調査書とは|大学受験の記載内容・学習成績概評・使われ方と頼み方【学長監修】

調査書とは 受験の知識

最終更新: 2026-10-09 / 監修: 家近亮子(東京修学館 学長) / 出典: 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け通知)別紙様式1・調査書記入上の注意事項等について、各大学の2027年度入試の募集要項(大学別の記事に出典を記載)

調査書は、大学受験の出願で提出を求められる、高校が作る成績と学校生活の記録です。この記事では、文部科学省の実施要項にある様式と記入のきまりをもとに、調査書に何が書かれるかを整理します。学習成績概評(A〜E)の区分と、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜での使われ方も説明します。2027年度入試(2027年4月入学)の要項から、発行の条件や評定の基準の例も挙げます。頼み方と時期、既卒・高卒認定の人の扱いもまとめました。

調査書とは(誰が作り、何が書かれ、どこへ出すか)

大学受験の調査書とは 要点
作る人
高等学校長
原案は担任の先生など。校内の委員会の審議を経る
様式
全国共通
文部科学省の別紙様式1。A4の両面1枚
学習成績概評
A〜Eの5段階
Aは全体の学習成績の状況が5.0〜4.3
使う入試
3つの方式
一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第3・第5、別紙様式1、調査書記入上の注意事項等について

調査書は、在籍している(または卒業した)高校が作り、大学に出す書類です。文部科学省の実施要項は、大学が入学者選抜の資料として調査書の提出を求めるとしています。調査書は、高校が指導要録(学校が保管する生徒の学籍と成績の記録)に基づいて作ります。

作り方も決まっています。担任の先生などが原案を作り、関係する先生で組織した委員会の審議を経て、高等学校長が作成し、その責任で大学に提出します。個人的な主観にとらわれたり、特別な作為を加えたりしないように作ることも、記入上の注意事項に書かれています。

様式は、実施要項の別紙様式1として全国共通に決まっています。用紙はA4判で、表と裏の両面1枚です。上の段にある※印の欄は大学が使う欄で、高校は記入しません。

推薦書・志望理由書との違い

調査書と推薦書は、どちらも高校が作る書類ですが、中身と使われる入試が違います。依頼の仕方も分けて考えると混乱しません。推薦書の頼み方と例文は推薦書の依頼方法で説明しています。

調査書・推薦書・本人が書く書類の違い
書類作る人中身求められる入試頼み方
調査書高校(学校長の責任で作成)3年間の成績、探究・特別活動・出欠の記録など。様式は全国共通一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜(大学が提出を求める)高校の発行の手続きで申し込む
推薦書高校(学校長名)。大学によっては、本人をよく知る人の推薦書も別に求める大学のアドミッション・ポリシーに照らした学習歴・活動歴の評価学校推薦型選抜。総合型選抜は大学による担任の先生に相談し、資料を渡して依頼する
志望理由書・活動報告書本人なぜその大学で学びたいか、何をしてきたか総合型選抜で評価に使う自分で書く
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第3の1、第5の1、参考様式1。推薦書のくわしい扱いは推薦書の依頼方法の記事

紙の調査書と、電磁的記録による調査書

大学と高校が個別に合意した場合は、紙の代わりに、電磁的に記録した調査書を使えます。様式に書くべき事項をすべて記録したもので、実施要項が認めています。この場合、校長と記載責任者の押印は要りません。どの形で出すかは、志望校の要項と高校の案内で確かめます。

調査書は、受験生が自分で書く書類ではありません。受験生にできるのは、書かれる中身(成績や活動、出欠)を日々の学校生活で積み上げることと、発行の手続きを早めに済ませることです。総合型選抜の全体の仕組みは総合型選抜とはで説明しています。

調査書に書かれる内容(文部科学省の様式の9つの欄)

別紙様式1の表には成績、裏には学校生活の記録が並びます。欄には1から9の番号が付いています。それぞれの欄に何をどう書くかは、実施要項の「調査書記入上の注意事項等について」で決まっています。

調査書の記載項目と記入のきまり(令和9年度・2027年度入試の様式)
欄書かれること記入のきまり(注意事項の番号)
1.氏名・学校名など氏名、生年月日、性別、現住所、学校名、入学と卒業(見込み)の年月、課程・学科編入学・転入学は、その学年も書く(6)
2.各教科・科目等の学習の記録学年ごと・科目ごとの評定と、修得単位数の計評定は5、4、3、2、1の5段階(7(3))。最終学年の成績が決まっていない時は、直近の成績を総合して高校が判定した成績を書く(7(4))
3.各教科の学習成績の状況教科ごとの評定の平均と、全体の学習成績の状況(いわゆる評定平均)評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入(8)
4.学習成績概評全体の学習成績の状況によるA〜Eの段階と、段階ごとの人数(成績段階別人数)同じ学年の生徒全員の3か年の成績を区分する(9)
5.総合的な探究の時間の記録学習活動、学校が定めた評価の観点、評価(様式の欄)学習状況に顕著な事項があればその特徴を書くなど、どのような力が身に付いたかを端的に書く(10)
6.特別活動の記録様式のホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の欄への評価学校が設定した観点を書き、各活動・学校行事ごとに、十分に満足できる活動の状況なら○印(11)
7.指導上参考となる諸事項原則として学年ごとに、特徴・特技、学校外の活動、留学・休学の期間など要点を箇条書きするなど、必要最小限にとどめる(12)
8.備考単位制の課程や学習指導要領によらない特別な教育課程であること、最終学年の出欠がいつ時点のものかなど、注意事項で決められた事項書ききれない時は「別紙参照」として別紙を付ける(13・14)
9.出欠の記録学年ごとの出席しなければならない日数・欠席日数・出席日数など最終学年は直近の学期末の出欠を書き、その旨を備考に示す(14)
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 別紙様式1、調査書記入上の注意事項等について 6〜14。番号は様式の欄の番号、かっこ内は注意事項の番号

表:成績の欄(学習の記録・学習成績の状況・学習成績概評)

表には、高1からの全学年の評定が、科目ごとに並びます。そのうえで、教科ごとの平均(各教科の学習成績の状況)と、全科目の平均(全体の学習成績の状況)が書かれます。一般に「評定平均」と呼ばれるのは、全体の学習成績の状況のことです。

計算は、すべての評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入します。計算の例と間違えやすい点は評定平均の計算方法で説明しています。

裏:探究・特別活動・指導上参考となる諸事項・出欠

裏には、総合的な探究の時間の記録、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項、備考、出欠の記録が並びます。特別活動の欄には、様式にホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の欄があります。学校が設定した観点を書いたうえで、各活動・学校行事ごとに、十分に満足できる活動の状況なら○印を付けます。

指導上参考となる諸事項の欄は、原則として学年ごとに、要点を箇条書きするなど必要最小限に書くことになっています。複数の学年を通じて書くのが適当な時は、学年ごとに書かなくてもよいとされています。生徒の特徴・特技や学校外の活動は、指導要録に書かれた内容をもとに記入します。書くことが無い時は、その旨を明示します。留学していた人は期間と国名・学校名、休学した人は校長が許可した期間が書かれます。

出欠の記録は、令和9年度(2027年度入試)の調査書では、原則として授業日数と出席停止・忌引き等の日数を書きません。欠席日数がどう書かれ、どう見られるかは総合型選抜と欠席日数で説明しています。

2025年度入試から様式が見直された

調査書の様式は、2025年度入試(令和7年度)の実施要項で見直されました。文部科学省は、簡素化された新しい指導要録の参考様式に合わせた見直しだと説明しています。

項目2021年度入試(令和3年度)の様式2027年度入試(令和9年度)の様式
用紙A4判の両面。枚数は任意A4判の両面1枚
指導上参考となる諸事項「各教科・科目及び総合的な学習の時間の学習における特徴等」「行動の特徴、特技等」「部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等」「取得資格、検定等」「表彰・顕彰等の記録」「その他」の6つに分けて書く学年ごとの欄に、要点を箇条書きするなど必要最小限に書く

比較は、令和3年度と令和9年度の実施要項にある様式によります。見直しの時期は、文部科学省「令和7年度大学入学者選抜実施要項のポイント③」によります。

古い解説には、6つの小項目に分けて書く形の説明が残っていることがあります。読む時は、どの年度の様式の話かに気をつけてください。なお、この見直しでは、各教科・科目の観点別学習状況(知識・技能などの観点ごとの評価)の欄は、調査書に直ちには設けないとされました。

学習成績概評(A〜E)とは

学習成績概評は、全体の学習成績の状況(評定平均)を、A・B・C・D・Eの5段階に区分したものです。区分の数値は実施要項で全国共通に決まっています。成績概評と略して呼ばれることもあります。

学習成績概評全体の学習成績の状況(評定平均)要件の例(2027年度入試)
A5.0〜4.3東北大学 AO入試II期(全学部でA段階)
B4.2〜3.5名古屋大学 農学部 学校推薦型選抜(B以上)
C3.4〜2.7―
D2.6〜1.9―
E1.8以下―

評定平均は小数第1位までの値なので、境目の4.2と4.3で段階が分かれます。東京科学大学の看護学専攻の要件のように、「学習成績概評A(評定平均値4.3以上)」と数値を併記する要項もあります。

同じ欄には、成績段階別人数も書かれます。同じ学年の生徒全員の3か年の成績を区分し、「A○○人、B○○人…合計○○人」の形で段階ごとの人数を書きます。教育課程の類型や専門学科の科が分かれている時は、類型別・科別に区分します。大学は、その学年の中での成績の分布も合わせて見られる形です。

学習成績概評を出願要件にしている例は、国立大学の要項にあります。東北大学のAO入試II期は全学部でA段階、名古屋大学の学校推薦型選抜は文学部と医学部医学科がA段階、農学部がB以上です。お茶の水女子大学の新フンボルト入試は、A段階以上を「望ましい」としていて、出願の要件ではありません。大学ごとの条件は東北大学のAO入試や名古屋大学の学校推薦型選抜の記事で確かめられます。

入試方式ごとの調査書の使われ方

調査書は、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜のどれでも、出願書類として求められるのが基本です。ただし、評価の中での重みは方式で違います。実施要項は、それぞれの入試方法を次のように定めています。

選抜方式ごとの調査書の使われ方(2027年度入試の実施要項)
入試方式実施要項での位置づけ調査書の使われ方確かめる所
学校推薦型選抜出身高校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ評価・判定する(第3の1(3))評定平均や学習成績概評を推薦要件にする大学が多い。書類審査の中心になる募集要項の推薦要件。指定校推薦は高校の案内
総合型選抜詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接などで総合的に評価・判定する(第3の1(2))評定の基準を出願要件にする方式と、しない方式がある。基準が無くても書類審査の資料になる要項の出願資格と選考方法
一般選抜学力検査・小論文などを主な資料とし、調査書、面接、本人が書く資料などを組み合わせる(第3の1(1))出願書類として提出する。どう活用するかは大学が募集要項に明記する(第10の1(2))募集要項の調査書の扱い
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第3の1・第5の2・第10の1(2)。学校推薦型選抜の傾向は、このサイトの総合型選抜と学校推薦型選抜の違いの記事による

実施要項は、大学に、調査書の「各教科の学習成績の状況」だけでなく、ほかの記載事項も有効に活用するよう求めています。また、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位の修得や一定水準以上の評定を出願要件として求めることもできるとしています。全体の値だけでなく、教科を指定した基準があるのはこのためです。

総合型・学校推薦型では、調査書だけで判定しない

総合型選抜と学校推薦型選抜では、調査書などの出願書類だけで判定しません。小論文、面接、プレゼンテーション、教科・科目のテスト、資格・検定試験、大学入学共通テストなどの評価方法のうち少なくとも一つを使い、募集要項に書くと定められています(第3の1(2)③・(3)②)。調査書は評価の材料の一つで、ほかの書類や試験と組み合わせて見られます。

学校推薦型選抜と総合型選抜の違いは総合型選抜と学校推薦型選抜の違いで比べています。

評定の基準を出願要件にしている例

2027年度入試の要項から、全体の評定平均などの基準を出願要件にしている例を挙げます。次の例では、基準は3.2から4.3まで幅があります。基準の数値だけでなく、いつまでの成績で判断するか、教科の指定があるかも方式ごとに違います。

調査書の評定平均を出願要件にしている例(2027年度入試)
京都大学 特色入試(総合人間学部・教育学部)
4.3以上
慶應義塾大学 法学部 FIT入試B方式
4.0以上
早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試
4.0以上
早稲田大学 人間科学部 FACT選抜
3.9以上
早稲田大学 スポーツ科学部 総合型選抜III群
3.5以上
明治学院大学 消費情報環境法学科 AO(A)
3.2以上
各大学の2027年度入試の要項による(大学別の記事に出典を記載)。慶應義塾大学 FIT入試B方式は指定の各教科と全体がいずれも4.0以上。早稲田大学 FACT選抜は理科と国語の条件もある。数える期間も方式ごとに違うので、数値だけで比べることはできない

一方で、評定の基準を出願要件にしていない方式も多くあります。慶應義塾大学の法学部FIT入試A方式には、評定の条件がありません。帝京平成大学の要項は「調査書等の『全体の学習成績の状況』の基準はありません」と書いています。基準の無い方式は総合型選抜で評定がいらない大学一覧にまとめています。

書類審査の資料として見る例

基準が無い方式や、基準を満たしたうえでの選考でも、調査書は書類審査の資料になります。早稲田大学の社会科学部の全国自己推薦入試は、第一次選考(書類選考)で成績評価、活動記録、出席状況などを考慮するとしています。

東北大学のAO入試II期は、調査書作成上の注意で、出欠の記録の欄なども記入するよう高校に求めています。武蔵野大学の総合型選抜は、評定の基準を出願資格に書いていませんが、調査書を書類審査の対象にしています。

評定はいつまでの成績が入るか

最終学年の成績は、出願の時にはまだ決まっていないことがあります。実施要項の注意事項は、その場合、その学年の直近の成績を総合し、高校として判定した成績を書くとしています(7(4))。どこまでの成績で判断するかは、大学の要項にも書かれています。

評定の基準で判断する期間の例(2027年度入試)
大学・方式判断に使う成績の期間
早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試卒業見込みの人は1年1学期から3年1学期まで
早稲田大学 スポーツ科学部 総合型選抜III群卒業見込みの人は2年次末まで
明治学院大学 自己推薦AO入学試験三学期制なら第三学年一学期まで、二学期制なら第三学年前期まで
成蹊大学 総合型選抜3年次前期の成績が確定していない場合は2年次末までの成績で審査
各大学の2027年度入試の要項による(大学別の記事に出典を記載)

総合型選抜・学校推薦型選抜では、三学期制なら高3の1学期、二学期制なら前期までの成績が入ることが多く、2年次末までで判断する方式もあります。二学期制の前期は、出願の時期にまだ終わっていないことがあります。成蹊大学のように、その場合は2年次末までの成績で審査すると書く要項もあります。どこまでの成績が入るかは、高校と志望校の要項で確かめてください。評定を上げる方法は評定平均を上げる方法にまとめています。

調査書の頼み方と時期(発行の条件・通数・厳封)

調査書は、受験生が高校に発行を申し込み、高校が作成して渡す(または大学へ送る)ものです。申し込みの方法、手数料、発行までの日数は高校ごとに違います。担任の先生か、進路指導や事務の窓口で確かめてください。

大学受験の調査書を頼む手順
1
要項の提出書類を読む
調査書の発行日の条件、厳封の定め、提出方法を確かめる
2
必要な通数を数える
出願する大学・方式ごとに数える。初回の出願時だけでよい大学もある
3
高校の手続きで申し込む
申込みの方法・手数料・日数は高校で確かめる
4
封をしたまま受け取る
厳封された封筒は開けない
5
ほかの出願書類と一緒に送る
郵送の期限が必着か消印有効かを確かめる
大学の要項と高校の案内が優先。推薦書や志願者評価書など、高校が作るほかの書類も同時に頼むかを確かめる

要項で確かめる条件

調査書の条件は、大学の要項の「出願書類」の欄に書かれています。2027年度入試の要項には、次のような例があります。

要項にある調査書の条件の例(2027年度入試)
確かめること要項の例大学
発行(作成)の時期出願前3か月以内に発行されたもの(卒業見込みの人)神奈川大学
発行(作成)の時期出願締切日前3ヵ月以内に発行・厳封されたもの帝京平成大学
発行(作成)の時期出身学校長が2026年4月以降に作成し、厳封したもの一橋大学
封の扱い出身高等学校長が発行したもの。開封無効武蔵野大学
封の扱い厳封のまま提出成蹊大学
通数総合型選抜は初回の出願時だけ提出帝京平成大学
郵送の期限郵送が必要な書類は出願期間最終日の消印有効立命館大学
郵送の期限出願期間内必着(消印有効ではない)帝京平成大学
各大学の2027年度入試の要項による(大学別の記事に出典を記載)。条件は大学・方式・年度で違う

発行日に条件がある大学では、早く受け取りすぎると使えないことがあります。逆に、出願期間の直前に頼むと、高校の手続きが間に合わないことがあります。出願期間から逆算して、いつ申し込み、いつ受け取るかを高校と相談しておくと安心です。

厳封の封筒は開けない

調査書は、高校が封をした状態(厳封)で渡されることが多い書類です。武蔵野大学のように「開封無効」と書く大学もあります。中身を確かめたくても、封筒は開けずにそのまま出してください。誤って開けてしまった時は、自分で封をし直さず、高校に相談します。

いつ頼むか(出願の時期から逆算する)

調査書の準備と出願の時期(2027年度入試の場合)
高3の春〜
前年度の要項で調査書の条件の目安をつける
出願する年度の要項が出たら確かめ直す。発行日の条件の例:一橋大学は2026年4月以降に作成したもの
高3の1学期末(三学期制)/前期末(二学期制)
最終学年の欄に入る成績と出欠の区切り
直近の成績を総合して高校が判定する(注意事項7(4)・14)。二学期制の前期末は出願開始より後になることがある
出願期間の前
高校の手続きで発行を申し込む
手数料と日数は高校で確かめる
2026年9月1日以降
総合型選抜の出願
合格発表は11月1日以降(実施要項 第4の4)
2026年11月1日以降
学校推薦型選抜の出願
合格発表は12月1日以降(実施要項 第4の5)
2027年1月〜3月
一般選抜の試験
共通テスト本試験は1月16日・17日。大学の個別試験は2月1日から3月25日まで
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第4、調査書記入上の注意事項等について 7(4)・14、各大学の2027年度入試の要項による

募集要項の発表の時期は大学ごとに違います(実施要項は2026年12月15日までの発表を求めています)。前年度の要項で目安をつけ、出願する年度の要項が出たら確かめ直してください。総合型選抜で出願が9月に始まる大学を受ける人は、夏休みの前後に申し込みの時期が来ます。推薦書や志願者評価書も要る方式なら、調査書と同じ時期にまとめて相談すると、先生の負担も減らせます。

調査書を頼む前に確かめること
出願する大学・方式と、それぞれの出願期間を一覧にした
要項で、調査書の発行日の条件(出願前3か月以内など)を確かめた
厳封・開封無効の定めを確かめた
大学・方式ごとに必要な通数を数えた
推薦書・志願者評価書など、高校が作るほかの書類の有無を確かめた
高校の申込みの方法・手数料・発行までの日数を確かめた
郵送の期限が必着か消印有効かを確かめた

調査書で落ちることはあるか

調査書だけで合否が決まるとは言えません。一方で、調査書の中身が合否と無関係とも言えません。どう関わるかは、場面ごとに次の3つに分けて考えると整理できます。

場面調査書との関わりできること
出願資格評定平均・学習成績概評・欠席日数などの基準を満たさないと、出願できない要項の基準と、自分の数値を早めに照らし合わせる
書類審査調査書は、志望理由書や活動報告書などと合わせて評価の材料になる本人が書く書類で、学びたいことと取り組みを具体的に示す
面接など調査書や出願書類の中身が、質問のきっかけになることがある成績や活動について、事実と考えを説明できるようにしておく

出願資格の基準は、満たすか満たさないかがはっきりしています。基準に届かない方式には出願できないので、出願先を考え直すことになります。書類審査や面接での扱いは大学ごとに違い、配点や重みを公表していない大学もあります。

不利益に扱わないとされていること

実施要項には、次のような事情で受験生を不利益に扱わないよう、大学に求める定めがあります。

実施要項が大学に求めている配慮
事情実施要項の定め箇所
必履修科目の未履修未履修科目があることをもって、不利益に取り扱うことがないよう配慮する第5の2(3)
新型コロナウイルス感染症の影響出席日数、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項の記載が少ないこと等をもって、不利益に取り扱わない第5の2(4)
健康状況原則として入学者選抜の判定資料としない第13の2(1)
病気・事故などによる欠席出欠の状況を推薦要件や合否判定に使う時、本人に帰責されない身体・健康上の理由によるやむを得ない欠席を、本人の申し出や調査書の記載などで把握した場合は、不利益を被ることがないよう配慮する第13の2(1)
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」

自分に当てはまる事情がある時は、調査書にどう書かれるかを担任の先生に相談し、大学への申し出の方法を要項で確かめてください。

既卒・高卒認定・通信制の人の調査書

高校を卒業した人も、在籍していた高校に調査書の発行を申し込みます。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)の合格者は、調査書の代わりに成績証明書を出す形が実施要項で認められています。

立場ごとの調査書の扱い(実施要項と要項の例)
立場出す書類根拠・例
高校を卒業した人(既卒)卒業した高校が作る調査書。従前の様式でもよい実施要項 第5の3。東京女子大学の数学的思考力型は、既卒者は卒業年月日の記載が必要
卒業から年数がたった人指導要録の保存期間を過ぎた事項は、原則として調査書に書かなくてよい実施要項 第5の3(学籍の記録は卒業後20年、指導の記録は卒業後5年)
廃校・被災などで調査書が得られない人卒業証明書や成績通信簿など、大学が定める代わりの書類実施要項 第5の4(要項で周知することが望ましいとされる)
高卒認定の合格者合格成績証明書(調査書に代える)実施要項 第5の5(2)。武蔵野大学、神奈川工科大学など
出典:文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」 第5の3〜5、各大学の2027年度入試の要項

既卒の人が出願できるかどうかは、方式ごとに違います。東北大学のAO入試は、II期は高校3年生のための入試で、III期は学部によって既卒の人も出願できます。帝京平成大学の総合型選抜は、要項に「現役、既卒(浪人)、年齢の制限もありません」と書いています。武蔵野大学のⅠ期は、既卒の人や高卒認定の合格者も出願でき、入試Q&Aで審査での有利・不利は無いとしています。

卒業した高校に発行を頼む時は、高校のホームページなどで卒業生向けの申込み方法を確かめます。在校生より時間がかかることもあるので、早めに問い合わせてください。

通信制の高校に在籍している人は、調査書の書かれ方(出欠の記録の扱いなど)を高校に確かめ、志望校の要項で扱いを確認してください。用語の意味は総合型選抜の用語辞典でも調べられます。

よくある質問

Q. 調査書とは何ですか?何が書かれていますか?
A. 在籍する(または卒業した)高校が、指導要録をもとに作り、学校長の責任で大学に出す書類です。様式は文部科学省が全国共通で決めていて、A4の両面1枚です。表には各科目の評定、教科ごとと全体の学習成績の状況(評定平均)、学習成績概評が書かれます。裏には総合的な探究の時間の記録、特別活動の記録、指導上参考となる諸事項、備考、出欠の記録が書かれます。
Q. 学習成績概評(成績概評)とは何ですか?
A. 調査書の「4.学習成績概評」の欄に書かれる、全体の学習成績の状況(評定平均)の5段階の区分です。Aは5.0〜4.3、Bは4.2〜3.5、Cは3.4〜2.7、Dは2.6〜1.9、Eは1.8以下です。同じ欄には、同じ学年の生徒全員を段階ごとに数えた成績段階別人数も書かれます。要項では、東北大学のAO入試II期の「学習成績概評がA段階に属する者」のように、出願要件に使われます。
Q. 調査書はいつ、どうやって頼めばいいですか?何通必要ですか?
A. 高校の決まった手続きで、担任の先生や進路指導・事務の窓口に申し込みます。手数料と発行までの日数は高校ごとに違います。通数は出願する大学・方式ごとに数えますが、帝京平成大学の総合型選抜のように初回の出願時だけでよい大学もあります。発行日の条件(出願前3か月以内など)がある大学もあるので、要項で確かめてから、出願期間から逆算して頼んでください。
Q. 調査書の封筒を開けてしまったらどうなりますか?
A. 調査書は厳封して渡されることが多く、武蔵野大学のように「開封無効」と要項に書く大学もあります。開けてしまった時は、自分で封をし直さず、高校に相談してください。中身が気になる場合も、封筒は開けずにそのまま提出します。
Q. 調査書の成績が悪いと総合型選抜に落ちますか?
A. 調査書だけで合否が決まるとは言えません。総合型選抜は、調査書等の出願書類だけでなく、小論文や面接などの評価方法を組み合わせて判定することになっています。ただし、評定平均や学習成績概評を出願要件にしている方式では、基準に届かないと出願できません。基準の無い方式でも調査書は書類審査の資料になるので、志望校の要項で扱いを確かめてください。
Q. 浪人生や高卒認定の人も調査書は必要ですか?
A. 高校を卒業した人は、卒業した高校に調査書を頼みます。従前の様式の調査書も認められています。高等学校卒業程度認定試験の合格者は、合格成績証明書を調査書の代わりに出せると実施要項で定められています。既卒の人や高卒認定の合格者が出願できるかは方式ごとに違うので、要項の出願資格で確かめてください。

まとめ

調査書は、高校が指導要録をもとに作り、学校長の責任で大学に出す書類です。様式は全国共通で、成績(評定・全体の学習成績の状況・学習成績概評)、総合的な探究の時間、特別活動、指導上参考となる諸事項、出欠の記録が書かれます。学習成績概評はA(5.0〜4.3)からE(1.8以下)の5段階です。

学校推薦型選抜では調査書が主な資料になり、総合型選抜では評定を出願要件にする方式としない方式があります。総合型選抜・学校推薦型選抜では、高3の直近の成績までが調査書に入ります。どこまで入るかは高校と要項で確かめてください。志望校の要項で、評定の基準、発行日の条件、厳封、通数を確かめ、高校の手続きで早めに頼んでください。

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