大学入試の自己PRの書き方と例文|200字・400字・面接1分・学部別

大学入試の自己PRの書き方と例文 受験の知識

最終更新: 2026-10-09 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)、各大学の2027年度入試の募集要項(このサイトの大学別記事)

大学入試で求められる自己PRの書き方と例文をまとめます。自己PRは、出願書類の欄として書くこともあれば、面接で「自己PRをしてください」と聞かれて話すこともあります。この記事では、大学の要項にある自己PR・自己アピールの例を表にし、強み、経験、大学での生かし方の3段で作る手順を説明します。例文は、書類用の200字と400字、面接用の30秒と1分、学部系統別の5本です。自己推薦書として長く書く場合は、自己推薦書の書き方をあわせてご覧ください。

  1. 大学入試の自己PRとは(求められる場面と、ほかの書類との違い)
    1. 国の実施要項では、本人が書く資料と面接で評価する
    2. 自己推薦書・志望理由書・長所との違い
  2. 大学の要項にある自己PR・自己アピールの例
    1. 面接と動画で求められる例
  3. 自己PRの書き方(強み・経験・大学での生かし方の3段)
    1. 強みの言葉を、場面が浮かぶ言い方に直す
    2. エピソードがない、何もしていないと感じる時
    3. 志望理由書の中で自己PRをどう書くか
  4. 書類の自己PRの例文(200字・400字)
    1. 200字の例文(経営学部・放送委員会)
    2. 400字の例文(社会学部・図書館の窓口ボランティア)
  5. 面接で話す自己PRの例文(30秒・1分)
    1. 30秒の例文(経済学部・新聞の要約)
    2. 1分の例文(教育学部・体育祭の練習の話し合い)
  6. 学部系統別の自己PRの例文
    1. 看護・医療系(看護学部)の例文(手話サークル)
    2. 理工系(理学部 物理学科)の例文(天文部の観測)
    3. 法・政治系(法学部)の例文(ディベート部の準備)
    4. 栄養・生活系(栄養学部)の例文(地域の料理教室の手伝い)
    5. 国際系(国際教養学部)の例文(姉妹校とのオンライン交流会)
  7. 自己PRのNG例と直し方
    1. 長所の羅列と実績の自慢を直す(例)
    2. 志望理由と同じ話を直す(例)
  8. 面接で「自己PRをしてください」と言われた時の答え方
  9. よくある質問
  10. まとめ
    1. 学長への無料相談はこちら
  11. 関連記事

大学入試の自己PRとは(求められる場面と、ほかの書類との違い)

大学入試の自己PR 要点
自己PRの中身
強みを1つ証明
強み・経験・大学での生かし方
求められる場面
書類・面接・動画
志望理由書の中で書くことも
書類の字数の例
250〜2,000字
東京農業大学・中央大学などの要項
面接の中の自己アピールの時間の例
2〜10分
面接は約20分(成蹊大学・國學院大學)

大学入試の自己PRは、自分の強みを1つ示し、その強みが表れた経験で裏付けて、大学での学びにどう生かすかまで伝えるものです。性格のよい点を並べるのではなく、大学で学ぶ人としてどんな力があるかを伝えます。

自己PRが求められる場面は、大きく4つに分かれます。

大学入試で自己PRが求められる4つの場面
場面形伝えること準備
出願書類の自己PR欄志望理由などと並ぶ欄。250字(東京農業大学)や500字(同志社大学 商学部)の例がある強み1つと、裏付けの経験指定の字数で書き切る
志望理由書の中独立した欄はなく、志望理由の一部として書く学びたいことにつながる自分の力きっかけの経験の中で、行動として示す
面接「自己PRをしてください」と聞かれて話す書類と同じ強みを、短く話し言葉で30秒と1分の2つの長さを用意する
自己アピール書・資料・動画A4数枚の書類、作品や活動の資料、動画強みと、それを示す活動や成果要項で形式と時間を確かめる

国の実施要項では、本人が書く資料と面接で評価する

文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」は、総合型選抜を「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等」を組み合わせる入試と定めています。能力・適性や学習への意欲、目的意識等を総合的に評価する方法です。そのうえで、志願者本人が書く資料を必ず評価に活用し、面接による評価を必ず行うとしています。

実施要項の本文に「自己PR」という書類の名前は出てきません。挙げられているのは、活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書などです。自己PRの欄や自己アピール書は、各大学がこうした本人の資料の一つとして求めているものです。実施要項は、総合型選抜と学校推薦型選抜では、本人が書く資料をプレゼンテーションなどで積極的に活用するとも書いています。

自己推薦書・志望理由書・長所との違い

多くは短い欄や短い時間で、強みを1つ示すのが自己PRです。経験を深く書いて人物像を示す長い書類が自己推薦書、と分けると、書き分けやすくなります。自己PRは、似た書類や質問と混ざりやすい言葉なので、違いを表にまとめます。

自己PR・自己推薦書・志望理由書・長所の違い
名前問われていること分量中心になる内容
自己PRあなたの強みは何か。大学でどう生かすか数百字の欄が中心。自己アピール書では1,000〜2,000字の例も強み1つ、裏付けの経験、大学での生かし方
自己推薦書あなたはどんな人物か数百字〜2,000字ほど強みと、それを示す経験を深く
志望理由書なぜこの大学・学部で学びたいか大学の指定によるきっかけ、学びたいこと、将来の目標
長所(面接の質問)あなたのよいところは何か面接で短く性格や行動のよい点と、それが表れた場面
自己推薦書と志望理由書の分担は、このサイトの自己推薦書・志望理由書の記事の整理による

長所は性格のよい点そのもの、自己PRはその力を大学でどう使うかまで含めたもの、と考えると区別できます。志望理由書の構成は志望理由書の書き方で説明しています。

大学の要項にある自己PR・自己アピールの例

「自己PR」の名前と分量は、大学・学部・方式ごとに違います。「自己アピール」「自己紹介書」と呼ぶ大学もあります。このサイトの大学別の記事で確かめた、2027年度入試(2027年4月入学)の要項の例です。

要項にある自己PR・自己アピールの書類の例
大学・方式書類分量・題
東京農業大学 総合型選抜 生物産業学部自己推薦書(志望した理由・自己PRの欄)志望した理由600字以内、自己PR250字以内
同志社大学 商学部(AO入試)自己紹介書の自己アピール欄500字以内。ほかに英語による自己PRの動画(3分間程度)
同志社大学 神学部(自己推薦)自己アピールを含む志望理由書2,000字以内
日本女子大学 総合型選抜・学校推薦型選抜(公募制)自己アピール1,000字前後。題は「今までに学校の内外で、主体性・多様性・協働性を意識して取り組んだこと」とそこから学んだこと
明治大学 農学部(自己推薦)自己PR書字数の記載なし(志望理由書・学科ごとの選考課題とあわせて出す)
明治学院大学 自己推薦AO入学試験 教育発達学科自己アピール書A4用紙2枚またはA3用紙1枚。パソコンは使用不可
中央大学 高大接続型自己推薦入学試験 人間総合理工学科自己アピール書類A4に2,000字以内が目安
慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部 AO入試志望理由・入学後の学習計画・自己アピール合わせて文章2000字以内と、A4で2枚以内の自由記述
龍谷大学 総合型選抜入試 心理学部エントリーシートの自己アピール志望理由、学修計画、心理学を活かしたい場面と合わせて2,000字程度
各大学の2027年度入試の要項(このサイトの大学別記事)による。出願前に、出願する年度の要項で確かめる
自己PR・自己アピールの書類の字数(要項の例)
東京農業大学 生物産業学部(以内)
250字
同志社大学 商学部(以内)
500字
日本女子大学(前後)
1,000字
中央大学 人間総合理工学科(目安)
2,000字
自己PR・自己アピールだけで字数が決まっている例。ほかの項目と合わせた字数の例は除いた

250字なら経験は1つの場面に絞り、2,000字なら経験の前後や、ほかの場面での表れ方まで書けます。長い書類は、自己推薦書と同じ考え方で組み立てます。

面接と動画で求められる例

面接・動画で自己PR・自己アピールを求める例
大学・方式場面要項の内容
國學院大學 公募制自己推薦(AO型)法学部 法律専攻・政治専攻面接20分程度。自己アピール5〜10分と質疑応答。エントリーシートに書いた「社会への関心」を中心に質疑
中央大学 高大接続型自己推薦入学試験 応用化学科面接20分程度。5分以内の自己アピールを含む
成蹊大学 総合型選抜(自己推薦型)経済学部発表審査約20分の個人面接の中に、2分間の自己アピールと質疑応答
帝京大学 総合型選抜(医学部を除く9学部)面接10分程度。志望理由と調査書等を参考に、自己アピールや志望動機などを質問
近畿大学 総合型選抜 情報学部動画出願時に自己PR動画(3分程度)
近畿大学 総合型選抜 法学部(A)動画英語による自己PR動画(5分間程度)
早稲田大学 創造理工学部 建築学科(早稲田建築AO入試)資料1次選考の合格者が、作品や活動を示す「自己PR資料」を持参する
各大学の2027年度入試の要項(このサイトの大学別記事)による

専修大学 ネットワーク情報学部や日本大学 スポーツ科学部のように、「自己アピール型」を方式の名前に使う大学もあります。

國學院大學の日本文学科は、志望理由書に学科での学びへの意欲を書くよう求めています。部活動など学びに直接関わらない自己アピールは、活動レポートに書く指定です。どの欄に何を書くかの指示がある時は、それに従います。

慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部は、自己アピールなどについて「生成AIによって生成されたものを受験生独自の成果物とはみなしません」と明記しています。

自己PRの書き方(強み・経験・大学での生かし方の3段)

自己PRは、強み、経験、大学での生かし方の3段で作ります。字数や時間が変わっても、この順番は変えません。短い時は経験を削り、長い時は経験の場面を詳しくします。

大学入試の自己PRを作る手順
1
経験を書き出す
部活動、委員会、アルバイト、家庭での役割、習い事、勉強の工夫などを、場面ごとに書き出す
2
強みを1つに絞る
複数の経験に共通する力を探し、一番説明できるものを1つ選ぶ
3
裏付けの経験を1つ選ぶ
自分で気づき、動き、何かが変わった場面を選ぶ
4
大学での生かし方を決める
アドミッション・ポリシーや授業の案内を読み、強みを使う場面を1つ決める
5
字数と時間に合わせる
書類は指定の字数に、面接は30秒と1分に整える
段書くこと避けたいこと
1. 強み「私の強みは、〜する力です」と1文で言い切る「明るい」「真面目」など、場面が浮かばない言葉だけで終える
2. 経験いつ、どこで、何に気づき、どう動き、何が変わったか結果や役職だけを書き、自分の考えと行動が見えない
3. 大学での生かし方学部で学ぶ内容のどこで、その力を使うか「貴学でも頑張りたい」で終える

大学での生かし方は、学部の学びと結びつけます。強みを使う場面は、アドミッション・ポリシーや授業の案内から探します。読み方はアドミッション・ポリシーとはで説明しています。

強みの言葉を、場面が浮かぶ言い方に直す

「協調性」「継続力」はよく使われる言葉ですが、そのままだと、どんな場面の力なのかが伝わりません。自分の経験に合わせて、何をする力なのかが分かる言い方に直します。

自己PRの強みの言葉を具体的にする例
よく使う言葉そのままだと直した言い方(例)
協調性誰にでも当てはまる意見の違う人の間で、決める順番を整える力
継続力・忍耐力何を続けたかが見えない決めた量を毎日記録し、記録を見て量を変えながら続ける力
傾聴力・共感力聞くだけで終わる印象になる相手の言葉の奥にある困りごとまで聞き取る力
リーダーシップ役職の話になりやすい役職がなくても、止まっている作業を自分から割り振る力
行動力思いつきで動く印象にもなる気づいたことを、その週のうちに試して確かめる力
責任感抽象的で比べにくい引き受けた仕事を、締め切りから逆算して最後まで終える力
探究心・好奇心興味の話で終わる疑問を、自分で測って確かめる方法に変える力
コミュニケーション能力範囲が広すぎる相手が分かったかを確かめながら伝える力
言い換えは説明のための例

エピソードがない、何もしていないと感じる時

大会の結果や役職がなくても、自己PRは書けます。続けてきたこと、失敗の後に変えたこと、自分で工夫したこと、人に頼られた場面を振り返ると、材料が見つかります。振り返り方は、自己推薦書の書き方の「書くことがない時の見つけ方」で説明しています。

志望理由書の中で自己PRをどう書くか

自己PRの欄がなく、志望理由書だけを出す大学もあります。志望理由書の書き方で説明しているように、志望理由書の中心は、きっかけと問い、学びたいこと、将来の目標です。自己PRを独立した段落にすると、志望理由の字数が減ってしまいます。

志望理由書の中では、強みを性格の説明として書かず、きっかけの経験の中で「自分で調べた」「人に話を聞いた」などの行動として示します。強みの言葉は1回出せば十分です。

様式自己PRの書き方
志望理由書だけきっかけの経験の中で、自分の行動として1〜2文で示す。独立した段落は作らない
自己PR欄と志望理由の欄が分かれている(東京農業大学 生物産業学部など)自己PRは「どんな力があるか」、志望理由は「なぜ学びたいか」と分け、同じ文を使わない
自己アピールを含む志望理由書(同志社大学 神学部など)書き方の指示が要項に無ければ、自己アピールと志望理由を段落で分けると読みやすい
学びに関わらない自己アピールは別の書類へ、と指定がある(國學院大學 日本文学科)部活動などの話は活動レポートに回し、志望理由書は学びへの意欲に絞る

活動の事実の記録は活動報告書に任せます。書き分けは活動報告書の書き方で説明しています。

書類の自己PRの例文(200字・400字)

書類の自己PR欄を想定した例文です。題材と大学名の部分は説明のための創作で、実在の受験生のものではありません。自分の経験に置き換え、出願する大学の学びに合わせて書き直してください。

200字の例文(経営学部・放送委員会)

例文|200字以内を想定(188字)

私の強みは、記録から傾向を見つけ、次の行動に変える力です。放送委員会で、昼の放送の聞かれ方を、クラスへのアンケートで半年間記録しました。曜日ごとに比べると、連絡は聞き流され、音楽はよく聞かれていると分かり、連絡を音楽の直前に移しました。次の調査では、連絡の内容を覚えている人が増えました。貴学経営学部ではデータ分析を学び、この力を販売の記録から客の動きを読む研究に生かします。

段書いたこと字数
強み強みを1文で言い切る29字
経験場面は1つ。自分で気づき、動いたことを書く115字
大学での生かし方学部の学びのどこで使うかで結ぶ44字

200字では、経験の場面を1つに絞り、自分で気づき、動いたことを中心にします。

400字の例文(社会学部・図書館の窓口ボランティア)

例文|400字以内を想定(378字)

私の強みは、相手の言葉の奥にある困りごとまで聞き取る力です。高校2年の春から、市立図書館の窓口で月に2回ボランティアをしています。ある日、高齢の男性が「この本は文字が小さくて読めない」と言い、借りずに帰ろうとしました。話を伺うと、読みたい本はあるのに、字の大きな本の探し方を知らないのだと分かりました。職員の方に相談し、大活字本の棚の場所と、取り寄せの頼み方を1枚の案内にまとめました。その男性も、次に来た時には大活字本を借りていきました。案内を窓口に置くと、大活字本を借りる利用者が少しずつ増えました。言葉だけで判断せず、背景を尋ねることの大切さを学びました。貴学社会学部では、聞き取り調査など、人の暮らしを調べる方法を学べます。この力を調査の方法として磨き、地域で暮らす高齢者が情報を得る時の不便を当事者の声から確かめ、解決策を探りたいと考えています。

段書いたこと字数
強み強みを1文で言い切る30字
経験相手の言葉、自分の行動、変わったこと、学んだことの順に書く。最も長い段251字
大学での生かし方学べることと、調べたいことを具体的に書く97字

400字では、相手の言葉、自分の行動、変わったこと、学んだことまで書けます。経験の段が最も長くなるように配分します。さらに長い字数の書き方は、自己推薦書の例文の字数別の例文を参考にしてください。

面接で話す自己PRの例文(30秒・1分)

面接の自己PRは、書類の自己PRと同じ強みを、話し言葉で短くしたものです。時間の指定がない場合に備え、30秒と1分の2つの長さを用意しておくと、質問の流れに合わせて使い分けられます。

30秒の例文(経済学部・新聞の要約)

回答例|「30秒で自己PRをしてください」(144字)

私の強みは、毎日続けた記録から、自分の変化に気づく力です。高校1年から、新聞の経済面の記事を毎日1本、3行に要約しています。1年分の要約を読み返すと、物価の記事に同じ言葉が繰り返し出てくると気づき、用語を調べるようになりました。貴学経済学部では、物価の動きを統計で追う方法を学びたいです。

1分の例文(教育学部・体育祭の練習の話し合い)

回答例|「1分程度で自己PRをしてください」(309字)

私の強みは、意見を言いにくい人の考えを引き出し、話し合いの決め方を整える力です。高校2年の体育祭で、クラス対抗の大縄跳びの練習を決める係になりました。初めの話し合いは運動の得意な数人だけで進み、練習を休む人が出ました。そこで、不安なことを全員が無記名で紙に書いて出す形を提案しました。紙を読むと、縄に入る時機がつかめず、迷惑をかけることを心配している人が多いと分かりました。入る合図の声を決め、苦手な人から少人数で練習する時間を作ると、休む人がいなくなりました。貴学教育学部では、子どもが自分の考えを言いやすい授業のつくり方を学びたいと考えています。クラスで試した方法を、学級の話し合いの進め方として学び直したいです。

この記事の自己PRの例文の字数
書類 200字の例
188字
書類 400字の例
378字
面接 30秒の例
144字
面接 1分の例
309字
話す速さは人によって違う。自分の声で読んで時間を計り、字数を調整する

話す速さは人によって違うので、原稿を声に出して読み、ストップウォッチで計ってから字数を調整します。

観点書類の自己PR面接の自己PR
文の長さ1文に情報をまとめてよい1文を短く切る。聞いてすぐ分かる長さにする
数字字数に余裕があれば入れる1つか2つに絞る。多いと聞き取れない
覚え方推敲して完成させる要点だけ覚え、その場の言葉で話す
書類との関係面接で読まれる前提で書く書類と同じ強みで、書ききれなかった場面を補う

学部系統別の自己PRの例文

学部系統ごとに、強みと大学での生かし方を変えた例文です。どれも250字以内の欄を想定しています。強みは、前の節の言い換えの考え方で、何をする力かが分かる言い方にしました。

学部系統別の自己PRの例文の一覧
学部系統題材強み
看護・医療系(看護学部)手話サークル相手が分かったかを確かめながら伝える力(コミュニケーション能力)
理工系(理学部 物理学科)天文部の観測疑問を、自分で測って確かめる方法に変える力(探究心)
法・政治系(法学部)ディベート部の準備対立する意見を論点ごとに分け、議論を進める力(協調性)
栄養・生活系(栄養学部)地域の料理教室の手伝い食べる人の反応を記録し、味の組み立てを一つずつ変えて確かめる力(観察力)
国際系(国際教養学部)姉妹校とのオンライン交流会言葉や習慣の違う人が話しやすい場をつくる力(リーダーシップ)
例文はすべて説明のための創作

看護・医療系(看護学部)の例文(手話サークル)

例文|250字以内を想定(233字)

私の強みは、相手が本当に分かったかを確かめながら伝える力です。中学1年から地域の手話サークルに通っています。高校2年の時、耳の聞こえない会員の方に予定を伝えた時、うなずいていたのに、集合場所が伝わっていなかったことがありました。それからは、伝えた後に要点を手話で言い直してもらい、伝わったかを確かめています。会員の方からは、確かめてもらえると安心だと言われるようになりました。貴学看護学部で学ぶ、患者や家族への説明の場面でも、この確かめ方を生かしたいと考えています。

理工系(理学部 物理学科)の例文(天文部の観測)

例文|250字以内を想定(225字)

私の強みは、疑問を、自分で測って確かめる方法に変える力です。天文部の観測で、同じ星が日によって暗く見える理由が気になりました。同じ星を30日撮影し、写真の明るさを数値にして、雲の量や月の位置と比べました。月が近い日ほど暗く写ると分かり、部の観測の予定を月の満ち欠けで組むようにしました。感覚ではなく数値で比べたので、部員にも理由を説明でき、納得してもらえました。貴学物理学科では測定の誤差の扱い方を学び、自分の確かめ方の精度を上げたいと考えています。

法・政治系(法学部)の例文(ディベート部の準備)

例文|250字以内を想定(231字)

私の強みは、対立する意見を論点ごとに分け、議論を前に進める力です。ディベート部で試合の準備の進行役を務めています。部員の意見がぶつかって準備が止まった時、主張を事実、根拠、価値の判断に分けて書き出しました。対立していたのは事実ではなく、何を重く見るかの違いだと分かり、話し合いが進みました。次の練習からは、話し合いの初めに論点を分けて書き出すことが、部の決まりになりました。貴学法学部では判例を読む授業を通して、この整理の仕方を、争点を見極める力に高めたいです。

栄養・生活系(栄養学部)の例文(地域の料理教室の手伝い)

例文|250字以内を想定(223字)

私の強みは、食べる人の反応を記録し、味の組み立てを一つずつ変えて確かめる力です。高校2年から、公民館の高齢者向け料理教室で調理を手伝っています。減塩の献立は「味がしない」と言われ、残す人が多くいました。講師の方と相談し、だし、酢、香味野菜と、変える点を一回に一つに絞り、残った量を毎回記録しました。酢を使った回が最も残りが少ないと分かり、献立に取り入れてもらいました。貴学栄養学部では食事指導の方法を学び、管理栄養士としてこの力を生かしたいです。

国際系(国際教養学部)の例文(姉妹校とのオンライン交流会)

例文|250字以内を想定(234字)

私の強みは、言葉や習慣の違う人が話しやすい場をつくる力です。高校2年で、海外の姉妹校とのオンライン交流会の司会を担当しました。初回は、相手の生徒がほとんど発言しませんでした。相手の先生に尋ねると、急に指名されることに慣れていないと分かりました。2回目からは話す順番と質問を事前に送り、相手の発言が増えました。交流会の後、相手の生徒から、話しやすかったという感想が届きました。貴学国際教養学部では異文化間のコミュニケーションを学び、多国籍の授業での協働に生かしたいです。

どの例文も、経験の段に、自分で気づいて変えたことと、その後に変わったことを入れています。

自己PRのNG例と直し方

伝わりにくい自己PRには、共通する形があります。よくある形と直し方を表にまとめました。

大学入試の自己PRのNG例と直し方
NGの形伝わらない理由直し方
長所の羅列どの長所にも裏付けがなく、印象に残らない強みを1つに絞り、それが表れた場面を書く
実績の自慢結果は分かるが、どう考えて動いたかが見えない。活動報告書と重なる実績は1文にとどめ、結果に至るまでの工夫を書く
志望理由と同じ話自己PRの欄と志望理由の欄が同じ内容になり、片方の欄が生きない自己PRは「どんな力があるか」、志望理由は「なぜ学びたいか」に分ける
抽象的な言葉だけ「コミュニケーション能力」は範囲が広く、場面が浮かばない相手と場面を決めて、何をする力かに言い換える
大学と結びつかないその力を大学でどう使うかが見えない最後の段で、学部の学びのどこで生かすかを書く
誇張や作り話面接で書類の内容を詳しく聞かれ、答えに詰まる自分の言葉で説明できる事実だけを書く

長所の羅列と実績の自慢を直す(例)

直す前|長所と実績を並べた自己PR(例)

私の長所は、几帳面で、粘り強く、誰とでも協力できることです。生徒会役員を務め、漢字検定2級も取得しました。この長所を生かして、貴学でも何事にも全力で頑張りたいと思います。

直した後|強みを1つに絞った自己PR(例)

私の強みは、引き受けた仕事を、締め切りから逆算して最後まで終える力です。修学旅行で班長を務めた時、初日は集合時刻に遅れる班員がいました。理由を聞くと、見学先の間の移動にかかる時間を誰も知りませんでした。そこで、前日の夜に翌日の移動時間を班で確かめ、集合の10分前に声をかけることにしました。2日目からは遅れがなくなりました。貴学の課題研究でも、計画を逆算して進める力を生かしたいと考えています。

直す前の例は、長所と実績が並ぶだけで、どれも裏付けがありません。直した後の例は、強みを1つに絞り、班長として遅れを減らした場面で示しています。役職や資格の実績は、活動報告書などの欄に書きます。

志望理由と同じ話を直す(例)

直す前|自己PRと志望理由が同じ話(例)

自己PR欄:私の強みは探究心です。地元の駅の駐輪場があふれていることに関心を持ち、貴学で都市の交通を学びたいと考えました。
志望理由の欄:駅の駐輪場の問題に関心を持ち、都市の交通を学ぶために貴学を志望します。

直した後|自己PRと志望理由を分けた書き方(例)

自己PR欄:私の強みは、疑問を自分で数えて確かめる力です。駅の駐輪場があふれる理由を知るため、朝の1時間に止まる自転車を2週間数え、雨の翌日に最も多いと分かりました。
志望理由の欄:駐輪場の不足は、駅までの道の安全や施設の配置の決め方とも関わると考え、都市の交通を総合的に学べる貴学を志望します。

直す前の例は、自己PRの欄が志望理由の繰り返しで、「探究心」がどんな力かも分かりません。直した後の例は、自己PRの欄に自分で数えて確かめた行動を、志望理由の欄に学びたい理由を書き分けています。

面接で「自己PRをしてください」と言われた時の答え方

大学入試の面接対策では、「自己PRをしてください」と聞かれたら、強みを1つ挙げ、裏付ける経験と、大学での生かし方を話すと整理しています。ここでは、聞かれ方ごとの答え方に絞って説明します。面接の質問全体と当日の流れは、面接の記事をご覧ください。

面接で自己PRを答える流れ
1
時間の指定を聞き取る
「1分で」「簡潔に」などの指定があれば、用意した長さを選ぶ
2
最初の一文で強みを言う
「私の強みは、〜する力です」と結論から話す
3
経験を1つ話す
場面、自分の行動、変わったことの順に。数字は1つか2つに絞る
4
大学での生かし方で結ぶ
学部で学ぶ内容と結びつけて終える
5
続く質問に備える
「なぜそうしたのか」「ほかの方法は」と聞かれても答えられるようにしておく
聞かれ方(例)答え方
「自己PRをしてください」(時間の指定なし)1分の原稿を基本にする。面接の時間が短い時は30秒の原稿にする
「30秒で自己PRをしてください」強み、経験の1文、大学での生かし方の3文で答える
「自己紹介と自己PRをしてください」名前と高校名を一言で伝え、残りを自己PRにあてる
「長所を教えてください」自己PRと同じ強みでよい。大学での生かし方より、表れた場面を中心にする
「書類の自己PRについて詳しく教えてください」書類に書いた場面の前後や、書ききれなかった工夫を話す
要項に数分以上の自己アピールの時間がある(國學院大學 法学部 法律専攻・政治専攻など)書類に書いた関心を軸に、時間に合わせた原稿を作り、時間を計って練習する

答えた後には、理由や具体例を重ねて聞かれることがあります。備え方は、面接の記事の「答えの後に続く質問」にまとめています。

自己PRを出す前・話す前に確かめること
強みを1文で言い切っている
強みの言葉が、何をする力か分かる言い方になっている
経験は1つで、自分の考えと行動が書かれている
最後に、学部の学びのどこで生かすかを書いている
志望理由の欄や志望理由書と、同じ文を使っていない
指定の字数や時間に収まっている
面接用に、30秒と1分の原稿を声に出して計った
書いた内容を、自分の言葉で詳しく説明できる

よくある質問

Q. 自己PRと長所の違いは何ですか?
A. 自己PRは、短い欄や短い時間で強みを1つ示し、経験で裏付けて、大学での学びにどう生かすかまで伝えるものです。長所は、性格や行動のよい点そのものです。面接で両方を聞かれた時は、同じ強みを使ってもかまいません。長所では表れた場面を、自己PRでは大学での生かし方を中心に話します。
Q. 大学入試の自己PRは何文字・何分で用意すればいいですか?
A. 書類は大学の指定が最優先です。要項の例では、東京農業大学 生物産業学部の自己PRが250字以内です。日本女子大学の自己アピールは1,000字前後で、大学によって大きく違います。面接は、時間の指定がない場合に備えて30秒と1分の2つを用意します。原稿を声に出して読み、時間を計って字数を調整します。
Q. 自己PRできるエピソードがない時は、どうすればいいですか?
A. 大会の結果や役職は必要ありません。続けてきたこと、失敗の後に変えたこと、自分で工夫したこと、人に頼られた場面を振り返ると、材料が見つかります。家族の手伝いやアルバイトでも、自分で気づいて動いた場面があれば、強みの裏付けになります。
Q. 志望理由書に自己PRを書いてもいいですか?
A. 志望理由書の中心は、志望の理由、学びたいこと、将来の目標です。自己PRを独立した段落にせず、きっかけの経験の中で、自分の行動として1〜2文で示します。同志社大学 神学部の「自己アピールを含む志望理由書」のように、要項に指示がある時はそれに従います。
Q. 中学の時のことを自己PRに書いてもいいですか?
A. 中心にするのは、高校での経験です。中学から続けていることは、高校でどう続け、何を変えたかまで書けば、自己PRの裏付けになります。國學院大學のように、活動レポートで振り返る期間を案内している大学もあるので、出願する方式の要項で確かめます。
Q. 自己PRの締め方(最後の文)はどう書けばいいですか?
A. 大学での生かし方で締めます。「貴学でも頑張りたいです」で終えると、どこの大学にも出せる文になります。学部で学ぶ内容の名前を出し、その学びのどの場面で強みを使うかを1文で書くと、自己PRが志望とつながります。

まとめ

大学入試の自己PRは、強みを1つ示し、それが表れた経験で裏付け、大学での学びにどう生かすかまで伝えるものです。書類の欄、志望理由書の中、面接、自己アピール書や動画と、求められる形は大学ごとに違うので、出願する方式の要項で名前と分量を確かめます。書類は指定の字数で、面接は30秒と1分の2つの長さで用意し、どちらも同じ強みで筋をそろえます。

東京修学館では、自己PRの強み選びから、書類の欄と面接の原稿づくりまでのご相談を、無料相談でお受けしています。長い自己推薦書は自己推薦書の書き方、志望理由書との書き分けは志望理由書の書き方、面接全体は大学入試の面接対策もあわせてご覧ください。

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