「小論文の書き方が分からない」「作文と何が違う?」「合格する書き方は?」――小論文に苦手意識を持つ受験生・保護者のために、慶應義塾大学博士・敬愛大学特任名誉教授の家近亮子学長が、小論文の書き方を徹底解説します。構成・原稿用紙の使い方・頻出テーマ・添削ポイントまで、これ1記事で完結。
📑 この記事の目次
小論文とは何か(作文との違い)

小論文は「自分の意見を論理的に主張する文章」であり、作文とは目的が異なります。
| 項目 | 小論文 | 作文 |
|---|---|---|
| 目的 | 論理的に意見を主張 | 感想・体験を表現 |
| 構成 | 序論・本論・結論 | 自由 |
| 視点 | 客観的・論理的 | 主観的・感情的 |
| 評価軸 | 論理性・説得力・知識 | 表現力・感性 |
| 文体 | 常体(だ・である)が基本 | どちらでも |
合格する小論文の構成
基本構成:序論・本論・結論
- 序論(全体の20%):問題提起・自分の主張の予告
- 本論(全体の60〜70%):論拠・具体例・反論への配慮
- 結論(全体の10〜20%):主張の再確認・展望
600字の例
- 序論(120字):問題提起 + 自分の主張
- 本論①(180字):論拠1 + 具体例
- 本論②(180字):論拠2 + 具体例
- 結論(120字):主張の再確認 + 展望
800〜1,200字の例
- 序論(150字):問題提起 + 主張
- 本論①(300字):論拠1 + 具体例 + 反論への配慮
- 本論②(300字):論拠2 + 具体例
- 本論③(200字):別視点・補強
- 結論(150字):主張の再確認 + 社会的意義
原稿用紙の正しい使い方
- 1マスに1文字:句読点・促音・拗音も1マス(行末除く)
- 段落の最初は1マス空ける:必ず守る
- 句点(。)と読点(、)の位置:行末で文末になる場合、最後のマス内に文字と句点を一緒に入れる
- カギ括弧(「」):1マスに1記号
- 数字・アルファベット:縦書きは漢数字、横書きは1マスに2文字
- 感嘆符(!)疑問符(?):使用は控えめに(小論文では原則不要)
小論文の書き方 7ステップ
- ステップ1:問題文を3回読む 設問の意図と制約条件を正確に把握
- ステップ2:構想メモを作る 序論・本論・結論の骨子を5分で
- ステップ3:自分の主張を1文で 「私は○○と考える」を最初に明確化
- ステップ4:本論の論拠を2〜3個 具体例とセットで
- ステップ5:序論を書く 問題提起 + 主張予告
- ステップ6:本論を書く 論拠 + 具体例 + 反論への配慮
- ステップ7:結論を書く 主張の再確認 + 社会的意義
頻出テーマ別の対策法
社会・教育系テーマ
- 少子高齢化と社会保障
- 教育格差・学習機会の不平等
- AI・テクノロジーと雇用
- ジェンダー平等・多様性
- 気候変動と持続可能性
医療・看護系テーマ
- 安楽死・尊厳死
- チーム医療と多職種連携
- 在宅医療・地域医療
- パンデミック対応と公衆衛生
- 医療AI・遠隔医療
国際・経済系テーマ
- グローバル化と日本の役割
- 貧困・格差と国際協力
- SDGsと企業の社会的責任
- 日本経済と少子化
- デジタル化と労働
💡 対策のコツ:新聞の社説を毎日読み、200字で要約する訓練を週3回。テーマ別ノートを作って自分の意見ストックを増やす。
時間配分とリハーサル
60分・600字の場合の時間配分
- 構想(10分):問題分析・主張決定・骨子メモ
- 執筆(40分):序論〜結論を書く
- 見直し(10分):誤字脱字・論理性チェック
90分・1,200字の場合
- 構想(15分):問題分析・主張決定・骨子メモ
- 執筆(60分):序論〜結論を書く
- 見直し(15分):誤字脱字・論理性チェック
⚠️ 注意:時間配分は事前に何度もリハーサル。本番で初めての時間管理は危険。最低10回は通し練習する。
よくある失敗パターンと修正法
❌ 失敗1:感想文化
「私は〜と思う」が連続。客観的論拠が不足。
修正:「データによれば」「○○氏が指摘するように」など根拠を示す。
❌ 失敗2:論点ずれ
設問に答えていない。
修正:序論で設問を言い換えて主張を予告。
❌ 失敗3:論拠不足
主張だけで具体例なし。
修正:論拠ごとに「事例」「データ」「専門家の見解」を1つ以上。
❌ 失敗4:反論への無配慮
自分の主張を絶対視。
修正:「もちろん〜という見方もある」で反論に触れ、その上で自分の立場を述べる。
小論文 添削の10チェックポイント
- 設問に正確に答えているか
- 序論で問題提起と主張を予告しているか
- 本論の論拠が2つ以上あるか
- 各論拠に具体例・データがあるか
- 反論への配慮があるか
- 結論で主張を再確認しているか
- 一文が80字以内か
- 同じ表現の繰り返しはないか
- 段落の最初は1マス空けているか
- 誤字脱字・主述の不一致はないか
小論文 まとめ
小論文は「論理的思考力」を文章で表現する力を問います。テンプレートを丸暗記するのではなく、構成と書き方の原則を身につけ、自分の言葉で論理的に主張する訓練を積みましょう。
💡 家近学長アドバイス:小論文上達の最短ルートは「読む・書く・添削を受ける」の3点セット。新聞社説を週5本読み、週2本書き、信頼できる指導者に添削してもらいましょう。3ヶ月で見違えます。
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