「学問の独立」を建学の精神とし、日本のトップ私立大学として君臨する早稲田大学。その自由な学風と多様性を重視する校風は、多くの受験生の憧れとなっています。
早稲田大学では、一般選抜だけでなく、総合型選抜(AO入試・推薦入試)でも幅広く門戸を開いており、学力試験だけでは測れない多様な才能と個性を持つ学生を積極的に受け入れています。特に政治経済学部のグローバル入試、国際教養学部のAO入試、スポーツ科学部の自己推薦入試などは、それぞれ独自の特色を持っています。
本記事では、早稲田大学の総合型選抜について、各学部の特徴から具体的な対策まで、合格への道筋を徹底解説します。
早稲田大学の総合型選抜とは?
早稲田大学が求める人物像
早稲田大学は、建学の精神「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」に基づき、多様な個性と高い志を持つ人材を求めています。
早稲田大学が求める学生の特徴
- 明確な目的意識と強い学習意欲
- 主体的に考え行動する力
- 多様性を尊重し、協働できる力
- グローバルな視野と語学力
- リーダーシップと社会貢献への意欲
- 高い倫理観と責任感
- 早稲田で学ぶ明確な理由
早稲田大学の総合型選抜の特徴
1. 学部ごとに大きく異なる選抜方式 早稲田大学では、各学部が独自の方針で総合型選抜を実施しており、求める人材像も選考内容も多様です。
2. 極めて高い難易度 早稲田ブランドへの人気から、総合型選抜でも倍率は非常に高く、最難関の一つです。
3. 高い基礎学力が必須 多くの学部で、大学入学共通テストや独自の学力試験が課され、一般選抜と同等かそれ以上の学力が求められます。
4. 特に語学力を重視 国際系学部を中心に、極めて高い英語力(TOEFL iBT 100以上など)が求められる学部もあります。
5. 明確な実績や能力の証明が必要 抽象的な意欲だけでなく、具体的な実績や能力を示す必要があります。
学部別・早稲田大学総合型選抜の詳細
早稲田大学では、多くの学部で総合型選抜を実施しています。主要な学部の選抜方式を詳しく見ていきましょう。
政治経済学部(グローバル入試)
早稲田の看板学部である政治経済学部のグローバル入試は、最難関の総合型選抜の一つです。
募集人員 約100名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- 以下のいずれかの英語資格を有する者
- TOEFL iBT 95以上
- IELTS 7.0以上
- 実用英語技能検定1級
選考方式
- 第一次選考:書類審査(志望理由書、成績証明書、英語資格など)
- 第二次選考:大学入学共通テスト(数学、英語)、小論文(日英両言語)、面接
求める人物像
- 政治学、経済学、国際政治経済学への強い関心
- 極めて高い英語力
- グローバルな視野と問題意識
- 論理的思考力と表現力
- リーダーシップと社会貢献への意欲
提出書類
- 志望理由書(日本語2,000字、英語1,000語)
- 学業成績証明書
- 英語資格証明書
- 活動報告書(課外活動、社会活動など)
- 推薦状(任意)
合格のポイント
- TOEFL iBT 100以上、IELTS 7.5以上が目安(最低ラインは95、7.0だが実際はそれ以上が必要)
- 共通テストで高得点(数学・英語で各90%以上が目安)
- 国際問題への深い理解と独自の視点
- 模擬国連、国際ボランティアなどの実績
- 英語での論述・議論能力
難易度 最難関。倍率は約5〜8倍。英語力、学力、国際経験のすべてが高いレベルで求められます。
国際教養学部(AO入試・4月入学)
早稲田の国際系学部として人気の国際教養学部では、独自のAO入試を実施しています。
募集人員 約50名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- 以下のいずれかの英語資格を有する者
- TOEFL iBT 90以上
- IELTS 6.5以上
- 実用英語技能検定準1級以上
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:筆記試験(Critical Writing、英語で論述)、面接(英語)
求める人物像
- リベラル・アーツへの強い関心
- 高い英語力(授業がすべて英語のため)
- 多文化への理解と適応力
- 批判的思考力
- グローバルな視野
提出書類
- Application Form(英語)
- Personal Statement(英語、500〜700語)
- 学業成績証明書
- 英語資格証明書
- 推薦状2通
- Essay(英語、500語程度)
合格のポイント
- TOEFL iBT 100以上が実質的な目安
- 海外経験や国際交流の豊富な実績
- 英語での高度な論述能力
- 多様性への理解と適応力
- リベラル・アーツ教育への明確な理解
難易度 最難関。倍率は約4〜6倍。授業がすべて英語のため、ネイティブレベルの英語力が求められます。
スポーツ科学部(自己推薦入試・トップアスリート入試)
自己推薦入試
募集人員 約50名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- スポーツまたは健康科学分野で顕著な実績や強い関心を持つ者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文、面接、実技試験(該当者のみ)、大学入学共通テスト
求める人物像
- スポーツ科学への強い関心
- スポーツ実績または健康科学への関心
- 論理的思考力
- リーダーシップ
- 社会貢献への意欲
合格のポイント
- 全国レベルのスポーツ実績(インターハイ、国体など)
- スポーツ科学への明確な研究テーマ
- 共通テストで一定以上の得点
- スポーツと学問を両立する意欲
トップアスリート入試
出願資格
- オリンピック、世界選手権などの国際大会出場レベルの実績
- または全国大会優勝レベルの実績
選考方式 書類審査、面接、実技審査
合格のポイント
- 圧倒的なスポーツ実績
- 競技と学業の両立への強い意欲
- 早稲田で競技を続ける明確な理由
難易度 自己推薦入試は倍率約3〜5倍。トップアスリート入試は実績次第。
社会科学部(グローバル入試)
募集人員 約20名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- TOEFL iBT 80以上、またはIELTS 6.0以上の英語資格を有する者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文(日英両言語)、面接(一部英語)、大学入学共通テスト
求める人物像
- 社会科学(政治、経済、法律、社会学など)への幅広い関心
- グローバルな視野
- 学際的なアプローチへの意欲
- 論理的思考力
- 英語力
合格のポイント
- TOEFL iBT 90以上が実質的な目安
- 社会問題への深い関心と独自の視点
- 学際的な学びへの明確な動機
- 共通テストで高得点
- 国際経験や社会活動の実績
難易度 難関。倍率は約4〜6倍。
文化構想学部(JCulP入試)
募集人員 約30名
出願資格
- 高等学校卒業(見込み)者
- TOEFL iBT 80以上、またはIELTS 6.0以上の英語資格を有する者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文(英語)、面接(英語)
求める人物像
- 日本文化への強い関心
- 国際的な視点で日本を発信する意欲
- 高い英語力
- 文化人類学、比較文化への興味
- 創造性と表現力
合格のポイント
- TOEFL iBT 90以上が望ましい
- 日本文化に関する知識と理解
- 英語での論述・議論能力
- 国際交流や文化活動の経験
- 日本文化を国際的に発信する明確なビジョン
難易度 難関。倍率は約3〜5倍。
文学部(学校推薦型選抜)
募集人員 各専修若干名
出願資格
- 高等学校卒業見込み者
- 学校長の推薦を受けられる者
- 評定平均値が一定以上の者(専修により異なる)
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文、面接、大学入学共通テスト
求める人物像
- 人文科学分野への深い関心
- 優れた読解力と文章力
- 研究への意欲
- 論理的思考力
- 語学力(専修による)
合格のポイント
- 志望専修への明確な関心と研究テーマ
- 豊富な読書経験
- 語学力(外国文学系の場合は特に重要)
- 共通テストで高得点
- 文化活動や研究活動の実績
難易度 難関。倍率は専修により異なるが、3〜5倍程度。
教育学部(学校推薦型選抜)
募集人員 各学科・専攻若干名
出願資格
- 高等学校卒業見込み者
- 学校長の推薦を受けられる者
- 評定平均値が一定以上の者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文、面接、大学入学共通テスト
求める人物像
- 教育への強い関心と使命感
- 子どもや若者への理解
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- リーダーシップ
合格のポイント
- 教育への明確な志向
- 教育ボランティアや学習支援の経験
- 子どもと関わった具体的な経験
- 共通テストで高得点
- 教育問題への深い理解
難易度 難関。倍率は学科・専攻により異なるが、3〜4倍程度。
商学部(地域連携型入試)
募集人員 約10名
出願資格
- 指定された地域の高等学校卒業見込み者
- 地域貢献への強い意欲を持つ者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:小論文、面接、大学入学共通テスト
求める人物像
- ビジネスへの関心
- 地域貢献への強い意欲
- リーダーシップ
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
合格のポイント
- 地域での活動実績
- ビジネスへの明確な関心
- 地域活性化への具体的なビジョン
- 共通テストで高得点
- 商学への学習意欲
難易度 やや難関。倍率は約2〜3倍。
法学部(学校推薦型選抜)
募集人員 約20名
出願資格
- 高等学校卒業見込み者
- 学校長の推薦を受けられる者
- 評定平均値が一定以上の者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:論述試験、面接、大学入学共通テスト
求める人物像
- 法律学、政治学への強い関心
- 論理的思考力と問題解決能力
- 高い倫理観と正義感
- リーダーシップ
- 社会問題への関心
合格のポイント
- 法律・政治への明確な志向
- 生徒会活動や模擬裁判の経験
- 社会問題への深い理解
- 共通テストで高得点(特に国語、英語、社会)
- 論理的な思考と表現力
難易度 難関。倍率は約4〜6倍。
基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部(学校推薦型選抜)
募集人員 各学科若干名
出願資格
- 高等学校卒業見込み者
- 学校長の推薦を受けられる者
- 数学・理科の成績が優秀な者
選考方式
- 第一次選考:書類審査
- 第二次選考:口頭試問(数学・理科)、面接、大学入学共通テスト
求める人物像
- 科学技術への強い関心と探究心
- 数学・理科の優れた学力
- 研究への意欲
- 論理的思考力
- 創造性と独創性
合格のポイント
- 数学・理科の極めて高い学力
- 科学オリンピックやコンテストでの実績
- 課題研究での優れた成果
- 共通テストで高得点(特に数学・理科)
- 研究への明確な関心とテーマ
難易度 難関。倍率は学科により異なるが、3〜5倍程度。
早稲田大学総合型選抜の出願から合格までの流れ
一般的なスケジュール
6月〜7月
- 募集要項の確認
- 出願資格の確認(特に英語資格)
- 書類準備の開始
8月〜9月
- 出願書類の作成(志望理由書など)
- 英語資格試験の受験(最終チャンス)
- 推薦状の依頼
9月下旬〜10月上旬
- 出願(インターネット出願+書類郵送)
10月中旬〜11月上旬
- 第一次選考結果発表
11月中旬〜12月上旬
- 第二次選考(小論文、面接など)
12月中旬
- 第二次選考結果発表(または最終合格発表)
1月中旬
- 大学入学共通テスト受験(該当者)
2月上旬
- 最終合格発表(共通テストが必要な場合)
- 入学手続き
※学部により大きく異なりますので、必ず募集要項を確認してください。
早稲田大学総合型選抜・志望理由書の書き方
早稲田大学の総合型選抜では、極めて質の高い志望理由書が求められます。
志望理由書の基本構成(2,000字の場合)
1. 導入(300〜400字) その分野に興味を持ったきっかけを、印象的なエピソードとともに述べます。
2. 問題意識と活動実績(800〜1,000字) 高校時代に取り組んだ活動について、以下の流れで詳しく説明します。
- なぜその活動に取り組んだのか(動機)
- どのような活動をしたのか(内容)
- どんな困難があり、どう乗り越えたか(プロセス)
- 何を学び、どう成長したか(学び)
- その経験が志望分野とどう結びつくか
3. 早稲田大学で学びたいこと(600〜700字) 早稲田大学、そしてその学部でなければならない理由を具体的に述べます。
- 特定のゼミや教授の研究への関心
- カリキュラムやプログラムの魅力
- 早稲田の学風や伝統への共感
- 他大学にはない独自の魅力
4. 将来のビジョン(200〜300字) 大学での学びを通じて何を実現したいのか、社会にどう貢献したいのかを明確に述べます。
早稲田ならではの志望理由書のポイント
ポイント1:「学問の独立」への理解 早稲田の建学の精神である「学問の独立」に言及し、自由で多様な学びへの期待を示しましょう。
ポイント2:圧倒的な具体性 抽象的な表現は避け、固有名詞、数字、具体的なエピソードを豊富に盛り込みます。
ポイント3:グローバルな視点 多くの学部でグローバルな視野が求められます。国際的な視点での問題意識を示しましょう。
ポイント4:独自性と創造性 他の受験生と差別化できる、あなただけの視点や経験を前面に出しましょう。
ポイント5:早稲田でしかできないことを明確に 慶應や他の大学ではなく、早稲田でなければ実現できないことを具体的に示します。
学部別・志望理由書の例
政治経済学部グローバル入試の例(導入部分)
「高校2年の夏、国連本部でのModel UNに参加し、気候変動に関する決議案を議論しました。先進国と途上国の対立、経済成長と環境保護のジレンマ。この複雑な問題に対して、各国代表として議論する中で、『国際政治における経済の役割』という テーマに強く惹かれました。帰国後、私は気候変動と国際政治経済について独自に調査を開始し、20冊以上の関連書籍を読破しました」
国際教養学部AO入試の例(早稲田で学びたいこと部分、英語)
“Waseda’s School of International Liberal Studies offers a unique environment where I can pursue my passion for comparative cultural studies while developing a truly global perspective. I am particularly drawn to Professor Tanaka’s research on ‘Cross-Cultural Communication in the Digital Age.’ The interdisciplinary curriculum, taught entirely in English, will allow me to explore the intersection of anthropology, sociology, and media studies. Moreover, the diverse student body, with over 40% international students, provides an ideal setting for multicultural dialogue and learning.”
スポーツ科学部自己推薦入試の例(問題意識と活動実績部分)
「陸上競技で全国大会に出場する一方、私は『なぜ日本の短距離選手は世界で勝てないのか』という問いを持ち続けていました。欧米との体格差だけでは説明できない何かがあるはずだと考え、スポーツ科学の文献を読み漁りました。その結果、トレーニング方法、栄養学、メンタルトレーニングなど、多角的なアプローチの重要性を学びました。私は選手としての経験と科学的知識を融合させ、日本のスプリント競技のレベルアップに貢献したいと考えています」
早稲田大学総合型選抜・面接対策
早稲田大学の総合型選抜では、極めて高度な面接が行われます。
早稲田の面接で重視されるポイント
1. 志望動機の深さと一貫性 「なぜ早稲田なのか」を、具体的に、説得力を持って答えられることが最重要です。
2. 専門分野への深い理解 志望学部の学問分野について、相当な知識と理解を持っていることが求められます。
3. 論理的思考力と表現力 複雑な質問に対しても、論理的に筋道を立てて答える力が試されます。
4. グローバルな視野 多くの学部で、国際的な視点や問題意識が評価されます。
5. 早稲田らしさへの共感 早稲田の学風、文化、伝統への理解と共感が重要です。
早稲田の面接でよく聞かれる質問
基本的な質問
- 早稲田大学を志望した理由を教えてください
- なぜこの学部を選んだのですか
- 「学問の独立」という言葉をどう理解していますか
- 早稲田大学について知っていることを教えてください
- 他大学ではなく早稲田を選んだ理由は何ですか
活動に関する質問
- 高校時代に最も力を入れたことは何ですか
- その活動から何を学びましたか
- 困難をどう乗り越えましたか
- リーダーシップを発揮した経験を教えてください
- 失敗から学んだことは何ですか
学びに関する質問
- 大学で何を学びたいですか
- どのゼミに入りたいですか。なぜですか
- 卒業論文のテーマは考えていますか
- 大学院進学は考えていますか
- 卒業後の進路はどう考えていますか
専門分野に関する質問(学部別)
政治経済学部
- 最近関心を持った国際問題は何ですか
- 経済政策について、あなたの考えを述べてください
- 政治と経済の関係をどう考えますか
- グローバル化の功罪について論じてください
国際教養学部
- Why do you want to study at SILS?(英語で)
- What is your definition of liberal arts?(英語で)
- How would you contribute to our diverse community?(英語で)
スポーツ科学部
- あなたの競技とスポーツ科学をどう結びつけますか
- スポーツの社会的意義をどう考えますか
- 競技と学業の両立についてどう考えていますか
文学部
- 最近読んだ本で最も印象に残っているものは
- あなたの研究テーマについて詳しく説明してください
- その研究の意義は何ですか
法学部
- 最近の法律や裁判に関するニュースで関心を持ったものは
- 法律学と政治学の違いをどう理解していますか
- なぜ法学部で学びたいのですか
面接で差がつく回答のコツ
コツ1:早稲田の独自性を具体的に語る
悪い例:「早稲田は伝統ある大学で、優れた教育を受けられると思ったからです」
良い例:「早稲田の政治経済学部は、政治学と経済学を学際的に学べる日本で唯一の学部です。私は国際政治における経済の役割に関心があり、両分野を統合的に学べる環境が必須です。特に〇〇教授の『国際政治経済学』のゼミで、グローバル・ガバナンスと経済政策の関係を研究したいと考えています。また、早稲田の『学問の独立』という精神のもと、自由で多様な学びができることに強く惹かれました」
コツ2:グローバルな視点を示す
悪い例:「日本の経済について学びたいです」
良い例:「日本経済を理解するには、グローバルな視点が不可欠です。為替レート、国際貿易、外国投資など、国際経済との関係なしには語れません。私は高校時代の海外研修で、日本がグローバル経済の中でどう位置づけられているかを実感しました。早稲田で国際政治経済学を学び、日本経済をグローバルな文脈で理解したいです」
コツ3:具体的な数字と実績で語る
悪い例:「国際交流活動を頑張りました」
良い例:「3年間で5カ国、延べ200名の留学生と交流しました。特に印象的だったのは、インドネシアの学生と日本のアニメ文化について議論したことです。彼らの視点から見ると、日本文化は全く異なる意味を持っていました。この経験から、文化を相対的に見る視点の重要性を学び、比較文化論を深く学びたいと思うようになりました」
コツ4:英語での質問にも対応(国際系学部)
国際教養学部や政治経済学部グローバル入試では、面接の一部が英語で行われます。
質問例:”Tell me about your most significant achievement.”
良い答え:”My most significant achievement was organizing an international student exchange program at my high school. I coordinated with partner schools in three countries, managed a budget of 500,000 yen, and successfully brought 30 international students to Japan. This experience taught me the importance of cross-cultural communication and project management.”
早稲田大学総合型選抜・学部別の難易度と倍率
政治経済学部(グローバル入試)
倍率:約5〜8倍 難易度:最難関
極めて高い英語力、学力、国際経験のすべてが求められます。TOEFL iBT 100以上、共通テストで90%以上が実質的な目安です。
合格者の特徴
- 海外在住経験または長期留学経験
- 模擬国連での優秀な成績
- 国際ボランティアや国際プロジェクトの経験
- TOEFL iBT 105以上、IELTS 8.0以上
- 共通テストで95%以上
国際教養学部(AO入試)
倍率:約4〜6倍 難易度:最難関
授業がすべて英語のため、ネイティブレベルの英語力が必須です。
合格者の特徴
- 帰国生または長期留学経験者が多い
- TOEFL iBT 100〜110以上
- 英語での高度な論述・議論能力
- 多様なバックグラウンドと国際経験
- リベラル・アーツへの明確な理解
スポーツ科学部(自己推薦入試)
倍率:約3〜5倍 難易度:難関(ただし実績次第)
全国レベルのスポーツ実績が前提となります。
合格者の特徴
- インターハイ、国体などでの入賞経験
- 全国レベルの競技実績
- スポーツ科学への明確な関心
- 共通テストで一定以上の得点
- 競技と学業の両立への強い意欲
社会科学部(グローバル入試)
倍率:約4〜6倍 難易度:難関
学際的な学びへの明確な動機が求められます。
合格者の特徴
- TOEFL iBT 90〜100以上
- 社会科学への幅広い関心
- 国際経験や社会活動の実績
- 共通テストで85%以上
- 学際的アプローチへの理解
文学部・教育学部(学校推薦型選抜)
倍率:約3〜5倍 難易度:難関
専攻分野への深い理解と研究意欲が求められます。
合格者の特徴
- 専攻分野への明確な研究テーマ
- 豊富な読書経験
- 語学力(外国文学系の場合)
- 共通テストで85%以上
- 文化活動や研究活動の実績
理工学部(学校推薦型選抜)
倍率:約3〜5倍 難易度:難関
数学・理科の極めて高い学力が必須です。
合格者の特徴
- 数学・理科の卓越した学力
- 科学オリンピックやコンテストでの実績
- 課題研究での優れた成果
- 共通テストで90%以上(特に数学・理科)
- 研究への明確な関心
早稲田大学総合型選抜・合格者の体験談
体験談1:政治経済学部グローバル入試合格 Oさん
合格の決め手 「私は高校1年から3年間、毎年Model UNに参加し、最終年度にはベストデリゲート賞を受賞しました。この経験を通じて、国際政治における経済の役割に強く関心を持ちました。志望理由書では、Model UNでの具体的な経験と、そこから生まれた『グローバル・ガバナンスと経済政策』という研究テーマを詳しく書きました。
英語力はTOEFL iBT 108、IELTS 8.0を取得しました。面接では、国際問題について英語で議論する場面があり、気候変動対策における先進国と途上国の責任分担について、経済学的視点から意見を述べました。
共通テストでは数学99点、英語100点を取りました。早稲田の政経グローバル入試は最難関ですが、明確な問題意識と高い英語力、そして学力のすべてが求められます」
後輩へのアドバイス 「政経グローバル入試は、『グローバルな視点で政治経済を学びたい』という明確な動機が最も重要です。英語資格の最低ラインはTOEFL 95ですが、実際にはそれ以上が必要。また、共通テストで高得点を取ることも必須です。総合型選抜だからといって学力を疎かにできません」
体験談2:国際教養学部AO入試合格 Pさん
合格の決め手 「私は中学3年から高校2年まで、父の仕事でアメリカに住んでいました。帰国後、『日本とアメリカの架け橋になりたい』という思いを持ち、国際教養学部を志望しました。
Personal Statementでは、アメリカでの経験と、異文化の中で自分のアイデンティティについて考えたことを英語で書きました。Critical Writingの試験では、多文化主義に関する課題文を読み、自分の経験を交えて論じました。
面接はすべて英語で、『なぜSILSで学びたいのか』『あなたはどのようにキャンパスの多様性に貢献できるか』といった質問に答えました。TOEFL iBT 110を持っていましたが、英語力だけでなく、リベラル・アーツ教育への理解と、多様性への貢献を示すことが重要だと感じました」
後輩へのアドバイス 「SILSのAO入試は、帰国生や留学経験者が多いですが、国内生でも合格のチャンスはあります。重要なのは、英語力に加えて、『なぜリベラル・アーツなのか』『なぜ英語で学ぶのか』を明確に説明できることです。また、多様なバックグラウンドを持つ学生たちと共に学ぶ意欲を示すことも大切です」
体験談3:スポーツ科学部自己推薦入試合格 Qさん
合格の決め手 「私は陸上競技の400mハードルで、インターハイに3年連続出場し、最終年度には準決勝に進出しました。しかし、私が早稲田を志望したのは、単に競技を続けるためではなく、『スポーツ科学を学び、日本のハードル競技のレベルアップに貢献したい』という明確な目標があったからです。
志望理由書では、競技実績だけでなく、『なぜ日本のハードル選手は世界で勝てないのか』という問いを持ち、スポーツバイオメカニクスの文献を読んだことなどを書きました。
面接では、競技について深く聞かれましたが、それ以上に『スポーツ科学をどう学びたいか』『研究テーマは何か』といった学問的な質問が多かったです。私は『ハードリングの動作分析』というテーマを具体的に語り、早稲田で研究したいという意欲を示しました」
後輩へのアドバイス 「スポーツ科学部の自己推薦入試は、競技実績が重要ですが、それだけでは不十分です。『なぜスポーツ科学を学びたいのか』『競技経験と学問をどう結びつけるのか』を明確に説明できることが大切です。また、共通テストでもしっかり点数を取る必要があります」
早稲田大学総合型選抜に向けた準備スケジュール
高校1年生
春〜夏
- 自己分析と興味のある分野の探索
- 英語学習の本格化(TOEFL、IELTSを意識)
- 課外活動の選択と開始
秋〜冬
- 活動の継続
- 読書習慣の確立
- 英検2級〜準1級取得を目指す
高校2年生
春〜夏
- 早稲田各学部の研究
- オープンキャンパスへの参加
- 活動の深化
- 英検準1級〜TOEFL 80を目指す
秋〜冬
- 具体的な研究テーマの模索
- 活動実績の蓄積
- TOEFL 90以上を目指す(国際系学部志望の場合)
高校3年生
春(4月〜6月)
- 募集要項の詳細確認
- 志望理由書の下書き開始
- TOEFL・IELTSの最終受験
夏(7月〜9月)
- 志望理由書の完成
- 推薦状の依頼
- 活動実績資料の整理
- 出願
秋(10月〜11月)
- 一次選考結果待ち
- 二次選考の準備(小論文、面接、プレゼンテーションなど)
- 想定問答の作成
- 英語面接の練習(該当学部)
冬(12月〜2月)
- 二次選考
- 共通テスト受験(該当者)
- 最終合格発表
- 入学手続き
早稲田大学総合型選抜・よくある質問
Q1. 偏差値はどのくらい必要ですか?
A. 早稲田の総合型選抜でも、極めて高い基礎学力が求められます。目安として、偏差値65以上、できれば70以上が望ましいでしょう。共通テストでは85〜95%以上の得点が必要です。
Q2. TOEFL・IELTSはどのくらい必要ですか?
A. 学部により異なりますが、国際系学部ではTOEFL iBT 100以上、IELTS 7.5以上が実質的な目安です。最低ラインは各学部の募集要項に記載されていますが、合格者の平均はそれより高いと考えてください。
Q3. 帰国生でないと国際系学部は難しいですか?
A. 帰国生が多いのは事実ですが、国内生でも十分な英語力と国際経験があれば合格の可能性はあります。重要なのは英語力と国際的な視野です。
Q4. スポーツ実績がないとスポーツ科学部は受験できませんか?
A. 自己推薦入試では全国レベルの実績がほぼ必須です。ただし、健康科学への強い関心があれば、他の方式も検討できます。
Q5. 一般選抜との併願は可能ですか?
A. 総合型選抜で不合格の場合、一般選抜を受験することは可能です。ただし、合格した場合は入学が前提です(学部により異なるので要確認)。
Q6. 倍率はどのくらいですか?
A. 学部により異なりますが、3〜8倍程度です。人気学部は特に高倍率になります。
Q7. 浪人生でも受験できますか?
A. 学部・入試方式によって異なります。募集要項で確認が必須ですが、多くの場合、現役生または1浪まで受験可能です。
まとめ:早稲田大学総合型選抜合格への道
早稲田大学の総合型選抜は、日本で最も難関の総合型選抜の一つです。しかし、明確な目標、圧倒的な実績、そして早稲田で学ぶ強い意志があれば、決して手の届かない目標ではありません。
合格への7つの鍵
- 極めて高い英語力 国際系学部ではTOEFL iBT 100以上が実質的な最低ライン。早めに取り組みましょう。
- 圧倒的な学力 共通テストで85〜95%以上が必要。総合型選抜でも学力は必須です。
- 明確な問題意識と研究テーマ 「何を学びたいか」が具体的で説得力のあることが重要です。
- グローバルな視野 国際的な視点と経験が、多くの学部で評価されます。
- 具体的な実績 全国レベルのコンテスト、国際大会、研究活動など、目に見える成果が必要です。
- 早稲田への深い理解 「なぜ早稲田なのか」を、他大学と比較して具体的に説明できることが重要です。
- 圧倒的な準備 志望理由書、面接、小論文など、すべてにおいて最高レベルの準備が求められます。
早稲田大学は、「学問の独立」の精神のもと、自由で多様な学びを提供しています。あなたがこの精神に共感し、早稲田でしか実現できない学びを求めているのであれば、総合型選抜は大きなチャンスです。
早稲田で学ぶ夢を実現するために、今日から準備を始めましょう。
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