「専門の学芸を教授研究し、専門性を身につけた教養人を育成する」という建学の精神のもと、リベラル・アーツ教育を重視する東京女子大学。杉並区善福寺の緑豊かなキャンパスで、少人数教育による質の高い学びを提供する伝統ある女子大学です。
東京女子大学では、一般選抜だけでなく、総合型選抜でも門戸を開いており、多様な個性と能力を持つ学生を積極的に受け入れています。特にリベラル・アーツ教育への理解と、主体的に学ぶ姿勢が重視されます。
本記事では、東京女子大学の総合型選抜について、各学科の特徴から具体的な対策まで、合格への道筋を徹底解説します。
東京女子大学の総合型選抜とは?
東京女子大学が求める人物像
東京女子大学は、キリスト教精神に基づき、リベラル・アーツ教育を通じて「専門性を身につけた教養人」を育成することを目指しています。
東京女子大学が求める学生の特徴
- 幅広い教養と専門性を身につける意欲
- 主体的に学び、考える姿勢
- 多様な価値観を尊重する柔軟性
- 他者と協働する力
- グローバルな視野
- 社会貢献への意欲
- 女性のリーダーシップへの意識
東京女子大学の総合型選抜の特徴
1. リベラル・アーツ教育への理解が重視される 東京女子大学独自の教育理念である「リベラル・アーツ教育」への共感と理解が求められます。
2. 少人数教育の環境を活かす意欲 小規模な女子大学ならではの、きめ細やかな教育環境で学ぶ意欲が評価されます。
3. 女性としての社会貢献への意識 女性が社会で活躍するための力を身につけ、貢献したいという意識が重要です。
4. 学科横断的な学びへの関心 専門分野だけでなく、幅広い学問領域に関心を持つ姿勢が評価されます。
5. 比較的アットホームな選考 大規模大学と比較して、受験生一人ひとりの個性や人間性を丁寧に見る選考が特徴です。
学部・学科別 東京女子大学総合型選抜の詳細
東京女子大学は現代教養学部の1学部制で、複数の学科で総合型選抜を実施しています。
現代教養学部の構成
東京女子大学の現代教養学部には、以下の学科があります。
人文学科
- 哲学専攻
- 日本文学専攻
- 歴史文化専攻
国際社会学科
- 国際関係専攻
- 経済学専攻
- 社会学専攻
- コミュニティ構想専攻
心理・コミュニケーション学科
- 心理学専攻
- コミュニケーション専攻
数理科学科
- 数学専攻
- 情報理学専攻
総合型選抜の種類
東京女子大学では、以下の総合型選抜を実施しています。
1. 自己推薦入試(全学科)
募集人員 各学科若干名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- 東京女子大学を第一志望とし、合格した場合は必ず入学する者(専願)
- 学業成績が優秀である者(全体の評定平均値3.8以上が目安)
- 課外活動、資格取得、社会活動などで顕著な実績がある者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:学科別試験(小論文、プレゼンテーション、口頭試問など)、面接
提出書類
- 志望理由書(1,200字程度)
- 自己推薦書(活動実績、資格など)
- 調査書
- 推薦書(任意)
- 活動実績を証明する資料(任意)
求める人物像
- 東京女子大学の教育理念への共感
- 志望学科への明確な関心と学習意欲
- 高校時代の顕著な実績や活動
- リーダーシップと社会貢献への意欲
- 主体的に学ぶ姿勢
2. AO入試(特定の学科)
対象学科 国際関係専攻、経済学専攻など
募集人員 各専攻若干名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- 当該専攻を第一志望とする者(専願)
- 英語能力が一定基準以上の者(英検準1級、TOEFL iBT 72以上など)
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:英語による面接、グループディスカッション、プレゼンテーション
特徴 グローバルな視野と高い英語力を持つ学生を対象とした選抜です。
3. 帰国生入試
募集人員 若干名
出願資格
- 保護者の海外勤務などにより、海外の学校に2年以上在籍した者
- 帰国後3年以内の者
選考方式 書類審査、小論文、面接
特徴 海外での学習経験や異文化体験を活かして学びたい学生を対象とした選抜です。
学科別・東京女子大学総合型選抜の詳細と対策
人文学科
哲学専攻
求める人物像
- 哲学、倫理学、美学への深い関心
- 論理的思考力と深い思索力
- 古典や哲学書を読む習慣
- 根源的な問いに向き合う姿勢
選考内容
- 小論文:哲学的なテーマについての論述
- 面接:志望理由、哲学への関心、読書経験など
合格のポイント
- 哲学書の読書経験(プラトン、カント、ニーチェなど)
- 「なぜ」を問い続ける思考習慣
- 論理的に考えを構築する力
- 抽象的な概念を言語化する能力
- 人生や社会の根本問題への関心
対策 哲学の入門書を複数読み、自分なりの哲学的問いを持つことが重要です。「正義とは何か」「幸福とは何か」といった問いについて、自分の考えを論理的に述べられるよう準備しましょう。
日本文学専攻
求める人物像
- 日本の文学、言語、文化への深い関心
- 豊富な読書経験
- 文章表現力
- 古典文学への興味
- 文学作品を深く読み解く力
選考内容
- 小論文:文学作品の読解と論述
- 面接:読書経験、文学への関心、研究テーマなど
合格のポイント
- 幅広いジャンルの読書経験(古典から現代まで)
- 文学作品の分析・批評能力
- 優れた文章表現力
- 日本語の美しさへの感性
- 文学研究への明確な関心
対策 日本文学の名作を数多く読み、作品について自分なりの解釈や批評を書く練習をしましょう。古典文学(源氏物語、枕草子など)の基礎知識も身につけておくと良いでしょう。
歴史文化専攻
求める人物像
- 日本史、世界史、文化史への深い関心
- 歴史的思考力
- 史料を読み解く力
- 文化や芸術への造詣
- フィールドワークへの意欲
選考内容
- 小論文:歴史的テーマについての論述
- 面接:歴史への関心、研究テーマ、フィールドワーク経験など
合格のポイント
- 歴史への深い知識と関心
- 史料や文献を批判的に読む力
- 博物館や史跡巡りの経験
- 文化財への関心
- 歴史研究への明確なテーマ
対策 興味のある時代や地域について深く調べ、自分なりの研究テーマを持つことが重要です。博物館や史跡を訪れ、実物に触れる経験も評価されます。
国際社会学科
国際関係専攻
求める人物像
- 国際関係、国際協力への強い関心
- グローバルな視野
- 高い英語力
- 異文化理解力
- 世界の諸問題への関心
選考内容
- 小論文:国際問題についての論述(日本語または英語)
- 面接:志望理由、国際関心、英語力など(一部英語による質問あり)
- プレゼンテーション(AO入試の場合)
合格のポイント
- 高い英語力(英検準1級以上が望ましい)
- 海外経験や国際交流の実績
- 国際問題への深い理解
- 模擬国連などの活動経験
- グローバルな視点での問題意識
対策 国際ニュースを日常的にフォローし、主要な国際問題について自分の意見を持つことが重要です。英語でのディスカッションやプレゼンテーションの練習も必須です。
経済学専攻
求める人物像
- 経済学への強い関心
- 論理的思考力と数学的素養
- 社会問題を経済的視点で考える力
- データ分析への興味
- 国際経済への関心
選考内容
- 小論文:経済問題についての論述
- 面接:経済への関心、数学的思考、時事問題など
合格のポイント
- 経済学の基礎知識
- 数学への抵抗感がないこと
- 経済ニュースへの関心
- データやグラフを読み解く力
- 論理的な思考と説明能力
対策 経済ニュースを日常的に読み、経済的な視点で社会問題を考える習慣をつけましょう。経済学の入門書を読んでおくことも推奨されます。
社会学専攻
求める人物像
- 社会現象や人間関係への深い関心
- 多様な価値観を理解する柔軟性
- フィールドワークへの意欲
- 批判的思考力
- 社会問題への関心
選考内容
- 小論文:社会問題についての論述
- 面接:社会への関心、研究テーマ、調査経験など
合格のポイント
- 社会問題への深い関心と問題意識
- ボランティアや地域活動の経験
- 多様な人々と関わった経験
- アンケート調査などの経験
- 社会現象を分析する視点
対策 身近な社会問題について、当事者へのインタビューやアンケート調査を行った経験があると強みになります。ジェンダー、格差、多文化共生などのテーマについて考えを深めましょう。
コミュニティ構想専攻
求める人物像
- 地域社会や都市問題への関心
- まちづくりへの興味
- フィールドワークへの意欲
- 人々と協働する力
- 社会デザインへの関心
選考内容
- 小論文:地域社会や都市問題についての論述
- 面接:地域活動経験、まちづくりへの関心など
合格のポイント
- 地域活動やボランティアの経験
- まちづくりへの明確な関心
- フィールドワークの経験
- 地域の課題を発見し解決する視点
- 多様な人々と協働した経験
対策 地域の課題について調査し、解決策を考えた経験があると評価されます。実際に地域活動に参加し、住民の方々と関わる経験を積みましょう。
心理・コミュニケーション学科
心理学専攻
求める人物像
- 人間の心への深い関心
- 科学的・客観的な思考力
- データ分析への興味
- 臨床心理学または実験心理学への関心
- 共感力とコミュニケーション能力
選考内容
- 小論文:心理学に関するテーマの論述
- 面接:心理学への関心、研究テーマ、読書経験など
合格のポイント
- 心理学への明確な関心(臨床か実験かの志向)
- 心理学の基礎知識
- 統計やデータ分析への抵抗感がないこと
- カウンセリングやピアサポートの経験
- 人間の行動や心理への観察眼
対策 心理学の入門書を読み、臨床心理学と実験心理学の違いを理解しておきましょう。心理学は科学であり、統計やデータ分析が重要であることを認識しておくことが大切です。
コミュニケーション専攻
求める人物像
- コミュニケーション現象への関心
- メディア・情報社会への興味
- 言語や表現への関心
- 多文化コミュニケーションへの興味
- 批判的思考力
選考内容
- 小論文:コミュニケーションやメディアに関する論述
- 面接:コミュニケーションへの関心、メディア体験など
合格のポイント
- メディア・リテラシー
- 多様なコミュニケーション経験
- SNSや情報社会への批判的視点
- 言語や文化の違いへの関心
- 表現活動の経験(演劇、放送など)
対策 メディアの影響力や情報社会の問題について、批判的に考える習慣をつけましょう。異文化コミュニケーションや非言語コミュニケーションなど、多様な視点を持つことが重要です。
数理科学科
数学専攻
求める人物像
- 数学への深い関心と探究心
- 論理的思考力
- 抽象的概念を理解する力
- 数学の美しさへの感性
- 粘り強く問題に取り組む姿勢
選考内容
- 数学の問題演習と口頭試問
- 小論文:数学に関するテーマ
- 面接:数学への関心、学習経験など
合格のポイント
- 高い数学力(数学III、数学Cまで学習済みが望ましい)
- 数学オリンピックなどのコンテスト経験
- 数学の自主的な学習経験
- 数学研究への明確な関心
- 論理的な思考と説明能力
対策 数学の問題演習を十分に行い、解法を論理的に説明できるよう練習しましょう。数学の美しさや面白さについて、自分の言葉で語れることも重要です。
情報理学専攻
求める人物像
- 情報科学への強い関心
- プログラミングへの興味
- 論理的思考力と数学的素養
- データサイエンスへの関心
- 問題解決への意欲
選考内容
- 数学・情報に関する問題演習
- 小論文:情報科学に関するテーマ
- 面接:情報への関心、プログラミング経験など
合格のポイント
- 数学と情報の基礎学力
- プログラミングの経験
- 情報系コンテストへの参加
- データ分析やAIへの関心
- 論理的思考力
対策 プログラミングの基礎を学び、簡単なプログラムを作成した経験があると評価されます。情報技術が社会に与える影響についても考えを深めましょう。
東京女子大学総合型選抜・志望理由書の書き方
東京女子大学の総合型選抜では、1,200字程度の志望理由書が求められます。
志望理由書の基本構成
1. 導入(200〜250字) その分野に興味を持ったきっかけを、具体的なエピソードとともに述べます。
2. 問題意識と学びたいこと(400〜500字)
- 現在持っている問題意識
- 高校時代の学習や活動で深まった関心
- 大学で学びたい具体的な内容
- 研究したいテーマ
3. 東京女子大学を選ぶ理由(350〜400字)
- リベラル・アーツ教育への共感
- 少人数教育の魅力
- 特定のゼミや教授への関心
- 女子大学で学ぶ意義
- キャンパスの雰囲気や環境
4. 将来のビジョン(200〜250字)
- 卒業後の進路イメージ
- 社会への貢献
- 女性としてのキャリア
東京女子大学ならではの志望理由書のポイント
ポイント1:リベラル・アーツへの理解 東京女子大学の教育の核であるリベラル・アーツ教育への理解と共感を示すことが重要です。
良い例: 「貴学のリベラル・アーツ教育では、専門分野を深めながら、幅広い教養を身につけることができます。私は心理学を専攻しながら、哲学や社会学の視点も取り入れることで、人間をより多角的に理解したいと考えています」
ポイント2:少人数教育の魅力 小規模な女子大学ならではの、きめ細やかな教育環境で学ぶ意欲を示しましょう。
良い例: 「貴学の少人数ゼミでは、教授と学生、学生同士が密に議論できる環境があります。私は高校時代の少人数ディスカッションで、深い学びを経験しました。貴学で、さらに高度な議論を通じて思考を深めたいです」
ポイント3:女子大学で学ぶ意義 女性のリーダーシップや、女性が活躍するための学びについて言及しましょう。
良い例: 「女子大学という環境は、女性がリーダーシップを発揮する機会に満ちています。私は生徒会活動で女性リーダーの難しさを実感しました。貴学で、女性が社会で活躍するための力を身につけたいです」
ポイント4:具体的な教授名やゼミ名 志望学科の教授の研究内容やゼミについて具体的に言及しましょう。
良い例: 「貴学の〇〇教授が研究されている『△△理論』に強く関心を持っています。××ゼミで、この理論を実践的に学び、卒業論文では□□というテーマで研究したいと考えています」
学科別・志望理由書の例
日本文学専攻の例(導入部分)
「高校1年の時、谷崎潤一郎の『細雪』を読み、日本語の美しさに魅了されました。四姉妹の繊細な心情が、季節の移ろいと共に描かれる文章に、言葉の持つ力を感じました。以来、近代文学を中心に50冊以上の作品を読み、文学作品が時代や社会をどう映し出すのかに関心を持つようになりました」
国際関係専攻の例(東京女子大学を選ぶ理由部分)
「貴学の国際関係専攻では、英語による授業が多く開講されており、グローバルな視点で学べます。特に△△教授の『国際協力論』のゼミでは、実際のNGOと連携したフィールドワークがあると伺いました。私は高校時代のフィリピンでのボランティア経験を理論的に深め、将来は国際協力の現場で働きたいと考えています。また、貴学のリベラル・アーツ教育により、国際関係だけでなく、文化人類学や開発経済学の視点も取り入れることで、多角的な理解を得たいです」
心理学専攻の例(将来のビジョン部分)
「貴学で臨床心理学を深く学び、公認心理師の資格を取得したいと考えています。将来は、学校や医療機関でカウンセラーとして、心の問題を抱える人々を支えたいです。女性ならではの共感力と、科学的な知識を兼ね備えた心理専門職を目指します」
東京女子大学総合型選抜・面接対策
東京女子大学の総合型選抜では、面接が重要な選考要素となります。アットホームな雰囲気の中、受験生の人間性や学ぶ意欲が丁寧に評価されます。
東京女子大学の面接で重視されるポイント
1. 東京女子大学への理解と共感 大学の教育理念、特にリベラル・アーツ教育への理解と共感が重要です。
2. 志望学科への明確な関心 なぜその学科で学びたいのか、何を研究したいのかが明確であることが求められます。
3. 主体的な学習姿勢 受け身ではなく、自ら学び、考える姿勢を持っていることが評価されます。
4. 誠実さと人間性 背伸びせず、誠実に自分の考えを述べる姿勢が大切です。
5. コミュニケーション能力 質問を正しく理解し、分かりやすく答える力が試されます。
東京女子大学の面接でよく聞かれる質問
基本的な質問
- 東京女子大学を志望した理由を教えてください
- なぜこの学科を選んだのですか
- リベラル・アーツ教育をどう理解していますか
- 女子大学を選んだ理由は何ですか
- オープンキャンパスに参加しましたか
学びに関する質問
- 大学で何を学びたいですか
- どのゼミに入りたいですか
- 卒業論文のテーマは考えていますか
- 興味のある授業はありますか
- 大学院進学は考えていますか
活動に関する質問
- 高校時代に最も力を入れたことは何ですか
- その活動から何を学びましたか
- 課外活動で得たものは何ですか
- リーダーシップを発揮した経験はありますか
読書・学習に関する質問
- 最近読んだ本で印象に残っているものは
- 志望分野に関連してどのような学習をしましたか
- 興味のある研究テーマについて教えてください
将来に関する質問
- 卒業後の進路はどう考えていますか
- 将来どのような仕事に就きたいですか
- 女性として社会でどう活躍したいですか
学科別の専門的な質問
日本文学専攻
- 好きな作家は誰ですか。その理由は
- 古典文学と近代文学、どちらに興味がありますか
- 最近読んだ文学作品について語ってください
国際関係専攻
- 関心のある国際問題は何ですか
- 英語でのコミュニケーションは得意ですか
- 海外経験について教えてください
心理学専攻
- 臨床心理学と実験心理学、どちらに興味がありますか
- 心理学を学んで何を研究したいですか
- カウンセリングの経験はありますか
経済学専攻
- 関心のある経済問題は何ですか
- 数学は得意ですか
- 経済学を学んで将来どう活かしたいですか
面接で差がつく回答のコツ
コツ1:東京女子大学の特色を具体的に語る
悪い例:「伝統ある女子大学で、優れた教育を受けられると思ったからです」
良い例:「貴学のリベラル・アーツ教育では、専門分野を深めながら、学科の枠を超えて幅広く学べます。私は心理学を専攻しながら、哲学や社会学の授業も履修し、人間を多角的に理解したいと考えています。また、少人数ゼミでは、教授や仲間と密に議論できる環境があり、深い学びができると感じました」
コツ2:女子大学で学ぶ意義を語る
悪い例:「女子だけの環境の方が落ち着くからです」
良い例:「女子大学では、あらゆる役職や活動で女性がリーダーシップを発揮します。私は高校の生徒会で、女性リーダーとしての難しさも経験しました。貴学で、女性が社会で活躍するための力を身につけ、ロールモデルとなる先輩方からも学びたいと考えています」
コツ3:具体的なエピソードで語る
悪い例:「読書が好きで、文学に興味があります」
良い例:「高校時代に年間100冊以上の本を読みました。特に印象的だったのは、夏目漱石の『こころ』です。『先生』の孤独と罪の意識が、明治という時代背景の中でどう形成されたのかを考察し、3,000字のレポートにまとめました。この経験から、文学作品を時代や社会と結びつけて読み解く面白さを知りました」
コツ4:研究テーマを具体的に語る
悪い例:「国際関係について幅広く学びたいです」
良い例:「私は『なぜ途上国の教育格差は解消されないのか』というテーマに関心があります。高校時代のフィリピンでのボランティアで、この問題を実感しました。貴学の△△教授の『開発と教育』のゼミで、教育経済学の視点から研究したいと考えています」
東京女子大学総合型選抜・合格者の体験談
体験談1:日本文学専攻合格 Lさん
合格の決め手 「私は高校時代、文芸部に所属し、短編小説を書いていました。また、年間150冊以上の本を読み、読書ノートをつけていました。志望理由書では、近代文学への関心と、特に女性作家の作品に魅力を感じることを書きました。
面接では、好きな作家について聞かれ、樋口一葉と林芙美子について熱く語りました。『なぜ女性作家に惹かれるのか』という質問に対して、『女性の視点で描かれる社会や人間関係に、共感と同時に新しい発見がある』と答えました。
東京女子大学の日本文学専攻は、女性文学研究が盛んで、〇〇教授の研究にも強く惹かれました。女子大学で女性文学を学ぶ意義を、面接でも志望理由書でも強調したことが評価されたと思います」
後輩へのアドバイス 「東京女子大学は、本当に学びたいという熱意を大切にしてくれる大学です。華々しい実績がなくても、真摯に学問に向き合う姿勢があれば評価されます。自分が何に興味を持ち、何を学びたいのかを、正直に、具体的に伝えることが大切です」
体験談2:国際関係専攻合格 Mさん
合格の決め手 「私は高校2年の夏に、3週間のカンボジアでのボランティアに参加しました。現地の小学校で教育支援を行う中で、『教育の機会がないことが、貧困の連鎖を生んでいる』と実感しました。帰国後、国際協力について独自に調べ、10冊以上の関連書籍を読みました。
志望理由書では、この経験を詳しく書き、『途上国の教育問題』というテーマで大学で研究したいという明確な目標を示しました。また、英検準1級を取得しており、英語力も評価されたと思います。
面接では、カンボジアでの経験について深く質問されました。『どんな課題を発見したか』『それをどう解決したいか』『国際協力とは何か』など、1時間近く議論しました。真剣に答える私の姿勢を評価してくださったようです」
後輩へのアドバイス 「国際関係専攻は、英語力だけでなく、国際問題への深い関心が重要です。ニュースを見るだけでなく、実際に行動した経験があると強いです。また、東京女子大学のリベラル・アーツ教育では、国際関係を多角的に学べることを理解し、それを志望理由に盛り込むと良いと思います」
体験談3:心理学専攻合格 Nさん
合格の決め手 「私は中学時代、不登校の友人を支えた経験から、心理学に興味を持ちました。高校では、『10代のストレスと対処法』というテーマで、同級生200人にアンケート調査を実施し、結果を分析してレポートにまとめました。この経験を志望理由書に詳しく書きました。
面接では、『なぜ心理学なのか』『臨床心理学と実験心理学、どちらに興味があるか』と聞かれました。私は『臨床心理学を学び、将来はスクールカウンセラーになりたい』と明確に答えました。また、『心理学は科学であり、統計やデータ分析も重要』という理解も示しました。
東京女子大学の心理学専攻は、少人数教育で一人ひとりに丁寧な指導があることが魅力でした。大規模大学では得られない、きめ細やかな学びができると感じ、それを面接でも伝えました」
後輩へのアドバイス 「心理学専攻を目指す人は、心理学の基礎を勉強しておくことが大切です。心理学は『人の心が読める』といったイメージがありますが、実際は科学的な研究です。そのギャップを理解し、それでも心理学を学びたいという意欲を示すことが重要だと思います」
東京女子大学総合型選抜に向けた準備スケジュール
高校2年生
春(4月〜6月)
- 自己分析:自分の興味・関心を探る
- 大学研究:東京女子大学の各学科を調べる
- 活動開始:興味のある分野での活動を始める
夏(7月〜9月)
- オープンキャンパスへの参加(必須)
- 読書習慣の確立
- 英語資格試験への挑戦
秋〜冬(10月〜3月)
- 活動の継続と深化
- 研究テーマの模索
- 基礎学力の維持
高校3年生
春(4月〜6月)
- 募集要項の確認
- 志望理由書の下書き開始
- 評定平均値の確認
夏(7月〜9月)
- 志望理由書の完成
- 自己推薦書の作成
- 推薦状の依頼
- 活動実績資料の整理
- 出願
秋(10月〜11月)
- 一次選考結果待ち
- 二次選考の準備(小論文、面接など)
- 小論文対策
- 面接練習
冬(11月〜12月)
- 二次選考
- 合格発表
- 入学手続き
東京女子大学総合型選抜・よくある質問
Q1. 評定平均値はどのくらい必要ですか?
A. 自己推薦入試では、全体の評定平均値3.8以上が一つの目安とされています。ただし、評定だけで合否が決まるわけではなく、活動実績や志望理由書、面接も重要です。
Q2. 英語資格はどのくらい必要ですか?
A. 国際関係専攻など、国際系の学科では英検準1級以上、TOEFL iBT 72以上があると有利です。その他の学科でも、英検2級以上があると評価されます。
Q3. 活動実績が少ないと合格できませんか?
A. 全国レベルの大きな実績がなくても合格は可能です。東京女子大学は、学ぶ意欲と誠実さを重視します。地道な読書や研究、地域での小さな活動でも、そこから得た学びを深く語れれば評価されます。
Q4. 共願は可能ですか?
A. 東京女子大学の総合型選抜は基本的に専願制(合格したら必ず入学)です。他大学との併願を考えている場合は、一般選抜を検討しましょう。
Q5. 倍率はどのくらいですか?
A. 学科により異なりますが、2〜4倍程度です。大規模大学と比較すると、比較的現実的な倍率と言えます。
Q6. 浪人生でも受験できますか?
A. 入試方式によって異なります。募集要項で「高等学校卒業後1年以内」などの条件が明記されている場合もあるため、必ず確認してください。
Q7. キリスト教徒でなければ不利ですか?
A. 全く不利ではありません。東京女子大学はキリスト教精神に基づく大学ですが、信仰の有無は合否に関係ありません。ただし、大学の理念や価値観を理解し、尊重する姿勢は必要です。
まとめ:東京女子大学総合型選抜合格への道
東京女子大学の総合型選抜は、明確な学びの目標と誠実な姿勢を持つ受験生にとって、大きなチャンスです。大規模大学にはない、アットホームで丁寧な教育環境が魅力です。
合格への5つの鍵
- リベラル・アーツ教育への理解 東京女子大学独自の教育理念を理解し、共感を示すことが重要です。
- 明確な学びの目標 志望学科で何を学びたいのか、どう研究したいのかを具体的に語れることが大切です。
- 読書習慣と思考力 豊富な読書経験と、それに基づく深い思考力が評価されます。
- 女子大学で学ぶ意義 女性のリーダーシップや、女性が活躍するための学びについて明確な考えを持ちましょう。
- 誠実さと人間性 背伸びせず、誠実に自分の考えを述べる姿勢が最も大切です。
東京女子大学は、「専門性を身につけた教養人」を育成することを目指しています。あなたがこの理念に共感し、真摯に学びたいという意欲を持っているのであれば、総合型選抜は最適な入試方式です。
善福寺の緑豊かなキャンパスで、充実した学生生活を送る自分を思い描きながら、準備を進めてください。
あなたの東京女子大学合格を心から応援しています!

