり、どちらも体験と、そこから考えたことを通して人物を見る試験です。この記事では、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」にある評価の観点をもとに、推薦入試の作文で問われていることを整理します。準備しておきたいテーマ8つ、字数別の構成、例文2本、失敗例の直し方、面接とのつながりまでを解説します。大学の例は、このサイトの大学別の記事で確かめた2027年度入試(2027年4月入学)の要項によります。

推薦入試の作文とは(小論文との違いと見られる点)

この節の答え作文は体験とそこから考えたことを書く文章で、体験の大きさよりどう受け止めて考えたかが読まれます。

推薦入試の作文 この記事の要点
書くもの
体験と考え
賛否を論じる小論文とは違う
見られる力
2つ
考えを組み立てる力と書き表す力(実施要項第6の3)
構成
4段
結論 → 体験 → 考えたこと → 大学での学び
準備したいテーマ
8つ
高校生活・入学後の学び・将来・ニュースなど
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」と、このサイトの大学別記事(2027年度入試)による

推薦入試とは、学校長の推薦を受けて出願する学校推薦型選抜のことで、公募制と指定校制があります(制度は学校推薦型選抜とは、指定校推薦とは、公募推薦とはの記事)。この記事では、総合型選抜で課される課題作文も、同じ書き方で対応できるので合わせて扱います。

推薦入試の作文は、自分の体験と、そこから考えたことを書く文章です。小論文は設問に対する意見を理由と根拠で支える文章ですが、作文で中心になるのは「何をして、何を考え、それを大学での学びにどうつなげるか」です。

体験そのものの大きさより、体験をどう受け止め、どう考えたかが読まれます。

ただし、作文でも「楽しかった」「頑張った」という感想だけでは評価されません。常体と敬体の使い分けは小論文の書き方の記事にまとめています。

作文で見られる力は実施要項に書かれている

大学が小論文や面接、エッセイで何を見るかは、実施要項の第6の3に書かれています。一つは、入学志願者の「自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力1」です。

もう一つは、「思考・判断した過程や結果を的確に、更には効果的に表現する能力」です。そのために小論文や面接などを活用することが望ましい、という内容です。

推薦入試の作文に置き換えると、見られる力は次の2つです。1つは、体験から自分で考えを組み立てる力。

もう1つは、考えた筋道を読み手に伝わる順番と言葉で書き表す力です。教科の知識の量を競う試験ではない、という前提です(第6の3)。

作文も、知識ではなく考えた過程が読まれると考えてよいでしょう。

出願時に提出する作文と、試験当日に書く作文

推薦入試の作文には、出願書類として提出する形と、試験当日にテーマを示されて書く形があります。このサイトの大学別の記事から、要項で確かめられる例を挙げます。

推薦入試・総合型選抜で作文を課す例(2027年度入試の要項)
大学・方式作文の形字数・テーマ
横浜国立大学 都市科学部都市社会共生学科(総合型選抜)出願時に提出。手書き課題作文1,500〜2,000字程度。第2次選抜は自己推薦書と課題作文に基づく口頭試問
立教大学 観光学部(自由選抜入試)出願時に提出課題作文2,400字程度(資格ごとのテーマ)
帝京大学 経済学部(国際経済学科を除く)・法・文・教育学部など(総合型選抜の課題作文方式)試験当日に書く出題されたテーマについて、キーワードをもとに600字以内
帝京大学 経済・法・文・教育学部(学校推薦型選抜・公募制)試験当日に書く英語・国語・数学・課題作文から1科目を選ぶ
九州大学 芸術工学部未来構想デザインコース(学校推薦型選抜)出願時に提出テーマは「未来構想デザインコースの学びを通して将来取り組みたいこと」
各大学の2027年度入試の募集要項による(くわしくは大学別の記事)。学部・学科で形は違う。横浜国立大学・立教大学の2027年度入試の出願は終わっています(高2の人の参考に)

横浜国立大学の都市社会共生学科は、自己推薦書(600字程度)と課題作文(1,500〜2,000字程度)を手書きで提出します2。第2次選抜では、自己推薦書と課題作文に基づく面接試験(口頭試問)を受けます(横浜国立大学の総合型選抜・学校推薦型選抜)。

立教大学の自由選抜入試では、観光学部は2,400字程度の課題作文を出します4(立教大学の自由選抜入試)。

試験当日に書く形の例が帝京大学の総合型選抜の課題作文方式で、出題されたテーマについてキーワードをもとに600字以内で自分の考えを書きます5。帝京大学の学校推薦型選抜(公募制)でも、経済・法・文・教育学部は試験当日に英語・国語・数学・課題作文から1科目を選びます。

九州大学の学校推薦型選抜の芸術工学部未来構想デザインコースは、作文のテーマが「未来構想デザインコース6の学びを通して将来取り組みたいこと」と要項に示されています。

提出する形は時間をかけて書き直せる一方、横浜国立大学の都市社会共生学科のように、面接で中身を聞かれる例があります。当日に書く形は、テーマを見てから短い時間で構成を決める練習が要ります。

自分の志望校がどちらの形か、字数と手書きの指定があるかを、要項で先に確かめます。

推薦入試の作文で準備しておきたいテーマ8つと、問われていること

この節の答え8つのテーマに共通して問われるのは、体験から考えたことを大学での学びにつなげる筋道があるかどうかです。

推薦入試の作文のテーマは、大学や学部で違います。ここでは、推薦入試や総合型選抜の作文・面接で扱われる一般的なテーマを8つ挙げ、それぞれで大学が知りたいことと、書く材料を整理しました。

特定の大学の出題ではありません。実施要項は、小論文のテーマなどを積極的に公表することが望ましいとしています(第13の3)1。

テーマを公表している大学では、入試情報のページの「過去の出題」や「入試問題」の欄にあることがあります。

推薦入試の作文 準備しておきたいテーマ8つと問われていること
テーマ大学が知りたいこと書く材料
高校生活で力を入れたこと自分で考えて動いたか。役割と工夫、結果から何を学んだか活動の中の一場面、困ったこと、変えたこと、周りの反応
入学後に学びたいこと学部の学びを理解し、自分の関心とつながっているか関心を持ったきっかけ、知りたい問い、学部の科目や学び方
将来の目標目標に至る筋道が描けているか。大学での学びをどう位置づけるか目標を持った体験、そのために大学で身につけること
最近気になったニュース社会の出来事に関心を持ち、自分の考えを持てるか出来事の要点、自分や身近な人との関わり、考えたこと
印象に残った本読んで何を考え、どう変わったか本の要点は短く。心に残った理由と、その後に変わった行動
自分の長所と短所自分を客観的に見られるか長所が表れた場面、短所にどう向き合っているか
志望する分野に関わる社会の課題分野への関心の深さと、考える力課題を知った体験、調べて分かったこと、自分の考え
大切にしている言葉価値観と、それが行動に表れているか言葉と出会った場面、その言葉に沿って行動した体験
一般的なテーマの例。実際の出題は志望校の要項と過去の出題で確かめる

8つに共通するのは、「体験 → 考えたこと → 大学での学び」の筋道があるかどうかです。ニュースや本がテーマの時も、出来事や本の要約で終わらせず、自分がどう考え、何をしたか(または何をしたいか)まで書きます。

テーマが2つ重なる時の書き分け

「高校生活で力を入れたこと」と「入学後に学びたいこと」のように、志望理由書と作文で近いテーマが重なることがあります。同じ体験を2回書くのではなく、志望理由書では動機と計画、作文では体験の中身と考えたことというように、役割を分けます。

書類と作文の内容が食い違うと、面接で説明に困ります。

構成は「結論 → 体験 → 考えたこと → 大学での学び」。400・600・800字の配分

この節の答え結論・体験・考えたこと・接続の4段落で書き、600字なら80字・240字・160字・120字が目安です。

推薦入試の作文は、4つの段落で書くと筋道が通ります。最初にテーマへの答えを一文で示し、体験を具体的に書き、体験から考えたことを述べ、最後に大学での学びや将来へつなげます。

推薦入試の作文の構成(4つの段落)
1
結論
最初の1〜2文で、テーマへの答えを書く。「私が最も力を入れたのは〇〇です」
2
体験
いつ・どこで・何をしたか。困ったことと、自分の役割・工夫を具体的に
3
考えたこと
体験から何を学び、考えがどう変わったか。感想ではなく気づきを書く
4
大学での学びへの接続
気づきを、学びたいことや将来とつなげて結ぶ

体験の段落が最も長く、全体の4割を使います。考えたことの段落は体験より短くても、ここが第6の3の「思考・判断」が表れる所です。結論と接続は短くまとめます。

字数別の配分の目安

400字なら結論60字・体験160字・考えたこと100字・接続80字が目安です。600字なら80字・240字・160字・120字、800字なら100字・320字・220字・160字です。

字数結論体験考えたこと大学での学びへの接続
400字60字160字100字80字
600字80字240字160字120字
800字100字320字220字160字
推薦入試の作文 600字の配分の目安
結論80字
体験240字
考えたこと160字
大学での学びへの接続120字
この記事の目安。設問に「体験を中心に」などの指示があれば、その段落を増やす

400字は体験を1つの場面に絞り、考えたことを1点にします。800字以上は、体験の段落を「困ったこと」と「変えたこと」の2段落に分けるか、考えたことを2点にします。

1,500字を超える課題作文は、構成メモを先に作り、段落ごとの字数を決めてから書きます。段落の組み立て方は小論文の構成の記事にもまとめています。

推薦入試の作文の例文2本(600字・400字)

この節の答え例文2本は構成を示す創作なので、4つの段落の流れを参考に、自分の体験と志望学部に置き換えて書きます。

構成を示すための創作の例文です。そのまま使うものではなく、自分の体験と志望学部に置き換えて書いてください。学部名は「〇〇学部」と伏せています。どちらも敬体(です・ます)で書き、4つの段落が構成の4段に対応しています。

例文1|「高校生活で力を入れたこと」(548字)

例文1|高校生活で力を入れたことを600字以内で書きなさい

私が高校生活で最も力を入れたのは、図書委員として本の貸出を増やす取り組みです。

私の高校の図書室は昼休みでも人が少なく、貸出は月に数十冊という状態でした。委員会で原因を話し合うと、どんな本があるのか知られていないことが分かりました。そこで私は、委員が一冊ずつ選んだ本に手書きの紹介カードを付けて、教室に近い廊下に並べる企画を提案しました。最初は紹介カードを書く委員が集まらず、私一人で十枚を書いて見本にしました。見本を見た委員が少しずつ加わり、三か月後には毎週二十冊を入れ替えられるようになりました。廊下で足を止める生徒が増え、紹介カードを見て本を借りる人も出てきました。

この取り組みで考えたのは、人を動かすのは呼びかけの言葉ではなく、最初の形を見せることだということです。張り紙で利用を呼びかけていた時には、ほとんど反応がなかったからです。また、貸出が増えたのは物語よりも、部活動や進路に関わる実用的な本でした。利用する人が何を求めているかを調べてから並べ方を変えると、貸出はさらに増えました。

貴学の〇〇学部では、人の行動がどのような情報で変わるのかを、調査をもとに学べると知りました。図書室で得た「相手の求めるものを先に調べる」という姿勢を、大学での学びと地域の活動に生かしたいと考えています。

1段落目で「図書委員として貸出を増やす取り組み」と答えを示し、2段落目に困ったこと・提案・自分の動き・結果を書いています。3段落目は体験から考えたことを2点にし、4段落目で「相手の求めるものを先に調べる」という気づきを大学での学びにつなげています。

活動の規模は小さくても、自分で考えて動いた過程があれば、作文の材料になります。

例文2|「入学後に学びたいこと」(385字)

例文2|入学後に学びたいことを400字以内で書きなさい

私は入学後、地域の小さな商店がどうすれば続いていけるのかを学びたいと考えています。

私の家の近くでは、この三年間で三軒の個人商店が閉まりました。祖母は歩いて行ける店が減り、買い物に困るようになりました。高校の探究学習で近所の店主に話を聞くと、後を継ぐ人がいないことと、客が減ったことの両方が理由でした。店主の一人は、高齢の常連客のために配達を始めたものの、一人では続けられないと話していました。

調べるうちに、商店の問題は店だけの問題ではなく、高齢者の暮らしや地域のつながりと結びついていると考えるようになりました。一つの店を守る方法ではなく、地域全体で店を支える仕組みを知る必要があります。

貴学の〇〇学部には、地域の経済と暮らしを現地での調査を通して学ぶ科目があります。入学後は、まず地域調査の方法を身につけ、商店街と住民が協力している地域の事例を調べたいと考えています。

入学後に学びたいことがテーマでも、構成は同じです。1段落目で学びたいことを一文で示し、2段落目に関心を持った体験、3段落目に考えが広がった過程、4段落目に学部の科目と結びつけた計画を書いています。

「〇〇学部には〜を学ぶ科目があります」の部分は、志望学部の公式サイトやシラバスで確かめた事実に置き換えます。

推薦入試の作文でよくある失敗と直し方

この節の答え見直しで確かめたい失敗は、体験の羅列・感想だけ・抽象語・字数不足・設問とのずれ・書類との食い違いの6つです。

見直しで確かめたい失敗は、次の6つです。体験を並べただけ、感想で終わる、抽象的な言葉で済ませる、字数が足りない、設問とずれている、ほかの書類と食い違っている、の6つです。

失敗答案で起きていること直し方
体験の羅列部活動・委員会・ボランティアを順に並べ、どれも2〜3行で終わる体験は1つに絞る。その中の一場面を、困ったこと・自分の動き・結果の順に書く
感想だけ「楽しかった」「成長できた」「良い経験になった」で段落が終わる「何が分かったか」「次にどう行動が変わったか」を一文ずつ足す
抽象語「努力」「協力」「コミュニケーション能力」が並び、場面が見えない抽象語を使った文の直後に、それが表れた具体的な場面を書く
字数不足「600字以内」に対して400字で終わる考えたことの段落を増やす。目安は指定字数の9割以上
設問とのずれ「入学後に学びたいこと」なのに高校の活動が大半設問の言葉を結論の一文に入れ、段落ごとの字数を配分どおりに直す
書類との食い違い志望理由書と作文で、志望の動機や活動の時期が違う提出書類を並べて読み、事実と数字をそろえる

直す前と直した後

直す前(感想と抽象語で終わっている例)

私は家で弟の勉強を見る役目を頑張りました。大変なこともありましたが、根気よく続けることができ、とても良い経験になりました。この経験を大学でも生かしたいです。

直した後(場面・自分の動き・気づきを書いた例)

私は家で、小学生の弟の宿題を見る役目を続けています。最初は答えを教えてしまい、弟は同じ問題で何度もつまずきました。そこで、問題を声に出して読ませ、答えを言わずに待つようにしました。弟は自分で解ける問題が増え、私は、教えるより相手が考える時間を待つことの大切さを学びました。

直した後の文には、場面(答えを教えて弟がつまずいた)と自分の動き(声に出して読ませ、待つ)があります。さらに、結果(自分で解ける問題が増えた)と気づき(相手が考える時間を待つ)が入っています。

この4つがそろうと、136字ほどでも読み手に人物が伝わります。

原稿用紙・文体・生成AIなど、形式で気をつけること

この節の答え文体は敬体か常体のどちらかにそろえ、提出する作文は生成AIなどに頼らず本人が書いて自分で直します。

原稿用紙の使い方(書き出しの1マス空け、句読点とかぎかっこの扱い、数字の書き方など)は、小論文の書き方の記事の「原稿用紙の使い方」の節にまとめています。字数の目安と、題名や氏名の扱いも同じ節にあります。

ここでは、推薦入試の作文で特に確かめることだけを挙げます。

項目確かめること
文体作文は敬体(です・ます)でも常体(だ・である)でもよいが、一つの文章の中で混ぜない。大学の指定があればそれに従う
一人称「私」が無難です。「僕」「自分」は避けます
手書きの指定提出する課題作文は、手書き・指定の様式が決められていることがある。下書きを終えてから清書の時間を取る
試験当日の形テーマを読んだら、構成メモ(結論・体験・考え・接続を各一行)を先に書いてから本文に入る

提出する作文は本人が書く

出願書類について、志願者以外(生成AIを含む)が作ったものの使用を禁じる大学があります。横浜国立大学の教育学部の要項は、自己推薦書と課題レポートについて「指導者及び生成AI等が作成した文章の一部又は全部を使用する3ことを禁じます」と定めています。

大学全体でも、出願書類は「自らの責任において十分に考えたものを提出してください」という注意が出されています。

九州大学の要項は、志願者以外の者(生成系AIツールを含む6)が作成したと認められる場合は不正行為とみなし、入学許可を取り消すことがあると明記しています。

添削の指摘を受けて、自分で直すのが基本です。文章を書き換えてもらうのではなく、指摘をもとに自分の言葉で直します。頼む相手と頼み方は志望理由書・小論文の添削の記事にまとめています。

作文に書いたことは面接でも聞かれることがある

この節の答え提出した作文や当日の作文は面接官の手元にあると考え、各段落に「なぜ」「具体的には」と問いを立てて答える練習をします。

公募制の学校推薦型選抜では、面接による評価が行われます。文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、学校推薦型選抜で面接による評価を行うよう定めています1。

ただし、指定校推薦のような非公募型で、合格したら入学を確約して受けるものは、面接を行うかどうかを大学が決められます(第3の1(3)①)。

面接がある入試では、提出した作文や、当日に書いた作文は、面接官の手元にあると考えて準備します。横浜国立大学の都市社会共生学科のように、要項で「自己推薦書と課題作文に基づく面接試験」と示す例があります。

立教大学の社会学部の自由研究のように、提出物が第2次選考の面接でそのまま使われる例もあります。

推薦入試の作文の内容と、面接で続けて聞かれやすいこと
作文に書いたこと面接で続けて聞かれやすいこと
力を入れた活動なぜその活動を選んだのか。うまくいかなかったことはあるか
工夫したことほかの方法は考えなかったか。周りの人はどう反応したか
考えたこと・学んだことそれは今のあなたの行動にどう表れているか
入学後に学びたいことなぜこの大学・学部なのか。具体的にどの授業や分野か
将来の目標目標に向けて、今していることは何か
一般的な例。答え方の型と当日の流れは面接の記事で説明している

作文を書き終えたら、各段落に「なぜ」「具体的には」と自分で問いを立て、口頭で答える練習をします。提出した作文は控えを取っておき、面接の前日に読み直します。質問の型と答え方は大学入試の面接対策の記事にまとめています。

推薦入試の作文の対策の進め方(いつから・何本・誰に見てもらうか)

この節の答え時間があれば高3の春から夏に進め、8つのテーマの下書きと志望校に近いテーマの書き直しで合計10本前後を書くのが目安です。

出願まで1か月を切っている人は、やることを4つに絞ります。まず志望校の要項で、作文の形(提出か当日か)と字数を確かめます。

次に、志望校に近いテーマを2つ選んで下書きを書きます。添削を1回受けて書き直し、提出したら控えを面接用に読み直します。

時間がある人は、高3の春から夏にかけて進めます。学校推薦型選抜の出願は11月1日以降1と実施要項で定められています(日程は学校推薦型選抜とはの記事)。

指定校推薦は、校内選考の後に書類を準備する場合、期間が短くなります。校内選考の前からテーマ別の下書きを作っておきます。

推薦入試の作文 高3の準備の流れ
高3の4〜6月
志望校の要項で、作文の有無・字数・提出か当日かを確かめる
過去のテーマが公表されていれば集める
夏休み
準備しておきたいテーマ8つで、1本ずつ下書きを書く
1本400〜600字。体験の棚卸しを兼ねる
出願の2か月前
添削を受け、同じテーマを書き直す
志望校に近いテーマを2回以上書き直す
出願の1か月前
提出する課題作文は清書する
手書きの指定・様式・字数を再確認
試験の2週間前
当日に書く形は、時間を計って練習する
構成メモを先に作る練習
面接の前日
提出した作文の控えを読み直す
段落ごとに「なぜ」「具体的には」に答える
この記事の目安。出願・試験の日程は志望校の要項で確かめる

何本書くか

目安は、準備しておきたいテーマ8つで1本400〜600字の下書きを書き、志望校に近いテーマを2回以上書き直すことです。合計で10本前後になります。

新しいテーマを増やすより、同じ作文を書き直す方が、体験の掘り下げと表現の両方が伸びます。

誰に見てもらうか

国語の先生や進路指導の先生、塾の講師など、推薦入試の書類を読み慣れた人に見てもらいます。家族や友人には「読んで、どんな人物に見えたか」を聞くと、伝わり方の確認になります。

見てもらう時は、設問・字数・志望学部を伝え、「体験と考えたことのつながりが分かるか」を見てほしいと頼みます。

推薦入試の作文 提出前のチェックリスト
最初の1〜2文で、テーマへの答えを書いている
体験は1つに絞り、困ったこと・自分の動き・結果が書いてある
「楽しかった」「成長した」で終わる段落がない
抽象的な言葉の直後に、具体的な場面がある
最後の段落で、大学での学びや将来につなげている
字数は「以内」なら9割以上、「程度」なら前後1割以内
文体(敬体か常体)と一人称が統一されている
志望理由書など、ほかの提出書類と事実が食い違っていない
各段落に「なぜ」「具体的には」と聞かれた時の答えを用意した

よくある質問

Q. 推薦入試の作文と小論文は、何が違いますか?
A. 推薦入試の作文には、出願時に提出する形と試験当日に書く形があり、どちらも体験と、そこから考えたことを大学での学びにつなげて書きます。小論文は設問への意見を理由と根拠で支える文章で、体験は根拠の一つとして使います。作文では、体験の大きさより、体験をどう受け止めて考えたかが読まれます。ただし、作文でも感想だけでは評価されません。
Q. 推薦入試の作文のテーマは、どうすれば分かりますか?
A. まず志望校の募集要項と入試情報のページを確かめます。実施要項は、小論文のテーマなどを積極的に公表することが望ましいとしているので、過去の出題を公表している大学があります。公表されていない時は、この記事の8つのテーマで下書きを作っておくと、出題に合わせて組み替えやすくなります。
Q. 作文は「です・ます」と「だ・である」のどちらで書きますか?
A. 大学の指定があればそれに従います。指定がなければどちらでもよいのですが、一つの文章の中で混ぜないことが大切です。体験を中心に書く出題では敬体、小論文に近い出題では常体が書きやすくなります。この記事の例文は敬体です。
Q. 体験が平凡でも、推薦入試の作文は書けますか?
A. 書けます。評価されるのは体験の珍しさではなく、体験の中で自分が何に気づき、どう考えて動いたかです。日常の委員会活動や部活動の練習の工夫、家庭での役割でも、困ったこと・自分の動き・結果・気づきの4つがそろえば、作文の材料になります。
Q. 指定の字数のどのくらいまで書けばいいですか?
A. 「600字以内」のように上限がある時は9割以上、「600字程度」の時は前後1割以内が目安です。字数が足りない時は、考えたことの段落を増やします。体験を2つ目に増やすより、1つの体験から考えたことを深く書く方が読みやすくなります。
Q. 作文を先生や生成AIに手伝ってもらってもいいですか?
A. 添削の指摘を受けて、自分で直すのが基本です。出願時に提出する作文は本人が書くものです。横浜国立大学の教育学部のように生成AIなどが作成した文章の使用を禁じる大学や、九州大学のように志願者以外が作成したと認められる場合は不正行為とみなすと明記する大学があります。志望校の要項の注意事項を読んでから準備します。

まとめ

推薦入試の作文は、体験と、そこから考えたことを書いて人物を伝える文章です。見られるのは、考えを自分で組み立てる力と、それを的確に書き表す力で、体験の大きさではありません。

構成は「結論 → 体験 → 考えたこと → 大学での学びへの接続」の4段落にし、600字なら80字・240字・160字・120字を目安に配分します。体験の羅列・感想だけ・抽象語・字数不足を避け、書いたことは面接で聞かれるものとして準備します。

東京修学館では、志望校の要項に合わせた作文のテーマ選びと、体験の掘り下げ、面接での説明の練習を無料相談(60分)でお手伝いしています。

参考資料

この記事は次の公式資料をもとに書いています。数字や日程は必ず最新の要項で確かめてください。

  1. 令和9年度大学入学者選抜実施要項文部科学省・2026-05-27・PDF
  2. 2027年度 総合型選抜 学生募集要項(都市科学部)横浜国立大学・PDF
  3. 2027年度 総合型選抜 学生募集要項(教育学部)横浜国立大学・PDF
  4. 2027年度 自由選抜入試要項・国際コース選抜入試要項立教大学
  5. 入学試験要項2027 総合型選抜・学校推薦型選抜・広域多摩地域密着型奨学選抜・奨学特待生選抜帝京大学・2026-07・PDF
  6. 令和9(2027)年度 九州大学 学校推薦型選抜 学生募集要項九州大学・PDF

リンク先の確認日:2026-10-19

この記事の更新履歴
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